旅レポ

マレーシア航空でクアラルンプールとペナン島へ! 2024年から必須になったデジタルアライバルカードも詳しく解説します

今回搭乗したマレーシア航空のMH71便は成田からクアラルンプールまでの直行便。機材はエアバス A350-900型機

 日本から5000kmほど離れた常夏の国、マレーシア。コロナ禍に設けられていた規制や検査はすでに撤廃されており、人気の旅行先として観光客も日増しに増え始めている。

 今回はマレー半島にあるクアラルンプールとペナン島を見て回れたので、その模様をお伝えしよう。そして、2024年1月1日から入国の際に必須となった「デジタルアライバルカード」。とっても重要なこの“デジタル版出入国カード”の登録についても紹介する。

マレーシアに渡るにはデジタルアライバルカードが必須に

 最初のレポートでは、日本とマレーシアを結ぶエアライン、近代的なクアラルンプール国際空港、人気の観光地であるペナン島までの道のりをお伝えするが、その前にとにかく重要なのがデジタルアライバルカード。

 正式名称は「マレーシア デジタルアライバルカード(THE MALAYSIA DIGITAL ARRIVAL CARD)」で、略称でMDACと呼ばれるものだ。日本人が入国する際はもれなく必要な手続きになる。今回は利用しなかったが、入国時に自動ゲートを使う手続きを行なうと、帰国時(出国時)に自動ゲートを使ってスムーズに出国手続きができるようにもなる。さすがデジタル!

マレーシア政府観光局のWebサイトではMDACの登録方法を詳細に解説している

 このMDAC、マレーシア到着3日前から専用Webサイトで登録できる。氏名、生年月日、パスポート番号、滞在先など、21項目を入力して登録すれば作業は完了する。費用はかからない。

 登録が終わると確認メールが届くので、そのなかに記載されているPINをメモしておこう。これは、専用Webサイトから登録内容をプリントアウト、もしくはPDFとしてダウンロードする際に必要になる。というのも、入国管理官の判断で「MDAC見せて!」と確認される場合があるので、入国時にすぐに見せられるようにしておきたいからだ。

 今回入力した際はすぐに確認メールが届いたので、感想としてはぶっちゃけ、空港に着いてからでも間に合いそうだとは思ったが、異国の地なので前もって登録しておくのがベター。いつ何時も緊張する入国審査をリラックスして受けるためにも事前準備は抜かりなきようにしたい。なお、マレーシア政府観光局のWebサイトでは、MDACの入力方法やQ&Aも掲載しているので、渡航前にチェックしておきたい。

MDACを登録するWebサイトにアクセスする
氏名やパスポート番号などを英字で入力していく。5分もあれば入力は終わる
マレーシア政府観光局のWebサイトには詳細な日本語解説があるので大変参考になる
発行されたMDACはスマホにダウンロードしておこう

マレーシア航空の成田発の直行便が便数も多くて便利!

 現在、クアラルンプールまでは、羽田、成田、関空からエアライン各社が直行便を運航している。今回の往路は成田出発のマレーシア航空のMH71便(22時30分発、水木・金・土・日曜運航)を利用した。ちなみに昼はMH89便(10時05分発、毎日運航)が就航しているので、合わせて週12便と、利便性の高いスケジュールになっている。

 温かいサービスで定評のあるマレーシア航空は、2019年5月に「We call it Malaysian Hospitality(私たちはそれをマレーシアン・ホスピタリティと呼んでいます)」を発表し、それが責務であることを表明している。多民族、多文化の国家において各々のバックボーンを認め合う寛容性は重要な資質であり、それが財産として機内サービスにも活かされているわけだ。

 ボーディングブリッジから機内に入ると、伝統的なサロン・ケバヤに身を包んだ客室乗務員が笑顔で迎えてくれるのもあり、出発前から南国気分を大いに盛り上げてくれる。

とってもフレンドリーな客室乗務員。搭乗した便には日本人スタッフもおり、機長のアナウンスを日本語で伝えてくれた
A350-900型機のエコノミー・エクストラレッグルームとエコノミークラスは3-3-3配列の構成
11インチ(1080p)のモニターは大きくて見やすい。充電用にはUSBポートと115Vのコンセントを備えている。エコノミーのシートピッチは約81cm

 フライトは22時30分に成田を出発し、翌朝の5時25分(時差はプラス1時間)到着の7時間55分が見込まれている。気象条件にもよるが離陸してから約1時間後に夜食が提供され、到着の約2時間前に軽めの朝食が提供されるので、その間は眠ることができる。が、久しぶりのマレーシアとあって(筆者は2022年12月にコタキナバルに渡った)、ワクワク感が勝ってしまい寝不足の道中となってしまった(苦笑)。

機内食はフィッシュ&ライスをいただいた。そうめんにはめんつゆのほか、袋入りわさびも付くなどなかなか本格的。美味しくいただきました

 もう一つ紹介しておきたいのは、2023年11月からワイドボディ機(A350と一部のA330)において、機内Wi-Fiが無料で利用できるようになったことだ。従来までは搭乗クラスごとに設定された有料パッケージを購入する必要があったが、すべての乗客が無料で利用できるようになったのは大きい。メールやSNSのチェック、Webサイト巡回も手軽に楽しめる。ただし、動画の視聴はできないので、機内エンタメかスマホに保存しておいたコンテンツを楽しもう。

機内Wi-Fiはアクセスポイントを「MHConnect」に設定し、接続するためのWebサイトを表示させる。無料のパッケージが表示されるので、そちらを購入すればOKだ。データ通信量が少ないアプリならなんなく動く

成田空港の10倍の広さを持つクアラルンプール空港は美しかった

 7時間の空の旅を終え、クアラルンプール国際空港に到着。しかし、外は暗くてあまり実感がない。それもそのはず、この時期の日の出は7時20分くらいなのだ。

 それでも、ボーディングブリッジを通って空港に足を踏み入れると、なんとも美しいフォルムの近代的な空間が出迎えてくれる。デザインはあの近代建築の巨匠である黒川紀章氏。もともとはアブラヤシのプランテーションだった場所を切り開いて作った空港であり、現在もアブラヤシに囲まれていることから「森のなかの空港」をイメージして建てられたそうだ。

 美しいだけでなく、巨大な敷地を有しているのも特徴で、広さは1万haにもおよぶ。成田空港の敷地面積が1137haなので約10倍の広さというのはすごいとしか言いようがない。設備は4000m級の滑走路が3本、メインとサテライトに分けられた2つのターミナルで構成されており、まだまだ拡張するための余地が有り余っている。

 ちなみに「Kuala Lumpur International Airport」の頭文字を取った「KLIA」が略称で、空港の案内板もそのように記載されている。

到着したクアラルンプール空港はキレイで美しかった
到着したターミナル1のサテライトは主に国際線が就航している。ターミナル2はLCCが集められている
サテライトの中央は吹き抜けになっており、ジャングル・ボードウォークという植物園になっている。8時~19時までしか開放されていないので残念ながら入れなかった

ペナン島までは国内線で1時間

 そして毎回ドキドキの入国審査。早朝到着便だからかイミグレーションの列もそれほどなく、すぐに順番が回ってきた。パスポートや搭乗券を提示したあと、小型カメラに顔を向けて両手人差し指の指紋を確認される。あとはスタンプを押してもらって終了のはずだが、なぜかモニターをジーッと凝視している管理官。「何か突っ込んだ質問されるのか?」と冷や汗ものだったが、特に何も聞かれず、MDACについても触れずで、ポンっとスタンプを押して審査は終了。無事に入国できたわけだが、何をじっくりチェックしていたのか気になる……。

 今回はその日にペナン島に移動するので、気を取り直して次の便までターミナル内をブラブラしながら過ごした。それにしても初めての空港はいろいろと発見があって楽しい。次に乗るのは同じく、マレーシア航空のMH1138便(9時05分発~10時05分着)、ペナン行きだ。海岸線に沿って北上するので、窓際ならマレー半島の地形を空から存分に楽しめる。地理好きにはたまらない時間だ。

搭乗したMH1138便。機材はボーイング 737-800型機だった
筆者の座席は左窓側だったので、じっくりとマレー半島の海岸線を眺めることができた。眼下に見えるのはマレーシアで一番大きな港町であるクラン。肉骨茶(バクテー)発祥の地と言われている
ペナン国際空港に到着!

 マレー半島の北部西岸にあるペナン島。古くは「東洋の真珠」と呼ばれ、18世紀後半からはイギリスの貿易拠点として栄えてきた場所だ。東西文化の混ざり合う街並みは訪れる人々を魅了し、独自に発展した食文化も楽しみの一つになっている。次回はそんなペナン島の魅力を紹介しよう。

野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。