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マカオ観光局 榊原代表、港珠澳大橋の完成で「近くなったマカオ」などをアピール。「アート・マカオ」イベント実施へ

2019年4月2日 実施

マカオ観光局 日本代表 榊原史博氏が、マカオ観光のポイントを解説

 マカオ観光局は4月2日、2018年のマカオ観光の振り返りと、2019年のマカオ観光のポイント解説などを行なう観光セミナーを実施した。セミナーにはマカオ観光局 日本代表 榊原史博氏が登壇。マカオ観光の伸び率から解説が始まった。

 榊原代表は、2016年から2018年にかけての日本人総出国者数の伸び率と、日本人マカオ訪問者数の伸び率を掲示。日本人総出国者数は年々伸びているが、マカオもそれを超える伸びを2017年までは示していたことを紹介。ただ、グラフを見て分かるように2018年は1%減に。これは、関西国際空港が使えなくなったことが大きな原因で、とくに日本から近隣のアジア諸国では同様の傾向が出ていたとのこと。

日本人総出国者数と日本人マカオ訪問者数

 そこから復帰した2019年1月~2月では10%以上の伸びとなっており、2019年のマカオ観光は好調なスタートを切っている。ただ、榊原代表によると、日本へくる訪日外国人、つまりインバウンドがとても伸長しており、それが日本から出て行くアウトバウンドの伸びに影響しているとのこと。

 詳細な月別のグラフを掲示し、2019年1月が2%にとどまったことを示し、これは春節などの関係でインバウンドが多く、航空機の座席が取れなかったことが要因とし、マカオ航空でも外国人7割、日本人3割という状況とのことだ。

月別の数字、2019年1月落ち込みが目立つ。春節によるインバウンドの増加で、アウトバウンド用の座席が不足した

 2019年はラグビーのワールドカップ、そして2020年は東京オリンピック、パラリンピックがあり、さらなるインバウンドの伸長が予測されている。羽田空港の航空進入路の変更などもあるものの、「最も旅行のピークシーズンに、オリンピックがある。7月~9月に行かなかった人が、10月に行くかというと疑問符がつく」と、海外旅行インフラのキャパシティに不安があるとした。

 これを旅行者目線で見ると、海外旅行に行くのであるなら、なるべく早めに旅行を確定して座席を確保するべきとなる。近年の航空運賃は座席が埋まるほど素直に高くなる傾向にあり、これはツアー旅行でも同様の傾向となっているのはよく知られているとおり。マカオに関しても、早めの旅行確定がお勧めということだろう。

マカオ観光6つのポイント

榊原代表のイチオシ、港珠澳大橋の完成で「近くなったマカオ」

 榊原代表は、2019年のマカオ観光を6つのポイントで紹介。その中でも最も時間を割いたのが、2018年10月24日に開通した港珠澳大橋。港珠澳大橋は、総延長55kmの橋で24時間通行可能。大人片道65香港ドル(夜間は70香港ドル)の有料橋になる。現在は、指定された車両しか通行できず、観光客はバスに乗って利用することになる。

トラベル Watchでは開通をニュースでお届けしている港珠澳大橋。日本人の利用客も多いようだ

 これまでマカオ観光というと、マカオ航空の直行便か、香港空港まで飛んでそこからフェリーという手段が一般的(香港空港から中国本土経由のバスというのもあるが、これは4時間以上かかる)だった。この橋ができたことで、香港空港から35分程度でマカオに到着し、マカオ行きのバスも夜間においても30分ごとに出ているという。これにより、夜間に香港空港に着いた場合、これまでは一度香港で泊まってからマカオとなっていたのだが、自由にマカオに入れることになる。

 また、現在は香港で一旦イミグレーションをしてから、マカオでさらにイミグレーションを行なう必要があるが、今後2年を目処にマカオでのみのイミグレーションに変更されるという。これにより、さらにマカオ観光が手軽になり、時間の有効活用が図られていく。この橋の開通によるマカオ観光の変化を、榊原代表は楽しみにしているようだった。

その2:グレーター・ベイ・エリア
その3:2つのユネスコ認定
その4:相対する観光要素
その5:アート・マカオ
その6:マカオ特別行政区政府 成立20周年
2019年下半期にはコタイ地区に、グランド・リスボア・パレスがオープンする

 もちろん、インフラだけでなくマカオ自身も観光地としての魅力を高めていく。榊原代表はそのほか5つの魅力を紹介したが、とくに2019年に力を入れているのが「アート・マカオ」。アート・マカオでは、マカオ社会文化庁のもと観光局と文化局が共催し、各種のアートイベントを地域において開催していく。6月から始まるのだが、プレイベントして4月12日からマカオ芸術博物館において「大英博物館 イタリア・ルネサンス絵画展」が始まり、大英博物館所蔵の52作品が展示される。

 より便利になり、魅力的なイベントが多数開催されるマカオ。人気がさらに高まっているので、旅に出るのであれば早めに決めるのがお得なようだ。