車中泊の拠点 RVパークを訪ねる

人気投票で第3位、すべてが高レベルの栃木・那須塩原のRVパークに泊まってみた

那須塩原ニワトコRVパーク

那須塩原ニワトコRVパークは東北道の西那須野塩原ICから10分ほど走ったところにある

 日本RV協会が主催する「ジャパンキャンピングカーショー」(2026年は1月30日~2月2日に開催)では、RVパーク利用者の投票によって選出する「RVパークアワード」の表彰式がある。2025年度のRVパークアワード第3位に選ばれたのが、今回利用した「那須塩原ニワトコRVパーク」(栃木県那須塩原市横林144-180)だ。

 施設の名前にもなっている「ニワトコ」とは、樹木の名前である。種類は落葉低木で、一般的には庭木(主に敷地の境界)として植えられるものだが、那須塩原はこのニワトコが多く自生をしていた土地であったという。

暖かくなってきたが、まわりの樹木はまだまだこのような状態。葉が落ちた状態では、ニワトコとほかの樹木は見分けがつきにくいという

 ニワトコRVパークは、キャンピングカーユーザーであり、各地を旅した経験を持つオーナーの丹羽氏が「理想のキャンピングカー宿泊施設」にすることを目標に作り上げたもので、土地の選定、開拓、さらには工事も自身で行なっている。

 敷地面積は約2000坪と広大で、そのなかに25個のサイトが作られている。各区画は大きく、大型キャンピングカーを停めてサイドオーニングやテーブルなどを展開しても十分余裕がある。さらに「大型トレーラーを牽引したまま」の状態で入場できるサイトまであるのだ。これまでたくさんのRVパークを訪問しているが、一つ一つのサイトのサイズで見ると、ここが最大と言えるだろう。

 すべてのサイトは地面を平らに整地してあり、地面は「瓦チップ」という小石系の明るめの色の床材を敷き詰めている。これはサイトの雰囲気を明るくしているのと同時に、地面を適度な硬さに保ってくれるので、重量のあるキャンピングカーを停めるのに適している。水はけもよく、雨の日でも快適だ。

ニワトコRVパークの見取り図。略図でもそれぞれのサイトの形状や大きさはかなり参考になる
あとで紹介するサニタリー棟の2階から撮影。真ん中が芝生のスペースで右側に「段々サイト」、奥が「広々サイト」など
瓦を砕いたチップを敷き詰めている。駐車スペースや通路は白っぽい砂利びきのため、コントラストになってきれいな雰囲気だ
すべてのサイトに20A電源がある。電源の使用料は1000円。コンセントはアース付きの3口タイプ。スペースが広いので延長コードはあった方がよい

 次はサイトの種類を挙げていこう。一番人気という「段々サイト」は5つある。サイズはそれぞれ多少の違いはあるが、約10×10mと広い。

 隣のサイトとは塀で仕切られていて、さらに名前のとおりサイトごとの境界に「段差がある」ので、プライベート感は高い。段々サイトには愛犬家のために高さ90cmのフェンスで囲った「ドッグフリーサイト」があり、サイト番号の4と5に設定している。

上から見た段々サイトの様子。手前側が1番
2番サイトにN-VANを入れてみた。スペースに余裕があることが分かる
ゆるい坂道に「段」を作ってサイトにしている。サイト間の段差はこんな感じ
芝生側から見たところ。人の移動は安全面から車道側ではなく、芝生側になるよう通路を設けている
ドッグフリーサイトはこのようなフェンスがつく。出入り口も二重扉を使った専用タイプ
5番サイトはほかよりも少し敷地が狭いが、その代わりサイトスペースが天然芝になる。こちらもドッグフリーサイトなので、愛犬連れで利用できる

 次は「広々サイト」。こちらは約10×16mで2区画ある。広々サイトはドッグフリーサイトでもあるので、愛犬連れのユーザーがここを目当てに来場することも多いという。地面はニワトコRVパーク共通の瓦チップ。サイトはフェンスで囲まれている。

 フェンスの高さが90cmあるのでプライベート感は十分で、サイトの間には歩道が設けられているため隣との距離が保たれている。おかげで隣の状況はほとんど気にならず、他人やほかの犬に対して敏感に反応してしまう犬を連れている場合も、この広さ・距離感はありがたいのでは。

広々サイトは10×16m。スペース内にはテーブルとイス、たき火台がある。ドッグフリーサイトなのでノーリードで遊ばせることができる
芝生側から見た広々サイト。出入り口は犬が飛び出さないように二重の扉になっている
角地を利用した「ドライブスルーサイト」。駐車スペースが貫通タイプなので、キャンピングカーのドアの向きに合わせて駐車がしやすい。通り抜けできるので入退場でバックする必要がない
サイドスペースは三角形になるが十分な広さを確保している
大型の車両用ではほかにも「プライベートサイト」があり、こちらは2区画。サイズは幅が約13m、奥行きは22mまたは25m
「プライベートサイト」には東屋を常設する。柱には日よけや虫除けになるネットもあるので、これからの季節も快適に過ごせるだろう
道路に面している「村長サイト」。変形サイトではあるが駐車スペースの長さは16mもある。N-VANを入れてみたが、完全に持て余すほど広過ぎた(笑)
隣り合うサイトは1つだけで塀もある。前面は道幅のある通路、後ろ側は芝生スペース、そして横が道路(塀や樹木あり)なので、村長サイトも居心地がよさそうだ
フリーサイトっぽい作りの「ニワトコサイト」は7区画ある。幅6m、奥行き15m。こちらもトレーラーを牽引した状態で入場できる広さ
6番と7番はフェンス付きのドッグフリーサイト。サイズは幅6m×奥行き8m。サイトの後方は道路だが、前の見晴らしはとてもいい
ニワトコRVパークの前面道路の向かいは広大な牧草地。夏になるととうもろこし畑になるそうだ。那須塩原は扇状地を開拓したところなので、このような広さを感じる風景は多い

 以上がニワトコRVパークの「表側」とも言える部分のサイトの紹介だ。ニワトコRVパークはシンボル的な建物として「サニタリー棟」があり、この裏側にもサイトを用意している。表側と異なるのは「焚き火禁止」になっていることで、焚き火がしたい場合は上記の表側のサイトを選ぼう。

サニタリー棟の向こう側にも6つの区画がある。これはサニタリー棟に最も近い「サニタリー棟横サイト」(3.5×7m)。電源はあるがテーブルなどの装備品はない
前面道路沿いに「道路側サイト」がある(8×6m)。写真左側のフェンスに囲まれているところが「林側サイト」。こちらはドッグフリーサイトで、奥行き15mで幅は6~7mの変形サイズ
「道路側サイト」。フェンスはないが、その分広々としている。トイレなどからも近いので人気がある
「道路側サイト」を別の角度から
「林側サイト」はドッグフリーサイトなのでフェンスで囲ってある
サニタリー棟の裏側のサイトでは、ここのみテーブルが置いてある。キャンプ的な過ごし方ができそうだが、やはり焚き火は禁止

 ニワトコRVパークのなかではコンパクトのサイズの「サニタリー棟横サイト」。こちらはなんと料金が2000円とリーズナブル。施設のなかでは区画サイズが一番小さいが、それでも一般的なRVパークの標準サイトと同等なので狭さを感じることはないと思う。

 ちなみにN-VANなど軽キャンパーであれば、クルマの横にカーサイドタープを展開しても問題なく収まるだろう。ハイエースの標準ボディであれば、カーサイドタープのサイズによってはギリギリで入るかもしれないので、横幅3.5mのなかに車幅と手持ちのカーサイドタープの展開幅が収まるかを計算をしておくとよいだろう。

クルマを停めているちょうど後ろが炊事場やトイレの入り口(反対側からも入れる)ので、トイレに近い方がよいという人には最良の場所かもしれない。もう少し端に寄ればカーサイドタープも余裕で展開できる
奥行きは十分にあるので、テールゲートを開けて後ろにテーブルなどを展開するのも余裕。ちなみに常設のテーブルはないので、車外でくつろぎたい場合はテーブルや椅子を持参すること

付帯設備はかなり充実している

 ここからは設備について紹介しよう。まずはサニタリー棟。コンテナハウス用のコンテナを利用した2階建ての建物で、1階はトイレとシャワールーム(それぞれ男女別)と洗い場がある。洗い場には、男女共用のトイレが1か所ある。

 2階は展望デッキになっていて、一部を壁で仕切った貸切のジャグジーを設置している。ジャグジーは予約制で料金は1時間3000円(利用は4名まで)となっている。11月末から3月いっぱいは休止しているが、4月から稼働を再開する。ただ、人気の設備なので、ジャグジーを利用したい場合は早めに予約を入れておきたい。

 受付はサニタリー棟とは別に受付棟がある。こちらには10時~17時にスタッフが出勤している(水・木曜はスタッフ不在の場合あり)。

 ニワトコRVパークは事前予約のみの受付で、チェックイン方法は3つ用意している。

 1つは、スタッフがいる時間に到着した場合の対人受付。もう1つが電源ボックスの上に貼られているQRコードを読み込んでオンラインチェックインをする方法だ。QRコードを読み込む端末がない場合は、現金で支払う方法も用意しているので、予約時にその旨を伝えて手順を聞いておこう。

 ちなみにチェックアウトは翌11時までとなっている。チェックアウト時に発生する精算はないので、自分の予定で出発時間を決めても問題ない。

ニワトコRVパークのシンボル的な建物であるサニタリー棟。芝生に面した正面側は広々としたウッドデッキになっている。将来的には、ここでアコースティックライブなどイベントをやりたいとのこと
洗い場は3か所ある。屋内であり、夜間は自動でライトがつくので利用しやすい。もちろん清潔だった
洗い場スペースには男女兼用のトイレがある
こちらはシャワーブース。男女別で1か所ずつ用意している。座って利用できるようにベンチ付き。料金は15分目安で300円
サニタリー棟の2階は展望スペースで自由に上がることができる。柵でしっかり覆われているので、小さい子供でも安心できるだろう
展望スペースの奥にはジャグジーを設置した部屋がある。予約制で1時間3000円(4名まで)。スペースにはシャワーブースも用意している
こちらが受付棟。スタッフがいる間は地ビールの生ビールサーバー販売も行なっている
普段常駐しているのは店長の富(とみ)さん。ご自身も軽キャンパーに乗っている
スタッフが常駐していない時間に到着した場合はこのQRコードでチェックインを行なう
QRコードを使えない場合は、サニタリー棟に用意している書類に必要事項を記入。料金を現金で入れて専用のポストに投函する
受付棟内のビールサーバー。地ビールの「なすですな」を敷地内で提供する分、販売している。ニワトコRVパークは飲食店営業許可を取っているので、このような販売も可能
オリジナルTシャツなども販売している
受付時には周辺の観光ガイドや割引券などがもらえた。朝早く出発する場合、忘れ物をしていないかどうかのチェックシートもある。受付が開く前に出発する場合は、指定のポストにファイルを投函する
こちらがサニタリー棟の横にあるポスト。QRコードチェックインや現金チェックインの場合でも同等のサービスになるよう、観光ガイドや割引券はサニタリー棟の現金用受付ボックス内に置いてある
24時間営業の売店もある。冷凍食品やカップラーメン、ご飯類、飲み物、お菓子、アイス、雑貨類などを揃える。焚き火用の薪(広葉樹)も販売している。会計はキャッシュレスオンリー
インスタント食品なども用意しているので、極端な話、食材を一切持たずに来てもなんとかなる
冷凍食品もあり、電子レンジが置いてあるので調理も可能
アイスクリームも多数。筆者も夜に1つ購入した
飲料水もあるので、本当に着替えだけ持ってくれば滞在できる

2000円の最安値区画に泊まってみた

 取材日は平日で、サイトはどこでも選べる状態だったが、表側のサイトの快適さは泊まらずとも容易に想像できた。そこで今回は、最も料金の安い「サニタリー棟横サイト」を利用してみることに。

 こちらはニワトコRVパークのなかでも一番狭いので、ほかの区画に常備しているテーブルがなかったりするが、その辺りは自前で用意しているので問題ない。また、場内のルールとして「焚き火できないサイト」だが、今回はガマンする。ただ、車外でのガスコンロを使う調理は許可されている。

サニタリー棟横サイトを利用。番号は3番
道路側から撮影してみた

 実際にテーブルなどを外に出してみたが、感想としては狭いとは感じない。特に遠慮せずに道具を展開しても、十分に余裕があるのだ。この区画は安いので広さについての質問が多いそうだが、写真を多めに掲載しておくのでスペースを知るための参考にしてほしい。

 また、前面道路から近いことから「音」に関しても質問があるそうだが、そもそも昼間でも通るクルマは多くないし、夜間になるとほとんど通ることはなかった。強いて言えば、朝の時間帯は通勤などでこの道を利用する人が増える印象だが、それでもたくさん通るというイメージではなかった。

 利便性については、サニタリー棟の裏ということで、トイレなどが使いやすい。場所的にほかの人がクルマのそばを通ることはあったが、裏側の出入り口を利用するのはサニタリー棟横サイト、道路側サイト、林側サイトだけなので、頻繁に通るようなイメージではない。

 結論として、料金を抑えたい人はもちろん、トイレ利用や売店の利用がしやすい方がよい場合、サニタリー棟横サイトはお勧めである。ただ繰り返しになるが、ここは焚き火が一切NGなので、焚き火がしたい場合は、表側(芝生側)のサイトを予約すること。

クルマを端に寄せて停めてみた。横にはこれだけのスペースが余る
クルマの後方にテーブルなどを広げてみた。ゆったりとした配置が可能なので、狭さは全然感じなかった。軽バンであればカーサイドタープは普通に使用できそう
たまにはN-VANのなかも紹介。ベッドキットは折りたたんで壁面に収納できるタイプを使用。テーブルも同じく畳んで壁面に収めることができるので、車中泊をしていないときは普通にN-VANのスペースを活かせる。キャンピングカーまでは必要ないけど、車中泊はしたいという場合はお勧めの装備だ。どちらも「匠台ベース」というブランドのもの。自社Webサイトなどで販売している

 以上がニワトコRVパークの紹介だ。人気投票で3位になるほどの施設なので、すべてにわたってレベルの高さを感じられた。現状でも十分な広さがあるのだが、2026年中のオープンを目指して、隣にさらに1000坪のパークを拡張する工事を行なっている。

 一度訪れたという人でも、また違う魅力が追加されるはずなので、ニワトコRVパークのWebサイトを定期的にチェックするとよいだろう。

焚き火をするなら消化器を用意しておきたい。筆者が備えているのは「ファイヤーショーカスティック」。電気や油の火災にも対応でき、薬剤が金属などに対して悪影響をおよぼさないので、エンジンや電気部品にも使用できる
筆者の手持ちは消化剤の噴射時間が100秒以上と長いタイプ(FSS-100)。先端部を黄色いキャップで擦ると消化剤が噴射される。1分以上噴射できるという性能は「心の落ち着きを取り戻す余裕がある」とも言える
取材日は曇り空だったので星の撮影はできなかった。代わりに、サニタリー棟の上から芝生側サイトを撮影してみた
サニタリー棟も撮ってみた。夜間はこのように照明が付いているので、トイレに行く際に手持ちのライトは不要
こちらが隣に作っている約1000坪の新しいパーク。飲食棟なども作っている。全部完成するのはもう少し時間がかかるが、利用できるようになったものから順次オープンしていくという
現在のパークもそうだが、土地の開墾はオーナーの丹羽氏が重機を使って自身で行なっている