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3シーズン目の日本発着クルーズ中、豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内
(2015/7/9 13:37)
2015年で設立50周年を迎えているプリンセス・クルーズは、10万トン超の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」による日本発着のレギュラークルーズを4月より実施している。横浜港に寄港時、次の新たなクルーズへと出港する直前の船内を見学する機会を得たので、レポートする。
ダイヤモンド・プリンセスは2004年に就航した、総トン数11万5875トン、全長290mの客船で、三菱重工業長崎造船所で建造された、日本生まれの客船だ。10万トン超級の客船ではあるが、マスト高が54mと、横浜ベイブリッジの桁下高制限の条件をクリアしやすいことから、横浜への寄港時は大さん橋へ接岸している。
2013年からは日本発着のクルーズを担当し、日本にとってのサマーシーズンとなる4月~10月を中心に、2014年、2015年には多数のクルーズツアーを運航。さらに2016年も日本発着のクルーズを行なうことが予定されている。
下記は、2015年にプリンセス・クルーズが催行する日本発着クルーズで、これから実施されるものの一覧である。
たっぷり北海道周遊とサハリン
日程:7月8日~7月17日(10日間)
寄港地:横浜~釧路~知床半島クルージング~コルサコフ~小樽~函館~青森~横浜
たっぷり北海道周遊とサハリン
日程:7月17日~7月26日(10日間)
寄港地:横浜~釧路~知床半島クルージング~コルサコフ~小樽~函館~青森~横浜
ぐる~り! 日本列島大周遊と釜山
日程:7月26日~8月3日(9日間)
寄港地:横浜~長崎~釜山~舞鶴~金沢~青森~横浜
たっぷり北海道周遊とサハリン
日程:8月19日~8月28日(10日間)
寄港地:横浜~釧路~知床半島(クルージング)~コルサコフ~小樽~函館~青森~横浜
夏の名残の青森・秋田・函館とロシア・ウラジオストク
日程:8月28日~9月6日(10日間)
寄港地:横浜~青森~秋田~ウラジオストク~函館~横浜
このほかに、チャーターツアーとして、阪急交通社が8月3日~12日(10日間、10日に大阪下船の8日間プランも用意)の日程で「ねぶた祭り・竿燈まつり 日本周遊 済州島クルーズ」(横浜~青森~秋田~済州島~鹿児島~大阪~横浜を催行。
また、クルーズプラネットによるチャーターツアーとして、8月12日~8月19日(8日間)に「阿波おどり観覧・熊野大花火と瀬戸内海クルーズ8日間」(横浜~徳島/小松島~釜山~熊野沖に錨泊~名古屋~横浜)を予定している。
プリンセス・クルーズでは、2016年もダイヤモンド・プリンセスを日本発着クルーズに投入することを決定しており、すでに販売も開始。下記のようなスケジュールとなっている。
特徴は1週間以下の“ショートクルーズ”が増えていることで、多忙なサラリーマン世代の人でも参加しやすいプランが多い。また、2015年11月30日までに予約すると早期割引きが適用され、部屋により5000~2万円の割引きを受けられる。
例えば、4月25日出発の長崎~韓国の5泊6日クルーズは、正規代金では海側の部屋の最安値が10万3000円となっているが、早期割引特典を適用すると9万8000円になる。このほかに政府関連諸税(プランによって額は異なる、長崎~韓国の例では8400円)が必要になるが、それでも、日数あたりの宿泊費用と無料ダイニングでの3食付きであることを考えると、日数面でも金額面でも、休みの過ごし方として十分に現実的な選択肢の1つになるものではないだろうか。
気軽にショートクルーズ 長崎と韓国
日程:4月25日~4月30日(6日間)
寄港地:横浜~釜山~長崎~横浜
正規代金:9万7000円~52万2000円
ゴールデンウィーク気軽に韓国! ショートクルーズ
日程:5月4日~5月8日(5日間)
寄港地:神戸~釜山~神戸
正規代金:9万2000円~58万3000円
台湾三都市周遊(鹿児島寄港)
日程:5月8日~5月16日(9日間)
寄港地:神戸~鹿児島~基隆(台北)~高雄~花蓮~神戸
正規代金:16万円~83万8000円
台湾三都市周遊(那覇寄港)
日程:5月16日~5月24日(9日間)
寄港地:神戸~那覇~基隆(台北)~高雄~花蓮~神戸
正規代金:16万円~83万8000円
新緑の瀬戸内海と九州・四国・韓国
日程:5月24日~5月30日(7日間)
寄港地:神戸~瀬戸内海クルージング~関門海峡クルージング~釜山~長崎~油津(宮崎)~高知~神戸
正規代金:13万3000円~57万1000円
グランド北海道周遊と知床クルージング・サハリン
日程:5月30日~6月10日(12日間)
寄港地:神戸~函館~室蘭~釧路~知床半島クルージング~コルサコフ~小樽~青森~神戸
正規代金:24万7000円~106万6000円
龍馬ゆかりの地 神戸・長崎・高知と韓国
日程:6月10日~6月15日(6日間)
寄港地:神戸~高知~関門海峡クルージング~釜山~長崎~横浜
正規代金:7万7000円~50万2000円
ハイサイ沖縄と台湾三都市周遊
日程:6月15日~6月24日(10日間)
寄港地:横浜~那覇~基隆(台北)~高雄~花蓮~横浜
正規代金:19万7000円~91万9000円
ぐるり北海道周遊と知床クルージング・サハリン
日程:6月24日~7月3日(10日間)
寄港地:横浜~釧路~知床半島クルージング~コルサコフ~小樽~函館~青森~横浜
正規代金:19万7000円~91万9000円
気軽にショートクルーズ 長崎と韓国
日程:7月3日~7月8日(6日間)
寄港地:横浜~釜山~長崎~横浜
正規代金:10万6000円~52万7000円
ぐるり北海道周遊と知床クルージング・サハリン
日程:7月8日~7月17日(10日間)
寄港地:横浜~釧路~知床半島クルージング~コルサコフ~小樽~函館~青森~横浜
正規代金:19万7000円~91万9000円
本州・四国・九州・北海道 美しきニッポン発見と韓国
日程:7月17日~7月25日(9日間)
寄港地:横浜~清水~高知~長崎~釜山~函館~横浜
正規代金:17万1000円~84万7000円
ねぶた祭りに沸く青森、ぐるり北海道とサハリン
日程:7月25日~8月4日(11日間)
寄港地:横浜~釧路~知床半島クルージング~コルサコフ~小樽~室蘭~函館~青森~横浜
正規代金:23万2000円~100万3000円
日本の夏! 竿燈・ねぶた・よさこい・阿波おどりに沸く日本周遊と韓国
日程:8月4日~8月15日(12日間)
寄港地:横浜~秋田~青森~堺港~釜山~関門海峡クルージング~高知~徳島~横浜
正規代金:25万7000円~107万6000円
熊野大花火・瀬戸内海・湯ったり九州と韓国
日程:8月15日~8月24日(10日間)
寄港地:横浜~清水~(熊野)~瀬戸内海クルージング~別府~鹿児島~釜山~名古屋~横浜
正規代金:18万7000円~92万9000円
にっぽん南国めぐりと韓国
日程:8月24日~8月31日(8日間)
寄港地:横浜~釜山~鹿児島~油津(宮崎)~高知~清水~横浜
正規代金:14万7000円~77万円
ぐるり北海道周遊と知床クルージング・サハリン
日程:8月31日~9月9日(10日間)
寄港地:横浜~釧路~知床半島クルージング~コルサコフ~小樽~函館~青森~横浜
正規代金:18万7000円~90万9000円
日本の美 瀬戸内海・名城の地めぐりと韓国
日程:9月9日~9月17日(9日間)
寄港地:横浜~名古屋~瀬戸内海クルージング~関門海峡クルージング~釜山~長崎~八代(熊本)~横浜
正規代金:16万1000円~83万7000円
シルバーウィーク 秋の瀬戸内海・大阪たっぷり満喫と韓国
日程:9月17日~9月25日(9日間)
寄港地:横浜~名古屋~瀬戸内海クルージング~関門海峡クルージング~釜山~長崎~大阪~横浜
正規代金:16万1000円~83万7000円
ぐるり北海道周遊と知床クルージング・サハリン
日程:9月25日~10月4日(10日間)
寄港地:横浜~釧路~知床半島クルージング~コルサコフ~小樽~青森~函館~横浜
正規代金:17万7000円~89万9000円
気軽にショートクルーズ 長崎と韓国
日程:10月4日~10月9日(6日間)
寄港地:横浜~釜山~長崎~横浜
正規代金:9万7000円~52万2000円
客室紹介
それでは船内を紹介していく。まずは客室だ。今回見学できたのは、窓のない「内側」、デッキ9(ドルフィンデッキ)の「ジュニア・スイート(中央)」、船首寄り角部屋の「プレミアム・スイート」の3部屋だ。
内側部屋
内側部屋とは船体内側寄りにある部屋で、窓がなく、もっとも安価な部屋となるのが特徴。部屋からの大海原は望めないが、船内アクティビティを活発に行なって部屋は寝る場所、と割り切る人も少ないなくそうだ。
ジュニア・スイート(中央)
続いては、デッキ9(ドルフィンデッキ)の「ジュニア・スイート(中央)」。ジュニア・スイートを含め、船体側面のバルコニーのある席は、船体中央部と前方/後方寄りで価格差が付けられ、中央部がやや高い設定になっている。
ちなみに、ジュニア・スイートはデッキ9だけに設けられており、その上の10~12デッキの同位置はバルコニー付きの一般客室となる(一部ペントハウス・スイートがある)。この違いは、船を外から見た方が分かりやすいが、デッキ9のみは、その下の階にあるボートを吊るす施設のために床面がせり出している。その分、部屋が広くなっており、これを「ジュニア・スイート」として分類しているのだ。
また、ジュニア・スイートは、ファミリー・スイートと並んで最も安価な“スイートルーム”となるが、ファミリー・スイートは船内に2部屋しかないのに対し、ジュニア・スイートはデッキ9の側面ほぼ全部屋と、デッキ8の一部に用意されており、部屋数が圧倒的に多い。
乗船時のウェルカム・グラス・スパークリングワインに始まり、バスタブ付きのお風呂、ウォシュレット付きトイレ、上質なマットレスなど、ワンランク上の船旅を楽しむ上で、価格の面でも部屋の取りやすさでも利用しやすい部屋となっている。
パブリックスペース
ここからは乗客が共有する船内の施設を紹介していく。
ボーディングブリッジを使ってダイヤモンド・プリンセスへ乗船する場合は、デッキ6から乗り込むことになる。一歩入ると、そこには3デッキ吹き抜けのアトリウムが広がっている。ここでは、通常出港の翌日に設定される最初のフォーマルナイト(フォーマルな服を着て夜を楽しむ日)には、グラスタワー(シャンパンタワー)を行なうのが恒例になっている。また、出港時には鏡割りも行なわれるほか、クルーズ終了間際に設定される2回目のフォーマルナイトでは、上から風船を落とすバルーンドロップが行なわれるという。
ちなみに、プリンセス・クルーズ運航客船の出港式などでのバルーンリリースなど、同社が風船を使ったイベントを行なう場合は、イメージカラーでもある青と白の風船を利用することが多いが、50周年記念の今年は“ゴールド”をイメージカラーに使っており、バルーンドロップで使われる風船も金色なのだという。
船内での支払いは、ルームキーとしても機能するIDカード「クルーズカード」がクレジットカードに紐付けされており、船内ではサインのみでさまざまな支払いを行なう。支払い通貨は米ドル立てとなる。
ここからは、下層デッキにある施設から順に紹介していく。ちなみに、客室の紹介のところでも少し触れているが、ダイヤモンド・プリンセスは各デッキに名前が付いている。例えば、乗船口のあるデッキ6は「フィエスタ・デッキ(Fiesta Deck)」、デッキ5は「プラザ・デッキ(Plaza Deck)」などと名付けられている。
客室があるデッキ8~12は、上層階から順に、デッキ12が「アロハ・デッキ(Aloha Deck)」、デッキ11が「バハ・デッキ(Baja Deck)」、デッキ10が「カリブ・デッキ(Caribe Deck)」、デッキ9が「ドルフィン・デッキ(Dolphin Deck)」、デッキ8が「エメラルド・デッキ(Emerald Deck)」となっており、A~Eのアルファベット順に頭文字が並んでいる。
部屋番号も、アロハ・デッキ(12)なら「A***」、バハ・デッキ(11)なら「B***」といった具合に頭文字を付与して付けられており、自分の部屋がどのデッキにあるかを把握しやすくなっている。
デッキ5~6:ダイニング
クルーズ代金に含まれる料理を楽しめるレストランはデッキ5~6にある。デッキ5に「サボイ・ダイニング」「ヴィバルディ・ダイニング」、デッキ6に「インターナショナルダイニング」「サンタフェ・ダイニング」「パシフィックムーン・ダイニング」と5カ所あり、乗客それぞれに、決められたダイニングに専用のテーブルが割り振られている。
例えば、「Aさんはサボイ・ダイニングのこのテーブル」といった具合に決められ、サーブするスタッフも決まっている。日を重ねるごとに乗客の好みを把握でき、サービスの質が高まっていくというわけだ。
デッキ6:カジノ
クルーズの華とも言えるカジノも設置されている。とはいえ、日本ではカジノは違法のため、日本領海上では運営されておらず、領海外に出たところでオープンになる。ちなみに現金のほか、クルーズカードが使えるという。
デッキ7:ホイールハウス・バー、クルーナーズ・バー
船内にはバーが多く、デッキ7には「ホイールハウス・バー」と「クルーナーズ・バー」がある。ホイールハウス・バーは高級感があり、大人の雰囲気が漂うバー。クルーナーズ・バーは、もう少しカジュアルで明るい雰囲気のバーだ。どちらも生演奏などが行なわれる。
デッキ7:Kai(海) Sushi
通常のダイニングでも和食は提供されるが、日本人のソウルフードともいえるお寿司は専門店が入っている。このお店は別途料金がかかり、食べたものに応じて料金を支払うシステムになっている。
デッキ14:ホライゾンコート
ここはクルーズ代金に含まれるビュッフェスタイルのレストラン。朝食、ランチ、ディナーのほか、間の時間には軽食も提供され、いつ来てもカジュアルに食事を楽しめる場となっている。
デッキ12~15:プール
デッキ12以上は一部がオープンデッキとなっており、特にデッキ14からはオープンデッキのスペースが大幅に増える。ここにはプールが4カ所に設けられており、思い思いの場所で楽しむことができる。
船首寄りのデッキ12にある「ラッププール」など、子供が入れない大人専用プールもある。
【お詫びと訂正】初出時、大人専用プールの説明などに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
デッキ16:サンクチュアリ
ここは入場料が必要な特別なエリアで、大人のみが入場できる。静かな時間を過ごしたい人向けの場所だ。また、出港時には、ここで日本国旗と英国国旗を掲揚するセレモニーが行なわれ、サンクチュアリを見下ろせる下記写真の場所には多くの人が集まるという。
デッキ15:スパ
デッキ15の船首寄りにはスパがあり、受付を進むと、美容室やフィットネスルーム、エアロビクススタジオなどがあるほか、マッサージルームも設置されている。ヨガやピラティス、ボクシングなど、予約制でさまざまなトレーニングクラスも用意している。