車中泊の拠点 RVパークを訪ねる

山梨・北杜市で30年以上の歴史を持つオートキャンプ場がはじめたRVパークに泊まってみた

RVパーク HAKUSHU BASE by bigland

キャンプ場のなかに設定された「RVパーク HAKUSHU BASE by bigland」

 もともと、RVパークはキャンピングカーでのクルマ旅をサポートすることを目的にする施設だが、近年では車中泊やオートキャンプユーザーの利用も増えている。そのためRVパーク自体も「旅の途中に寝泊まりできる駐車スペース」ではなく、そこが目的地であり、滞在することが楽しいと感じることをテーマとする施設も増えている。

 そして今回、紹介する「RVパーク HAKUSHU BASE by bigland」(山梨県北杜市白州町大坊1131)もそうしたタイプの施設である。

RVパーク HAKUSHU BASE by biglandは「ANCオートリゾートパーク・ビッグランド」というキャンプ場のなかにある
山あいのキャンプ場なので、木陰の多い林間サイトだ。日差しがきつくなるこれからの季節では過ごしやすそうな環境

 ビッグランドは山梨県北杜市の林間部分にあるキャンプ場で、創業から30年以上の歴史を持つ。敷地は広く、どのサイトも赤松やクヌギ、コナラといった木々が茂る林のなかにあるので、山の雰囲気を味わいながらのアウトドアレジャーを体験することができる。また、トイレや入浴施設を備え、現地で必要になりがちなアイテムを販売する売店コーナーなどもある。

 さらに敷地内にはテントサイトだけでなく、バンガローやキャンピングトレーラーといった宿泊施設も用意しているので、幅広い層が利用できるアウトドア施設だ。

 RVパークの利用料金は1泊1台につき2800円。営業期間は3月中旬~12月中旬。定休日は不定なので、事前に確認したい。チェックインは13時~20時で、チェックアウトは7時~11時。

 予約については施設に連絡するか、Webサイトから行なう。ペット連れでも利用できるが、必ずリードを使用するなどRVパークのルールを守ることが条件。なお、ドッグランはない。

 ちなみにくるま旅のビッグランド紹介ページでは、利用条件に「くるま旅クラブ会員証提示」となっているが、この会員証がなくても利用できるし、利用料金も変わらない。

テント泊だけではなく、バンガローもある
こちらはキャンピングトレーラー。サイズは29フィートと35フィートの2種類あって4名で利用できる
「ANCオートリゾートパーク・ビッグランド」代表の進藤氏。キャンピングカーや車中泊ユーザーの旅をもっと楽しいものにしてほしいという考えから、林間キャンプ場の一部をRVパークとして運用しているとのこと

RVパークエリアの紹介

 広い敷地を持つビッグランドではクルマの乗り入れがしやすいエリアのオートキャンプサイトをRVパークとしても使用している。

 RVパークとして使用するサイトは15区画を設けているが、そのうち2つはトレーラーでの利用の際に牽引車を停めておくためなどに使用しているので、通常は13区画での運用となっている。

 オートキャンプサイトを利用しているだけに、サイトはどれも広めである。また、テント泊でのペグ打ちなどがしやすいように地面は細かい砂利。RVパークとして利用する際も雨の日に足元がぬかるむことはなく、クルマも汚れにくいといったメリットがある。

 寝心地に関わる面では地面の傾きが気になるところ。すべてのサイトで実際に寝転んで試したわけではないが、撮影しながら地面の様子を見ていった印象としては、車中泊に慣れた人なら問題なさそうな感じだった。

サイトの地図はないので実際の様子を写真で紹介していく。サイトの大きさは地面に貼ってあるロープが目印になる。これは1番サイト
2番サイト。スペースは広いが、立ち木が多いのでクルマを止めるスペースは写真中央の辺りになる

 林間キャンプ場ならではだが、各サイトは立ち木を活かした形になっているので、乗り入れる車種によっては利用時の印象が変わりそうだ。

 ただ、これは施設側も十分承知している。一般的なRVパークでは、どのサイトにするか予約時に利用者が指定できることもあるが、こちらでは乗り入れる車両のデータなどを聞いたうえで、施設側が最適と思われるサイトに案内することもできる。

 乗り入れる車両が大型だったり、狭いところでの運転が不安と感じている場合は、施設に事前に連絡してみるといいだろう。

 なお、週末や連休など混み合う日などでなければ、極力、利用者同士が隣り合わないようサイトを離して指定しているそうなので、車両とのマッチングを含めてサイト選びはお任せした方がいいと思う。

3番サイト。炊事場に最も近く、それでいてトイレやお風呂へ行く通路からも近い
3番サイトから炊事板挟んで、隣が19番サイト。通路に面したところに2本の木が立っているが、なかは広い
ここから敷地中央部に設けられた6番サイト。通路側が開けている
7番サイトも立ち木が多め
すべてのサイトになんらかの形で立ち木があるが、見る角度によっては印象が変わる。ここは8番サイト
14番サイト。RVパークの入り口からも近く、間口も広いので大型の車両でも使いやすい
どのサイトも木々に覆われているので、頭上はこんな具合。日差しが厳しい季節でも涼しげに過ごせそうだ。管理棟側のキャンプサイトは赤松が中心。RVパーク側はクヌギとコナラが中心。杉は生えていないのでスギ花粉症の人にも利用しやすい

RVパークとオートキャンプ場との違いについて

 ビッグランドはオートキャンプ場が主体の施設である。そこにRVパークを設定しているのだが、ここでその違いについて説明しておこう。

 ビッグランドではオートキャンプ場をRVパークとして提供していることので、使い勝手や居心地に違いはない。しかし、オートキャンプでの料金はクルマ1台、テント・タープ1張りで5900円~となのに対して、RVパークは1泊1台2800円と低めの設定だ。

 同じ場所なのに料金設定に違いがあるのは、オートキャンプは焚き火や屋外での調理を含めた「キャンプをする場」であるのに対して、RVパークはあくまでも「車中泊用の駐車スペース貸し」で、キャンプ行為は目的外だから。

 ゆえにRVパークでは「焚き火」や「車外での調理(お湯を沸かすことも含まれる)」など、キャンプ的な車外で火を使う行為がすべてNGになっている。

 寝るときは車中泊であっても、焚き火や屋外での調理も楽しみたいと考える場合は、RVパークではなく、オートキャンプとして予約することをお勧めしておく。

もともとがオートキャンプサイトなので、場所としてキャンプ行為に適しているのは当然だが、RVパークとして利用する際はキャンプ行為はNG
RVパークでテーブルや椅子を利用することは問題ない。車内で調理したものを外で食べるのもOK。サイドオーニングを展開してもよいが、テントを張るのはNG

 電源についても触れておこう。すべてのサイトで電源を利用できるが、電源コンセントがそれぞれのサイトにあるわけではなく、コンセントがあるサイトから電源リールを使用してほかのサイトに電源を供給するシステムだ。

 そのため使用できる電気の容量にも制限があるので、例えばエアコンを搭載するキャンピングカーや電子レンジを持ち込んで使いたいなどの要望がある場合は、予約時にその旨を相談しておくこと。電源使用の場合は1泊500円がRVパーク利用料に追加される。

すべてのサイトで電源を使うことができるが、サイトごとにコンセントがあるわけでなく、数か所あるコンセントから電源リールで引いてくる。また、容量の制限があるので予約時に確認したい。電源使用料は500円
サイト内の炊事場。シンクは12基あってお湯も出る。蛇口から出る水はそのままの飲んでも美味しいし、コーヒーや料理に使用するのもよいとのこと
夜間は消灯時間の22時ごろまでは炊事場に照明が点いている
RVパーク利用時に出たゴミについては回収も行なっているが、ルールに沿った分別は必須。料金は350円。なお、旅のほかの日程で出たゴミの回収には対応していない

そのほかの設備について

 RVパークではサイト内での過ごし方に制限はあるが、お風呂やシャワーなどについては、オートキャンプ利用者と同じように利用することができる。お風呂は予約制の貸切で、料金は人数によって異なる。1名では1000円、2名では1人分が550円、3名以上で利用する場合は1人分が350円。お風呂は2か所用意していて、利用時間は8時~22時で30分区切り。

お風呂を使いたい場合はチェックイン時に予約をしておく
オートキャンプエリアにお風呂が入る建物がある。このなかにはトイレも入っている
洗い場も浴槽も広めなので、家族での利用でも問題ない
脱衣スペース。お風呂は2つあるが、どちらも同じ作り
場内のトイレは1か所。こちらは男子トイレ
女子トイレ
コインシャワーもある。こちらは24時間利用できて、料金は4分間で200円。シャワーブースの横には洗濯機と乾燥機もある
お風呂とは別にパウダールームも用意している
女性のメイクなどに使われているそうだ
これが管理棟。オートキャンプエリアにある。到着したらここで受付を済ませる
管理棟内の売店コーナー。キャンプ用品など販売
カップラーメンやお菓子などもある
お酒や飲料水の販売コーナー
氷やアイスクリームも販売している
管理棟内に電子レンジが置いてある。管理棟は夕方から施錠されるので利用時間に制限がある
RVパークからオートキャンプエリアに行く道。RVパークの方が高い位置にあるので階段を利用する
夜間は照明が点くが夜に歩くなら、足元をしっかり照らすため、手持ちのランプがあった方がいい

RVパークに泊まってみた

 今回もRVパークに泊まってみた。平日の利用だったので、ほかにお客さんはいなかった。前述したようにRVパークとして利用する際は、車外でのキャンプ行為がNGなので、今回は焚き火や外での調理はなし。

 普段から焚き火をしないとか、調理は車内で行なう、もしくは食事は外で済ませるというのならよいが、もし焚き火などのキャンプ行為が好きなら、オートキャンプとして予約するべき。「せっかく行ったのにガマンした」では、楽しみも減ってしまうだろうから、ビッグランドを利用するときは、この点をしっかりと考えておいた方がいいと思う。

1番サイトを利用させてもらった。スペースが広いのでかなり余る感じ
1番サイト隣の2番サイト側から見た感じ。若干高くなっている
筆者の場合、火気の使用はお湯を沸かすくらいなので特に困ることもなかった
電気についても小型の冷蔵庫とLED車内照明、それにPCといったくらいの使用分なので、700Wクラスのポータブル電源で十分足りる

 取材日は昼から曇り空だったので、夜になっても星空を見ることができなかった。ただ、ビッグランドのある北杜市は自治体が「北杜市に月・星を見に行こう」とPRをしているので、雲がなければ、きれいな星空が見えたのだろう。

 ただ、ビッグランドの敷地内は木が多く空が見えないため、星空を見るためには、施設から少し離れた場所に移動する必要がある。暗い道を数分歩くことになるが、畑があって開けている場所と、川沿いの場所の2か所が星空鑑賞に適している場所であった。

北杜市は月や星空の鑑賞に適しているとのこと
RVパークを出て右側へ。2~3分歩くと農地に出る。ここであれば星空がよく見えるはず

 夜が更けてからはとにかく静かで、人工的な物音がしない。それに付近に街灯などもないので夜はしっかりと暗い。こういう環境は都市部に住んでいると体験できないので、夜に時間があるなら、車外に椅子を出して「暗くて静かな夜」を堪能する時間を作ってもいいだろう(サイレントタイムは21時~翌7時、消灯は22時)。

 最後に気候に関して。山梨県の山間部といえども近頃の夏はそれなりに暑いそうだ。ただ、朝と晩は涼しくなるとのこと。取材は6月の初めに行ったのだが、当日の夜はTシャツ1枚では寒さを感じるくらいであった。夏休みの時期はそこまでではないだろうが、それでも平野部より過ごしやすいはずだ。

畑とは逆の方向に出て4分ほど歩くと大武川に出る。ここでは川での水遊びができるそうだ。ここも星空の鑑賞に適している
川にかかっている橋の上から見たものだが、川底がはっきり見えるほど水は澄んでいた