旅レポ

マウイ島の人気リゾート地でハワイらしさを満喫できる「カアナパリビーチホテル」に泊まってみた

ハワイでもっともハワイらしいホテルと評されている「カアナパリビーチホテル」

 ハワイはホノルルがあるオアフ島、火山活動が盛んでもっとも大きいハワイ島はよく知られているが、それ以外にもマウイ島、カウアイ島、モロカイ島、ラナイ島と魅力的な島がある。その1つマウイ島は、オアフ島とハワイ島の中間に位置し、自然豊かなリゾート地として有名だ。

 今回はそのマウイ島にある、「カアナパリビーチホテル」(2525 Kaanapali Pkwy, Lahaina, HI)を紹介する。

美しい砂浜が広がるカアナパリビーチ

 マウイ島に行くためには日本からは直行便がないので、ホノルルからマウイ島の中心で空港のあるカフルイまで飛行機で移動する。所要時間は40分程度(飛行時間は25分くらい)なので、あっという間に着く感じだ。

 マウイ島にはいくつものリゾート地が存在するが、カアナパリビーチホテルがあるカアナパリ~ラハイナは特に人気のあるエリア。ホテルの目の前にあるカアナパリビーチは、2021年のトリップアドバイザー「トラベラーズチョイスアワード」で、アメリカで2位のビーチに選出されている。ちなみにカアナパリビーチはカフルイ空港からクルマで45分ほどの距離にある。

 マウイ島の西側にある人気リゾート、カアナパリビーチからはモロカイ島やラナイ島も見える。12月から春にかけてはザトウクジラがこの海域によく出没する。

訪れた人を魅了するカアナパリビーチ。海の奥に見えるのはモロカイ島で、ホエールウォッチングも人気のアクティビティ

ハワイらしさが自慢のカアナパリビーチホテル

 カアナパリビーチ沿いにはいくつものリゾートホテルが立ち並んでいるが、1964年開業のカアナパリビーチホテルはワイアハ財団(オアフ島)から「ハワイでもっともハワイらしいホテル」として認定されており、トリップアドバイザーやHotels.com、HAWAII Magazineにおいても多数の賞を受賞するなど、クオリティの高さが人気となっている。

 ホスピタリティの高さもさることながら、ハワイ文化の継承にも力を入れているのが特徴で、フラ、ウクレレ、ハワイ語のレッスンといったカルチャープログラムを毎日開催している。また、詳細は別記事で紹介するが、5歳~17歳までのジュニア世代を対象としたフラダンスの競技会「フラ・オ・ナー・ケイキ」を毎年開催していることでも有名だ。

毎年開催されているジュニアのフラダンス競技会「フラ・オ・ナー・ケイキ」

客室の半分ほどを改装してさらに居心地よく

 ホテルはビーチに面した中庭を取り囲むように客室タワーがあり、フロアは1階から6階まである作り。客室は見える景色によって、オーシャンフロントビュー、オーシャンビュー、パーシャルオーシャンビュー、コートヤードビューがあり、改装済の部屋(264室)はプレミアムの名称が付く。改装前の客室は、トラディショナルルームという名称になっている。

 カアナパリビーチホテルも新型コロナウイルスによるパンデミック中は客足が遠のくこととなり、未来へ投資するために「ケ・アラウラ改装プロジェクト(Kealaula Enhancement Project)」を2020年3月に開始している。改装によって客室は新たに生まれ変わり、中庭にはシグニチャーレストラン「フイフイ(Huihui)」をオープンした。ちなみに「ケ・アラウラ」とは、ハワイ語で「夜明けの光」「夕日の輝き」を意味し、改装前のこれまでの伝統の輝きと、改装後の新たな輝きを表わしているそうだ。

1階~6階までが客室になっている
美しい中庭を中心に客室タワーが取り囲むように立てられている
その名のとおり、海が目の前に広がるオーシャンフロントビュー
ハワイらしいインテリアのトラディショナルルーム

素晴らしい景色に圧倒されるプレミアム オーシャンビュー

 筆者が宿泊した部屋は「プレミアム オーシャンビュー」で、その名のとおり、目の前には青い海がドーンと広がる最高のロケーション。飛行機を乗り継いで来たかいがあるというもので、しばし感動に浸っていた。ラナイ(バルコニー)に出れば、イスに座って心地よい風を感じながらまったりと過ごせるのも実によかった。

プレミアム オーシャンビューの室内
ラナイからはマリンブルーの海も緑濃いモロカイ島もバッチリ見える

 改装された部屋に目を移すと、インテリアは木製ファニチャーを多く取り入れた落ち着きのあるデザインでありながらも、細かな機能面は現在のニーズに合うようアップグレードされていた。

 例えば、テーブル脇や洗面所のコンセントにはAC電源のほか、最近のモバイルデバイスで多数使われているUSB Type-Cのポートも備えており、変換プラグを使わなくても充電できるようになっている。展示してあるアート作品はハワイらしさを感じるもので、ホテルの従業員約20人が手作りで作ったマカウ(釣り針)、メアカウア(武器)、貝殻のレイ、釣りルアーなどが額装されており、絵画は固有植物を描いたものが数点ほど飾られていた。タワーによって壁面の色も変えているそうで、筆者の部屋はマウイ島を表わす「赤土」をイメージした色合いになっていた。

ベッドはキングサイズ1台かクイーンサイズ2台の構成
ベッド脇のサイドテーブルと1人掛けのソファ
壁面は赤土を表わした色合い。使い勝手のよいテーブルとイス
コンセントはUSB Type-Cにも対応している
それぞれの部屋によって違うハンドメイドのアート作品
ハワイの固有植物を描いたアート作品
洗面所とトイレは広くて快適
クローゼット部分。金庫や冷蔵庫も備えている
こちらの部屋はシャワータイプ
朝起きると目に飛び込んでくる景色にとにかく癒される

ハワイを楽しめるメインレストランのフイフイ

 食事処としては、朝食を楽しめる「ケアオ(KEAO)」、サンドイッチやサラダを気軽にテイクアウトできる「Hele On(ヘレオン)」、プールサイドでハンバーガーやピザを提供している「ヴェロヴェロ(Welo Welo)」などもあるが、もっともカアナパリビーチホテルらしいのはやはり「フイフイ(Huihui)」だろう。

 朝昼晩とオールタイムで営業しており、生演奏されるハワイアンミュージックを聞きながら食事を楽しめる。オープンエアーな店内は風が気持ちよく通り抜け、装飾もこだわった作りになっている点は見逃せない。伝統的なカヌーに使われるロープの結び方を再現していたり、ハワイで使われていた伝統的な道具を多数展示しているほか、天井にあるライトはハワイで見ることができる星座の星の位置に合わせてレイアウトしてあるなど、シグニチャーレストランとしてハワイの要素をふんだんに詰め込んだ店内になっている。

 料理もバラエティーに富んでおり、ハワイでも人気のアヒ(マグロ)を使ったシーフード料理や、タロイモの葉で豚肉を蒸し焼きにした伝統料理、モロカイ島産の鹿肉を使った前菜など、魅力あふれる品々を多数取り揃えている。お酒が飲めるならリゾートらしいトロピカルなカクテルを楽しんでもよいが、ビールもオススメとのこと。特に地元のクラフトビール「マウイ・ブリューイング・ビキニ・ブロンド」「コナ・ロングボード・ラガー」「コホラブルワリー・ラハイナ・ヘイズ IPA」はそれぞれ個性があり、海辺で飲むのにピッタリ。普段はウイスキー党の筆者だが海辺で飲む一杯は格別とのことで、いろいろと飲ませてもらってそれぞれの味に感動を覚えた。来島の際はぜひお試しを。

シグニチャーレストランである「フイフイ」
オープンエアーで心地よい店内
店内の装飾から展示してあるアートなどはすべて手作り。天井ライトは星座をイメージして配置されている
ハワイを味わえる「シェフズ・ラウラウ」。豚肉などをタロイモの葉で蒸したラウラウ、タロイモをすりおろしたポイ、塩漬けサーモンとタマネギとトマトを混ぜ合わせたロミサーモンなど、ルアウ(ハワイ式宴)で出される料理を皿に盛ったもの
揚げたエビを豪快に盛った「オパエ・パスタ」。アワビとトビコを混ぜたクリームソースは濃厚な味わい
モロカイ島産の鹿肉をスモークして、オゴ(海藻)やタマネギ、トマトなどを和えた「モロカイ鹿肉のポケ」
白身の地魚を使ったラウラウ「フィッシュ・ルアウ」。"ルアウ"はもともとタロイモの葉を指す言葉だが、宴の意味も持つ
ラナイ島にかかる夕焼けも美しい

海を中心に楽しめるアクティビティは豊富にある

 中庭のプールサイドでノンビリと過ごすのもよいし、ビーチに出て波と遊ぶのにも最高のシチュエーションだ。ビーチ入口にはホテルのレンタルショップもあり、シュノーケル道具やサップボード、ボディボードにフィン、ビーチパラソルなどを借りることもできる。ロビーにあるゲストサービスでは、船に乗ったりジップラインで冒険するなどさまざまなアクティビティをニーズに合わせて手配してくれるので、活動的に過ごしたい人でも存分に楽しめる。

 ビーチ沿いの道を少し歩いた先には「ホエラーズ・ビレッジ・ショッピング・センター」があるので買い物にも便利だ。また、5kmほど南にはハワイ王国の首都でもあったラハイナがあり、多くの人でにぎわっている町歩きも楽しめるそうだ。

美しい海ではマリンスポーツも存分に楽しめる
ホエラーズ・ビレッジ・ショッピング・センターは歩いてすぐの距離にある。ハワイで便利なABCストアもある

 カアナパリビーチホテルならではのセレモニーとしては、宿泊客の出発前にククイナッツでできたレイを渡す催しがある。通常は到着時に渡すパターンが多いが、同ホテルではチェックアウト前に宿泊客が安全に自宅に戻れることも祈願して、伝統的なオリ(チャント)から始め、ククイナッツレイを贈る意味も解説してくれる。

 セレモニーは朝の8時、9時、10時、11時の4回にわたって開催されるので、好みの時間で参加できる(筆者は飛行機の都合で残念ながら参加できなかった)。このように素晴らしいロケーションやスタッフのホスピタリティのよさに加え、ハワイ文化に存分に触れることができるのが「ハワイでもっともハワイらしいホテル」と言われる所以であろう。オアフ島とはまたひと味違うマウイ島を訪れる際はぜひともこちらのホテルも検討してもらいたい。

野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。