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JAL、2016年度のグループ入社式を開催
全34社約1460名の新入社員が今後の活躍を誓う
(2016/4/1 19:59)
- 2016年4月1日 開催
JAL(日本航空)は4月1日、JALなどグループ会社合同の入社式「2016年度JALグループ入社式」を、羽田空港内のJAL M2格納庫で開催した。2016年度の新入社員は、JALグループ全34社で約1460名に及ぶ。その全員がJAL M2格納庫に集まった。
入社式冒頭、JAL代表取締役社長の植木義晴氏より、新入社員に対して挨拶および訓示が述べられた。植木氏はまず、「本日、1400名を超えるJALグループの新入社員の皆さんをお迎えし、整備の聖地とも言える巨大なハンガーで入社式を開催できることをうれしく思っています。また、なによりも多くの会社のなかからJALグループを選んでいただいたこと、経営および全社員を代表してお礼を申し上げます」と、新入社員へ歓迎とお礼の言葉を述べた。
続いて、現在JALが置かれている状況について、「我々は、2012年に5カ年の中期経営計画を策定しました。これは、経営破綻後、JALの経営が自ら作った初めての中期経営計画であり、これをもとに2012年9月に上場を果たせました。この計画は、株主の皆さまをはじめとする社会への重要なお約束でもありました。それから毎年、社員の頑張りによって、各年度の目標を達成した結果、4年間をローリングプランとして過ごしてまいりました」と語った。
そしてJALがこれから向かうべき方向や目標について、「まさに今日から、最終年度、2016年度が始まります。今年のJALグループの目標はたった1つです。経営の3大目標をしっかり達成したうえで、この中期経営計画を完遂することにあると考えています。5年間を乗り切ったことは、社員に大きな自信をもたらすでしょうし、2017年度以降の新しい中期経営計画の、万全な準備が整うことにもなります。こういった計画を進めるために、JALグループは真剣に多様性の推進に取り組んでいます。女性の活躍のみならず、社員1人1人がそれぞれの異なる個性と価値観を持って、それらが真剣にぶつかり合ったときに初めて、イノベーションが発生すると信じています。皆さんも、その多様性の重要な要素の1人1人であると自覚していただきたいと思います。先輩方に比べると、皆さんの現在の経験や知識は劣るのかもしれませんが、皆さんだけが持っている無垢な心、すべての物に対する好奇心、燃えたぎるような情熱、いまこの場から見ても感じ取れるキラキラと光るその目の輝き、それこそが今JALグループが必要としているものです。そのためには皆さんの個性を失うことなく、勇気を持って信念の表明をしたいただきたいと思います」と述べた。
最後に植木氏は「JALグループは、世界一お客さまに選ばれ、愛される航空会社を目指しています。規模を追うわけでなく、売り上げを競うわけでもなく、お乗りになったお客さまからたった一言『やっぱりJALでなくっちゃね』という言葉をいただきたいのです。この夢の達成のために、私は必ず先頭に立ち続けることをお約束します。そして、私がふと後ろをふり返ったときに、必ずや皆さんが後ろに付いてきてくれると信じています。皆さんがJALグループを選んでくださったこと、決して後悔させません。なぜなら、いままさに、私の後ろに3万2000名もの自慢の社員が付いてきてくれているからです。社員こそ、JALグループにとって最高の財産です。夢の実現に向かって共に歩んでいきましょう」と新入社員を激励して挨拶と訓示を締めくくった。植木氏に続いては、壇上に並んだJALグループ各社の代表が、新入社員を歓迎する言葉を述べていった。
そして、新入社員を代表し、JAL業務企画職の木下隼斗さんが次のように宣誓を行なった。
「本日は、私たちのためにこのような入社式を開催していただき、新入社員一同、心より感謝しております。夢にまで見ていたこの日を迎えたいま、あこがれ続けた先輩方や、ここにいる素晴らしい仲間たちと共にJALグループで仕事をすることが楽しみでしかたありません。そして、両親や先生方をはじめ、これまで私たちを支えてきてくださったすべての方々へ感謝の気持ちでいっぱいです。今日から私たち新入社員一同は、JALグループの一員となります。胸に刻み込むべき過去をしっかり受け止め、安全のプロフェッショナルとしてわずかな妥協も許さず、お客さまへの感謝の気持ちと、すべてのお客さまへ最高のサービスをお届けするという高い志を持ち、常に謙虚な気持ちで全力で仕事に取り組んでいきます」。
「航空業界では、訪日外国人観光客の急増に伴ってインバウンド市場が大きく盛り上がり、航空会社が担う役割はますます大きくなっています。お客さまのニーズが以前にも増して多様化するなか、航空会社としてお客さまにどのような価値を提供できるのか、どのようにすることでお客さまによりお喜びいただけるのかを真剣に考えなければいけません。さらには、日本をより活性化させるためにどのような貢献が私たちにできるのかを、既存の枠組みにとらわれることなく、常に考え続けていかなければなりません。私たち1人1人自らが主役となり、現状に決して満足することなく、常に高い目標を持ち、くじけることなく新しいことに果敢に挑戦することで、必ずJALグループを世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社にしていきます」。
「世界一は、決して1人で成し遂げられるものではありません。今日、ここにはJALグループ34社、総勢約1470名の最高の仲間がいます。さらに、JALグループには約3万2000人の素晴らしい先輩方がいます。ここに集うかけがえのない仲間や先輩方とともに、皆で心ひとつにし、燃える集団となってJALグループを世界で一番お客さまに選ばれ愛される航空会社にしていくことを誓い、宣誓の言葉とします」と決意を述べた。
続いて、スペシャルゲストとしてニューヨーク・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏が登場。松井氏の臨席は新入社員に伏せられていたようで、どよめきと大きな拍手が起こるなか登壇した松井氏。2002年オフにニューヨークヤンキースに移籍し、2003年よりメジャーリーガーとして活躍した松井氏。JALは、2003年から松井氏の特別塗装を施した2機の「松井ジェット」を就航。その後も、JAL機内誌やJAL開催イベントに松井氏が参加するなど、長年JALと松井氏の間に深い縁があったことから、今回の登壇につながったという。松井氏は、自らの野球界での体験を交えつつ、新入社員に次のように語り、熱く激励した。
「本日は、入社おめでとうございます。皆さんは、野球で言えばルーキーです。私も20数年前、ルーキーだった頃を思い出しました。皆さんの今のポジションは、まさしく社会人としての第一歩、スタートラインだと思います。皆さんの強みは、若さです。そして、謙虚さ、素直さが、自然と皆さんの心のなかにあると思います。これから、仕事をしていくうえで、もちろん失敗もあるでしょうし、うまくいくこともあるでしょう。すべてを次の日のエネルギーにしていってほしいと思います。私も現役時代をふり返って、幸運だったことは、私自身、決して野球に対し器用ではなかった、どちらかというと不器用だった、そして、そのことを私自身認識していたということです。不器用ということは、練習しなければならない、うまくなるためにはどうしたらいいのか、日々そのことを考えながら練習していました。またその練習するという行為が苦にならなかった、それが私にとって幸運だったと思います」。
「今から13年前、私はメジャーリーグに挑戦するため、JALの飛行機に乗ってニューヨークに向かいました。その機内での希望、不安、いろいろな気持ちが心のなかにありました。そのとき、JALの職員の皆さまに非常に温かくしていただき、その不安も少しずつ消えていったことを記憶しています。それ以来、私はJALのファンです。JALには沢山のファン、沢山のお客さまがおられます。これから、そういったファンを少しでも皆さんの力で増やしていってください。そして、JALの翼が世界一であることを、皆さんで証明していってください。私も応援しております」とエールを送った。
その後、JALグループ入社式で近年恒例となっている、新入社員の各自がメッセージを書き込んだ紙飛行機を飛ばすセレモニーを、植木氏さらに松井氏も加わって行ない、JALグループ入社式は終了した。