荒木麻美のパリ生活

2020年コロナ禍でのフランスのクリスマス。ロックダウンを段階的に緩和、久々の家族再会に感謝

コロナ禍でのフランスのクリスマス

 新型コロナウイルス感染症による春のロックダウンに続き、10月末に再度のロックダウンとなったフランス。でも12月には多くのフランス人にとって1年で一番大切なイベント、クリスマスがあります。日本のお正月のように、家族が集まって過ごす日だからですね。

 これを受け、11月末に飲食店以外のお店が再開。その後、12月中旬からは20時までは外出証明書なしでも出かけられるようになりました。クリスマス当日は子供を除いて6人を上限として集まることが推奨され、24日から25日にかけては夜間外出制限も解除されました。

 久々にパリ市内を散策してみると、パリの町はすっかりクリスマスモードに。クリスマス用のショッピングを楽しむ人が町に出て、あちらこちらで生のモミの木が売られています。

生のモミの木が売られています

 レ・アール地区にあるショッピングセンター中央には巨大なツリーが。例年であればここにサンタさんが座って子供たちと写真を撮るのでしょうが、子供だけでぽつんと大きな椅子に座って記念撮影をしていました。

2016年に6年の工事期間を経てリニューアルされたレ・アールのショッピングセンター
ショッピングセンター内
マスクと消毒ジェルの自販機が設置されています

 オペラ地区に並んで建つ2軒のデパート、ギャラリー・ラファイエットとプランタンによるクリスマス恒例のショーウインドーはいつもどおり、電動式のあやつり人形たちがにぎやかに動いています。子供たちがきらきらとした目でショーウインドーを見つめる様子は、いつ見ても心が温かくなります。ギャラリー・ラファイエット内の名物巨大ツリーは今年も豪華!

ギャラリー・ラファイエット内の名物巨大ツリー

 パリ市役所やその向かいにあるデパートのBHV(べー・アッシュ・ヴェー)もクリスマスモードです。マドレーヌ広場からコンコルド広場と、そこから続くシャンゼリゼ通りのイルミネーションも美しかったですが、例年であればこの辺で大きなクリスマスマーケットが開催され、たくさんの人でにぎわっていたはず。

パリ市役所
BHV(べー・アッシュ・ヴェー)
マドレーヌ広場にあるディオールのイルミネーションは圧巻の華やかさ
コンコルド広場とそこから見えるシャンゼリゼ通り

 人混みを避けるため、2020年のクリスマスマーケットのほとんどが中止だったのですが、12月12日・13日には、以前ご紹介したLa REcyclerie(関連記事「テラス席でパリの夏を楽しむ! 元貨物列車専用駅やムーラン・ルージュの上など4選」)にて日本をテーマにしたクリスマスマーケットが開かれました。

 映画上映会や各種アトリエなどが企画されていたのですが、内容を大幅に変更。雑貨、食料品、衣料などの販売だけとなりましたが、当日は予想を超える大盛況に。厳しい入場人数制限があったために、最長で1時間待ちということもあったようです。

 我が家は夫の実家のあるオルレアン(関連記事「ジャンヌ・ダルクの町、オルレアンへ」)でクリスマスを過ごしました。義姉一家は大人数にならない方がよいということで欠席。大人4人のみの静かなクリスマスです。それでもウサギの煮込み、ホロホロチョウのロースト、サーモンとホタテのテリーヌ、フォアグラなど、義父母が心のこもった家庭的なごちそうを用意してくれ、我が家はマカロンとブッシュ・ド・ノエルをパリから持参。久々の再会を喜びました。

 オルレアンの町中を散策すると、こちらも毎年開かれるクリスマスマーケットは中止。イルミネーションもパリに比べて控えめなので、ちょっと寂しい感じは否めません。

オルレアン市役所
サント=クロワ大聖堂に映し出されたクリスマス仕様のプロジェクションマッピング
大聖堂にはイエス・キリストが誕生した場面を再現した「クレッシュ」が飾られていました
大聖堂内の椅子は3席分空けて座るようになっています

 義父母が高齢であることから、我が家はオルレアンに行く前に新型コロナの抗原検査を受け、陰性であることを確認しました。抗原検査は近所の薬局で気軽に受けることができ、15分くらいで結果がでます。PCR検査を受けたい人はラボなどに行き、結果は2日以内にきます。どちらの検査も症状あり・なしに関わらず、誰でも無料で受けられます。

薬局が店の前に設置した、検査をするためのテント
薬局内で「検査を受けたいんですけど」と伝えると、別室または外のテントで検査をしてくれます
こちらは赤十字社のテント
私の陰性証明書

 こうして2020年のクリスマスも平和に終わりましたが、この原稿を書いている1月上旬現在、外出時のマスクは相変わらず義務ですし、20時(一部の地域では18時)以降の外出制限も続いています。レストラン、バー、スポーツ施設、博物館、映画館、劇場も閉鎖中です。一方でワクチンの接種が始まる動きもありますが、私自身の生活に大きな変化はほぼないですし、引き続き淡々と日々を過ごしています。

クリスマス後の生のモミの木ですが、パリでは指定された場所に持って行くと、ウッドチップとして再生されます