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フィンランド大使館、日本との外交樹立100周年に向け「マリメッコ展」や「ムーミン展」など紹介

2017年12月15日 開催

フィンランド大使館が2019年の外交樹立100周年記念イベントを紹介。会見冒頭で登壇した駐日フィンランド大使 ユッカ・シウコサーリ氏

 フィンランド大使館は12月15日、都内で会見を開き、2019年の日本・フィンランド外交樹立100周年に向けて開催するイベントを紹介した。

 会見冒頭では駐日フィンランド大使のユッカ・シウコサーリ氏が、2017年12月6日がフィンランド独立100周年にあたり、その熱の冷めやらぬままに2019年の修好100周年に向かっていくと説明し、「日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念ロゴ」を発表した。赤と青の放射状の線が2つの円を描く形は「北の果てにあるとフィンランドと日出ずる国の日本が出会い、握手をしている様子を表わしている」とのこと。

会見会場になった六本木「21_21 DESIGN SIGHT」のギャラリー3。フィンランド独立100周年を記念したポップアップストアが12月25日までオープンしている
「日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念ロゴ」。今後さまざまなイベントで使われていく

 その後、各イベントの関係者が代わる代わる登壇し、スライドを交えてイベントの概要を告知する形で会見が進行した。

マリメッコ・スピリッツ

「ggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)」では「Marimekko SPIRIT(マリメッコ・スピリッツ)」と題して、現在マリメッコのデザインを手掛ける3人のデザイナーにフォーカスした展示会を行なっている。水彩画のアイノ=マイヤ・メッツォラ、線画のマイヤ・ロウエカリ、切り紙のパーヴォ・ハロネンそれぞれのデザインアプローチまで踏み込み、DNP文化振興財団 ggg/ddd 企画室の田仲文氏は「なぜそのデザインに至ったかを示す過程を展示した」と説明。

公益財団法人 DNP文化振興財団 ggg/ddd 企画室 田仲文氏
マリメッコ・スピリッツ
マリメッコ・スピリッツ

会期:2017年11月15日~2018年1月13日
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー
入場料:無料
Webサイト:マリメッコ・スピリッツ

フィンランドの陶芸 芸術家たちのユートピア

 フィンランドの陶器といえば「アラビア」の製品がよく知られているが、そのアラビア製陶所の美術部門で制作された作品を展示し、フィンランド陶芸を体系的に紹介する初めての展示会を行なう。茨城県陶芸美術館を皮切りに、各地を巡回する。

岐阜県現在陶芸美術館 学芸員 山口敦子氏
フィンランドの陶芸
フィンランドの陶芸 芸術家たちのユートピア

会期:2018年4月21日~7月1日
会場:茨城県陶芸美術館
会期:2018年7月14日~9月6日
会場:目黒区美術館
会期:2018年11月17日~2019年2月24日
会場:岐阜県現代陶芸美術館
会期:2019年4月20日~6月30日
会場:山口県立萩美術館・浦上記念館
会期:2019年7月13日~10月14日
会場:大阪市立東洋陶磁美術館

アイノ・アアルトとアルヴァ・アアルト その建築とデザイン わかちあう仕事の世界

 アルヴァ・アアルトはフィンランドを代表するモダンデザインの建築家・デザイナーであり、建築、家具、照明など多くの分野で作品を残している。その前妻で建築家アイノ・アアルトと過ごした1924年から1949年までを、6つの視点から2人の関係が生み出したデザインに注目する展示会。2020年6月まで巡回展を行なう。

ギャラリー・エークワッド 岡部三知代氏
アイノとアルヴァのデザイン展
アイノ・アアルトとアルヴァ・アアルト その建築とデザイン わかちあう仕事の世界

会期:2018年6月~8月
会場:ギャラリー・エークワッド
会期:2018年9月~11月
会場:世田谷美術館

石本藤雄展

 作家活動初期にマリメッコのテキスタイルデザイナーとして制作したデザインを復刻し、そこから着想を得た陶芸作品を展示する。愛媛県美術館、スパイラルガーデン、細見美術館などを巡回。

スパイラル チーフキュレーター 大田佳栄氏
自らのテキスタイルから陶芸作品を生み出した
石本藤雄展

会期:2018年予定
会場:愛媛県美術館、スパイラルガーデン、細見美術館

ルート・ブリューク展

 2019年はフィンランドのセラミック・アーティスト、ルート・ブリュークの没後20年にもあたり、その約170点の作品をとおして仕事の全貌を紹介する。

エスポー近代美術館 EMMA館長 ピルヴィ・カルハマ氏(左)、EMMA主任学芸員 ヘナ・パウヌ氏(右)
写真はフィンランド最大の美術館、エスポー近代美術館での展示など
ルート・ブリューク展

会期:2019年4月~6月
会場:東京ステーションギャラリー
会期:2019年9月~10月
会場:伊丹市立美術館
会期:2020年4月~6月
会場:岐阜県現代陶芸美術館

ムーミン展

 2019年にフィンランド本国で新しいテレビシリーズの放映も決まったムーミン。2017年6月にはフィンランド・タンペレにムーミン美術館がオープン(関連記事「夏期増便のフィンエアーで行く! ヘルシンキとタンペレを巡るアート&グルメ旅(その3)」)しているが、そこから選りすぐりの原画を持ち込み、日本を巡回する。

朝日新聞社 企画事業本部 文化事業部 蔵岡希久子氏
タンペレのムーミン美術館所蔵の原画などを展示する
全国を巡回予定
ムーミン展

会期:2019年4月9日~6月16日
会場:森アーツセンターギャラリー
会期:2019年12月7日~2020年1月末
会場:名古屋・松坂屋美術館
会期:2020年4月11日~5月31日
会場:岩手県立美術館(予定)

ピエタリ・インキネン指揮 日本フィルハーモニー交響楽団記念演奏会

 日本フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に就任したフィンランド人、ピエタリ・インキネンによる記念演奏会を実施する。日本フィルの初代常任指揮者の渡邉暁雄氏はフィンランド人を母に持ち、登壇した日本フィルハーモニー交響楽団 理事長の平井俊邦氏は、日本フィルとフィンランドの関係は深いと説明。2019年6月にジャン・シベリウスなどフィンランドの楽曲を東京と横浜で演奏する。

日本フィルハーモニー交響楽団 理事長 平井俊邦氏
ピエタリ・インキネン指揮 日本フィルハーモニー交響楽団記念演奏会

会期:2019年6月
会場:東京、横浜
Webサイト:日本フィルハーモニー交響楽団

ラヤトン Japan Tour 2019

 シベリウス・アカデミー出身のアカペラグループ「ラヤトン」が2019年10月から11月にジャパンツアーを開催。ラヤトンの代表曲「バタフライ」は、バンクーバーオリンピックでフィギュアスケートのフィランド代表キーラ・コルピ選手がプログラムに使用したことでも知られている。

一般財団法人 民主音楽協会 企画1部 部長 松尾勇人氏
「北欧最高峰のアカペラグループ」と称されるラヤトン
ラヤトン Japan Tour 2019

会期:2019年10月~11月
Webサイト:ラヤトン

マリタ・リウリラ展 Golden Age

フィンランドのアーティスト、マリタ・リウリラの個展を東京で開催する。2016年~2017年にフィンランドのセルラッキウス博物館で行なわれた「Golden Age」展をベースに新作を加え、絵画、写真、彫刻などすべてがGold(金)にまつわる作品で構成する。

スパイラル ギャラリー担当チーフ キュレーター 加藤育子氏
新作を加えてセルラッキウス博物館からの巡回展を行なう
マリタ・リウリラ展 Golden Age

会期:2019年1月予定

ジャパノマニアII 北欧のジャポニズムとフィンランド・スウェーデンのモダニズム 1900-1970

 20世紀初頭から1960年代にかけて、東洋の文化が北欧に与えた影響を検証する展示会で、北欧の絵画を東アジアの工芸品とともに紹介する。このイベントのみ日本ではなく、ヘルシンキのアテネウム美術館で実施されるもの。

S2コーポレーション 社長 迫村裕子氏
ジャパノマニアII