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ダイヤモンド・プリンセス、4年目を迎える2016年の日本発着クルーズ出港

2017年の日本発着クルーズも発表、2016年6月1日発売

2016年4月25日 実施・発表

4月25日早朝に横浜港に入港したダイヤモンド・プリンセス。同日より約6カ月、4シーズン目の日本発着クルーズを行なう

 プリンセス・クルーズ(カーニバル・ジャパン)は4月25日、今年で4年目となる大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」による2016年の日本発着クルーズを開始。横浜港大さん橋国際客船ターミナルから最初のクルーズへ出港した。併せて、2017年の同船による日本発着クルーズを6月1日から発売することを発表。同日関係者を集めて行なわれた「2016年日本発着クルーズ就航記念イベント」において概要を紹介した。

就航記念イベントでは、同船内で実施されているプロダクションショー「Bravo」を披露
プリンセス・クルーズ インターナショナル・オペレーション担当 エグゼクティブ・バイス・プレジデント アンソニー H. カウフマン氏

 2016年のダイヤモンド・プリンセスによる日本発着クルーズは、横浜港、神戸港を起点とし、4月から10月にかけて実施される。記念イベントで挨拶したプリンセス・クルーズ インターナショナル・オペレーション担当 エグゼクティブ・バイス・プレジデントのアンソニー H. カウフマン氏は、「2015年のプログラムは高い顧客満足度を得ることができた。値頃感のある卓越したクルーズであるということ、素晴らしいゲストサービス、高品質で多様な食事、日本に向けてカスタマイズした商品であるということで高い評価をいただいた。2016年は4月から10月まで、日本建造のダイヤモンド・プリンセスが、横浜、神戸をホームポートとして、エキサイティングな新しいシーズンを開始することになる。新たな2つの九州の寄港地のほか、韓国、台湾、ロシアなどの従来どおりの寄港地も楽しめる」と、引き続き乗客の高い満足を得られることに自信を見せた。

 日本発着クルーズについては、「プリンセス・クルーズは日本においてプレゼンスを拡大しつつある。2017年という5年目の配船は過去最長のシーズンとなり、2016年に比べて27%の増加。プリンセス・クルーズは、日本におけるクルーズのパイオニアであり、人生で最高のバケーションを日本の皆さまに手頃な値段で楽しめる商品を提供していく」と、同日発表された2017年のクルーズはさらに意欲的な内容で提供することをアピール。

 加えて、「船上プログラムは日本のお客さまを念頭に設計したもので、皆さまにアピールできる特徴を取り入れている。この日本発着クルーズは、質の高さゆえに外国の人も関心を寄せている。実は一部のクルーズでは外国人が占める割合が50%以上ということもある。海外のゲストは日本発着クルーズのユニークな日程に魅力を感じているし、日本の素晴らしさを体験できることに期待している。そのなかには寄港が少ない港も含まれている」とし、日本の観光客増にも貢献できているとした。

 このほか、今月発生した平成28年熊本地震の被災者にお見舞いを述べるとともに、日本赤十字社を通じて200万円の寄付を行なうことも明かした。

ダイヤモンド・プリンセス船長 トッド・マックベイン氏

 同イベントには、ダイヤモンド・プリンセスの船長であるトッド・マックベイン氏も挨拶。同氏は海も見たことなく、船にも乗ったことがなかった10代の頃にカナダ海軍に入隊したところから船上でのキャリアをスタートさせ、現在はプリンセス・クルーズで16年勤務し、そのうち8年は船長を務めているという。

 4月25日から始まる日本発着クルーズについては「日本の皆さまに最高の国際クルーズを体験してもらえることへの一翼を担えることがうれしい。皆さまには人生最高の旅行を体験してほしい。プリンセス・クルーズは信頼性、柔軟性の高いサービス、そして素晴らしい船上の体験を提供することに注力している。それぞれのお客さまが豊かな旅の体験をできることを実現したい。そのために専門性の高い、思いやりあるクルーズが心を込めてサービスを提供していく」と抱負を述べた。

株式会社カーニバルジャパン 代表取締役社長 堀川悟氏

 続いて、カーニバルジャパン 代表取締役社長の堀川悟氏から、ダイヤモンド・プリンセスによる同日発表し、6月1日から発売する、2017年の日本発着クルーズに関する概要紹介が行なわれた。

 2017年は、6カ国の、29カ所の寄港地を巡る予定となっており、新たに石垣島、敦賀(福井県)にも寄港。4月から11月まで7カ月超という、ダイヤモンド・プリンセスにとって過去最長の期間を日本発着クルーズに充てる。提供されるクルーズは28コースで、全体で7万5000名の集客を見込む。

 発表会では、以下のクルーズがハイライトとして紹介された。早期割り引きや、3~4人目無料などのキャンペーンも実施される。

・新寄港地の石垣島と敦賀を巡る8日間・10日間のコース
・初心者にお勧めのショートクルーズ6日間
・シーズン延長で秋の紅葉を楽しむコース10日間
・定番化した夏祭りを楽しむ10日間
・外国人にも人気のユネスコ世界遺産を巡る北海道9日間
・2017年の新たな試みとなるベトナム、香港、台湾、那覇を含む16日間のロングクルーズ

 また、サービス向上の一環として、ジュニアスイートの最上の部屋に「プレミアム・ジュニアスイート(M1)」を新設。また、スイート、プレミアム・ジュニアスイートに乗船した乗客向けの特別設備「クラブ・クラス」提供。詳細は後日発表されるが、ホテルのエグゼクティブフロアのようなサービスを提供するという。

プリンセス・クルーズの特徴
プリンセス・クルーズによる日本発着クルーズの特徴
2017年の日本発着クルーズを発表。概要を紹介した
早期割り引きなどの各種キャンペーンの情報
2017年日本発着クルーズのハイライト
新たな「プレミアム・ジュニアスイート」「クラブ・クラス」を導入
新たなブランドのチョコレートやコーヒーなどを提供
Bravoのほか、ディスカバリー・チャンネルとコラボしたエンタテイメントを上映
2017年の日本発着クルーズは6月1日発売
Bravoの出演者とイベント登壇者による記念撮影
乾杯の音頭をとったアンソニー H. カウフマン氏

 この発表会後に行なわれたレセプションパーティでは、再びアンソニー H. カウフマン氏が登壇。「プリンセス・クルーズはアジアにおいてトップクルーズ会社として高い評価を受けている。2017年の日本発着クルーズも賞賛に値するものとなる見込みで、これまでで最長となる。2013年以降、最高の寄港地を巡る行程を案内してきた。そのなかで地元の文化、グルメなどをバイリンガルのサービスで紹介、提供することで、日本の素晴らしさを発見していただく、楽しく思い出を作っていただけるクルーズを提供している。日本は独自の文化を持っており、豊かな観光地がたくさんあるので、この地域に対する弊社のコミットメントは揺るぎないものだ。プリンセス・クルーズは今後も日本の皆さまのために配船、投資をしていきたい」と決意表明。

国土交通省 港湾局長 菊地身智雄氏

 また、国土交通省 港湾局長の菊地身智雄氏も参加し、挨拶に立った。「プリンセス・クルーズは日本発着の先駆者として、日本にクルーズ文化を普及していただく先駆者として、これまで尽力いただいている。昨年(2015年)は日本へクルーズで来る海外のお客さまが100万人を超えた。2020年に100万人という目標を立てていたが、これを5年前倒しで達成した。これもプリンセス・クルーズの尽力の賜物と感謝している。政府では安倍総理を議長とする『明日の日本を支える観光ビジョン』において、新しい目標を立てた。2020年に500万人の訪日クルーズ客を日本に迎えるということで、非常にチャレンジングな目標だが、この目標達成にあたって同社の力添えを期待したい。国交省としてはプリンセス・クルーズをはじめ、客船が日本に寄港する際の受け入れ体制をしっかり整えて、いつでも来られるよう日本の港を作っていきたいと思っている」とし、このパーティが目標達成に向けた第一歩になるよう期待した。

 なお、ダイヤモンド・プリンセスの2016年日本発着クルーズと船内については、過去記事「3シーズン目の日本発着クルーズ中、豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内」を参照されたい。

ダイヤモンド・プリンセス
日本発着クルーズ恒例の鏡開きに備え、アトリウムには鏡開き用の酒樽が用意されていた
アトリウム。奥にあるのはゲスト向けのサポートカウンター
スターボードサイド側の屋外デッキ「プロムナード・デッキ」
ダンスフロアを備える「エクスプローラーズ・ラウンジ」
日本領海外に出るとオープンする「カジノ」
静かに過ごしたい人向けの入場料が必要な「サンクチュアリ」
船中央部分にある「Neptune's Reef & Pool」
「Neptune's Reef & Pool」脇のデッキチェアなど
「Neptune's Reef & Pool」の脇には「トライデント・グリル」と呼ばれるドリンクや食事のカウンター
オープンデッキからの眺め。こちらは赤レンガ倉庫やみなとみらい側
同じく山下公園側の眺め
ダイヤモンド・プリンセスの特徴にもなっているお風呂施設「泉の湯」
泉の湯には水着着用で入るスパプールも備える
スパプールから後方の眺め。眼下に見えるのは「テラスプール」
メインダイニングの一つ「サンタフェ・ダイニング」のメニュー例
サンタフェ・ダイニングの店内や料理
イタリアンレストラン「サバティーニ」。クルーズ代金とは別に料金がかかるレストラン
寿司屋「Kai(海) Sushi」。サバティーニ同様に別料金で、席料がかかる

出発セレモニーでは横浜市港湾局長が大さん橋前の道路拡幅にも言及

横浜港湾局によるセレモニー参加者の記念撮影

 ダイヤモンド・プリンセスの2016年日本発着クルーズの最初のクルーズとなるのは、下記のコースだ。

気軽にショートクルーズ 長崎と韓国

日程:4月25日~4月30日(6日間)
寄港地:横浜~釜山~長崎~横浜

 横浜港を4月25日17時に出港するスケジュールとなっており、これに先立って大さん橋屋上で横浜市港湾局によるセレモニーが執り行なわれた。

横浜市港湾局 局長 伊東慎介氏

 挨拶にたった横浜市港湾局 局長 伊東慎介氏は、「プリンセス・クルーズには長きにわたって横浜港を日本発着クルーズの拠点として使っていただいている。また本日、2017年の日本発着クルーズの商品発表が行なわれた。今年と同様、来年も20回近くの横浜発着クルーズを実施していただけるとうかがった。心から感謝申し上げる。横浜港を代表する外航客船として定着したダイヤモンド・プリンセスの寄港は、横浜港のブランド価値を高めてくれている」とし、今後の関係継続にも期待を寄せた。

 また、「横浜港は、毎年多くの客船が寄港している日本を代表するクルーズ港。この美しい外観と充実した設備を併せ持つ大さん橋ターミナルで、さらに乗客や乗務員に喜んでいただけるおもてなしを目指したい。また、2018年のクルーズ開始までになんとか間に合わせたいと思っているが、いまご不便をおかけしている道路の渋滞を解消するために道路の拡幅も実施したいと思っている」と表明。

 道路の拡幅については、平成28年度の港湾局予算で、「大さん橋国際客船ターミナル周辺道路(大さん橋1号線)の拡幅検討」として、800万円の費用が計上されている。

同じく挨拶したアンソニー H.カウフマン氏

 この後、カウフマン氏による返礼とプリンセス・クルーズの紹介、横浜市港湾局から記念品として横浜スカーフの贈呈、歓送演奏を行なう「東京ブラススタイル」から、プリンセス・クルーズのカウフマン氏、マックベイン船長、カーニバル・ジャパンの堀川社長へ花束の贈呈が行なわれた。

 ダイヤモンド・プリンセスは予定どおり17時にC/Dバースから出港。東京ブラススタイルによる歓送演奏、見送り客によるバルーンリリースや旗、消防艇による放水など、出発を喜ぶ人達に見送られながら6日間のクルーズへ旅立っていった。

横浜市港湾局の伊東局長からダイヤモンド・プリンセスのマックベイン船長へ横浜スカーフをプレゼント。横浜港は明治期より生糸の輸出で栄えた歴史にちなむ
歓送演奏を行なう東京ブラススタイルのメンバーから花束を贈呈
歓送演奏を行なった東京ブラススタイル
出港に合わせてバルーンリリース。今回は見送りなどで大さん橋に集まった人々にも風船が渡され、皆で一斉にリリースした
大さん橋に集まった人々や、消防艇の放水に見送られながら次の寄港地である釜山へ向けて旅立った

(編集部:多和田新也)