車中泊の拠点 RVパークを訪ねる

西伊豆の海辺の小さい街でゆっくり過ごす。美術館跡地のRVパークに泊まってみた

RVパーク キャンピングカーBASE Atelier41

RVパークの設立が続く西伊豆エリア。3月に営業を開始したRVパーク「キャンピングカーBASE Atelier41」は美術館の跡地を利用している

 RVパークの数が多い西伊豆エリア。それだけクルマ旅の需要があるということだろう。さて、今回利用したのはそんな西伊豆エリアで2026年3月にオープンしたばかりの「RVパーク キャンピングカーBASE Atelier41(アトリエ41)」(静岡県伊豆市土肥485)。平成26年(2014年)まで開館していた美術館の跡地を利用した施設だ。

アトリエ41は伊豆市土肥にあった象牙美術宝庫の跡地を利用している。看板なども残っている
象牙美術宝庫は名前を変えて伊豆高原へ移転済み
アトリエ41は地図で見るとこの辺り。伊豆縦貫道の終点から西側へ山越えをして向かう。東名の沼津ICや新東名の長泉沼津ICから渋滞なしでくれば約1時間半
県道17号線から少し入ったところにある。写真では右手が伊豆縦貫道を使用した際に来る方向。手前が海沿いの沼津方面に行く道。伊豆縦貫道から来ると鋭角に曲がって脇道に入っていく
施設までの道幅は広くはないが、観光バスが通っていたので、大型のキャンピングカーでも通行は可能
施設から徒歩で行ける小土肥海水浴場。海釣りスポットも多数ある
伊豆半島は全域が国立公園。海沿いを歩く「西伊豆歩道」もある。小土肥コースは小土肥浜を起点にするとコースタイムが往復約40分と往復約3時間のものがある

車中泊スペースについて

 旧象牙美術宝庫は観光バスも立ち寄っていたところなので、施設への入り口幅は広く、駐車場内はバスがUターンできる広さ。大型キャンピングカーでも利用しやすい環境だ。

 車中泊スペースは9つ用意しているが、倉庫側の0番は普段は使用していない。残りの8つが通常利用のスペースとなる。

 スペースは建物側に6つ、反対側に2つ。建物側は幅4m、長さ7mなのだが、6番のスペースは後方に階段があるため、長さが約5mほどになる。

 建物の反対側は観光バスの駐車スペースだったところを利用しているのでサイズは大きく、幅5m×長さ10m。バスタイプのキャンピングカーでも余裕で停めることができる。

 電源は建物側1番~5番、反対側7番~8番に用意している。建物側の6番は電源なし。また、7番と8番は1系統の電源で2口のコンセントとしているため、例えばそれぞれのスペースに車両が入り、容量の大きい電気製品を使った場合は、ブレーカーが飛んでしまうこともあるので、現状8番は電源なしの扱いになっている(今後改善予定)。

 料金は建物側のスペースが4400円~。反対側が6600円~。電源を使用する場合はすべての電源付きスペースで使用料1000円の設定となっている。

 チェックインは14時~17時、チェックアウトは6時~11時で、通年営業ではあるが臨時休業することもある。

 施設内にシャワーを含む入浴施設はないが、土肥は温泉街なので近隣には日帰り入浴施設もあるし、東京などからのアクセス道路である伊豆縦貫道のインターチェンジ付近にも温泉施設はある。

 なお、アトリエ41の敷地には以前使用していたお風呂スペースがあるので、こちらを改装して使用できるようにする計画もあるそうだ。

施設の入り口は勾配がついているが広い。手前の建物は別の管理者が倉庫として利用しているそうだ
場内の様子。建物側に0番~6番のスペースがある。通常は1番~6番を使用する
0番側から見た光景
0番~5番は同じサイズ。幅4mの長さ7mでかなりゆったり使える
長さの参考に。自分のスペースであればテーブルや椅子の展開はOK。シェルターやオーニングの展開も大丈夫だが、車外でのテント泊は禁止されている
建物側の6番スペース。後方に階段があるので縦のサイズが短くなっている
スペースは小さめになるが横が壁になるためタープなど展開するとプライベート感は高くなりそうだ
写真の右側が7番、左側が8番。どちらも観光バスの駐車スペースだったところ利用している。7番は変形スペースとなる
8番の後ろ側から撮ったもの。建物側との間に広いスペースがあるので、大型車両でも向き替えをしやすい
0~5番は後方の壁面にこのような電源ボックスがある。電源の利用料金は1000円
7番と8番は電気配線が1本のみ。ソケットは2口あるが、原則として8番は電源がないと考えた方がいい

利用ルールについて

 アトリエ41では、ガスコンロを使った車外調理は行なえるが、焚き火は禁止している。また、炭などを使う車外調理(BBQ含む)、花火なども禁止である。

 また、どこの施設もそうだが、夜間はサイレントタイム(22時~翌6時)を設定している。22時前であっても付近には民家があるので、大声を控えるのはもちろん周囲に気を配りつつ、それぞれで楽しい時間を過ごしてほしい。

 このほか、テントを張っての宿泊や、ボール遊びなども禁止している。ペットの同伴は可能。

スペースに余裕があるとボール遊びを始める利用者もいるが、ほかのパークでも少し問題になっている

設備について

 次に設備について。アトリエ41は運営者が1人で整備をしているので、準備中の部分がある。現在は、車中泊スペース、電源のほかに、トイレと炊事場が整備を終えて利用できるようになっている。

 トイレは男性と女性、それぞれ別。男性は小便器が3つ、個室が1つ(和式)で、女性トイレは洋式便座の個室が3つ(うち1つはバリアフリー対応)だ。また、駐車場脇の建物に洋式便座の個室が1つあり、こちらは男女兼用となる。

 洗い場はトイレの前に設置していて水栓が2つある。シンク自体の大きさは十分あるが、モノを置くところがないので、洗い物が多いときは台や袋を持参するなりした方がいいだろう。

 まだ準備中だが、駐車場に隣接する建物のなかに電子レンジの設置も予定している。また、小土肥海水浴場まで徒歩で行ける立地なので、海水浴後に浴びる夏場用の外シャワーや、海で使用した釣り具を洗うための洗い場の設置も予定しているとのことだ。

トイレは男女別。トイレは特に念入りに清掃しているそうで、建物は古いもののトイレは清潔だった
施設入り口横にある建物の1階にもトイレがある。こちらは男女兼用で洋式便座
トイレの前に洗い場がある。シンクは大きいがモノを置くところがないので、洗い物が多いときは袋や台を用意したい
7番スペースの壁づたいにある建物内に電子レンジを設置予定。クルマで10分以内にコンビニやスーパーマーケットがあるので、惣菜やお弁当などを買ってきた場合に便利

 もう1つ、設備ではないが利用の1つのプランとして考えているのが、運営者の勝呂氏による「近隣の撮影スポットガイド」である。

 土肥近隣のエリアは駿河湾に面していて、海の向こうには富士山が見える。そのため写真を趣味とする人にとって撮影スポットとして選ばれる場所となっている。

 また、伊豆はライダーにとっても絶好のツーリングスポットになっていて、最近は東京方面から来る方などには、伊豆までオートバイをクルマで運んできて、現地でオートバイを下ろしてツーリングを楽しむスタイルもあるそう。そこでアトリエ41の利用者を対象に、勝呂氏がオートバイで先導する撮影スポットツアーも用意しているそうだ。

 ちなみに勝呂氏は以前、スズキのテストコースを利用する体験走行会でインストラクターを務めていたので、オートバイで隊列を組んで走行する際のタイミングの取り方や安全確保などのノウハウを持っている。

RVパーク キャンピングカーBASE Atelier41 運営者の勝呂訓氏。地元の方なので土肥周辺の魅力を熟知している。観光スポットなど質問をしてみるのもよいだろう
駿河湾の向こうに富士山が見える地域である。撮った写真はこのように缶バッチとしてコレクションしているそうだ
夕日は駿河湾に沈むのでその撮影も人気。また、海釣りのスポットも多いので、車中泊と釣りを合わせた休日の過ごし方もお勧めとのこと

田舎の風景を眺めながら過ごす時間

 今回は建物側ではなく、周囲の景色が見やすい8番のスペースを利用してみた。バスタイプのキャンピングカーに対応するサイズなので、N-VANでは広過ぎるが使い勝手はまったく問題ない。

 電源は前述したように7番と8番で1つの電源を使うのだが、今回は筆者だけだったので容量の心配はなかった。電気を使うといっても車内のLED照明と小型の車載冷蔵庫のみなので、800Whクラスのポータブル電源があれば、到着時から出発時までまかなえる範囲である。

 アトリエ41は山肌に沿って建てられているので、8番スペースの向こうは低くなっていて、若干周囲を見下ろせる。そして遠くには山がある。残念ながら施設から駿河湾を見ることはできないので、いわゆる絶景とは違うかもしれないが、こういうのんびりした風景もよいものだ。

 西伊豆は太陽が水平線に沈んでいくので、夕方の遅い時間まで明るさが残り、これからの季節であれば食事の支度をはじめる時間も多少は明るさがあると思う。山のキャンプ場やRVパークは早い時間に暗くなることもあるが、アトリエ41では夕方の車外での活動がやりやすいと感じた。

 アトリエ41から少し離れたところに国道が通っている。今回は天気の都合上、取材としてはめずらしく土曜から日曜にかけて施設を利用したのだが(たまたまほかの利用者がいなかった)、土日であっても国道の交通量は多くない。そして夜になるとほとんどクルマが通らないので静かな夜の時間を過ごすことができた。

8番スペースから。のんびりした光景が広がる
駿河湾に太陽が沈む。この時間帯に海水浴場(徒歩圏内)に行けば、水平線に沈む夕日を見ることができる
こちらは朝日の様子、建物の向こうから日が昇るので、建物側のスペースであれば早い時間から朝日が当たることはない
付近に民家はあるが早めに電気が消えているので、夜はしっかり暗くなる。取材日は月が明るく薄い雲が広がっていたため、星空はよく見えなかった
空気が乾燥している時期であれば、星空がきれいに見えるそうだ