旅レポ

「九十九里オートキャンプ場 太陽と海」で九十九里浜を堪能してみた

九十九里浜でのんびり海を眺めつつキャンプを楽しむことができる「九十九里オートキャンプ場 太陽と海」

 千葉県にある九十九里浜は、旭市の刑部岬(ぎょうぶみさき)からいすみ市にある太東崎(たいとうざき)まで、全長約66kmにもおよぶ日本最大級の砂浜海岸である。この九十九里浜沿いにあるキャンプ場で、海を存分に堪能できるのが「九十九里オートキャンプ場 太陽と海」(千葉県旭市東足洗2746-10)だ。

 キャンプ場があるのは刑部岬から5kmほど離れた場所で、銚子連絡道路の横芝光IC(インターチェンジ)から自動車で30分ほど走ったところにある。なお銚子連絡道路は、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の松尾横芝ICから始まる自動車専用道路だ。

 都内から九十九里オートキャンプ場 太陽と海に向かう場合の所要時間は、首都高から京葉道路に入り、千葉東金道路、圏央道、銚子連絡道路を経由して向かうルートで、約1時間40分ほどとなる。

九十九里オートキャンプ場 太陽と海

 さて、九十九里オートキャンプ場 太陽と海の最大の魅力は、キャンプ場から歩いて数分で九十九里浜にアクセスできる点だ。今回利用した10月初旬のタイミングでは、キャンプ場近くの海岸はサーフィンをする多くの人で賑わっていた。

九十九里オートキャンプ場 太陽と海から九十九里浜までは歩いて数分。いつでも気軽に海岸に行くことができる

 九十九里オートキャンプ場 太陽と海の近くには、飯岡海水浴場と矢指ケ浦海岸の2つの海水浴場がある。新型コロナウイルスの影響で残念ながら2020年は九十九里海岸のすべての海水浴場開設が中止となってしまったが、来年以降に海水浴場が利用できるようになれば、海遊びの拠点として九十九里オートキャンプ場 太陽と海を利用できるだろう。

日本の夕日百選にも選ばれた夕焼けを堪能

 九十九里オートキャンプ場 太陽と海はすべて区画サイトになっており、区画数は59。サイトは電源付きと電源なしの2種類で、電源付きサイトを選べば冬場のキャンプでホットカーペットを使うなどといったことが可能だ。また、テントサイト以外にも、トレーラーキャビンやコテージ、バンガローといった施設がある。

サイトは芝生張り。地面が柔らかいためペグの抜き差しに苦労することもない。また、サイトによってはベンチが設置されていた

 キャンプ用サイトの料金はレギュラーシーズンとハイシーズン、トップシーズンに分かれていて、レギュラーシーズンであれば電源付きサイトで1サイト4名まで6000円、ハイシーズンは同6500円、トップシーズンは同7400円で、電源なしサイトはそれぞれ1000円安となる。また家族利用のみ、1人あたり1200円(電源付き/なし共通)で2名まで追加できる。

 ちなみに2020年10月時点では、新型コロナウイルスが落ち着くまで、混雑日は最大2家族または大人が4名を超えるグループの利用は不可となっているので注意していただきたい。

 チェックインはテントサイトで13時から18時まで、チェックアウトは8時30分から11時だ。チェックアウトの時間は少し遅めで、余裕を持って片付けられる。

 今回予約したのは電源付きサイトで、少し奥まった位置にあるサイトを利用した。サイトの形や大きさはそれぞれ異なっているが、今回利用したサイトは大きめのシェルターであるogawa(キャンパルジャパン)の「ツインピルツフォーク T/C」を張ってもそれなりに余裕があり、快適に過ごすことができた。

今回利用したogawaのシェルターであるツインピルツフォーク T/C。シェルターはフライシートや底がない簡易テントのような位置付けの製品で、何よりも手軽に設営できるのが大きなメリット
ポールを使えば、前面をフルオープンにすることができる。就寝時はポールを外し、前面の左右にあるジッパーを下ろすだけでフルクローズ状態に戻せる
ツインピルツフォーク T/Cには、内部に設置するテント(インナー)がオプションとして用意されているが、今回はシェルター内の地面に直接コットを置いて寝た

 現地に着いたのは14時過ぎで、まずセンターで受付を行ない、注意事項などの説明を受けてサイトに向かった。なおセンターには売店があるほか、コインランドリーやコインシャワー、露天風呂なども用意されている。

受付となる建物。売店の営業時間は8時30分から19時まで。
流しはいずれも清潔に保たれていて、気持ちよく利用することができた。お湯が使える流しも2か所ある
受付の近くにあるトイレ棟。男女それぞれのトイレに加え、多機能トイレも用意している

 センターではレンタル品を借りることもできる。テントやタープ、シュラフ、クッションシート、テーブルや椅子、調理器具セットなど、さまざまな種類のレンタル品が用意されている。レンタル品によっては予約が必要なので、事前にWebサイトでチェックしておこう。

 センターの横には灰捨て場とゴミ捨て場が用意されている。ゴミを捨てる場合は、しっかり分別するなどマナーを守って利用してほしい。

ゴミ捨て場と灰捨て場。ゴミは可燃と不燃、プラスチック、ペットボトル、空き缶などにお分別して出す必要がある

 15時30分ごろにはテント(シェルター)の設営なども終わったので、九十九里浜を散歩することにした。海を眺めたり、波の音を聞いたりしてリフレッシュしたいと考えるなら、ここはうってつけのロケーションだろう。

 ちなみに、九十九里オートキャンプ場 太陽と海にほど近い刑部岬からの眺望は、日本の朝日百選や日本の夕日百選にも選ばれている。

九十九里オートキャンプ場 太陽と海の近くの浜辺から見た夕日

 散歩のあと、夕食の調理にとりかかった。メニューはキャンプの王道であるカレーと、炭火で焼くステーキである。カレーはタマネギとジャガイモ、にんじんをあらかじめカットした状態でキャンプ場に持ち込んだ。そのため、鍋で炒めて水を入れ、ルーを投入して煮込むだけという手軽さである。

実はキャンプでカレーを作ったのは初めて。材料をあらかじめ切って持ち込めば、手間なく作れるのがありがたい
ルーを入れてしっかり煮込めばできあがり。自然のなかで食べるカレーはやはり絶品
こちらは「笑's コンパクト焚き火グリル『B-6君』」で焼いたステーキ。「アウトドア スパイス ほりにし」を振りかけて焼いた

 ステーキには「アウトドア スパイス ほりにし」を利用した。ほりにしは20種類のスパイスを合わせた万能スパイスで、肉や魚、野菜などに振りかけて焼くだけで美味しくなる、魔法のような調味料である。今回はステーキ肉にほりにしを振りかけて焼いただけだが、非常に美味だった。ぜひ1度お試しいただきたい。

 その後、キャンプの醍醐味である焚き火を楽しみ、22時ごろには就寝した。九十九里オートキャンプ場 太陽と海は出入り口が21時には閉鎖されるほか、消灯時間が22時となっている。夜更かしせずに早めに就寝したい。

 翌朝は7時に起床(日の出を見るつもりだったが、案の定寝坊してしまった)。朝食は昨夜の残りのカレーを使ったカレーうどんである。満腹になったあとに海岸を少し散歩して撤収作業に取りかかり、11時ごろにキャンプ場をあとにした。

朝日を見ることはできなかったが、朝の日差しを浴びながら九十九里浜を散歩

 海をのんびり眺めてリフレッシュしつつキャンプも楽しみたいと考えるのであれば、九十九里オートキャンプ場 太陽と海は魅力的な場所だろう。海のレジャーというとどうしても夏をイメージしてしまうが、秋や冬の静かな海も捨てがたい魅力がある。海好きならぜひ一度訪れてみてほしいキャンプ場だ。

川添貴生