荒木麻美のパリ生活
1カ月限定! パリ海岸で過ごす夏
大人も子供も楽しめる無料施設やイベントが盛りだくさん
(2015/8/11 00:00)
夏のバカンスはフランス人にとってそれはそれは大事なこと。数カ月前から「今年のバカンスはどうするの?」という話が出るとか。「とか」というのは、夫婦揃って会社員ではなく、子供の休暇に合わせる必要もない我が家は、夏にバカンスに行ったことがないのです。
それでも「夏のバカンスシーズンなんだなぁ」と感じるのは、パリ市内のお店がどんどん閉まり、人と車がぐっと少なくなる一方、地図やガイドを片手に、外国語を話す観光客が増えるから。そしてそんな頃に現れるのが「パリ・プラージュ(パリ海岸)」なのです。
今年で14回目となるパリ海岸の期間は7月20日から約1カ月間。パリの2カ所に設置されています。朝の9時から夜中の0時まで、毎日ノンストップでの開催です。砂を敷き詰めた人工海岸があるのはもちろん、カフェ、レストラン、子供向け遊戯施設やアトリエ、太極拳教室、ダンスフロアなど、大人も子供も楽しめる内容となっています。
子供向け施設が充実。ヴィレット貯水池周辺のパリ海岸
もう1カ所は19区にあるヴィレット貯水池周辺。映画館やカフェなどが立ち並び、普段から市民の憩いの場なのですが、パリ海岸ができるとさらににぎやかになります。セーヌ川沿いのパリ海岸に比べ、こちらは比較的大規模な子供向け遊戯施設があるのが特徴です。
我が家はヴィレット貯水池にあるパリ海岸の近くなので、陽が落ちて涼しくなった頃に散歩をしたりご飯を持って行って食べたりと、よくここを訪れています。
どちらのパリ海岸も、特にお天気のよい日は大にぎわいです。昨年2014年の来場者は400万人だったとか。すべて無料で大人も子供も楽しめるパリ海岸、このようなことに税金が使われるなら私は大歓迎。パリ海岸を発案した前パリ市長のドラノエ氏、グッドジョブ! ですね。
なお、パリ海岸で使われる5000トンの砂ですが、ノルマンディーからの運搬にはトラックではなく船を使うことで大気汚染に配慮しています。パリ海岸終了後も、砂は道路工事の材料として、また、パリ市にある乗馬施設にも使われます。そのほかパリ海岸に使われる資材や遊戯施設などもほぼすべて廃棄することなく、翌年のパリ海岸に再利用しているとのことです。
夏のパリでは、野外での無料映画上映会も各所であります。バカンスで遠くに行くのはもちろんいいですが、(比較的)静かな夏のパリに残るのもなかなかよいものですよ。
まだ見られる野外映画上映会
※すべて無料。日没後に上映開始
- Cinema en plein air de la Villette
- 場所:
- Parc de la Villette(211 avenue Jean Jaure`s, 75019 Paris)
- 期間:
- 2015年8月23日まで
- URL:
- http://lavillette.com/evenement/cinema-en-plein-air-home-cinema/
- Le cinema en plein air du Wanderlus
- 場所:
- 32 Quai d'Austerlitz, 75013 Paris
- 期間:
- 2015年8月31日まで
- URL:
- http://wanderlustparis.com/
- La Chaise et l’Ecran
- 場所:
- Place de la Re'publique, 75011 Paris
- 上映日:
- 2015年8月22日
- 作品名:
- 「リオの男」(フィリップ・ド・ブロカ監督)