旅レポ

ベトナムの人気リゾート・ダナン、「ラグーナ・ランコー」で時を忘れるラグジュアリー体験(その1)

成田から約6時間のダナンのリゾートで極楽スパ

「バンヤンツリー・ランコー」

 ベトナムといえば、生春巻きやフォーなど定番の食の楽しみとともに刺繍に漆、精巧なカゴ細工で女子力高めのハンドメイドグッズが手に入ると人気の旅行先だ。ホーチミンやハノイなどの観光地をメインに訪れる人が多かった昨今だが、近年じわじわと注目度が上がり始め、旅行会社でもこぞってツアーを組み多くの旅行者が訪れ始めているのが中部のダナンエリア。ファミリーから熟年カップルまで、都会の喧騒を離れ、のどかな風景のなかでラグジュアリー体験ができるとファンを増やしている。このたびバンヤンツリー ホテル&リゾーツが、4泊5日でアジア最大級の複合リゾートへと進化中の「ラグーナ・ランコー」を訪問するプレスツアーを実施。その様子をレポートする。

 利用したのは、ベトナム航空のVN319便。成田国際空港第1ターミナルからダナン国際空港への直行便で毎日運航している。15時25分発で機体はエアバス A321型機。エコノミークラスの場合は、座席シート前の液晶モニタの設置はなく共有の小型モニタのため、本などを持っていくのがオススメ。16番搭乗口より乗り込むと離陸前に、蓮の香りのおしぼりを配布。そして定刻どおりにダナンへと出発した。なお、Webチェックイン済みだったためスムーズに手荷物を預けることができ、サービスとして「SKY PRIORITY」のゲートから荷物検査場へも入場できた。

成田国際空港第1ターミナルのベトナム航空のチェックインカウンターにて荷物をサクッと預け、「SKY PRIORITY」のゲートへ
今回搭乗するベトナム航空のVN319便。深いブルーで塗装された機体が美しい
15時25分発。16番搭乗口へ。エコノミークラスに個人用のモニタはなく、上部に共有モニタがあった
離陸前に配布された蓮の香りのおしぼり

 離陸から約1時間ほど経った頃に軽食のメニューが配布され、ドリンクのサービスがスタート。今回は「ベトナム緑茶」をチョイス。機内食は「洋食」または「和食」の2種類。今回選んだ「和食」は、山菜金平、つくね、紅白蒲鉾、ふき土佐煮、牛すき煮。そしてフルーツとパン、大福がセットとなっていた。なお、スナックは「Q・B・B NUTS おつまみミックス」が配布。共有モニタで上映中の映画「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を鑑賞しているとあっという間に約6時間。ベトナムのダナン国際空港へと到着した。

配布されたメニュー。日本語が併記されているので安心
和食バージョンの機内食
スナックの「Q・B・B NUTS おつまみミックス」

 ダナン国際空港へは現地時間19時45分に到着し、入国審査の先に「ANGSANA/LAGUNA LANG CO」のボードを持ったスタッフを発見。冷えたミネラルウォーターが渡され、無料の送迎車に乗り込み宿泊先へと約1時間かけて移動した。市内は約40km/hの速度制限があるため、比較的ゆっくり走行。高速道路へと入ると途中で約6kmの「ハイヴァントンネル」を通過。今回の滞在先でもあるランコー湾周辺へ近付いていく。

ダナン国際空港へ到着
「ANGSANA/LAGUNA LANG CO」のボードを持ったアオザイ姿のスタッフと送迎車を発見。名前を伝え乗車した。手渡されたミネラルウォーターは冷たかった

まさにリゾートに住む感覚、完全個室や一戸建てでのステイがかなう

 今回の旅で滞在するのはチャンメイ地区のランコー湾近くに位置する「ラグーナ・ランコー」。都市部から約1時間ほどの静かな漁村に位置し、2012年末から2013年の2月にかけてグランドオープンしたアジア最大級の複合リゾートエリアだ。全長3kmにもおよぶ海岸線を含む敷地内に現在「バンヤンツリー・ランコー」「アンサナ・ランコー」、2つのリゾートホテルを構えている。また、プロゴルファーのニック・ファルド氏が設計を手掛けた18ホールのゴルフ場もあり、世界中から訪れる観光客が絶えない人気のエリアへと成長中。今後もビーチ沿いの開発が予定されており、自然と共存しながらゆったりと過ごせる隠れ家的ラグジュアリーホテルとして注目を浴びている。

約3kmの海岸線。プライベートビーチ状態のため人の目を気にせず気ままに過ごせる

「バンヤンツリー・ランコー」は、18.7ヘクタールのエリアに点在する海側、山側49のヴィラと73の高台に位置するヴィラ(予定)が特徴。全室プライベートプール付きで「ビーチ・プール・ヴィラ」は目の前に広がる海と一体化しているような感覚に。そして「ラグーン・プール・ヴィラ」は、のどかな山側に位置し、池で戯れる鳥たちを眺めたり思い思いにのんびりしながら、景色を一人占めできる。レストランをはじめ、館内の施設ならびに客室は、大人のためのラグジュアリー空間を意識し、アースカラーでまとめられ落ち着いた内装。アオザイ姿のスタッフたちが笑顔でていねいに対応してくれ心地よさは抜群だ。

「バンヤンツリー・ランコー」のエントランス
ロビーへ向かう階段には、蓮のオブジェが飾られている
広々としたロビー。チェックインもゆったりと行なえる。アオザイ姿のスタッフも美しい。ロビーを出たところには、海岸線を望むテラスも
幻想的な雰囲気に包まれる夕暮れどきは写真撮影にぴったり

 メインの客室である「ビーチ・プール・ヴィラ」(約124m2)と「ラグーン・プール・ヴィラ」(約131m2)は世界遺産としても登録されているフエの伝統的なガーデンハウスを現代風にアレンジ。キングサイズのベッド1台がメインに据えられており、明るい自然光が入るたっぷりサイズのバスタブ、2台のシンク付きの洗面所のサイドにはクローゼットなどを完備。トイレは通常のもので温水洗浄便座ではない。

 一歩客室内に入ると、その重厚ながら落ち着いた雰囲気にまるでずっと住んでいるかのようなまったりとした心地よさが感じられる。窓枠やランプなどの細かい格子の装飾も美しい。こちらも同じくフエの城郭の窓からインスピレーションを受けたものだ。ウェルカムフルーツもふんだんに用意されており、旬の味覚を存分に味わうことも。なお、「ビーチ・プール・ヴィラ」と「ラグーン・プール・ヴィラ」は、テラスやゲストルーム内から見える景色が異なるが、部屋の作りはほぼ一緒だ。

「ビーチ・プール・ヴィラ」にはプライベートプールを完備。プールを抜けるとその先にはビーチが広がっており、そのまま泳ぎにいくこともできる
ヴィラの扉を開けるとキングサイズのベッドが目の前に。ハスの絵画もダイナミック
ベッドの奥には、バスルーム。シンクやクローゼット、トイレなどが揃う
アメニティ類は歯ブラシ類からブラシなど一通りがポーチにイン。バスローブやスリッパとデザインが統一されている。ビーチサンダルも備え付けのものがある
たっぷりのウェルカムフルーツ
「ラグーン・プール・ヴィラ」の入り口と、テラスから見た景色。こちらは波の音ではなく、鳥のさえずりや木々が風に揺れる音などが楽しめる。客室の作りはほぼ一緒だ

 なお、現在建設中の高台エリアに位置する73のヴィラにも注目したい。ここはまさに“リゾートに住む”を体現するエリアで、1~3のベッドルームにバスルーム。そしてデッキには海を臨むインフィニティプール。もちろんキッチンも完備。オーナーになった場合は、1年のうち60日間は自分で滞在し、そのほかの期間はリゾートを通しての貸し出しとなる。

一戸建ての「3ベッドルーム・シービュー・ヒル・プール・ヴィラ」も現在建設中。一部完成しており、宿泊可能。目の前に広がる絶景に思わず息を飲む
ベッドルームも充実しており、大所帯やファミリー向けの仕様
バスルームは海側に臨む形で設置。アメニティ類は先ほどのヴィラと同様
トイレも広々で清潔感があふれる
使い勝手のよさそうな大きめのキッチン。長期滞在の場合は、こちらで料理を楽しむこともできる

極楽スパで夢心地、静かに体を癒して力をよみがえらせる

「バンヤンツリー・ランコー」を訪れたのならば、必ず訪れたい場所が「バンヤンツリー・スパ」。落ち着いたアースカラーで統一された受付に入ると、水曜日はパンダナスを使ったハーブティーが運ばれてきた。お茶の効能について胃腸の調子を整えるなどの説明も受けながら、ハチミツを入れるかも聞かれるのでお好みで答えよう。なお、毎日異なるハーブティーを提供しており、木曜日も覗いてみたところ、オレンジとジンジャーを使った1杯となっていた。

「バンヤンツリー・スパ」のエントランス。中に入るとスタッフたちが出迎えくれる
本日のドリンクが提供される。水曜日はバンダナスを使ったハーブティー

 まずは、バリ式やスウェーデン式、タイ式などのマッサージの種類を選択。次にセラピストによるていねいなカウンセリングが行なわれる。肩や腰の痛みなどの気になる箇所を伝えると、自分の体の状態に合った施術を施してくれるのでしっかり伝えよう。今回体験したバリ式(240万ドン、約1万2000円、1万ドン=約50円換算)は60分+30分のリラクゼーションとリフレッシュメントを組み合わせた、ディープ・ティッシュ・マッサージ。体を温め、体内の循環を向上させる効果を持つスピリットオイルを贅沢に使用し、筋肉組織の層までしっかり圧をかけてくれるもの。血液循環をよくし、肩や腰の緊張を和らげてくれて心も体もリラックスできると一番人気だという。なお、圧の強さは“ミディアム”と“ストロング”のどちらかを選べるが、“ストロング”はかなり強め。“ミディアム”からスタートしてもの足りなかったら途中でリクエストする方がよい。

 ヒアリングが終わるといよいよトリートメントルームへ。歩いて移動となるが、その間担当とコミュニケーションを取りながら、細かいリクエストも伝えておくと施術がスムーズになる。今回はデイジー氏が担当してくれた。トリートメントルームは、プライバシーを保つための完全個室。更衣室には、ガウンなど一式が用意され、洗面所にはたくさんの花がちりばめられていた。

トリートメントルームはヴィラタイプの完全プライベート空間。担当セラピストのデイジー氏にリクエストをしながら歩いて移動
ガウンなどの着替え一式が揃う更衣室。貴重品入れやシャワーなども併設されている

 トリートメントルームはほんのり薄暗く、レモングラスの香りが漂う空間。着替えが終わるとバラの花びらが浮かんだぬるま湯と緑茶を使ったウェルカムフットマッサージからスタート。その後、セサミオイルを使った全身のマッサージで肌本来の明るさや体内の力を取り戻してくれる。メイクをした状態で施術が始まった場合でもフェイスマッサージの有無を途中で確認してくれるので、お願いしたいときは迷わず頼もう。なお、施術後はチップを渡すのも忘れずに。

 なお、施術後は胃腸の調子を整える温かなハーブティーとフルーツのヨーグルトがけを味わいながら、まどろむこともできる。心地よい時間が流れ、毎日でも通いたくなるクオリティの高さを実感できた。

トリートメントルーム内は、しっとりした雰囲気
フットマッサージ用ボウルにはバラの花が浮かべられていた。グリーンティーを使ったトリートメントも
施術が終わると温かなハーブティーとフルーツ&ヨーグルトでホッと一息。スパの入り口のソファーでまったりできる

シーフードやローカルメニューがたっぷり、ホテル内でベトナーミーズ・フードを満喫

 ホテル内には4つのレストランとバーを併設しており、見た目も味も美味しいフォトジェニックな1皿が揃っている。「ザ・ウォーターコート」は極上のベトナム料理が味わえると朝食から人気。ショーキッチンも併設されており、目の前で調理されたできたてのメニューが頬張れる。朝食ビュッフェでは、ガラス製のジャーに入ったフルーツサラダやシリアルなどキュートな1品から、バインミーやフォーなどをはじめその場で調理してくれるご当地グルメもふんだんに用意。揚げ春巻や名物のバケット、フルーツを使った特製ジャムなども揃っている。また、TWGの各種紅茶や食後のベトナムコーヒーも、優雅なリゾートの朝を演出してくれる。

レストラン「ザ・ウォーターコート」。木調の色彩でゆったりとした雰囲気の店内。ショーキッチンでは、フォーやバインミーなどのご当地グルメをその場で仕上げてくれる
ベトナムと言えば美味しいバケット。特製ジャムやコンフォートで召し上がれ
ジャー入りのおしゃれなシリアルもあった
朝からシャンパンが味わえるのも同ホテルの1つのウリだ
フォーとバインミー。ベトナムコーヒーで朝からベトナム料理づくし

 ランチタイムには、ビーチフロント・レストランの「アズーラ」がオススメ。オープンテラスなどで海風を感じながら、とれたてのシーフードメニューが味わえる。マグロをたっぷり使った「Preserved Tuna」(32万ドン、約1600円)や、「Spaghetti Cozze & Vongole」(30万ドン、約1500円)なども用意され、ベトナム料理以外が食べたくなったときにも重宝する。オープン・カウンターも併設され、調理する様子を見ながら料理が出てくるのを待つ楽しみも。

ビーチフロント・レストランの「アズーラ」。ブルーとホワイトを基調とした店構え
「Preserved Tuna」(32万ドン、約1600円)や、「Spaghetti Cozze & Vongole」(30万ドン、約1500円)などイタリアンが中心

 また、ナイトタイムにホッと一息バーでカクテルやビール、ドリンクが楽しみたいのならばライブラリーバーの「トゥクワン・レストラン」へ。ベトナムビールの「333」はもちろん、ベトナムコーヒーやチョコレートドリンク、スナックなども楽しめる。図書館という名前だけあり、店内はたくさんの書籍が並べられ、バケーションの夜を心ゆくまで楽しめる。

ライブラリーバーの「トゥクワン・レストラン」。ソファー席からカウンターまで、一人飲みから、一緒にリゾートで訪れた仲間と飲めたりと使い勝手がいい。赤を基調とした店内にはたくさんの書籍が並べられていた
ご当地ビールの「333」。「Cold Chocolate」(10万ドン、約500円)やベトナムの茶葉を使った紅茶などもある。スナックはわさび味のグリーンピースなど

 時間を忘れ、自然に囲まれた立地にたたずむ「バンヤンツリー・ランコー」。まさに大人の隠れ家的ホテルと言えるスタッフのホスピタリティと、贅沢なヴィラにスパ。そして抜群のおいしさを誇るメニューで、訪れたのならばきっと日々の疲れた体や気持ちがいい方向へとリセットできるはず。次回は、ファミリーにも人気の同エリアにある「アンサナ・ランコー」に関してお届けする。

Banyan Tree Lang Co バンヤンツリー・ランコー

宿泊料金:ラグーン・プール・ヴィラ 1室500ドル~(朝食、税金、サービス料込)
予約専用フリーダイヤル:0120-778-187
Webサイト:バンヤンツリー・ランコー

相川真由美

フリーライター/鉄鋼業やIT系やエンタメ関連の雑誌やWeb媒体の編集者を経て、フリーの記者として活動中。海外は一人旅がほとんど。趣味は世界のディズニーのパーク&リゾート巡り。最近は年間パスポート片手に日々舞浜通い。うなぎとチョコレートが好物で、旅の基本は“出されたものは全部食べる”。激辛とうがらしから謎の木の実まで挑戦するのがモットー。