旅レポ

まだ間に合う全国旅行支援。3人家族で石川・金沢に実質500円で2泊3日の旅!

紅葉が徐々に色づき始めた玉泉院丸庭園を金沢城公園から望む

 10月11日から始まった全国旅行支援。いわゆる「県民割」の全国版で、当初は12月20日宿泊分までだったのが、クリスマスをまたぎ12月27日宿泊分まで延長が決まった。2023年1月以降についても、割引額の引き下げなどはあるものの実施が決まり、旅行好きにとってはうれしいところだ。

 今回はそんな今後も継続する全国旅行支援について、実際に筆者が利用して金沢旅行をした体験をお伝えする。

予約に大苦戦も、宿泊をなんとか予約

 全国旅行業支援の予約は東京を除き10月11日から始まった。筆者は家族3人(うち1名は幼児)で、金沢2泊3日旅行を旅行サイトで予約しようとしたが、旅行サイトはアクセス過多で軒並みダウン。うまくページにアクセスしても、「2時間半待ち」との表記が出ており、仕事との兼ね合いの関係上、なかなか予約までたどり着かない。そうこうしているうちに交通付き宿泊旅行商品は軒並み完売してしまった。

 仕方がないので宿泊のみで予約をすることに。ちょうど星野リゾートが全国旅行支援の専用ページを立ち上げており、予約がしやすそうなので利用してみることにした。

星野リゾートの全国旅行支援のページ

 ここで全国旅行支援の仕組みをおさらいしておこう。都道府県によって多少の差はあるが、10月11日~12月27日まで、宿泊料金を最大40%オフ(1日最大8000円引き、交通付き商品以外は5000円引き)するというもの。加えて対象都道府県内の登録店舗で使える地域共通クーポンを1泊1名あたり平日3000円、休日1000円配布する。

 利用する際は本人確認書類とワクチン接種証明書、またはPCR検査などの陰性証明書が必要だ。また、乳幼児については添い寝など旅行代金がかからない場合でも割引対象になる。ただし、旅行サイトやホテルによっては幼児が対象外になる場合もあるので、予約の際は確認する必要がある。

星野リゾートの専用サイトのスマホページ。分かりやすく説明してくれている

 星野リゾートのWebサイトでは、普通に予約手続きをすれば自動的に割引額とクーポン券の枚数を算出してくれる仕組み。全国旅行支援は都道府県ごとにシステムが異なるので分かりにくいが、専用サイトはプランの比較などもしやすくスムーズに予約ができた。

 さて、今回の旅行は石川県金沢市の「OMO5金沢片町 by 星野リゾート」に宿泊することを決定。星野リゾートの専用サイトで、朝食なし・滞在のみの「【全国旅行支援】おもたび。(食事なし)」プランのツインルームを予約した。

日付・ブランド・地域などで検索することが可能

 宿泊費用は通常では3万800円。全国旅行支援を適用すると、宿泊料金の4割引が1万2320円、割引上限額換算が2万円となる。全国旅行支援の場合、2つの金額のうち安い方が適用されるため、1万2320円引きとなり、支払総額は1万8480円となった。

 これに地域共通クーポン券がつく。今回の旅行は日・月・火曜の2泊3日だったため、宿泊する日は「平日」換算される。1人あたり3000円×2日×3名なので、合計1万8000円。宿泊料金に入らない幼児分6000円分がお得についたため、1万8480円からクーポン代金を差し引くと480円! 実質500円でお釣りがくる宿泊料金で旅行ができるという大変お得な結果となった。

星野リゾートの予約ページ。割引額・クーポン額が明示されている

 ちなみに金沢まではJALの国内航空券タイムセールで羽田~小松の航空券を別途購入。こちらは割引にはならなかったのが残念だった。

チェックイン後、いよいよクーポン券を利用

OMO5金沢片町。「OMO5」の看板が目印

 さて、旅行の始まりだ。まずはOMO5金沢片町に到着してチェックイン。入り口に全国旅行支援対応の旅行者を誘導する看板があり、とても分かりやすかった。

 フロントに全国旅行支援プランであることを念のため申告し、身分証明書とワクチン接種証明書を提示する。ワクチン接種証明書は政府による「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」をダウンロードして設定済みだったため、大変スムーズに確認ができた。

フロントに案内板を掲示

 その後は必要書類に氏名や住所などを記入して提出し、地域共通クーポンを受け取る。使用方法や対象店舗の検索方法について簡単な説明があり、手続きは終了だ。

 地域クーポン券は東京都や大阪府、神奈川県、静岡県ではスマートフォンの決済アプリ「regionPAY」を利用でき、紙のクーポンをチャージして電子クーポン化し、1円単位利用できる。しかし金沢は紙クーポンのみで、1000円単位での利用となり、お釣りは出ないため注意が必要だ。

必要事項に同意のうえ、クーポン券を受け取る

 石川県の場合はクーポンの裏面についたQRコードを読み込むとキャンペーンサイトに飛ぶ。またはWeb検索で「いしかわ旅行割 旅行者向けページ」を検索すれば対応のページにたどり着く。サイト内の「探す」から必要な条件を入れて検索することが可能だ。使える店舗はエリア・業種から検索できる。

飲食店が決まったら店を検索して使えるかどうかを確認するのがお勧め

 クーポンは飲食店はもちろん兼六園などの観光施設、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどでも利用できるので、幅広い使い方ができる。12月5日現在、石川県内で地域共通クーポンが使える店舗は4574軒。このうち金沢市内は2229軒が対象となっている。飲食店は主だった名店は利用できる。今回の旅行ではガイドブックや地元の人のお勧めで食事場所を選んだが、全店舗でクーポンが利用できた。お店に貼ってあるステッカーが目印だ。

このステッカーが目印

 また、クーポンはお土産物屋でも利用可能。特に金沢駅にある金沢百番街の「あんと」など、土産物購入スポットで使えるのは大変便利だ。ただし、お釣りが出ないためクーポン券を使うには1000円以上買わなければならないこと、差額は現金やカードなどで支払う必要があるのはややめんどうだった。

ステッカーは店の入り口またはレジ横に掲示されていることが多かった

 個人的にうれしかったのはタクシーでも利用できたこと。金沢市内のタクシーで使うことができたほか、小松駅から小松空港までのタクシーでも利用できた。万が一余ったとしても、空港の土産物屋で利用できるので安心だ。

クーポン18枚1万8000円分。使い切れるか不安だったが、飲食店や土産物店を中心にさくさく消費できた

 なお、石川県では全国旅行支援と連動し、石川県内に宿泊した人を対象に、毎月石川県の特産品を抽選でプレゼントするキャンペーンも実施中。宿泊施設内にある応募チラシから、Webサイトまたは郵送で応募可能だ。

石川県特産品プレゼントキャンペーン

2023年以降も制度延長、電子クーポンが基本に

 最後に、全国旅行支援の今後の動向を簡単に紹介しておこう。11月25日付で観光庁から正式に発表があり、2023年以降についても「今後の感染状況を見極めたうえで、年明け以降、観光需要喚起策を実施する」ことが決まった。より利便性が高まる部分もあるが、割引率が低くなるなどの変更点があるので注意が必要だ。

 まず、割引率は現行の最大40%から最大20%に引き下げられる。交通付き宿泊の割引額上限も現行の最大8000円引きから5000円引きに変更する。クーポン券は、平日は現行の3000円から2000円に引き下げられるが、休日は1000円のまま変更しない。

 今回ややめんどうに感じた紙のクーポン券は、来年以降は原則電子クーポンになるので、1000円縛りがなくなるのはありがたいところ。ただし、店側も電子クーポン対応を可能にしなければならないため、設備投資が必要なのであれば撤退する店舗が出てくる可能性もある点は懸念される。また、スマホユーザー以外の対応をどうするかも検討する必要がある。東京都のシステムを使うような気もするが、今後の発表が待たれるところだ。

栗本奈央子