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フィンエアー、欧州エアライン初のエアバス A350-900デリバリー式典をトゥールーズで実施
アジア路線拡充の意向、2016年にはヘルシンキ~福岡線も開設へ
(2015/10/8 16:41)
- 2015年10月7日(現地時間) 実施
フィンエアーはフランス時間の10月7日、仏トゥールーズにあるエアバス工場内のデリバリーセンターで「エアバス A350-900」型機のデリバリー式典を実施した。フィンエアーとして初めてのA350型機であり、ヨーロッパでA350を運用する初めての航空会社となる。
「A350 XWB」シリーズは、エアバスの最新中型長距離路線向け旅客機だ。「eXtra Wide Body」の名が示す広い客室や、機体の53%を複合素材としたことや、ロールスロイスの同機向けエンジン「トレント XWB」により燃料効率を約25%改善するなどが主な特徴。これまでカタール航空が4機、ベトナム航空が2機を運用しており、エアバスにとっては7機目の納入機となる。
フィンエアーは現在、A340-300を7機、A330-300を8機、A321(ER型含む)を11機、A320を10機、A319を9機の計45機を所有。フィンエアーが出資するFlybeブランドでエンブラエル機を用いてはいるものの、フィンエアー自体は保有機材をエアバス機で統一しており、ここに、やはり最新のエアバス機であるA350-900が加わることになる。2007年に11機を発注したのち、2014年にオプション契約だった8機について正式に購入契約を締結、計19機のA350-900型機を発注済みだ。今後の予定は、年内に初号機を含めて4機を受領し、2023年までに19機を順次受領。一方で現在運用中の4発ジェット機であるA340-300型機の退役を含め、機材の更新を進める。
客室はビジネスクラスが46席、プレミアムエコノミークラスとなる「エコノミーコンフォート」が43席、エコノミークラスが208席の計297席仕様。機内インターネットサービスもフィンエアーとしては初めて導入する。
7日に行なわれたデリバリー式典では、1923年創業のフィンエアーの歴史を紹介するムービーからスタート。A350-900型機の製造メーカーであるエアバス President and CEOのファブリス・ブレジエ氏、エンジンを提供するロールス・ロイス President, Civil Large Enginesのエリック・シュルツ氏が、それぞれ祝福と感謝の挨拶。
続いて、フィンエアー CEOのペッカ・バウラモ氏が挨拶し、「フィンエアー92年の歴史において新たな、そしてエキサイティングな記念の日。パイロット、CA(客室乗務員)、テクニカルサービス、マーケティングなど多くの従業員が長い時間を費やしてA350導入の準備を進めてきた。我々がヨーロッパ初のA350オペレータとなることをうれしく思う」と述べ、エアバスやロールス・ロイスの協力についても感謝を示した。
同氏は、「もっとも重要なのは、乗客が新しいレベルの快適さを得られること」であるとし、『unique Noric Experience』と名付けられた室内のライティングや機内エンターテイメント、機内インターネットサービスなどA350-900型機で提供する新サービスを紹介。
さらにA350で生み出されるネットワークについても言及し、「我々は2020年に向けてアジアへのトラフィックを倍にしようと計画しており、A350はその戦略の柱となるものだ」と説明。この場で日本の福岡空港、中国の広州空港とヘルシンキを結ぶ路線を開設することを発表した。日本への新たな路線となるヘルシンキ~福岡線は、成田、関空、中部に続く同社にとって国内4カ所目の就航地となり、週3便で2016年春より運航を行なう予定としている。
フィンエアーが受領したA350-900型機は、10月9日にヘルシンキ~オスロ(ノルウェー)、アムステルダム(オランダ)へヨーロッパツアーを実施。その後、11月21日からはヘルシンキ~上海線で利用することも紹介された。
エアバス、ロールス・ロイス、フィンエアーの各社からのお互いへのプレゼントが手渡されたあと、ブレイクダンスのパフォーマンスがスタート。最後は機体の前に移動してパフォーマンスを行ない、最後は「KIITOS」(フィンランド語で「ありがとう」)で締めた。
以下、今回フィンエアーが受領したA350-900型機の初号機(登録記号:OH-LWA)の外観を写真で紹介する。機内の様子は別記事でお伝えする予定だ。