旅レポ
街も自然も楽しめるボルネオ島のコタキナバルに行ってみた。成田発の直行便も復活して渡航も楽に
2023年2月9日 00:00
東南アジアの人気観光地であるマレーシア。首都クアラルンプールのあるマレー半島の南部と世界で3番目に大きなボルネオ島の北西部が国土で、日本人観光客も数多く訪れている国だ。
最近ではコロナ禍で運休していたクアラルンプールを中心とした航空路線も続々と再開しており、日本からマレーシアへの移動も平常に戻りつつある。加えて、2022年12月15日からは割安なバティックエアー マレーシアも初めて日本との定期便(成田~クアラルンプール)を就航するなど、新たな選択肢も増えている。
それはボルネオ島側のサバ州の玄関口でもあるコタキナバルにも当てはまり、マレーシア航空の成田~コタキナバル線が12月19日に週2便(月・木)で再開した。今回、マレーシア政府観光局とサバ州政府観光局が実施したサバ州コタキナバル視察ツアーに参加してきたので、その模様を3回に分けてお伝えしよう。
マレーシアへの渡航はコロナ前の水準に戻っている
気になるマレーシアの受け入れ体制についてだが、パンデミック中は諸外国と同様に出発前検査や入国後検査など厳しい入国制限を設けていたが、ピークを過ぎてからは段階的に水際対策を緩和してきた。
そして2022年8月1日からはすべての渡航制限を撤廃しており、コロナ前の訪問しやすい環境に戻っている。ただし、店舗や施設、ホテルなどの入店時に政府の新型コロナウイルス対策アプリである「My Sejahtera」の提示を求められることがまれにあるので、その際はその場でダウンロードして登録してもOKとのことだ。
マスクについては、屋内・屋外ともに着用義務はないが、公共交通やタクシーなどを利用する際は必要になるので、その点は頭に入れておこう。また、万が一罹患してしまった場合は、原則7日間の隔離義務が生じるので、海外旅行保険の加入が推奨されている。最新の情報については、マレーシア政府観光局のWebサイトをチェックしておくと安心だ。
サバ州は自然の宝庫で東南アジア最高峰のキナバル山もある
今回訪れたサバ州やコタキナバルについても簡単に紹介しておこう。マレーシアは大きく分けて、クアラルンプールのあるマレー半島、コタキナバル(サバ州)やクチン(サラワク州)のあるボルネオ島北部が国土になっている。
サバ州は北緯4度~7度に位置するため1年中暖かく、雨も多くて水に恵まれていることから、都市以外はジャングルが広がる自然の宝庫。北海道より少し小さい7万3630km2の広大な土地にオランウータンやテングザル、ボルネオゾウといった希少な動物が住み、世界最大級の花であるラフレシアが育つ場所としても有名だ。
また、東南アジア最高峰であるキナバル山(4095m)もあり、比較的登りやすいということで世界各地から登山客も多く訪れている(入山は完全予約制)。ちなみにコタキナバル(Kota Kinabalu)は「キナバル山の街」という意味で、東マレーシアでは最大の都市として栄えている。
ボルネオ島に行くなら再開した成田~コタキナバル線が便利!
今回のサバ州訪問に使ったのはもちろん、再開したばかりであるマレーシア航空の成田~コタキナバル線で、往路のMH81便は成田を9時30分に出発し、コタキナバルには15時に到着するスケジュールだ。復路のMH80便はコタキナバルを0時50分に出発し、成田に7時20分に到着する。機材はボーイング 737-800型機(ビジネスクラス16席、エコノミークラス144席)を使っている。
日本からマレーシアへのフライトは数多くあるが、ほとんどがマレー半島行きで、ボルネオ島行きは現在のところこの路線のみ。コタキナバルに渡るにはクアラルンプール経由が一般的だが、成田からだと7時間50分ほどのフライトに加え、そこから2時間30分ほど東に飛ぶので、乗り継ぎの時間も含めると半日はかかってしまう。接続がわるい便だと、ほぼ1日費やすこともある。
その点、コタキナバル行きの直行便であれば、成田からは6時間30分ほどのフライトで到着する。ボルネオ島を目指すのであれば、乗り継ぎの不安もなくなるし、この時間差は非常に大きい。
今回は再開後初のMH81便に搭乗して、コタキナバルに向かった。当日は夜明け前に起床して朝7時に成田に到着したのもあり、若干の寝不足気味。機内ではスマホに用意していた映画を観ることもなく寝ていたおかけで、あっという間に到着したというのが感想だ。空港に着くとウォーターキャノンで復活初便をお出迎えして、さらにゲート前では歓迎式典も行なってくれた。それだけ地元の人にとっても待ちに待った定期便であることを感じた。
少々驚いたのは、到着したコタキナバル国際空港は2008年に改装しており、ターミナルビルが近代的でとてもキレイな空間だったこと。もっとローカル感が漂う、地方の国際空港かと勝手に想像していたものだから、天井が高く、広々とした屋内に見とれてしまった。
サンセットは空港近くのビーチがオススメ
コタキナバルに到着して最初に訪れたのがタンジュンアルビーチ(Tanjung Aru Beach Resort, Tanjung Aru, 88100 Kota Kinabalu, Sabah)。海沿いにあるコタキナバル空港のすぐ近くにあり、2kmほどの砂浜が広がる、地元の人にも人気のエリアだ。
道路からビーチにアクセスできる場所が3か所あり、空港に近い南側から順番にタンジュンアルビーチ3、タンジュンアルビーチ2、タンジュンアルビーチ1と呼ばれている。ビーチ3は大通りからもっとも奥まった位置にあるので、訪れる人も少なく、地元の人が集まる穴場スポット。逆にビーチ1は観光客も地元の人も数多く訪れる場所なので、屋台も多く、にぎやかな雰囲気を楽しめる。サンセットタイムになると続々と人が集まりだし、それぞれが景色や食事を楽しんでいた。
タンジュンアルビーチのすぐ隣には5つ星ホテル「シャングリ ラ タンジュンアル コタキナバル」があり、ここから見るサンセットもすごくキレイだと言うので、そちらにも移動してみた。評判の海岸沿いからは南シナ海の大海原が広がり、マジックアワーには多くの人がスマホを片手に景色や自撮りを楽しんでいた。ヤシの木と熱帯の風、美しいサンセットが加わり、南国リゾートに来たんだなという気分に大いにさせてくれる。こちらもオススメだ。
2日目は著名な建築家である隈研吾氏が設計したオープンしたばかりのホテル「ハイアット セントリック コタキナバル」や、近くでアウトドアを楽しめるディナワン島、ピンク色に塗装されたモスク、コタキナバルの街の様子などをお伝えする。多くのブランドホテルが軒を連ねるマレーシアにおいても、隈研吾氏が手掛けた和テイストをふんだんに取り入れた同ホテルは注目の的で、コタキナバルの今を語るうえでも欠かせないスポットになっている。