【イベントレポート】

【JA2016】エアバスブースは客室の作りを確認できるA380型機&A350型機モデルプレーン

エアバス・ヘリコプターズの「H160」実物大模型に注目集まる

2016年10月12日~15日 開催

エアバス・グループのブース

 東京ビッグサイトで10月12日~15日に開催されている「2016年国際航空宇宙展(JA2016:Japan Aerospace 2016)」に出展しているエアバス・グループ(Airbus Group)は、エアバス・ヘリコプターズの最新機種「H160」の実物大模型を展示。注目を集めている。

 旅客機に関しては、エアバス A380-800型機とA350-900型機のモデルプレーンを展示。この一部が透明になっており、エアバスが提案する客室仕様の一例を感じ取れるものとなっている。

 エアバス A380-800型機はファーストクラスを持たず、アッパーデッキにビジネスクラスとプレミアムエコノミークラス、1階部分をエコノミークラスとした、多数の客室を持った仕様の客室。一方のエアバス A350-900型機はファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4クラス仕様の客室を紹介している。

 また、次世代機のエアバス A330neoへの採用が発表されている、快適な空間を提供する客室ブランド「Airspace」のコンセプトをVR体験できるコーナーも用意されている。

エアバス A380-800型機とA350-900型機の客室付きモデルプレーンを展示
A380型機はファーストクラスを持たず、1階をすべてエコノミークラスとした多座席タイプのレイアウトを展示
A350型機は4クラスの客室仕様を展示。併せて、A350型機にも適用される新たな客室コンセプト「Airspace」のVR体験コーナーも設置している
エアバス・ジャパン株式会社ならびにエアバス・ヘリコプターズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 ステファン・ジヌー氏

 会期初日の10月12日に報道関係者向けにスピーチを行なったエアバス・ジャパンならびにエアバス・ヘリコプターズ・ジャパン代表取締役社長のステファン・ジヌー氏は、旅客機部門について、「日本での存在感が高まっている」とコメント。

 日本のLCCの90%以上がエアバス A320型機を使用している一方で、日本全体の運航機数においては2016年時点で16%のシェアに留まっているが、JAL(日本航空)のA350型機、ANAのエアバス A321neo/A320neo型機、ANAホールディングスからのエアバス A380型機の受注があり、日本の航空会社に納入される機体の受注残の半数程度はエアバス機になっている。結果、2026年には日本国内における運航機数のシェアは30%程度程度となり、さらに長期的には50%を獲得できるとの見込みを示した。

 また、2017年1月から、エアバス・グループを構成する「エアバス」「エアバス・ヘリコプターズ」「エアバス・ディフェンス・アンド・スペース」の3社を統合し「エアバス」として活動を開始することにも触れ、今後のシナジー効果向上に期待した。

 このほか、2014年から日本でも本格的に活動を開始したエアバス・グループ・イノベーションズや、2016年に設置されたデジタルトランスフォーメーション部門が最先端技術の研究開発において日本の企業・研究機関・大学らとのパートナーシップ構築を目指しているが、その一つとして、2016年2月に開始した産総研(産業技術総合研究所)とのパートナーシップについてもブースでディスプレイ展示を行なっている。

 これは、エアバス・グループ、産総研、フランス国立科学研究センターが協力して、ヒューマノイドロボットの研究開発を行なうもので、産総研が持つHRP-2やHRP-4といったヒューマノイドロボットのプラットフォーム、全身制御の技術などを活用して、ヒューマノイドロボットによる航空機組み立て作業を実現することを目指している。苦しい姿勢での作業が求められる狭い空間での作業を置き換えることが期待されている。

一際大きな注目を集めていた「H160」の実物大模型
「ブルー・エッジ・ローター」と呼ばれる独特の形状のローター
コックピット
電気飛行機「E Fan 2.0」の紹介
2016年2月には日本の産総研と、エアバス・グループ、フランス国立科学研究センターがヒューマノイドロボットの研究開発で提携を発表した
ヒューマノイドロボットで人間の作業に困難を伴う部分の航空機組み立て作業を置き換えることを目指す