旅レポ
直行便で8時間半、南半球の楽園・ニューカレドニアを旅する4泊6日。初めて行くならこんなプランで
2024年3月11日 00:00
「ニューカレドニア」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? どこまでも続く青い海に美しいサンゴ礁、フランス領ならではのオシャレな街並み……。ハネムーンの渡航先というイメージもあるのでは? オーバーフィフティ世代なら、原田知世さん主演の映画「天国にいちばん近い島」を思い浮かべる人も多いかもしれません。
本稿では、2023年9月に私が初めて訪れた4泊6日の旅をギュギュっとまとめて、改めて“南太平洋の楽園・ニューカレドニア”の魅力をお伝えします。
1日目:まずはおさらい、ニューカレドニアってこんなところ
オーストラリアの東とニュージーランドの北に位置するニューカレドニアは、世界遺産のラグーンに囲まれたフランスの海外領土です。公用語はフランス語で、通貨はフレンチ・パシフィックフラン(CFP)。チップの習慣はありません。
日本からニューカレドニアへは、エアカランの直行便で約8時間半でアクセスできます。2024年3月現在、成田から月・水・土の週3便で就航中。成田空港を昼過ぎに出発すると、ヌメアには23時過ぎに到着します。現地トントゥータ空港では、フランス語・英語の次に日本語の表記があってびっくりしました。
初日はそのままホテルに直行して寝るだけ。移動の疲れがとれた翌朝から行動できます。時差は2時間。時差ボケの心配はほとんどないので、久しぶりの海外旅行にも最適ですよ。
南半球だから現地はこれからどんどん寒くなるのでは?と思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。年間平均気温が24℃前後のニューカレドニアは、寒過ぎず暑過ぎず、1年を通して爽やかな初夏のような気候。明確なオフシーズンがなく、いつでもオンシーズンと思っていいでしょう。
1日目のポイント
・エアカランの直行便が成田を11~12時台発(季節・曜日により異なる)
・ヌメア着は23時過ぎ(現地時間)
・時差は2時間
2日目:メラネシアとフランスの文化がほどよくミックスされたヌメアの街
細長いフランスパンのような形をした本島南端部に位置する首都ヌメアが、ニューカレドニアの経済や観光の中心地です。全人口約28万人のうち約10万人が集中しているそうですが、もともと人口密度が低いので混雑や渋滞とは無縁。街を歩いてみると、のんびりしていて暮らしやすそう!という第一印象でした。
公用語がフランス語なので、街の看板や標識、レストランのメニューも基本フランス語です。ホテルなどではもちろん英語も通じますが、あいさつは「Hello」ではなく「bonjour(ボンジュール)」。そう、ニューカレドニアは“日本に一番近いフランス”なのです!
ヌメアの街の散策は、ローカルの人々の憩いの場・ココティエ広場を起点にするといいかも。道路は碁盤の目のように広がっていて、歩いても十分回れる、ほどよい大きさの街でしたよ。
ミッションローブのお店やフランス雑貨などのセレクトショップ、質の高いブラックパール専門店に自然派コスメのブティックなど、ショッピングも楽しめます。街歩きに疲れたら、ふらりと立ち寄れるステキなカフェもたくさんあります。
観光客に人気のスポットが街なかにあるマルシェ(市場)です。ここでは地元の人がマルシェカゴを持ってパンや野菜などを買い物をしている光景があちこちに。キッチン付きのコンドミニアムホテルに滞在すれば、食材を買い込んで料理も楽しめそうですね。
マルシェ内には、観光客が利用できるカフェも。ホテルの朝食をスキップして、ここで食べたバゲット&カフェオレのモーニングが忘れられない思い出です。週末は手作りアクセサリーや石鹸、ニューカレドニア特産のハチミツやバニラビーンズを売る露店が屋外に並ぶそうですよ。
ヌメアは本場フランス仕込の本格フレンチから伝統郷土料理、移民が多いベトナム系のカジュアルレストランやインド料理など、グルメもバラエティに富んでいます。フレンチは前菜、メイン、デザートの3品が基本ですが、日本人にはちょっぴり量が多め。特にシメのスイーツが甘いもの好きのフランス流で、たっぷりめな印象でした。
ニューカレドニアの先住民族・カナックに興味があれば、ヌメア郊外にある「チバウ文化センター」を訪れてみては? カナック文化を知ることができる斬新な建物の文化施設です。また、カナックの伝統料理「ブーニャ」はニューカレドニア滞在中に一度は味わいたいグルメです。
2日目のポイント
・ヌメア市内で街歩きと史跡巡り
・市内やマルシェで買い物や食事を
・国内線でイルデパンへ
3~4日目:“海の宝石箱”と呼ばれる離島イルデパンはココロを癒してくれる小さな天国
せっかくニューカレドニアに行くのなら、ヌメア滞在にプラスして離島にも足を運んでみて。私が訪れたのは、ヌメアから国内線で約30分で行くことができる人気の離島イルデパンです。
飛行機を利用すれば日帰りも可能ですが、離島ならではの素朴な魅力と手つかずの自然を存分に堪能するなら数泊したいところ。時間に余裕があってコスパ重視派には片道2時間半のフェリーという手もあります。
チェックインしたのは空港から送迎車で約15分の「ル・メリディアン・イルデパン」。美しいオロ湾のラグーンとナンヨウスギの森に囲まれたイルデパン唯一の5つ星リゾートです。
ここではヤシの木に囲まれたバンガロースイートに滞在しました。ホテルの静かなプライベートビーチへは、デイベッドが置かれたテラスからわずか10秒の距離! ネイチャー派さんにとっては天国のようなホテルです。
人口2500人ほどの島内には、小さな食料生活雑貨店があるだけで、カフェやレストラン、ショップが並ぶ繁華街はありません。島での食事は基本的に滞在しているホテルでとることになりますが、どこも味・サービスのクオリティが高くてびっくり! 伝統的な料理とフレンチ、そして島の食材をうまくミックスした絶品グルメが楽しめ、気さくに応対してくれるスタッフさんも好印象でした。
イルデパンを訪れたら絶対行ってほしいのが「ピッシンヌナチュレル」です。隆起した珊瑚が波をせき止めてできたという穏やかな入り江は波もなく、びっくりするほどの透明度! フランス語で“天然のプール”を意味するピッシンヌナチュレルでのシュノーケリングが大人気のアクティビティとなっています。
ピッシンヌナチュレルは、泊まっていたホテル「ル・メリディアン・イルデパン」からは歩いて20分ほどの距離。しかし今回はぐるっと遠回りして、メラネシアの伝統的な帆掛け船「ピローグ」でのんびりクルーズを楽しんだあと、小一時間のちょっぴりワイルドなブッシュウォークをしながら向かいました。
アドベンチャー気分でたどり着いたピッシンヌナチュレルは、手つかずの自然のなかにひっそりとたたずむ秘密の場所といった雰囲気。ホテルで借りてきたシュノーケルセットを着けてさっそく水の中に入ると、カラフルな魚がたくさん泳いでいて、水面からも見えるほど! 天然の水族館のような場所で、童心に帰ったように夢中になって遊んでしまいました。
ホテルに戻る途中で立ち寄った海辺の小さなレストラン「SNACK LE KOUGNY」では、イルデパン名物のエスカルゴや、ロブスター、セミエビなどのシーフードに舌鼓。島から持ち出し禁止されているエスカルゴはイルデパンでしか食べられない特別な食材なんですって。にんにくとバターで和えた濃厚ソースをまとってライスとの相性抜群でした。
宮古島と同じくらいの大きさのイルデパンには1周約40kmの舗装道がありますが、バスなどの公共交通機関はありません。島を見て回りたいなら宿泊施設でレンタカーを予約するか、観光スポットを巡るホテル主催の島内ツアーなどに参加するといいでしょう。
滞在した「ル・メリディアン・イルデパン」で、リピーターだという日本人女性にお会いしました。一人旅でゆっくり数日間過ごす予定だと聞いたときは「え? 一人でここで!?」とびっくりしたのですが、今なら納得。一度訪れたら何度も行きたくなるイルデパン。ココロと身体を優しく癒やしてくれる大自然に私も魅了されてしまったようです。
3~4日目のポイント
・離島イルデパンに滞在
・ピッシンヌナチュレルでシュノーケリングや帆掛け船のクルーズ
・島でしか味わえないエスカルゴなどグルメを満喫
5日目:一度行ったら何度も訪れたくなるニューカレドニア
日本への帰国便は夜中なので、帰る日も1日たっぷり使えるのがニューカレドニア。そこでお勧めしたいのがホテルのレイトチェックアウトです。ギリギリまでお部屋が使えてシャワーを浴びてさっぱりできるなら、最後の日も海やプールで遊べますね! ちなみに私は自分へのご褒美にホテルのスパで極上トリートメントを予約。とことん癒やされて帰路についたのでした。
ピローグクルーズでの海風の香りや鳥のさえずり、素足で踏んだパウダーのような白砂の感触など、五感で感じたニューカレドニアの自然は脳裏に焼き付いています。
カップルや女子旅、家族、一人旅など、さまざまな旅行者にマッチする多彩な魅力にあふれた“天国に一番近い島“。これから7月くらいまでの比較的人が動かないシーズンは特に狙い目かも!? ぜひ次の海外旅行の行き先候補に、南半球の楽園・ニューカレドニアを加えてみてはいかがでしょうか。
5日目のポイント
・レイトチェックアウトで滞在最終日まで楽しめる
・日付変わって25時ごろヌメア発で日本へ