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東京キャンピングカーショー2026レポート。低価格軽キャン、中古車ベースなど日本のクルマ旅にあった新しい流れを感じた

2026年7月11日~12日 開催
オートキャンプ場やRVパークでの車中泊を快適にする装備を持ったキャンピングカーが増えている。車両価格の安さをウリにするモデルも

 東京キャンピングカーショー実行委員会は7月11日~12日、東京ビッグサイト東7・8ホールで「東京キャンピングカーショー2026」を開催した。

 キャンピングカーイベントは各地で開催されているが、このイベントは都内最大級の規模を誇り、出展企業数は100社以上、車両は238台が展示された。

 キャンピングカーのブームは落ち着いたものの、保有台数や関心層は一定の規模を保っており、本イベントも初日から多くの来場者が訪れて、駐車場の入場待ちの列が早朝から午後まで続いていた。

軽キャンパーから大型バスコンバージョン車まで、238台のキャンピングカーを展示した「東京キャンピングカーショー2026」

 日本RV協会がまとめた資料によると、2025年のキャンピングカーの市場は販売総額が前年を下回っている。

 ただ、これはベース車両の供給不足によるもので、キャンピングカー自体の人気が低迷したわけではない。とはいえベース車の供給不足は現在も続いているそうなので、影響は長引きそうだ。

 ジャンル別ではハイエースなどをベースにした「バンコン」と呼ばれるタイプが最も販売台数が多く、昨年度は2351台。その次が「キャブコン」で1542台。そして「バスコン」が216台、そのあとに「軽キャンパー」が144台と続く(8ナンバー車両でのデータ)。

 このなかで、近年で販売台数を伸ばしているのは軽自動車をベースとした軽キャンパーである。こちらはベース車両の供給が比較的安定している状況であり、さらに軽自動車をベースにすることから、キャンピングカーに仕立てても車両価格が抑えられる。

一番人気はハイエースなどをベースにするバンコンだが、ベース車両の供給が不十分なことから、大きめのキャブコンを検討するユーザーも増えてきている。また、キャブコンを検討する層にはバンコンからの乗り換えもあるそうだ
RVランドが取り扱うキャブコンバージョンの「ハイマー」。展示車両の価格は約3900万円。ベースはメルセデスベンツのスプリンターで、ドイツのビルダーらしく、インテリアは豪華でありつつ機能的
ハイマーは完成車として輸入しているので、ほかのキャンピングカーのように納車に1年以上かかる状況ではない。ただ、内装の変更などのオーダーをした場合は、納車まで時間を要することになる
車内での移動がしやすいよう、家具が通路スペースに合わせて若干斜めに造形されているなどの工夫がある。ぱっと見ただけでは分からないが、歩いてみると、歩きやすさを感じるそうだ
ナッツRVの「ジョカーレ」。ベースはフィアットのデュカトバン。展示車両のオプション装備の状態で、車両価格は約1455万円
車両の後方にベッドスペースと広い収納スペースを持っている。今回の展示では収納スペースに大型オートバイを搭載していた
リビングスペースから積んだオートバイを眺めることができる。住まいのスタイルとして流行りのガレージライフ的な使い方

中古車ベースやリフォームのニーズも増えている

 ベース車両の供給不足の影響を直接受けているキャンピングカー業界では、新たな取り組みを進める企業が増えている。

 以前は新車ベースのキャンピングカーだけを製造販売していたところが、自社で手入れをして状態を整えた中古車をベースにキャンピングカー仕立てる方法や、すでに所有しているキャンピングカーのリフォームなどを積極的に行なうなどの動きが出てきているのだ。

 ベース車不足がきっかけになったものではあるが、そうした需要があることもこの状況で判明しただけに、今後は中古車ベースやリフォームもキャンピングカー業界のスタンダードになっていくかもしれない。

中古車をベースにするキャンピングカーの販売も増えている。また貨物車ベースだけでなく、乗用車をベースとする流れも強くなってきている

ミニバンベースの車中泊車の需要が高まっている

 以前から国産ミニバンをベースにしたキャンピングカーは一定数の展示があったが、今回はそれがやや増えている印象を受けた。

 そもそも「キャンピングカー」の呼び名は日本で広く使われている呼び名で、海外では地域や車種に応じて「RV」「モーターホーム」「キャンパーバン」などと呼ばれている。

 そしてキャンピングカーを所有するのは、自宅のような環境を旅先へ持ち込むためなので、宿泊地に到着しても快適な車内で過ごすのが中心となる。それに対して日本では、車中泊とアウトドアキャンプシーンをミックスした楽しみ方をしているユーザーが大勢いるのだ。

 このような使い方では車内での調理はほぼ不要になるので、シンクやコンロといった装備がなくても不便さを感じにくい。ベッドとキャビネット、エアコンやサブバッテリーなどを追加するだけで、遊びのスタイルに対して、十分に快適な環境を作ることができるのだ。

 また、最新のミニバンは予防安全機能や運転支援機能が充実しており、乗り心地がよかったり、静粛性が高かったりすることから、乗用車からの乗り換えでもギャップを感じにくい。

 さらにミニバンはベース車両の供給が安定しているので、注文してからの納期もそれほど長くはない。こうした背景から以前と比べてミニバンベースのキャンピングカーを熱心に見学するユーザーが増えてきているそうだ。

ロッキー2というメーカーの「STEP WGN MV」。電源を含めた車中泊仕様のスタンダードと言える車両で価格は622万円
ステップワゴンは低床なのでベッド下に広い荷物置きスペースが作れる。3列目シートのフロア下収納スペースにサブバッテリーなどの電装品を収めることもできる
見えない部分であるが、天井の断熱加工は車中泊の快適性を高めるうえで効果の高い装備だ
最新ミニバンは予防安全機能や運転支援機能が充実している。特に先行車追従機能付きオートクルーズやレーンキープアシストは、長距離運転の疲労を大幅に軽減する
ホワイトハウスの「STEP WGN DECK ONE“POP JOY”」。オリジナルのポップアップルーフを装備する。ベッドのみの就寝定員は2名だが、ポップアップルーフを装備すると1名プラスの計3名に。価格は685万4000円
ベッドモード。運転席は向きが180度回転できるスイベルシート。家具は専用品で、冷蔵庫や電子レンジを装備する
2列目のシートは純正品ではなく、キャンピングカー用のものに付け替えられているので、簡単にフラットのスペースを作ることができる
スライドドアの窓にはめ込み式の「窓ファン」を装備していた。汎用品のほか、フリード、ステップワゴン、ノア・ヴォクシー、ベルランゴ/リフター、N-BOX用がある。価格は2万8600円~3万5200円
専用品はスライドドア側の窓を下げて、付属の枠ごと窓にはめ込むだけで装着できる。電源は付属の配線をアクセサリーソケットにつなぐだけ

はじめての軽キャンパーと2台目の軽キャンパー

 人気が伸びている軽キャンパーの魅力と言えば、登録車ベースのキャンピングカーに比べて車両価格が安いことである。

 とはいえ、エアコンや電子レンジ、走行充電装置、サブバッテリーなどの装備を搭載したモデルになると、軽自動車でも500万円を超える。絶対的な価格として安いと言えないが、それでも登録車ベースのキャンピングカーと比べると、初めて購入する人にとってもこの価格帯なら……というところ。

 ちなみに最初の1台の傾向としては、オプション品をフルにつけた状態で購入する人が多いそうで、「はじめてのキャンピングカーは500万円から」がスタンダードになっているようだ。

キャンピングカーのエントリー層に人気の軽キャンパー。小さい車体でも装備が充実しているところが人気のポイント
ベース車が安いので、装備をつけても総支払い額が登録車より抑えられることも選ばれる理由の1つ
最近は軽キャンパーでもエアコンを装備しているのは当たり前になっている
軽キャンパーで居住性を重視する場合は、軽トラックをベースとするキャブコンも選択肢に入る。こちらはダイレクトカーズ製でディッキーズとコラボレーションしたモデル。展示車両の価格は781万2000円
キッチンまで装備する。キャブコンタイプはスペースが広いだけでなく、シェルに断熱対策を施しているので、居心地がよいのが特徴
ベンチの部分がベッドスペースになる。運転席上には荷物を置けるスペースがある。小さい子供ならここで寝ることも可能だ

 ところが今回、会場を歩いてみると低価格であることをアピールする展示をしている軽キャンパーが何台か目に入った。そこでどのようなものかを聞いてみると、おもしろい傾向が見えてきたのだ。

 低価格の軽キャンパーを検討する層は年齢が若い方が多い。一方、最近の傾向として、以前は装備が充実したキャンピングカーを所有していたユーザーが、シンプルな軽キャンパーに乗り換えるケースも出てきているという。好みの目的地やそこでの過ごし方など、自分なりの車中泊スタイルが確立してくると、必要な装備と不要な装備がはっきりと分かってくるためだ。

 そして、例えばRVパークを中心に旅に出ているのであれば、宿泊地に外部電源があったり、電子レンジなどの便利家電が置いてあることもある。するとクルマにそれらの装備がなくても不便を感じなくなる。

 また、ソロでの旅が多い場合、ハイエースなどの大きなクルマはサイズ感などで持て余すこともあるようだし、燃費があまりよくないので、そこが負担になってくることもあるようだ。

 そこで、乗り換えのタイミングでシンプルな仕様の車中泊車(キャンピングカー)を探すのだ。候補に出てくるのはシンクやエアコン、電子レンジなどのキャンピングカー的な装備がついていないシンプルな車両になる。

 また、エアコンなどの電気を使う装備や不要となれば、サブバッテリーや走行充電装置も要らなくなるので、結果的に高額なオプション装備を省くことができるようになる。

 こうして装備を考えていくと、残るのはベッドキットやカーテン、天井照明、断熱処理などの基本的なもののみとなり、結果的に車両価格も300万円ほどで収まるようになるのだ。

 実際に乗ってみて、やはりエアコンが欲しいとなった場合でも、最近は高性能なポータブルエアコンが10万円以下で販売されていて、それをRVパークの電源で動かすことができる。電源がなくても大容量のポータブル電源を持っていけば対応できることも多い。

 このように「自分サイズ」「自分仕様」の車中泊車として、軽キャンパーを選ぶ人が増えているとのことだった。

HIRABOが出展していた「BOUKEN」。ベースはスズキのエブリイバン。遊びのベースキャンプ的に使える車両として開発しているので、リア家具、ベッドマット、ミニテーブル、段差展開家具一式などを標準装備。価格は231万4400円から
ベッドマットとベッドにもなる段差収納、左右にある家具などが標準装備。車中泊であればこの装備で十分と言える。ロッドホルダーや有孔ボードはオプション
ベッド下にこれだけの収納スペースがあるのは使い勝手の面で非常にポイントが高い。フロア面のベッドに寝る設定であれば、左側上段はテーブルがわりに使うこともできる
スマートトータルサービスの「STSキャンパー」。ベースはホンダのN-VAN。展示車はオプションを装備しているが、このモデルにはエントリーモデルとして「NOOK」というグレードがある。こちらは309万8700円から
写真の状態でオプションになってるのは、エアコンとリアのエアロウインドといったところ。ほかは標準装備なので十分な仕様といった印象だった
エントリー仕様であっても防音・制振・断熱性にこだわった3層構造となっているところがうれしい。車中泊ではこうした装備を優先する方が、結果的に居心地がいい車内環境を作ることができる

 以上が、東京キャンピングカーショー2026で目に止まった車両たちだ。繰り返しになるが、キャンピングカー業界の状況としては、主要車種であるハイエースやキャラバンが手に入りにくい状況が続いているので苦戦するところも多い。

 しかし、そんな状況でも新たなベース車を開拓したり、豪華で高額なモデルだけでなく、購入しやすいシンプルな仕様が選べるようになったり、中古車をベースにしたり、乗用車ミニバンをベースにしたりとむしろ選択肢は広がった感じを受けた。

 こうした動きは一時しのぎではなくて、日本の市場にマッチするように絞り込まれたものとも言えるので、今後はさまざまなクルマ旅スタイルにマッチするキャンピングカーや車中泊仕様車が増えてくるような予感もするのであった。

そのほか気になるアイテム

 最後は、会場で見かけた気になるものを写真で紹介していく。

猛暑のためポータブルクーラーやエアコンの注目度はグンと高まっている。こちらはクルーズカンパニーのオートワンブランドで発売している「イージークール」
写真のように窓に引っ掛けるように取り付けるもので、室外機の部分が外に出るので室外機用配管が必要ない。コンプレッサーはパナソニック製を使用している。100V電源仕様。価格は17万8000円
AC電源だけでなくDC電源も使えるポータブル電子レンジ「ウェーブボックス」。車中泊とキャンプギアの専門ショップ「コイズミダイレクト」で取り扱っている。価格は4万9500円。取っ手がついているところも特徴だ
一度補充した水を浄化・循環することで繰り返し使うことができる浄水システムを搭載したシンク「アクア無限ループ・ムーブ」。洗い物のほかにもポータブルシャワーセットと合わせるのも便利。参考価格は19万8000円から
シンクのサイズは小さめだが、不要なときはクルマから降ろしておけるので、シンプル装備の車中泊車との相性もいいアイテムだ。販売代理店は広島県の政商店
ホワイトハウスのグループ企業であるTCLが扱う消化具「ファイヤーショーカスティック」。昨年から今年の初めにかけて、焚き火が原因による山火事が多く発生している。もしものときに確実に消化できる道具も揃えておきたい