旅レポ

岡山の郷土料理と県産フルーツ、倉敷の小物作りを満喫してきた! 岡山・広島の魅力を探る2泊3日

2泊3日で岡山と広島の魅力をぎゅっと詰め込んだツアーに参加した

 DISCOVER WEST連携協議会は、岡山・広島の魅力を報道向けに紹介する2泊3日のツアーを実施した。

 DISCOVER WEST連携協議会とは、JR西日本と中国地方5県(岡山・広島・山口・島根・鳥取)がタッグを組み、瀬戸内ならびに中国エリアの魅力発信・観光促進を目的に2006年に発足。積極的な情報発信を行ない、各エリアと周遊の魅力を伝えている。今回は初日を岡山中心、2日目以降は広島へ移動し、食と文化面から魅力を探った。

東京から約3時間。まずは大名庭園見学&岡山名物「ばら寿司」で腹ごしらえ!

 まずは、美しく整えられた庭と紅葉を眺めるために特別名勝「岡山後楽園」へ向かうことに。「岡山 後楽園」は日本三名園の1つで江戸時代の頃の姿を今に残す貴重な場所。岡山藩主池田綱政公により造園された大名庭園として、毎年多くの観光客や地元の人らで賑わう。岡山駅からバスで約10分とアクセスも抜群だ。

まずは紅葉と美しい大名庭園を見るために特別名勝「岡山後楽園」へ
通常ならば目の前に「岡山城天守閣」が見える。現在は「令和の大改修」中
園内ガイドをしてくれた岡山県後楽園事務所・広報坂本氏

 メインの庭園からは「岡山城天守閣」が見え、抜群の観光スポットだが現在「令和の大改修」中。(2022年11月にリニューアルオープン予定)。城は見えずとも園内では各種イベントを随時実施しているのでご安心を。公開亭舎のタイミングに合えばお座敷から庭を大名気分で眺めることも。お勧めは「延養亭」からの眺め。目の前に広がる広大な庭を静かに眺めながら大名気分が味わえる。

 なお、12月は紅葉と「タンチョウの園内散策」は必見。タンチョウは基本戻ってくるが、園内で道草をしている場合もあるといい、そのときは飼育員が迎えにいくなどほっこりエピソードも聞くことができた。

「延養亭」からは江戸時代とほぼ変わらない大名ビューが楽しめる
振り向くと大名ビューが広がる。こちらは一部。右に見える「唯心山」からの眺めもよい
紅葉のなかをゆっくり散歩。茶屋でひと休みしながら回ろう

 ちょうどお腹も空く時間となり、同園外苑のお食事処「四季彩」へ。味わったのは団体向けの「ばら寿司御膳」(2300円)。通常はおかずと茶碗蒸しなしの「岡山ばら寿司」(1750円)が提供されている。

 具材には、海老やイカ、穴子にタコ、酢で〆た鰆にままかり。さらに蓮根や椎茸、錦糸たまごと華やかな見た目が特徴。お祝いやお祭りで出される郷土料理で、岡山県民にはなじみのあるメニューだ。ちなみに「ままかり」とは、“魚が美味し過ぎてママ(ご飯)をお隣にかり(借り)にいかなくてはならない”が由来とのこと。本来は酢飯だけ見えており、ひっくり返して豪華な側を出して食したそう。贅沢禁止時代に質素をアピールしていたころの名残もありつつ、ユーモアたっぷりな1品だ。

外苑に位置する「四季彩」。食事だけでなく甘味も種類豊富
団体向けの「ばら寿司御膳」
華やかな具材が載る「ばら寿司」。お祝いに欠かせない一品
高野豆腐などの煮物とコリコリしたやまくらげ、そしてデザート

くだもの王国・岡山! 県産ぶどうの食べ比べでお気に入りの品種を探そう

 続いては、食後のデザートを求めて岡山駅からクルマで約30分、高い品質のぶどうと洋蘭で有名な「スコレー」へ。こちらで体験したのは「ぶどう食べ比べ」(1500円)。常時6種類以上の食べ比べができる。

 この日の1皿目は「グローコールマン」「マスカット・オブ・アレキサンドリア」「ニューピオーネ」「紫苑」の4品種。続いては「瀬戸ジャイアンツ」「シャインマスカット」「ジパング」「かぐや姫」。なじみのある味わいから、懐かしい感じ、ジューシーさに、鼻に抜ける香りまで、それぞれ特徴があり、お気に入りの品種を探すのにぴったり。なお、通常8月末から9月上旬にかけては、ぶどう狩り(3500円)も楽しめる。

高品質のぶどうと洋蘭栽培で話題の「スコレー」
カフェエリアではスイーツの提供から「ぶどう食べ比べ」などができる
左上から「グローコールマン」「マスカット・オブ・アレキサンドリア」「ニューピオーネ」「紫装」
左上から「瀬戸ジャイアンツ」「シャインマスカット」「ジパング」「かぐや姫」
同じグリーン系でもじっくり見ると色や形がまるで違うのだ

 なお、食べ比べ体験では、岡山とぶどうの歴史が学べる講座も受講可能。「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は、国内シェア約9割、約130年ほどの栽培の歴史があり、まさに岡山フルーツの代表格であることや、根の張るエリアを限定させる垣根仕立て栽培などの方法も紹介。実際に農園内に入り、紅葉するぶどうの葉や地熱利用のシステムを見つつ説明を受けることができた。

試食後は「OKAYAMA MASCAT VALLEY」へ
ぶどうの葉が紅葉するなかで栽培方法や地熱活用についてスコレーの大内氏が説明

 試食と解説のあとはお買い物タイム。食べ比べで味わった「紫苑」は1房から購入可能。ドラゴンフルーツや飲むというよりも食べる感覚の自家製ブドウジュース「果潤」(各1944円)、さらに口に入れた瞬間ふわっとぶどうが香る大粒の「干しぶどう」(300円)などぶどう尽くし。農園で収穫されたぶどうを使った製品なので美味しさはお墨付きだ。なお、洋蘭の直売もしており、立派に育て上げられた蘭たちがずらりと並んでいた。

農園内で収穫されたぶどうも販売中
「果潤」を使ったドリンクと「干しぶどう」
「果潤」は瓶で購入が可能。キャンベル、山ぶどう、ベリーアリカントAの3種類
これからの時期最盛期を迎える洋蘭も直売で購入できる

岡山の観光名所・倉敷で街ブラ。オリジナルの小物づくりとアフヌンで癒されよう

 岡山フルーツの歴史と美味しさを学んだあとは、倉敷美観地区へと移動。倉敷川沿いの柳並木や白壁の蔵屋敷、なまこ壁をはじめレトロモダンな風景が広がり観光客で賑わう観光エリアだ。日本初の西洋美術中心の私立美術館「大原美術館」が建てられるなどアートのへの造詣も深い街。全国的な緊急事態宣言が開けたあとは、県外へ団体で行くのが難しい地元の修学旅行生が多く訪れ、ゆっくりとだが人出も戻ってきているようだ。

「今橋」から眺めた倉敷川と柳並木。結婚式の前撮りがこの時期は多い
橋のほとりのもみじがちょうど赤く色づいていた
11月末の倉敷美観地区。ゆったりと自分のペースで歩けた

 大正15年(1926年)に架け替えられた「今橋」を渡り、しばし美観地区をお散歩。真っ赤に色づいた紅葉を鑑賞しながら次なる目的地、手ぬぐい専門店「Gocha」に到着。「てぬぐい体験・わたしのくらしきさんぽ」(1980円~)に挑戦した。

 教室には同店オリジナルの手ぬぐい「くらしきさんぽ」と消しゴムハンコが各種用意され、30分ほどかけて手ぬぐいをデザインしていく。ハンコを押すだけの簡単な作業でファミリー連れにも人気。手ぬぐいには「阿智神社」と倉敷のお祭りには欠かせない「すいんきょ」と呼ばれる老夫婦のお面を被った存在も描かれるなど、地元感満載のイラストがポイント。自分の名前を入れたり、好きなモチーフを延々と押し続けたり、短時間で完成するのでちょっとした思い出作りにぴったりだ。

オリジナル手ぬぐいを販売する「Gocha」
2階の体験スペース。消しゴムハンコと手ぬぐいで自分の作品を作ろう
好みのモチーフをポンポンと押していく。右斜め上に「すいんきょ」がいる
さんぽ中「すいんきょ」に「阿智神社」近くで会えた。頭を扇子で叩かれると幸運が訪れる

 小物作りで集中したあとは、糖分摂取のため「倉敷ロイヤルアートホテル」へ。実は倉敷では約7年前から「倉敷アフタヌーンティー」を打ち出しており、倉敷市内のホテルやカフェ全27店舗でアフタヌーンティーを現在提供中。まさにアフヌン激戦区! 和スイーツをメインにしたセットが多く、倉敷の街並みをマッチしたメニュー構成が特徴だ。

 味わったのは「“倉敷”和のアフタヌーンティー」(3300円)。2022年1月8日より提供を開始するセットをひと足早くいただいた。ポイントは岡山名産黄韮を使った手毬寿司。柔らかな食感で、甘味があり酢飯との相性抜群。また浅漬けの白菜で包んだ鰆寿司も絶品。スイーツプレート側は抹茶のガトーショコラからはやりを抑えたピスタチオケーキ、さらに練りたてのアツアツのわらび餅まで揃っている。

アフヌン激戦区で和アフタヌーンティーを!
岡山名産の黄韮を使った手毬寿司(手前2番目)など県産食材を使ったメニューが並ぶ
練りたてわらび餅。あったかい出来立てわらび餅がめずらしい!
洋菓子とボリュームメニューが並ぶ「八間蔵アフタヌーンティー」も同ホテルで用意している

 糖分補給後は、手作り体験2件目「倉敷光作所」で提灯作りにトライ。店舗は「阿智神社」での結婚式で使われていた場所をリノベーション、風情ある家屋で「切子ちょうちんづくり体験」(1500円)ができると話題だ。所要時間は約2時間、組み立て後のデコレーションにはしっかりと時間をかけるのがお勧め。明かりを灯すとイメージがかなり変化するので、そのことも忘れずに。完成後は夜の倉敷川沿いで、ぜひ提灯片手におさんぽの続きを!

「切子ちょうちんづくり体験」ができる「倉敷光作所」
材料一式。自社開発の糊を使ってテンポよく立体を作っていく
三角と四角を組み合わせていく
完成! 庭もライトアップされ、独特の雰囲気が広がった

館内でアート鑑賞も。棟方志功作の大板壁画が見どころの倉敷国際ホテルにステイ

 初日の宿泊場所は倉敷駅より徒歩10分ほどの「倉敷国際ホテル」。隣接する「大原美術館」を開館した事業家・大原孫三郎の息子が創設したホテルだ。コンセプトを“ウイークエンドハウスのような風格ある小規模ホテル”とし、和と洋が絶妙にミックスされた心地よい空間が広がる。館内にはアート作品が飾られ、特にロビーエリアの棟方志功作大板壁画「大世界の柵・坤(こん)」は迫力満点。

「大原美術館」に隣接する「倉敷国際ホテル」
ロビーエリアに入ると頭上に棟方志功作の大板壁画が見えてくる
2階の吹き抜けから「大世界の柵・坤(副題:人類より神々へ)」を眺められる
座ってじっくり鑑賞できるよう椅子と机も用意されていた

 客室はレトロモダンな雰囲気。ブラウンを基調とし、初めてでもほっとできる暖かな色調だ。バスアメニティは「オムニサンス」4点セット。加湿空気清浄機、ミネラルウォーター、ドライヤー、パジャマ、昆布茶や煎茶をはじめ室内設備は十分。バスタブはしっかり足が伸ばせるサイズ。

宿泊した「本館スタンダードツインルーム」ベッドサイズは110×195cm、心地よく眠れた
レトロな雰囲気の椅子も2脚。奥に加湿空気清浄機を設置
テレビ台とテーブルまわり。ドライヤーなどもこちらにある
煎茶や昆布茶、コーヒー、無料のボトルなどが置かれている
バスアメニティは「オムニサンス」4点セット
足を伸ばして疲れが取れるサイズのバスタブ

 隣接する「大原美術館」での朝活については、次回でお伝えする。

相川真由美

フリーライター/鉄鋼業やIT系やエンタメ関連の雑誌やWeb媒体の編集者を経て、フリーの記者として活動中。海外は一人旅がほとんど。趣味は世界のディズニーのパーク&リゾート巡り。最近は年間パスポート片手に日々舞浜通い。うなぎとチョコレートが好物で、旅の基本は“出されたものは全部食べる”。激辛とうがらしから謎の木の実まで挑戦するのがモットー。