旅レポ
アフターコロナのマカオってどうなってる? 歴史を感じる街並みと豪華絢爛なホテルを見てきた
2024年9月14日 12:00
マカオの街とホテル巡りスタート
マカオ到着から一夜明け、散策開始。まずは益隆爆竹工場跡へ。
益隆爆竹工場は100年近い歴史を持っており、敷地面積は約2万5000m2におよぶ。現在は公園になっていて400mの散策路ができているが、かつての生産施設のレイアウトと環境がそのまま残されている。
1920年代に急速に発展し始めたというマカオの爆竹産業をいまに伝える保存状態のよい遺産として貴重な場所だ。敷地内にはカフェとクリエイティブ製品の土産店がある。
WYNN PALACE ホテルへ
マカオ半島沖の埋立地に造られた魅惑的な場所、コタイ地区。総合型かつ大型のリゾート施設が集まる。その一等地のある5つ星ホテル、WYNN PALACE(ウィン・パレス)。「驚きと楽しさを届けたい」との思いを込めた大規模な季節の花々の飾りつけで有名だ。世界の有名なブランドを集めたショッピングプラザやまるで宇宙空間にいるような体験ができる「illuminarium(幻影空間)」、魅力的なレストランなどが揃っている。煌びやかな客室もとても魅力的だ。
昼食はCasa Maquista(土生公館)にて本格的なマカネーゼ料理を堪能
100年以上前にポルトガル人が実際に住んでいた住宅と緑地公園があるタイパ住宅博物館。そのなかの一邸がマカオの無形文化財に指定されている本格的なマカネーゼ料理を振る舞うレストラン「Casa Maquista(土生公館)」だ。
マカネーゼ料理とはマカオの食材や香辛料などを用いていて原型はポルトガル料理だが、それとはまた違う成り立ちの料理となっている。コース料理として順番に料理が提供される。
食後に官也街を散策
第81代マカオ総督になったポルトガル海軍大佐にちなみ名付けられた官也街。いまは「フードストリート」として有名だ。ポルトガル料理のレストランやミルクプリン、エッグタルトやジャーキーの店など、マカオで味わえる美味しいものが集まっている。訪れた日も大にぎわい。
ギャラクシー・マカオへ潜入
ワールドクラスのラグジュアリー総合型リゾートとして有名なギャラクシー・マカオ。8つの高級ホテルで合計5000室以上もの客室、スイート、ヴィラを擁している。筆者が宿泊したアンダーズ・マカオもこのうちの1つだ。すべてのホテル、ブランドショップなどが並ぶギャラクシー・プロムナードなどは一つ屋根の下、移動も雨に濡れずにできる。
ギャラクシーアートでは、インスタ映え間違いなしの「エッグハウス」を見学。没入型の環境、インタラクティブな展示、そして遊び心あふれた美学が組み合わさっており、リビングルームや寝室、キッチンなど、家のさまざまなエリアに卵が巧みに統合されている。こちらの展示は2024年10月7日まで開催している。
そのあとは「CHA BEI」にてティーブレイク。CHA BEIとは茶碗、つまりティーカップのこと。「CHA BEI」は旅、食、アート、デザインのインスピレーションの場として楽しめる。アフタヌーンティーの“NOSTALGIC REIMAGINING”を堪能した。アフタヌーンティーのメニューは季節に合わせて変更される。
「CHA BEI」で身も心も癒されたあとは、RAFFLES AT GALAXY MACAU(ラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオ)。約450室のオールスイートルームは圧巻。柔らかな白色と灰色を基調とした贅沢な雰囲気の内装で深いワインレッドのソファや温もりのある木材の床などがアクセントになっている。また、6階にある全長40mの屋外インフィニティプールでひと泳ぎするのもよいだろう。
夕食はブロードウェイ フード ストリートで火鍋
上質な牛肉を味わえる人気のレストランブランド「Hoi Ngan Hoi Kei(ホイ・ンガン・ホイ・ケイ)」は牛肉好きにはたまらない店だろう。牛肉のさまざまな部位の食感と風味を味わえるように繊細に切り分けられた肉を規定の時間しゃぶしゃぶすれば絶妙な風味が口いっぱいに広がった。
マカオ政府観光局 副局長 Cheng Wai Tong氏に聞く「そもそもなぜ今マカオなのか」
「新型コロナウイルスによるパンデミック以降、日本人入国者はパンデミック前より若年化している」というマカオ政府観光局 副局長のCheng Wai Tong氏。
ファミリー層やカップルなど45歳以下の日本人入国者が2024年1月~6月期の半期で65%を占めており、マカオ政府観光局のマーケティングもそれら若年層に絞っている。以前はカジノやそのほかの目的で年齢層も高めであったが、パンデミックを境に観光分野ではスポーツツーリズム(卓球やバレーボール、マラソンなど)やカルチャーツーリズム、コミュニティツーリズム(ローカルな関わり合いやワークショプなど)、トラディショナルツーリズム(世界文化遺産巡りなど)を訴求ポイントの柱に据えている。
マカオといえば豪華なホテルが建ち並んでいるイメージだが、パンデミック前に122軒あったホテルが今では143軒にもなり、総客室数は4万6863室(2024年6月現在)。なかでも2つ星から5つ星のホテルは2019年と比べて21のホテル(17のホテルと4つの低予算宿泊施設)、8591室の大幅な増加を記録している。
世界の投資家もマカオの観光産業には強い期待感を抱いており、マカオのホテルプロジェクトと産業の発展は継続的な成長傾向を持っていることを示唆しているという。
現在マカオへはマカオ航空が成田と関空からそれぞれ1日1往復している。パンデミック前には福岡便も就航していたが、2024年8月現在運休中だ。「成田と関空については現在増便に向けて交渉している」とCheng Wai Tong氏。さらに「JALともマカオへの直行便就航を交渉している」と語った。なお、マカオへは香港経由で来訪する人も多く、「香港ルートも引き続きPRしていきたい」という。
「日本はとっても大切なマーケット」としたうえで、Cheng Wai Tong氏はマカオの魅力を「日本とマカオは16世紀から歴史的に古い結びつきがあり、日本人キリシタンが設計に関わっているセントポール天主堂跡やカステラ、天ぷらなどの料理も有名です。多くの世界遺産もあり、さらに日本の皆さんに喜んでいただけるワールドクラスのホテルも集結しています。ぜひともマカオへお越しください」と語った。
マカオは2005年に世界遺産に登録された「マカオ歴史地区」と、2017年にユネスコ美食創造都市に認定された「美食創造都市」の2つの魅力があり、日本人好みの旅になるポテンシャルは高いようだ。