旅レポ
広島・岡山で道の駅隣接「フェアフィールド・バイ・マリオット」3軒に泊まってきた。クルマ旅の拠点になるホテル
2024年8月29日 12:00
「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、積水ハウスとマリオット・インターナショナルが取り組む地方創生事業「Trip Base 道の駅プロジェクト」。全国の道の駅に隣接するロードサイド型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテル」を拠点として、文化、風習、暮らしなどの地域の魅力を体感しながら各地を渡り歩くという、これまでにない旅のスタイルを提供する取り組みとして、注目を集めています。
本プロジェクトは2020年にスタートし、2024年7月末現在で全国14道府県の29か所にフェアフィールド・バイ・マリオットを整備しています。
今回、そのなかから岡山県と広島県に位置する3施設を巡るプレスツアーに参加してきました。各地で体験した内容については別記事で紹介しますが、本稿では、フェアフィールド・バイ・マリオットについてまとめます。
宿泊特化型のロードサイドホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」
ロードサイド型ホテルというと、日本ではあまり聞きなじみがないかもしれません。そもそもは、アメリカの映画などでよく見る、クルマごと部屋の前に乗り付けて利用するモーテルのようなホテルのことを指します。フェアフィールド・バイ・マリオットも、クルマなどで地域を旅するときの拠点となるホテル、という意味では同じような位置付けかもしれませんが、施設自体は通常のホテルに近い存在です。
施設は地域の情報発信拠点でもある「道の駅」に隣接しています。そのため、フェアフィールド・バイ・マリオットの立地も、基本的には中心地から離れた郊外であることがほとんどです。公共交通機関を利用したアクセスが難しい場合も多いので、そういった意味でも基本的にはクルマなどでの利用が中心となります。
そして、宿泊特化型ということで、施設の構造は非常にシンプルです。
まず、レストランやカフェなどの飲食施設は併設していません。食事は、その地域の飲食店や隣接する道の駅を利用するというスタイルになりますが、これも地方創生、地域活性化をコンセプトとしている所以です。
客室は、基本的にはキングサイズベッドが1台、またはシングルサイズベッドが2台の2種類のみで、バスルームはバスタブのないシャワールームとなっています。詳しくはのちほど紹介しますが、これもホテルはあくまで拠点で、可能な限り地域を体感してほしいという意図があるのでしょう。
ただ、実際に宿泊してみると、確かに構造はシンプルですが、清潔感があって使い勝手もよいので、それが逆に心地よいと感じさせてくれます。
どの施設も構造はほぼ共通
フェアフィールド・バイ・マリオットの大きな特徴となっているのが、ホテルや客室の作りがほぼ共通になっている、という点です。
今回は、岡山県津山市の「フェアフィールド・バイ・マリオット・岡山津山」、岡山県真庭市の「フェアフィールド・バイ・マリオット・岡山蒜山高原」、広島県世羅郡の「フェアフィールド・バイ・マリオット・広島世羅」の3か所に宿泊しましたが、確かにいずれも構造はほぼ同じでした。
エントランスを入るとフロントがあって、そこでチェックインやチェックアウトの手続きを行ないます。その横には、「マーケットプレイス」と名付けられた、地域の特産品や軽食などを販売する物販コーナーがあります。マーケットプレイスで販売されている商品は、地域の特産品ということもあって施設ごとに異なっていますが、構造自体は共通でした。ちなみに、宿泊料金やマーケットプレイスの代金は完全キャッシュレス決済です。
フロント奥には、宿泊者が自由に利用できるロビーラウンジがあります。ロビーラウンジには、ゆったりくつろげるソファや大型のローテーブル、電源があってちょっとした仕事などにも利用できるカフェスタイルのテーブルなどが置かれています。ロビーラウンジ横の大きな窓の外には、屋外ラウンジスペースとしてテーブルやチェアを設置しています。
また、ロビーラウンジ奥には、シンクやコーヒーメーカー、電子レンジ、オーブントースターなどを設置した簡易キッチンスペースも用意しています。こちらで、お弁当を温めたり、ちょっとした調理もできるようになっています。
この、ロビーラウンジの構造や、テーブル、ソファ、簡易キッチンスペースのコーヒーメーカーなども、ほぼ共通でした。そのため、1回宿泊したら、それ以降はどの施設に泊まってもまったく同じ感覚で利用できました。
ただし、すべてが同じというわけではありません。ロビーラウンジ横の壁には、各地の見どころの写真パネルや地域の工芸品を中心とした特産品が飾られていて情報源にもなりますので、こちらは施設利用時にじっくりチェックすることをお勧めします。
このほか、フロントから客室へと向かう動線上にはランドリーコーナーを用意していて、洗濯機と乾燥機を設置しています。長期間の旅では洗濯に苦労することもありますが、その心配もありません。
ただし、ホテルやマーケットプレイスの精算はキャッシュレスでしたが、ランドリーコーナーだけは現金を利用します。1000円札の両替機も設置していますが、あらかじめ100円硬貨を用意しておくようにしましょう。
施設が変わっても見慣れた部屋で過ごしているよう
フェアフィールド・バイ・マリオットの客室は、基本的にキングサイズベッドが1台の部屋か、シングルサイズベッドが2台の部屋の2タイプのみとなっていますが、どちらの部屋もヘッド以外はほぼ同じ構造です。部屋の広さも同じ。
室内の設備についても、カウンター型の洗面や、シャワールーム、独立したトイレ、壁掛けのテレビ、テーブルやソファ、冷蔵庫、ベッドサイドの照明やサイドテーブル、アメニティ類なども共通です。使っている部材やそれぞれの配置、ベッドサイドの壁に掛けられている「道」の字のアートに至るまで、徹底していました。
そのため、今回3か所で宿泊しましたが、見慣れた部屋で過ごしているような気楽さがありますし、一度でも利用すれば、それ以降は何がどこにあるのか、各設備をどう使えばいいのか把握できているという点も、とても便利に感じた部分です。
各地の食材を使った限定の朝食ボックス
フェアフィールド・バイ・マリオットでは飲食施設を併設していませんが、1つだけ食事のサービスを用意しています。それが、朝食ボックスの提供です。こちらは、あらかじめ朝食ボックス付きの宿泊プランで予約した場合のみ楽しめます。
この朝食ボックスは、施設ごとに地域のレストランなどと提携して、それぞれの地域特有の食材を使った名物料理をふんだんに詰め込んだものとなっています。施設ごとにその内容はまったく異なっていますし、季節ごとに食材も変わるそうです。
今回のツアーでは、フェアフィールド・バイ・マリオット・岡山津山と、フェアフィールド・バイ・マリオット・広島世羅で朝食ボックスを体験しましたが、どちらもとても豪華な内容にびっくりしました。
岡山津山の朝食ボックスは、「岡山県津山 久米の里公園 朝食御膳」と名付けられた和風弁当です。12升に区切られたボックスに、岡山県北の名物料理「蒜山おこわ」や岡山県の名物料理「ばら寿司」、岡山県産の”黄ニラ”を使った「黄ニラの酢漬け」、消費量日本一の鰆を使った「さわら照焼」など、地元の食材や名物料理がぎっしりと詰め込まれています。
一方、広島世羅の朝食ボックスは、2段重ねの和風弁当です。世羅地域のブランド牛「世羅みのり牛」のすき焼き、広島県のブランド豚「瀬戸内六穀豚」の味噌漬け焼きをはじめ、瀬戸内の小魚を使った南蛮、世羅産のトマトを使ったクリームコロッケなど、こちらも全12品目を詰め込んだ非常に贅沢なお弁当となっています。
どちらも、その地域の名物料理や地域の食材を使った料理ですから、朝から地域の味をふんだんに楽しめるというのは、とても贅沢な印象です。それも、提携した地域のレストランが手がけていることもあって、味わいも間違いありません。朝食としてはボリューム満点ですし、満足度は非常に高いと言えます。地方創生をコンセプトとしているフェアフィールド・バイ・マリオットらしい朝食ボックスで、非常に貴重なサービスだと感じました。
次回以降は、宿泊したフェアフィールド・バイ・マリオットごとに、周辺で体験した食やアクティビティなどを紹介していきます。