旅レポ
岡山の郷土料理と県産フルーツ、倉敷の小物作りを満喫してきた! 岡山・広島の魅力を探る2泊3日
2021年12月29日 08:00
DISCOVER WEST連携協議会は、岡山・広島の魅力を報道向けに紹介する2泊3日のツアーを実施した。
DISCOVER WEST連携協議会とは、JR西日本と中国地方5県(岡山・広島・山口・島根・鳥取)がタッグを組み、瀬戸内ならびに中国エリアの魅力発信・観光促進を目的に2006年に発足。積極的な情報発信を行ない、各エリアと周遊の魅力を伝えている。今回は初日を岡山中心、2日目以降は広島へ移動し、食と文化面から魅力を探った。
東京から約3時間。まずは大名庭園見学&岡山名物「ばら寿司」で腹ごしらえ!
まずは、美しく整えられた庭と紅葉を眺めるために特別名勝「岡山後楽園」へ向かうことに。「岡山 後楽園」は日本三名園の1つで江戸時代の頃の姿を今に残す貴重な場所。岡山藩主池田綱政公により造園された大名庭園として、毎年多くの観光客や地元の人らで賑わう。岡山駅からバスで約10分とアクセスも抜群だ。
メインの庭園からは「岡山城天守閣」が見え、抜群の観光スポットだが現在「令和の大改修」中。(2022年11月にリニューアルオープン予定)。城は見えずとも園内では各種イベントを随時実施しているのでご安心を。公開亭舎のタイミングに合えばお座敷から庭を大名気分で眺めることも。お勧めは「延養亭」からの眺め。目の前に広がる広大な庭を静かに眺めながら大名気分が味わえる。
なお、12月は紅葉と「タンチョウの園内散策」は必見。タンチョウは基本戻ってくるが、園内で道草をしている場合もあるといい、そのときは飼育員が迎えにいくなどほっこりエピソードも聞くことができた。
ちょうどお腹も空く時間となり、同園外苑のお食事処「四季彩」へ。味わったのは団体向けの「ばら寿司御膳」(2300円)。通常はおかずと茶碗蒸しなしの「岡山ばら寿司」(1750円)が提供されている。
具材には、海老やイカ、穴子にタコ、酢で〆た鰆にままかり。さらに蓮根や椎茸、錦糸たまごと華やかな見た目が特徴。お祝いやお祭りで出される郷土料理で、岡山県民にはなじみのあるメニューだ。ちなみに「ままかり」とは、“魚が美味し過ぎてママ(ご飯)をお隣にかり(借り)にいかなくてはならない”が由来とのこと。本来は酢飯だけ見えており、ひっくり返して豪華な側を出して食したそう。贅沢禁止時代に質素をアピールしていたころの名残もありつつ、ユーモアたっぷりな1品だ。
くだもの王国・岡山! 県産ぶどうの食べ比べでお気に入りの品種を探そう
続いては、食後のデザートを求めて岡山駅からクルマで約30分、高い品質のぶどうと洋蘭で有名な「スコレー」へ。こちらで体験したのは「ぶどう食べ比べ」(1500円)。常時6種類以上の食べ比べができる。
この日の1皿目は「グローコールマン」「マスカット・オブ・アレキサンドリア」「ニューピオーネ」「紫苑」の4品種。続いては「瀬戸ジャイアンツ」「シャインマスカット」「ジパング」「かぐや姫」。なじみのある味わいから、懐かしい感じ、ジューシーさに、鼻に抜ける香りまで、それぞれ特徴があり、お気に入りの品種を探すのにぴったり。なお、通常8月末から9月上旬にかけては、ぶどう狩り(3500円)も楽しめる。
なお、食べ比べ体験では、岡山とぶどうの歴史が学べる講座も受講可能。「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は、国内シェア約9割、約130年ほどの栽培の歴史があり、まさに岡山フルーツの代表格であることや、根の張るエリアを限定させる垣根仕立て栽培などの方法も紹介。実際に農園内に入り、紅葉するぶどうの葉や地熱利用のシステムを見つつ説明を受けることができた。
試食と解説のあとはお買い物タイム。食べ比べで味わった「紫苑」は1房から購入可能。ドラゴンフルーツや飲むというよりも食べる感覚の自家製ブドウジュース「果潤」(各1944円)、さらに口に入れた瞬間ふわっとぶどうが香る大粒の「干しぶどう」(300円)などぶどう尽くし。農園で収穫されたぶどうを使った製品なので美味しさはお墨付きだ。なお、洋蘭の直売もしており、立派に育て上げられた蘭たちがずらりと並んでいた。
岡山の観光名所・倉敷で街ブラ。オリジナルの小物づくりとアフヌンで癒されよう
岡山フルーツの歴史と美味しさを学んだあとは、倉敷美観地区へと移動。倉敷川沿いの柳並木や白壁の蔵屋敷、なまこ壁をはじめレトロモダンな風景が広がり観光客で賑わう観光エリアだ。日本初の西洋美術中心の私立美術館「大原美術館」が建てられるなどアートのへの造詣も深い街。全国的な緊急事態宣言が開けたあとは、県外へ団体で行くのが難しい地元の修学旅行生が多く訪れ、ゆっくりとだが人出も戻ってきているようだ。
大正15年(1926年)に架け替えられた「今橋」を渡り、しばし美観地区をお散歩。真っ赤に色づいた紅葉を鑑賞しながら次なる目的地、手ぬぐい専門店「Gocha」に到着。「てぬぐい体験・わたしのくらしきさんぽ」(1980円~)に挑戦した。
教室には同店オリジナルの手ぬぐい「くらしきさんぽ」と消しゴムハンコが各種用意され、30分ほどかけて手ぬぐいをデザインしていく。ハンコを押すだけの簡単な作業でファミリー連れにも人気。手ぬぐいには「阿智神社」と倉敷のお祭りには欠かせない「すいんきょ」と呼ばれる老夫婦のお面を被った存在も描かれるなど、地元感満載のイラストがポイント。自分の名前を入れたり、好きなモチーフを延々と押し続けたり、短時間で完成するのでちょっとした思い出作りにぴったりだ。
小物作りで集中したあとは、糖分摂取のため「倉敷ロイヤルアートホテル」へ。実は倉敷では約7年前から「倉敷アフタヌーンティー」を打ち出しており、倉敷市内のホテルやカフェ全27店舗でアフタヌーンティーを現在提供中。まさにアフヌン激戦区! 和スイーツをメインにしたセットが多く、倉敷の街並みをマッチしたメニュー構成が特徴だ。
味わったのは「“倉敷”和のアフタヌーンティー」(3300円)。2022年1月8日より提供を開始するセットをひと足早くいただいた。ポイントは岡山名産黄韮を使った手毬寿司。柔らかな食感で、甘味があり酢飯との相性抜群。また浅漬けの白菜で包んだ鰆寿司も絶品。スイーツプレート側は抹茶のガトーショコラからはやりを抑えたピスタチオケーキ、さらに練りたてのアツアツのわらび餅まで揃っている。
糖分補給後は、手作り体験2件目「倉敷光作所」で提灯作りにトライ。店舗は「阿智神社」での結婚式で使われていた場所をリノベーション、風情ある家屋で「切子ちょうちんづくり体験」(1500円)ができると話題だ。所要時間は約2時間、組み立て後のデコレーションにはしっかりと時間をかけるのがお勧め。明かりを灯すとイメージがかなり変化するので、そのことも忘れずに。完成後は夜の倉敷川沿いで、ぜひ提灯片手におさんぽの続きを!
館内でアート鑑賞も。棟方志功作の大板壁画が見どころの倉敷国際ホテルにステイ
初日の宿泊場所は倉敷駅より徒歩10分ほどの「倉敷国際ホテル」。隣接する「大原美術館」を開館した事業家・大原孫三郎の息子が創設したホテルだ。コンセプトを“ウイークエンドハウスのような風格ある小規模ホテル”とし、和と洋が絶妙にミックスされた心地よい空間が広がる。館内にはアート作品が飾られ、特にロビーエリアの棟方志功作大板壁画「大世界の柵・坤(こん)」は迫力満点。
客室はレトロモダンな雰囲気。ブラウンを基調とし、初めてでもほっとできる暖かな色調だ。バスアメニティは「オムニサンス」4点セット。加湿空気清浄機、ミネラルウォーター、ドライヤー、パジャマ、昆布茶や煎茶をはじめ室内設備は十分。バスタブはしっかり足が伸ばせるサイズ。
隣接する「大原美術館」での朝活については、次回でお伝えする。