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マリオットの道の駅隣接ホテルに泊まってみた。兵庫で100年の歴史あるスノーリゾート、神鍋高原で味わう冬の味覚!
「フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫神鍋高原」
2024年2月23日 06:00
今、その独特な開業ポリシーで注目を集めている、フェアフィールド・バイ・マリオット。
多くの宿泊施設が有名観光地や都市部など、あらかじめ集客が見込める場所に開業するのに対し、フェアフィールド・バイ・マリオットは国内各地の自治体などと連携、道の駅に隣接するロードサイド型のホテルとして開業し、土地の活性化を促すスタイルでその数を着々と増やしている。
この独特なポリシーは「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト」として、隣接する道の駅をハブに、その土地の隠れた名所や魅力を旅行者に提案する地方創生の取り組みになっている。本プロジェクトは、積水ハウスとマリオット・インターナショナルがタッグを組み、多くの協力企業を巻き込んで、地方創生事業「Trip Base 道の駅プロジェクト」としてスタート。2020年10月の開業を皮切りに各地に展開してきた。
ホテルは宿泊特化型で、館内にレストランは持たず、売店は必要最小限にとどめられている。食事や土産物などは、隣接する道の駅やその地域の店を利用してもらうことで、ホテル周辺の経済活性化にも寄与する仕組みだ。
今回、2022年11月に開業した「フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫神鍋高原」(兵庫県豊岡市日高町栗栖野59-30)に宿泊する機会を得た。フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫神鍋高原は、阪神地区からクルマでおおむね2~3時間。兵庫県豊岡市の山あい、神鍋高原エリアに位置している。ブランド初のリゾートエリアでの開業で、道の駅のみならず、兵庫県内屈指のウインタースポーツのメッカでもある神鍋高原のスキー場エリアに直結している。
73の客室を備えるフェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫神鍋高原
地上3階建てで客室数73室の館内はシンプルかつ機能的で、ほかのフェアフィールド・バイ・マリオットに準じた作りになっている。もちろんほかと同じくレストランなどの食事処はないが、24時間利用可能(アルコール類は24時まで)なマーケットプレイスがあり、ここで軽食や地域の土産物などを販売している(支払いはキャッシュレスのみ)。
マーケットプレイスや道の駅で購入した軽食や飲み物は、ロビーラウンジや共用スペースで食べることもでき、共用スペース奥には電子レンジやトースターなどを設置している。また、コーヒーやお茶、味噌汁などが自由に飲めるフリーカフェにもなっている。コンセントやUSB電源、フリーWi-Fiも備わっているので、滞在中のワークスペースとしても利用可能だ。
そのほか、フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫神鍋高原はスキー場に直結していることから、施設では初の「SPORTS LOCKER」ルームも設置している。ゲレンデからスキーやスノーボード、夏なら自転車などを担いだまま直接ロッカールームへ入ることができ、ロッカールーム内に備える2部屋の更衣室で、部屋に上がることなく着替えも可能だ。
客室は2タイプ。キングルーム26室、ツインルーム47室の計73室で、うちキングルームのアクセシブル対応1室を含む4室がコネクティングルームとなっており、ファミリー/グループユースにも対応している。
室内に華美な装飾はなく、長期滞在でもストレスを感じさせない明るく開放感のある作り。また、トイレと浴室はセパレートタイプで、浴室にはバスタブこそないが、湯量十分のシャワーとイスが備えられているので、ゆっくりとシャワータイムを過ごすことができる。
フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫神鍋高原に隣接する道の駅は温泉施設を併設しているので、ゆっくりと湯船につかって疲れを癒したい場合はそちらの利用をお勧めする。ホテル宿泊者が利用する場合、カードキーを提示することで入浴料が割引されるうれしい特典もある。
気になる食事については、道の駅に「お食事処かんなべ」が併設されており、ここで食事をすることができるが、営業終了時間が早いので夕食については若干注意が必要。ホテル周辺の食事ができる施設が限られているのが難点とも言える。
しかし、あらかじめホテルに伝えておけば、近隣の民宿などで食事のみ利用の予約をとってもらうこともできる。実はここ神鍋地区は、カニ料理が有名とのことで、日本海側の香住町などで獲れたカニが市場価格より安く提供されている。実際、近隣にはカニ料理を売りにした民宿も多い。当日でも空きがあれば受け入れてくれるそうだが、前もってホテルを通じて予約をしてもらった方が確実とのことだ。
目移りが止まらない道の駅 神鍋高原の食と酒
フェアフィールド・バイ・マリオットのコンセプトは地域創生。そして隣接する道の駅にはその地域の特産物など、その地域の特性がギュッと凝縮されていると言っても過言ではない。ホテルにチェックインし、落ち着くまもなくその足でさっそく「道の駅 神鍋高原」へ向かった。
品揃えはかなり充実しており、地域の野菜や米などは言うにおよばず、地酒やお土産に最適なお菓子など、数多くの商品がところせましと並んでいる。特に晩酌好きにはたまらない酒の友、但馬牛やカニなどの加工食品の充実度は目を見張るものがあった。
季節こそ今の時期ではないが、6月ごろに出荷の最盛期を迎える神鍋高原キャベツは「ひょうご推奨ブランド」にも認定された特産品で、時期になると店頭に並ぶ道の駅 神鍋高原の人気商品だそうだ。
仕事で来ているとはいえ、道の駅での買い物は楽しく、ついつい買い過ぎてしまった。後日談だが、取材時に勧められた神鍋産のお米はそうとうに美味しく、家族からも大好評だった。
夕食は道の駅で買い求めた酒の肴と、かに寿しをホテルの共用スペースでいただくことに。お供はマーケットプレイスでも販売されている地ビール、城崎ビールのカニビール(雪のビール)。この地ビールはカニ料理に合うビールとのことで迷いなくチョイス。アルコール度数が6%と少し高めだが、口当たりは柔らかくカニ寿しとは最高の組み合わせで、疲れも吹き飛び、ほろ酔い加減で取材を終えた。
今回訪れたフェアフィールド・バイ・マリオット 兵庫神鍋高原の支配人を務める野田忠則氏は、「日本人でも知らないような魅力ある場所に開業し、その地域を盛り上げていく拠点。この道の駅プロジェクトは本当にチャレンジングで、地方創生の意味も含めて今まで行ったことがないようなところにお客さまをお迎えする、そういうイメージのホテル。ホテルを拠点にその地域にお出かけいただき、お客さまと地元の事業者さまと一緒になって地域を盛り上げていくきっかけを作りたい」と、この地域にホテルが存在する意義を語ってくれた。
神鍋高原はスキー場で県下に名をはせた地でもある。2023年には、スキー場開業100周年を迎えた歴史ある街だ。一方で温暖化の影響から、雪不足に悩まされるシーズンもある。しかしこの地域では、早い段階からスキー以外のアクティビティの創出に取り組んでいる。神鍋高原はスキーだけの街ではなく、通年で旅行客を受け入れてくれる魅力のあるエリアだ。フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫神鍋高原を拠点に、この地域の魅力に触れてみてはいかがだろうか。