旅レポ
春のちょい旅におすすめ♪ 蔵の街・栃木で「うずまの鯉のぼり」満喫トリップ
2017年4月12日 00:00
ゴールデンウィークが間近に迫って、お出かけの予定を立てるのが楽しい季節になりました。そこで私が先日遊びに行ってきた関東近郊のおすすめスポットをご紹介します。旅のお供は春休みを利用して東京に遊びにきた甥っ子。鉄道が大好きで「ふだんなかなか乗る機会がない東武鉄道に乗りたい」というリクエストで東武線に乗って北上することにしたのでした。
降り立ったのは栃木駅。県南部に位置する栃木市は東京から特急利用で約1時間というアクセスのよさで、気軽な日帰り旅行にぴったり。そして駅からちょっと歩くだけで黒塀や土蔵が立ち並ぶ江戸情緒たっぷりのエリアがあるんです。今回はこの蔵の街・栃木のご紹介です。
栃木は市内を流れる巴波川(うずまがわ)の舟運によって開けた街。昔はここから木材やお米などを一昼夜かけて江戸の木場まで運んだのだそう。栃木市観光協会のツイッターによるとこの巴波川では2017年5月8日まで、川の上をたくさんの鯉のぼりが泳ぐ「うずまの鯉のぼり」を開催中です。“イイコイ”とかけてその数なんと1151匹! 色とりどりの鯉のぼりが風になびくこの光景は、栃木の春の風物詩となっているそうですよ。
この巴波川沿いにあるのが「蔵の街遊覧船乗り場」です。甥っ子が「楽しそう! 乗ってみたい!」というのでチケット売り場へ。通常の乗船料は700円(大人)なのですが、プラス300円で「1週間前に完成したばかり」という屋形船タイプの舟に乗ることができるといわれ、せっかくなので奮発することにしました。
蔵の街遊覧船では、船頭さんの「船が出るぞ~!」という合図に合わせて、乗船客全員で手を挙げて「オー!」というかけ声を出すのがお約束。間もなく船がゆっくりと進み出します。遊歩道から眺めていたときと違って、コイやカモが泳ぐ水面が近くて新鮮! そしてたくさんの鯉のぼりが頭上に泳いでいるというのがまた格別なのです。
目を引く黒い建造物は塚田歴史伝説館です。江戸後期に廻船問屋としてこの地で名を馳せた豪商塚田家の蔵を利用して、現在は歴史博物館になっています。全長120mにもなる立派な黒塀のある風景は栃木の代表的な景観で、数々の歴史ドラマや映画のロケ地としても使われているようです。
乗船中は船頭さんがこの辺りの歴史について話しながら漕いでくれるので、飽きることはありません。コイやカモの餌やりに夢中の甥っ子に「ここには1mくらいになる大きなコイがいて、鯉太郎という名前がついているんだよ」と教えてくださいました。
最後は船頭さんの歌う栃木河岸船頭唄に耳を傾けます。「ハーアー ヨイサー コラショ♪」と合いの手を入れながら船着き場に戻ってます。江戸情緒たっぷりの景色を見ながら歴史も学べて、コイやカモに餌もあげられて、思っていた以上に楽しめた蔵の街遊覧船でした。
栃木名物「夕顔ラーメン」をご存知でしょうか? 夕顔の実を細長く削って干して作られるのがお寿司などで使う“かんぴょう”。栃木はこの“かんぴょう”の一大生産地で、「夕顔ラーメン」というのは夕顔の実の粉を麺に練り込んで作られたもの。喉越しのよい、つるつるシコシコとした食感になるのだとか。今回お昼を食べた、地元でも評判の中華店「長栄軒」の麺は、すべてこの夕顔麺を使っているのだそうです。たしかに麺が美味しかった!
図らずも栃木名物を食べることができた「長栄軒」をあとにして、再び蔵の街遊覧船乗り場まで戻ると、一人の船頭さんが「お帰り! 乗船券は1日有効だから何度でも乗っていいんだよ」と声をかけてくれました。なんと1日乗り放題なのだとか。太っ腹! それじゃ次は屋根なしの方に乗ってみよう! ということになり、この日2回目の乗船となりました。
何の計画も目的もなくふらりと降り立った栃木でしたが、お天気にも恵まれて、親切な船頭さんたちに出会えて、とても思い出に残る一日になりました。皆さまもこの春、のんびり小江戸情緒を味わいに「うずまの鯉のぼり」を観に栃木に行ってみてはいかがでしょうか。もしかしたら鯉太郎にも会えるかもしれませんよ。
蔵の街遊覧船
所在地:栃木県栃木市倭町2-6
TEL:0282-23-2003
Webサイト:蔵の街遊覧船
【訂正】「うずまの鯉のぼり」おいて、栃木市観光協会ツイッター上で開催期間の変更があったため日程を訂正しました。