旅レポ

長崎を早朝ぶらり。朝活で出島までカヤックで川下り! 新規オープンの恐竜博物館も見てきた

10月オープンの「長崎市恐竜博物館」は自然光のなか、恐竜たちと出会える

 長崎県と長崎県観光連盟は、「100年に一度の変化期にある長崎市を巡る旅」として、変わりつつある市内の新名所、文化的な見どころをメディア向けに公開した。

 今回は朝一から楽しめる「朝たび長崎」プラン&市内アクティビティに、スパ併設のリゾート「i+land nagasaki」、10月末にオープンしたばかりの「長崎市恐竜博物館」をレポートする。

「朝たび長崎」で早朝の中島川を眼鏡橋付近から出島までカヤックでひとっ漕ぎ

 この日朝イチで利用したのは「いい旅は、いい朝から。」をコンセプトに2022年3月31日まで長崎市内で実施している「朝たび長崎」だ。朝たび長崎とは、ビジネスホテルステイと朝食がセットになったプランで、オプションで自分好みのアクティビティを組み合わせて、朝活が楽しめるもの。土日祝日限定で利用ができる。

 今回は中島川をカヤックで下る「中島川シーカヤック体験」(3000円)をチョイス。料金には機材代とガイド料、保険料が含まれているので安心。朝7時に眼鏡橋手前の袋橋左岸に集合し、フローティングベストを着用。今回のガイドは「シーカヤック長崎」の岩永俊秀氏が担当してくれた。スタート前に安全説明とオールの扱い方を習い、いざ中島川のなかへ。

「朝たび長崎」プランを使って「中島川シーカヤック体験」に挑戦した
ガイドは「シーカヤック長崎」の岩永俊秀氏
出発前にはオールの使い方を詳しく、そして川のなかでの安全についてもレクチャー

 中島側の袋橋付近から出発し、出島表門橋をくぐり「長崎出島ワーフ」まで出るコース。所要時間は約1時間弱、約2kmほどの川下りが楽しめる。中島川は静水のため初心者でも下りやすいのが特徴で、船体が安定し、コツを掴んだらスイスイと進むことができる。10分ほど漕いでいると出島表門橋が目の前に、橋を川から眺める景色に感動! 時間の関係で取材は橋の手前で終了したが、ぜひ、実際に体験し港まで行ってほしい。

袋橋右岸の石造りの階段からカヤックに乗り込む
2名1組で参加。ゆっくりとカヤックを漕ぎ出す
橋の下を通ったりドキドキの連続
出発から10分ほどで出島表門橋が見えてきた
帰りは眼鏡橋に向かって川を上っていく

 川の水際で冷えたあとは、お待ちかねのあったか朝食タイム。「和食居酒屋 旬菜ながや」で和食の朝ご飯をいただくことに。こちらでは「季節の干物の朝定食」または「味変を楽しむ鯛茶づけ」が提供される。漁獲高全国2位、魚種全国1位のを誇る長崎港だからこその朝ごはんだ。

「季節の干物の朝定食」
「味変を楽しむ鯛茶づけ」
昆布で締めた鯛をあごだしのお汁で味わう

 なお、同プランはコロナ禍での長崎市内のビジネスホテルの魅力創出ならびに夜以外の長崎のよさを発信するために企画・実施されている。カヤック体験のほか、街歩き、レンタサイクル、パークヨガもラインアップし、ニーズに合ったサービスを今後も展開していく予定だ。

実は恐竜の化石産出が多い長崎。石炭が採れるからこそ化石も出る!?

 続いては、10月29日にオープンした長崎市野母町の「長崎市恐竜博物館」へ。国内3か所目の恐竜博物館として開館し、自然光のなかで恐竜たちを眺められるのが最大の特徴。メイン展示室には約13mの全身骨格レプリカなどが並び、圧倒的な迫力で来館者を迎えてくれる。

10月29日にオープンしたばかりの「長崎市恐竜博物館」
自然の光のなかで恐竜たちを間近に眺めることができるのが最大の特徴
カーテンが空いている時間はシルエットでも楽しめる。奥には「軍艦島」も見える
ティラノサウルス「トリックス」の被食者ビューも体験可能

 館内には2015年に日本で初めて発表されたティラノサウルス科の大型種の歯の化石、そして歯の化石と最新の学説をもとに復元したティラノサウルス科ロボットも展示。空気圧式のため筋肉の盛り上がりが自然で動きもなめらか、勢いよく咆哮する様はまるで生きているかのよう。

 なぜ長崎に恐竜?と思うかもしれないが、長崎半島には約8100万年前の恐竜時代の地層「三ツ瀬層」があり、研究者注目の国内化石産地の1つとしても有名。同時に、長崎で採掘されてきた石炭が形成されたのが新生代と、石炭と恐竜時代のつながりも深い。常設展示として、「燃える石の時代」として石炭と同時代に注目し、関係を紐解く展示もあるほど。

日本初のティラノサウルス科大型種の歯の化石を展示
歯の化石から最新の学説をもとに復元した約6mの恐竜ロボット
「燃える石の時代」として石炭と同時代を取り上げた展示

 また最新鋭の機材が揃う研究室を併設するのも同博物館の魅力。オープンラボとして来館者に公開し、目の前で岩石から化石を削り出す「クリーニング室」の見学や、化石を削らずに形を映し出せるX線CTスキャナ、3Dデータを立体的に再現する3Dプリンタを展示。現在進行形の研究の様子を間近に見られる。

見学時は貝の化石を削り出している真っ最中だった
X線CTスキャナで削ることなく石に埋まった化石の姿を確認できる
データを3Dプリンタで再現する

 ほかにも、先カンブリア期から古生代までの進化の過程を観察し学べるハンズオン展示や、現代の恐竜である鳥類について学ぶエリアなどいろいろ。本物のトリケラトプスのツノの化石に触れるコーナーなど、触れて・見て・体感する展示が揃っている。古代のパワーに圧倒されたら田ノ島や高島、「軍艦島」を眺められる室内展望ホールでひと休み。博物館前には広大な公園も併設されているので、のんびりしたり思い切り体を動かすのも楽しいはず。

トリケラトプスの本物のツノ。ザラザラ&どっしりで初めての触り心地

温泉SPAリゾート「i+Land nagasaki」で、美活

 今回のツアーで宿泊したのは長崎市街地からクルマで約30分、伊王島全体がリゾートエリアの「i+Land nagasaki」。1島丸々贅沢に使ったアクティビティが豊富で、数日かけて滞在&遊ぶことができる。

 ここでぜひ体験してほしいのが個性的な温泉施設。塩気のあるナトリウム塩化物泉を100%掛け流しで使った温泉に水着着用のスパも併設。リゾート内には「YUYU SPA」「MINATO SPA 岩盤TERRACE」「長崎温泉 Ark Land Spa」の3施設あり、特にお勧めなのが全天候型温泉スパ「長崎温泉 Ark Land Spa」だ。

 スパは2020年秋にオープンしたばかりで、水着着用でモダンな温泉体験が満喫できる。館内の「スパテーマパーク」には「リビングスパ」「ボタニカルサークルスパ」「ウェルネスウォーキングスパ」など女子にはうれしい施設が勢揃い。もちろんスマホの持ち込みもOK。夜にはライトアップされ、さらに写真映えする空間に! 営業時間は朝9時から23時まで、宿泊者だけでなく日帰り利用でも楽しめるのがうれしい。

全天候型温泉スパ「長崎温泉 Ark Land Spa」のエントランス
館内はモダンな温泉空間が広がる。こちらは「スパテーマパーク」
ジャグジーも広々

 さらにブックエリアと温泉大浴場も併設。展望露店風呂や家族風呂なども用意され、家族、カップル、友人と1日中滞在を楽しむことができる。

併設するリラックススペースには書籍が約1万冊。個室キャビンも用意
ハンモックに揺られてうたた寝も気持ちがよい
伊王島の海を独り占めできる展望露天風呂
家族風呂でのんびりプライベートな時間を。内湯とサウナも完備

 温泉を楽しんだら、あっという間に夕方に、お腹もちょうど減ってくるころ。訪れたのは季節のお鍋と「海鮮のっけどん」など20種類の和華蘭惣菜バイキングが楽しめる和食レストラン「レストランうららか」。

 ディナータイムは地元産の4種のお刺身が味わえる「旬のお造り 玉手箱」をはじめ、「雲仙豚と冬野菜の常夜鍋」に「九州産和牛炙り石焼」とボリュームたっぷり。お鍋はラストに雑炊にして〆。なお、朝食時にも訪れたが、「トルコライス」に「海鮮のっけどん」をはじめ長崎名物がずらり勢揃い。かまぼこや長崎野菜などもあり、朝から箸が進みっぱなしだった。

「レストランうららか」は海鮮とお鍋が美味しいと評判
「旬のお造り 玉手箱」には長崎で揚がった鮮魚が味わえる
アツアツの「雲仙豚と冬野菜の常夜鍋」で体も心もあったまる
リゾートにはプラス1000円で利用できるバー「FISHERMAN'S LOUNGE」もある
朝食は「トルコライス」から長崎名産のかまぼこ、長崎野菜まで揃っていた
「海鮮のっけどん」と「具材が選べる味噌汁」でパワーチャージ

 ディナーも終わり、いよいよ客室へ。宿泊したのはロッジエリア「PORT AREA」の「TERRACE LOUGE」。72室すべてオーシャンビューとSNSでも話題だ。各棟の前には広場が広がりハンモックやベンチで休む人の姿も。利用した「ツインルーム」は36m 2 と縦に広め。バルコニーには海を望む形でチェア(1階はハンモック)が置かれ、昼間は特に開放感のある眺めが楽しめる。

「i+Land nagasaki」の「PORT AREA」のエントランス
全72室の「TERRACE LOUGE」
ツインルームは海側でゆったりできるベッドがさらに2台配置されている
温泉施設が併設されているので部屋はシャワーのみ
温水洗浄便座完備のトイレ
バルコニーを出た瞬間目の前に海が広がる

島でも朝活! トゥクトゥクを走らせ島内観光&カフェ巡り

 ぐっすり寝た翌朝は、前日に引き続き朝活からスタート! スタッフのガイド&運転により伊王島カフェ&島内を巡るアクティビティ(要事前相談&予約)を利用して、トゥクトゥクで島内めぐりへと出発。まずは「馬込教会」へ。100%島民がカトリックの同島では教会はとても大事な場所であることや、長崎の全教会は殉教の地「西坂の丘」の方角に向いていることなどをガイドに教わりながら、教会裏から景色を堪能。海沿いを進みつつリゾート管理のカフェ「MINATO CAFE」へ。島民とのコミュニケーションの場としても開放しており、自分でコーヒー豆を挽いての1杯が楽しめる。

トゥクトゥクを使った伊王島カフェ&島巡りへ。島を熟知したスタッフの運転で島内をおさんぽ
最初の目的地「馬込教会」へ到着
海沿いをトゥクトゥクで走りながら、景色を目に焼き付けよう
島の港にあるカフェ「MINATO CAFE」でコーヒーブレイク
自分好みの豆を自ら挽いて1杯飲める

 続いては、山頂からの眺めを見るために「夕日丘展望所」へ。すぐ隣にリゾート管理のカフェ「MISAKI CAFE」があるので、こちらでは長崎名産のお茶を味わうことにした。ラインアップは「長崎そのぎ茶 茎ほうじ茶」「長崎世知原茶」「長崎和紅茶」の3種。自分でお茶を煎って香りを出し、お湯を注ぐ瞬間はとても贅沢な時間に感じられた。カフェのバルコニーで灯台を眺めて、ゆったり。充実した朝活が楽しめた。

美しいブルーの白浜を眺めながら山頂を目指す
「MISAKI CAFE」へ到着
「MISAKI CAFE」の店内。奥にバルコニーがある
好みの茶葉を取り、温めながらゆっくりと香りを出していく
訪れた日は3種類の長崎産のお茶が飲めた
利用したあとは利用料金を100円以上箱に入れる。売上は全額寄付される

 なお、伊王島カフェ&島巡りは、レンタサイクルを利用しても楽しめる。島内3か所レンタルステーションで貸し出し&返却手続きが可能。体力に自信のない人は電動自転車のレンタルもできるので、そちらの利用が勧め。

相川真由美

フリーライター/鉄鋼業やIT系やエンタメ関連の雑誌やWeb媒体の編集者を経て、フリーの記者として活動中。海外は一人旅がほとんど。趣味は世界のディズニーのパーク&リゾート巡り。最近は年間パスポート片手に日々舞浜通い。うなぎとチョコレートが好物で、旅の基本は“出されたものは全部食べる”。激辛とうがらしから謎の木の実まで挑戦するのがモットー。