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ピーチ、国内LCCでは初めて「エアバス A320neo」発注
A320シリーズを13機発注。2020年に35機以上、将来は100機体制を目指す
2016年11月18日 19:18
- 2016年11月18日 発表
ピーチ(Peach Aviation)は11月18日、エアバス A320neo型機を10機、A320ceo型機を3機、合計13機を発注したことを発表した。エアバス A320neo型機を発注するのは、国内のLCCでは初めてとなる。
ピーチが発注したエアバス A320neo型機
契約期数:10機
納入時期:2019年度第1四半期に初号機を受領予定(以降約2年間で計10機を受領予定)
エンジン:未定
装備座席数:188席(予定)
ピーチが発注したエアバス A320ceo型機
契約期数:3機
納入時期:2018年度中にすべて受領予定
エンジン:CFM56-5B4
装備座席数:180席
エアバス A320neo型機の初号機は2019年夏までに受領予定で、既存の機材更新のほか、事業拡大に伴う新規導入機材として使用される。
A320neo型機は、新型エンジンと大型のウイングチップであるシャークレットといった翼端デバイスなどの最先端技術を採用。従来型機と比較して約15%改善し、CO2の排出量も削減されるなど優れた環境性能を有するという。現在ピーチが運航しているA320ceo型機18機は、2019年から順次A320neo型機に更新されていく。
ピーチは保有機を2020年には35機以上、将来的には100機を目指したい
ピーチとエアバス・ジャパンは同日、東京・六本木にあるグランドハイアット東京において記者会見を開き、購入契約の締結を発表した。
会見でピーチの代表取締役CEOである井上慎一氏は、日本のLCCとしては初めてエアバス A320neo型機を発注したこと。そしてA320neo型機はA320シリーズのなかでも最新鋭機であり、きわめて優れたコスト効率を備えている機材であることを紹介し、「今後ますます熾烈を極める日本、アジアの航空旅客市場において、経営の効率化を進めることは重要なことであり、A320neoはピーチにさらなる高い競争力をもたらすと考えております」と期待を寄せた。
ピーチは2012年3月に3機の機材で、国内2路線でスタートしたが、現在18機になったこと。11月1日~2日に就航した羽田/関空~上海線を含めて、国内線が14路線、国際線が12路線の、計26路線になったことを紹介し、「この事業規模展開のスピードは日本航空市場では最速でございます」とアピールした。そして現在の18機を2020年には35機以上に、そして将来的には100機体制を目指していくと話した。
また、関空、那覇空港に続いて、2017年度には仙台空港、2018年度には北海道の新千歳空港を拠点に加える予定で、「日本政府が掲げる2020年訪日旅客4000万人の実現、それを通じた地方創生への貢献を、A320シリーズで寄与していきたい」と抱負を述べた。
エアバス A320シリーズはピーチの成功に貢献すると確信している
エアバスのPresident and CEOであるファブリス・ ブレジエ氏は、「ピーチのA320シリーズの追加発注をうれしく思います。これにより日本のLCC市場で多く導入されているA320シリーズの支持がさらに強化されるでしょう。ピーチは日本・アジアで成功しているLCCですが、我々に信頼を寄せていただいていることに大変感謝しております。ピーチがエアバス製品を高く評価し、追加導入を決定したことを大変光栄に思います。A320シリーズはピーチのネットワーク拡大とさらなる成功に大きな貢献を果たしてくれると確信しています」と挨拶した。
また、ピーチが2012年の設立から短い期間に大きな成功を収めていることに触れ、「ピーチさまは先進的な事業展開をしています。それがなぜ可能だったかというと、LCCであると同時に、お客さまが求めるサービス、パフォーマンスに対応できるビジネスモデルを確立されたからです。私たちもご一緒できることを誇らしく思っています」とビジネスパートナーとしてのピーチへの信頼、期待を語った。
そして井上慎一氏とファブリス・ ブレジエ氏によって、エアバス A320neo型機10機、A320ceo型機3機についての購入契約を取り交わした。
契約締結後、井上慎一氏は報道陣からの質問に答えた。2012年のスタート時は機材はリース契約だったが、今回の13機は購入契約であると明言。これはピーチが順調に、健康的に成長していることの表われの一つだと話した。
ピーチが2012年のスタートから、事業規模を早いスピードで拡大していることについては、LCCが航空旅客市場に占める割合について、LCC先進国の欧州や米国ではLCCは30~40%、東南アジアでは50%というデータもあるが、日本を含めた東アジアでのLCCの割合は10%程度であることを紹介。東アジアには成長の余地がまだまだあり、そこを開拓するためにも、展開をより早く進めようと考えていると語った。ライバルはほかのLCCで、目の前のパイを奪い合っているのではなく、ピーチはこの潜在旅客を掘り起こしているのだと説明した。