旅レポ

関空からオーストラリア・ケアンズ。大規模リノベーション後のT1から深夜便で南国の朝へ

ジェットスターは、関空からブリスベン・シドニー・ケアンズの3路線を就航している。写真は2024年2月2日、関空~ブリスベン線(JQ24便)初便出発の様子

 オーストラリア北東部、クイーンズランド州のケアンズへ。大規模リノベーションが終わった関空T1から、ジェットスターの直行便で飛んだ。

 今回利用したのは、関西国際空港 第1ターミナルを夜に出発し、翌朝ケアンズに到着するJQ16便。ジェットスターは、関空から火・木・土・日曜の週4便を運航している。関空発の定刻は21時25分。チェックインや出国手続きにかかる時間を考えても、仕事を終えてから空港へ向かっても間に合いやすく、ケアンズ到着初日から動き出せるのが、夜発・朝着便のいいところだ。

定刻のおおよそ3時間前からカウンターがオープンする。この日はブリスベン便とケアンズ便が同時にカウンターオープン
日本旅行を楽しんだと思われる帰国者と、これからオーストラリア(ブリスベン・ケアンズ)旅行に出発する日本人と割合は半々といったところ

 関空は、2026年6月2日にT1リノベーションの最終フェーズとなる国際線新商業エリアをオープンさせたばかり。出国後、搭乗までの時間の過ごし方は大きく変わった。

 保安検査にはスマートレーンを導入し、待ち時間を短縮。出国審査にも自動化ゲートを導入しており、以前よりスムーズに出国できる。チェックインを済ませ、保安検査と出国審査を抜けると、まず広い中央エリアに出る。ショッピングはもちろん、ここで食事をしたり、飲み物を買ったりと、出発前の時間も過ごしやすいエリアに大きく生まれ変わっている。

従来3か所だった保安検査場は、関空の大規模リノベーションで中央の1か所に集約された。チェックイン後の動線が明確になった
リノベーションで導入されたスマートレーン。20m級×10台、15m級×8台の18レーンに。処理能力も毎時約4500人から約6000人に増強された(※利用者の撮影は禁止されています。写真は報道向け内覧会で特別な許可を得て撮影したもの)
南北に分散していた出国審査場は3階中央に集約。有人審査ブース26か所、自動化ゲート8か所、顔認証ゲート23か所。なお、旧来仕様からブース数・ゲート数は変更なし(※利用者の撮影は禁止されています。写真は報道向け内覧会で特別な許可を得て撮影したもの)

 関空では、この新エリアのオープンに合わせて「Call to Gate」の取り組みも始まった。搭乗ゲート番号を、より確度の高いタイミングで案内する仕組みで、案内が出るまでは出国後の中央エリアで過ごせるようにするものだ。以前のように早めにゲート前へ移動して待つだけではなく、出国後の時間を食事や買い物に使いやすくなった。

出国審査場、ウォークスルー型免税店を抜けた先にある、国際線出国エリア中央部「PLAZA」
ブランドブティックから飲食、雑貨などあらゆる店舗が軒を連ねる商業エリア

 オーストラリアに入国するには事前に電子渡航許可(ETA)の取得が必要で、「AustralianETA」アプリ(Android/iOS)を使って申請しておかなければならない。費用は20オーストラリアドル(約2200円)。

 さて、ケアンズ到着は翌朝なので、機内ではなるべく寝ておきたい。出発前に軽く食事を済ませ、飲み物を用意し、搭乗後はできるだけ早く休む。機内でしっかり休んでおくことが、到着初日からケアンズを動き回るためのポイントになる。

 もう1つ、ジェットスター利用時に注意したいのが、手荷物や預け荷物の重さだ。今回利用したエコノミークラスでは、機内持込手荷物は2個、合計7kgまで。筆者は取材用のカメラ機材を持ち込むため、事前に機内持込手荷物の重量を増やせる「プラス7kg」オプションを申し込んでおいた。

 このオプションを利用すると、機内持込手荷物は合計14kgまで持ち込める。ただし、手荷物1個あたりの重量は10kgを超えられないので、重い荷物を1つのバッグにまとめ過ぎないようにしたい。

 ポイントは、空港に着いてからではなく、予約時または出発前に確認しておくことだ。追加オプションは予約時に購入するのがもっとも割安で、予約後や空港での追加購入は割高になる。基本の7kgを超える恐れがある人、あるいは確実に超える人は、事前に申し込んでおく方が安心だ。預け荷物も同様に、重さには十分注意したい。

 出発当日は18時前に空港へ到着。18時30分ごろからチェックインカウンターがオープンした。筆者もオープンと同時にチェックインを済ませ、ターミナルのランドサイドで軽い夕食をとって、19時過ぎに保安検査へ進んだ。夜の便ということもあって比較的待ち時間は少なく、30分ほどで保安検査と出国を済ませることができた。混雑具合は日によって変わるので、なるべく余裕をもって行動したい。

関空~ケアンズJQ16便の出発を待つ5番搭乗口付近の様子

 この日のJQ16便は、関空を21時25分に出発し、翌朝5時35分にケアンズへ到着するスケジュール。使用機材はボーイング 787-8型機だ。ジェットスターは現在、ボーイング 787-8型機の客室改修を進めており、改修済みの機体と従来仕様の機体が混在している。保有する全11機の787を順次改修し、フリート全体の更新は2027年後半までに完了予定だ。

PBBをわたり、いよいよ機内へ。これから7時間越えのナイトフライトへ

 今回の取材では、往路のJQ16便、復路のJQ15便とも従来仕様の787だった。登録記号は往路VH-VKI、復路VH-VKGで、いずれも改修前の仕様。機内では座席前の個人用モニターで、フライトマップやエンタテイメントを利用する形になった。

 従来仕様の787では機内Wi-Fiサービスはなく、フライト中の時間つぶしは、基本的に座席モニターか、自身のスマートフォンやタブレットに用意したコンテンツを利用する形になる。一方、改修済みの機体では、自身のスマートフォン、タブレット、ノートPCなどで機内コンテンツを楽しむ形に変わる。機内Wi-Fiも導入され、フライトマップや一部コンテンツを含む無料メニューに加え、フライト時間中に使える有料のストリーミング、ブラウジングプランも用意している。

 どの仕様の機体になるかは予約段階では分からないので、どちらに当たっても困らないように、イヤフォンやヘッドフォン、スマートフォンやタブレット内のコンテンツを用意しておきたい。端末の充電は、新旧どちらの787でも対応しているが、従来仕様機ではUSB Type-A、改修済み機ではUSB Type-Cの充電ポートになっている。両方のケーブルを用意しておくと安心だ。

エコノミークラスのシートピッチは30インチ(76.2cm)。身長180cmの筆者が座ると前席との隙間はこれくらい
ジェットスターの787は順次客室改修を進めている。今回の旅では往復ともに改修前の機材だった。充電用のUSBコネクタはモニター下に設置。形状はUSB Type-A

 飛行機に乗り込み、座席についたら、パスポートや入国関係の書類を取り出しやすい場所に入れておこう。オーストラリア入国時にはETAの申請に加えて、Incoming Passenger Card、いわゆる入国カードの記入が必要になる。氏名、便名、滞在先、持込品の申告などを記入するので、機内で配られたら早めに済ませておきたい。

 ここで気をつけたいのが、オーストラリア入国時の申告だ。オーストラリアは検疫がかなり厳格な国として知られており、食品、植物素材、動物由来品などを持っている場合は申告が必要になることがある。農村部や動物の近くで使った靴、衣類、道具類も対象になり得る。土や草の種がついた靴、アウトドア用品、ゴルフシューズなどは、旅慣れている人ほど見落としやすい。

 また、お菓子やインスタント食品なら大丈夫だろうと思いがちだが、肉、卵、乳製品、植物由来の原材料が含まれている場合がある。機内食で出された果物や食べ残しをバッグに入れたままにするのも避けたい。迷うものがあれば、入国カードで「Yes」にチェックしておく方が安全だ。

 薬を持って行く人も準備しておくと安心だ。常用薬はピルケースに移し替えるより、元の包装や説明書が分かる状態で持っていく方が説明しやすい。処方薬の場合は、薬の名前や量が分かる処方箋、または医師の英文レターがあると心強い。自分用、または同行家族用であること、必要量を超えないことも基本になる。

 喫煙者は、たばこの持ち込み量にも注意が必要だ。オーストラリアの免税範囲は、18歳以上の場合で未開封の紙巻きたばこ1箱・最大25本、または25g相当のたばこ製品に、開封済み紙箱たばこ1箱まで。これを超える場合は申告や課税の対象となる。出国時、免税店でつい購入してしまいがちなたばこだが、量によっては申告や課税の対象になるので注意が必要だ。電子たばこや加熱式たばこは、紙巻きたばこと同じ感覚で考えない方がいい。Vape関連製品やIQOS、ヒートスティックのような製品は規制対象になるため、出発前に最新の情報を確認しておきたい。

 オーストラリア入国では、「これくらい大丈夫だろう」で済ませない方がいい。食品、薬、たばこ類、アウトドア用品など、普段の旅行では深く考えずにバッグへ入れがちなものでも、申告や確認の対象になることがある。申告すれば確認のうえで判断してもらえるが、無申告で見つかると罰金などの対象になる可能性がある。「迷ったら必ず申告」が鉄則だ。

 ケアンズまでのフライトタイムは7時間と少し。ケアンズ空港では、国際線はターミナル1に到着する。到着後は、まず入国審査へ進む。利用条件を満たせば、オーストラリアの自動化入国審査システム「SmartGate」を使える。

 到着時のSmartGateは2段階。最初にキオスク端末でパスポートの読み取りと照合を行ない、その後、SmartGate本体で顔認証による本人確認を受ける流れだ。キオスクではパスポートを読み取らせて画面上の質問に答える。画面は日本語表示に対応しているので、英語に不安があっても操作自体は簡単だ。照合が成功するとチケットが印刷されるので、これを受け取って次のSmartGateへ進む。

 SmartGate本体では、カメラに向かって立ち、顔認証を受ける。問題なく通過できればそのまま手荷物受け取りへ。キオスクで出てくるチケットは、到着ロビーへ出るまで捨てないようにしたい。

 SmartGateを通過したあと、手荷物を受け取り、税関・検疫へ進む。そこでキオスクのチケットとIncoming Passenger Cardを係員へ渡す。つまり、キオスクとSmartGateは入国審査の一部であって、持込品の申告や検疫を省略するものではない。

 到着後の流れは、キオスク端末、SmartGate、手荷物受け取り、税関・検疫、到着ロビーと覚えておくと分かりやすい。自動化されているのは主にパスポートコントロールの部分。食品や薬、たばこ類、アウトドア用品など、申告すべきものがある場合は、その後の税関・検疫で確認を受ける。

ケアンズ空港の到着ロビー。ケアンズの到着時刻は午前5時過ぎ。6月の外はまだ少し暗い

 税関・検疫を抜ければ、いよいよケアンズの朝が始まる。早朝の空港を出ると、南国特有の空気が身を包む。夜に関空を出発し、早朝にはオーストラリアの大地に立つ。日本との時差は1時間。夜発・朝着の直行便なら、到着初日からケアンズの時間を使える。あとは初日から思いっきりケアンズを楽しむだけだ。

朝のケアンズマリーナ。6月のケアンズは乾季に入ったばかり。朝晩は少し肌寒いので羽織り物が1枚あるといい
竹信大悟