荒木麻美のパリ生活
テラス席でパリの夏を楽しむ! 元貨物列車専用駅やムーラン・ルージュの上など4選
2019年6月15日 09:00
パリにもようやく夏が近づいてきたなー! と感じるが日が増えてきました。これからさらに気温が上がり、夏が終わるまでは、日が暮れるのは21時から22時くらいになります。
今回はそんなこれからの季節にお勧めする、テラス席のあるカフェやレストランなどをご紹介したいと思います。
La REcyclerie
所在地: 83 boulevard Ornano, 75018 Paris(Googleマップ)
TEL: +33(0) 1 42 57 58 49
Webサイト: La REcyclerie(仏語)
クリニャンクールの蚤の市の近くにあるのがこのLa REcyclerie(ラ・リサイクルリー)。エコロジーをコンセプトにしたカフェ食堂です。以前、「都会の喧騒の中にある秘密の畑」で紹介した「Jardins du Ruisseau」の向かいがLa REcyclerieの敷地。奥にある建物はLa REcyclerieのものですが、それ以外はフランス国鉄SNCFから借りているものだそう。
La REcyclerieでは定期的にLa REcyclerieを紹介する無料ツアーを開催しています。せっかくの機会なので私も参加してみました。
入り口を入ってすぐ右手がDIYコーナーになります。La REcyclerieの会員になれば、ここを無料で使うことができます。DIYの専門家が常駐しているので、初心者でも大丈夫とのこと。
店の中央が注文カウンターになります。La REcyclerieでは飲み物や食べ物は注文カウンターでオーダーしてから受けり、広い敷地内の好きなところに自分で持って行くシステムです。価格はドリップコーヒーが1ユーロ(約125円)からと、全体的に良心的。
敷地内では野菜やハーブが所狭しと育っています。育てているのは専門員とLa REcyclerieの会員たちです。
7種類、17匹のニワトリもいます。彼らはレストランで出る生ごみなどをエサとして処理しつつ、1年間に約4000個の卵を産むそう。インディアンランナーという種類のカモもいるのですが、彼らの主な仕事は害虫駆除だそうです。
La REcyclerieでは自家製ビールも作っていますし、屋上にはハチの巣箱もあります。これらのビール、ハチミツ、野菜、卵などはすべて、レストランで使われています。
La Recyclerieにはコンポストも置いてあります。レストランで出た生ごみのほか、La REcyclerieの会員が、家で出た生ごみを持ってくるのだそうです。
La REcyclerieでは手作りコスメ、初心者向け縫物、自然療法、ヨガ、コーチ、足裏マッサージ、ソフロロジー、ゼロ・ウェイストなど、毎日のようにさまざまなテーマによるアトリエが開催されています。各種講演会もありますし、夜になるとDJが入ってクラブにもなります。朝8時から営業しているのもうれしいですね。
Le Pavillon des Canaux
所在地: 39 quai de la Loire, 75019 Paris(Googleマップ)
TEL: +33(0)1 73 71 82 90
Webサイト: Le Pavillon des Canaux(英語)
Le Pavillon des Canaux(ル・パヴィヨン・デ・カノー)は「コワーキング」をコンセプトとした一軒家カフェ・レストランです。「1カ月限定! パリ海岸で過ごす夏」でもご紹介したヴィレット貯水池にあります。
ここも飲み物や食べ物はカウンターでオーダーして受け取り、自分の好きなところに落ち着くスタイル。屋外はもちろんいいのですが、屋内にはバスルームやキッチンもあり、どの部屋も個性的なのでぜひ覗いて見てくださいね。
ここでも陶器の絵付け、瞑想、料理(おにぎりもありました!)といった各種アトリエを開催しており、夜にはDJが入ることもあります。
Le Pavillon des Canauxはコワーキングスペースですから自分のPCを持ち込んで仕事や勉強をしている人も多いのですが、ランチタイム、ディナータイム、週末は混むようになったために、この時間帯はPCの持ち込みが禁止になってしまったのはちょっと残念です。いずれにしても混んでいる時間帯は落ち着かないので、それを避けて行くことをお勧めします。
Le Bar à Bulles
所在地: 4 bis Cité Véron, 75018 Paris(Googleマップ)
TEL: +33(0)1 53 41 88 89
Webサイト: Le Bar à Bulles(英語)
有名なキャバレー、ムーラン・ルージュの真上にあるバーが「Le Bar à Bulles(ル・バー・ア・ビュル)」。ムーラン・ルージュの横にある「え、ここ!?」と思うような細い道を通って入り口にたどり着きます。
バーなので仕方がないのですが、中は音がとてもうるさいので、私は屋外のみ、季節のよいとき限定で訪れています。お勧めはなんと言っても屋上のテラス。ここからはムーラン・ルージュの赤い風車が間近によく見えます。18時開店なので、混んでくる20時くらいまでがお勧めです。
ここでもシルクスクリーン、ロマン・フォト(写真に吹き出しを付けて物語にしたもの)のアトリエやワインの勉強会などを開催しています。
La Cité Fertile
所在地: 14 avenue Edouard Vaillant, 93500 Pantin(Googleマップ)
TEL: +33(0)1 48 43 04 60
Webサイト: La Cité Fertile Facebookページ(仏語)
正確にはパリではなく、パリ19区に隣接したパンタンという地区にあります。「La Cité Fertile(ラ・シテ・フェルティル)」の敷地は何と1万m 2 。ここもフランス国鉄SNCFから借りており、営業は2021年9月までの予定となっています。
敷地内にはレストラン、バー、ペタンク(鉄球を使ったフランス発祥の球技)場、ビーチバレー場、瞑想小屋などがあり、2019年末には800m 2 の温室農場が、2020年には500m 2 の地産品などを扱うブティックもオープン予定です。
ここでも週末の夜にはDJが入りますし、フェミニズム、低炭素社会といったことをテーマにしたイベントや、本の交換会、植物販売会なども開催しています。
以上、テラス席のある4か所のカフェ、バー、レストランをご紹介しましたが、実はこのすべてを運営しているのがSINNY & OOKOという会社。言われてみると共通点がありますよね?
4か所で提供している飲み物や食べ物はすべてオーガニックではありませんが、できるだけ地産品を使ったり、自家製であったりといったこだわりも共通しています。「珍しく変わった場所に新しい命を吹き込むこと」「さまざまな年齢、関心、文化の交流の場を作ること」を目的として事業を展開しているSINNY & OOKOですが、きっとこれからも「へー!」と思うような場所を作ってくれることでしょう。
なお、この4か所すべてがパリ北東部、おそらく日本のガイドブックなどでは「治安がよくないエリア」とされているところにあります。私はあまり気にしていませんが、パリに慣れていらっしゃらない方は、日が暮れる前に帰ること、日中でもラフな格好で、身の回り品には十分気を付けて行ってくださいね!