旅レポ
エア タヒチ ヌイの新機材787-9(タヒチアン・ドリームライナー)で南国のホスピタリティを感じる
ビジネスクラスとプレミアムエコノミーに乗ってみた
2019年3月14日 14:03
成田からタヒチ(パペーテ)まで、週2回の直行便を運航するエア タヒチ ヌイ(Air Tahiti Nui)。2018年11月7日から新機材のボーイング 787-9型機、通称「タヒチアン・ドリームライナー」を導入。順次その数を増やし、最終的には4機になる。現在は従来機のエアバス A340-300型機を併用しての運航だが、2019年中にはすべての機材が入れ替わる予定だ。
タヒチのベストシーズンは、乾季で晴れた日が多い5月から10月ごろ。新機材でのタヒチへの運航便は3月22日と23日。その後は一旦、従来機に切り替わるものの、6月7日から10月26日までは再び新機材での運航となる。今からタヒチ旅行を計画するなら、その時期が狙い目だろう。
エア タヒチ ヌイの成田~パペーテ線スケジュール(2019年3月22日~23日、ボーイング 787-9型機)
TN77便: 成田(17時40分)発~パペーテ(09時25分)着、火・土運航
TN78便: パペーテ(01時15分)発~成田(翌07時45分)着、月曜運航
TN78便: パペーテ(00時15分)発~成田(翌06時45分)着、金曜運航
エア タヒチ ヌイの成田~パペーテ線スケジュール(2019年6月7日~10月26日、ボーイング 787-9型機)
TN77便: 成田(17時40分)発~パペーテ(09時45分)着、月・土曜運航
TN78便: パペーテ(07時35分)発~成田(翌14時05分)着、日・金曜運航
新型機では新たにプレミアムエコノミークラスが誕生。従来の2クラス制から、エコノミークラス、プレミアムエコノミークラス、ビジネスクラスの3クラス制になった。座席はビジネスクラスが30席、プレミアムエコノミークラスが32席、エコノミークラスが232席。全クラスにUSB充電ポートが備わり、ビジネスクラスとプレミアムエコノミークラスにはAC電源も装備。機内でPC作業がやりやすくなった。
そんなタヒチアン・ドリームライナーに搭乗してみたので、快適さや新機材ならではの魅力について紹介しよう。
エア タヒチ ヌイで南国のホスピタリティを感じる旅
タヒチアン・ドリームライナーのビジネスクラスでタヒチへ
まず搭乗口では、ティアレという花で迎えてくれる。ティアレはタヒチの代表的な花で、エア タヒチ ヌイの機体の垂直尾翼にも描かれているロゴマークでもある。甘く優しいエキゾチックな香りを放ち、南国気分が高まる。
そんなウェルカムフラワーを受け取って機内に入ると、キャビン側面の壁には、タヒチ島の2000m級の山々を背景に、美しいラグーンやボート、ヤシの木などが描かれている。新機材の導入に伴ってキャビンデザインを一新。そして天井には最新のLED照明を採用し、幅広い調整ができるようになった。
搭乗時は青空から太陽が降り注ぐような明るい照明となり、消灯時間帯には月のように優しい光を放つ。客席の後ろの壁には、ポール・ゴーギャンの有名な絵画「タヒチの女(浜辺にて)」などのパネルを展示。すでに機内からポリネシアをイメージできるとともに、殺風景になりがちな機内に彩りを与えていた。
タヒチへの往路はビジネスクラスに搭乗。ビジネスクラスには、ロックウェル・コリンズがデザインした180度のフルフラットシートが採用されている。座席幅は約53cm、シートピッチは約152cmとゆとりの空間。手元のパネルでリクライニングやレッグレストを自由に操作できる。身長166cmの筆者は、通常のポジションでシートベルトを締めた場合、足を伸ばしても前の座席に届かなかった。フルフラットにした状態でも足をまっすぐ伸ばせ、寝返りできるほど。顔の部分が隠れる仕切りもあるので、プライバシーも確保できる。
気が利いていると思ったのが、仕切りに取り付けられたパーソナルライト。少し身体を起こした状態のときに、手元の本などを照らせるようになっている。そのすぐそばにヘッドフォンのイヤフォンジャックがあるので、ゆったり身体を預けた状態で、映画を鑑賞することもできる。テレビモニターは16インチと大きく、リモコン操作とタッチスクリーンに対応。搭載されているパナソニック製の最新機内エンタテイメントシステムは、タッチ操作が実に快適で、映像も鮮明だった。
アメニティキットはオリジナルのポーチに、ソックス、アイマスク、耳栓、ブラシ、スタイラスペン、歯ブラシ、デンタルクロス、紙おしぼり、レンズ磨きが入り、それらには環境保護を考え、オーガニックコットンなど、環境に優しい原料が使われている。
ハンドクリームとリップクリーム、フェイスクリームなどの基礎化粧品はエア タヒチ ヌイのオリジナル。トイレにも同じシリーズのフェイスクリーム、フェイシャルミストなどが置かれていた。このほかスリッパとふわふわのピロー、ティアレのロゴマーク入りのヘッドフォン、しっかりとした厚みのあるブランケットが用意されている。
搭乗して座席に座ると、ウェルカムドリンクとしてワインを持ってきてくれた。グラスやコースターにもティアレのロゴマークをデザイン。花が少し右を向いているのは、未来に向かって歩いていくという意味が込められているそうだ。おしぼりのサービスがあり、離陸前には機内安全ビデオが流れる。これが実におもしろかった。
最近では凝った機内安全ビデオが増えているが、エア タヒチ ヌイでも同様。タヒチアンのファイヤーダンスからトイレでの喫煙禁止の説明になり、ビーチでのヨガからの避難態勢の案内、イケメンサーファーに悩殺された女性たちが酸素マスクを付けるなど、タヒチの美しい自然や文化を見ながら、機内での安全について知ることができた。
機内食は離陸後、機体が安定したら提供が始まり、アミューズ、前菜、メイン、チーズ、デザートと続く。メインは仔牛の肩肉、フライドチキン、スズキの蒸し焼きからチョイス。パンが美味しく、チーズも絶品だった。食事の間、ワインやビール、コーヒーなど、何度もドリンクを勧めてくれる。デザートも複数あり、食べ終わるとお腹いっぱい。飛行時間は約11時間。朝食は着陸の2時間前くらいに提供され、フレッシュフルーツ、メイン、パン、ヨーグルトなどを味わった。メインはチーズオムレツまたは点心から選ぶ。メニューはフランス語、英語、日本語で書かれていたので、メイン料理を選択しやすかった。
途中、PC作業をしたのだが、テーブルは筆者の13.3インチのノートPCを置いても余裕があり、マウスを使って操作することができた。ユニバーサルAC電源はサイドテーブルの前側にあり、USB充電ポートは正面とAC電源部分にも備え付けられている。
着陸時間が近付くと、窓からタヒチ島があるソシエテ諸島の島々が見えてくる。この窓も新機材では従来よりも大きくなっているので、外の撮影がしやすい。眼下にはタヒチの歴史を伝える遺跡で有名なフアヒネ島が見え、海やラグーンの美しさにますます期待が高まった。到着したタヒチ島のファアア国際空港では、タヒチアンダンスと音楽でお出迎え。到着時間は9時25分(現地時間)。日本との時差が19時間なので、この時間は日本では翌日の4時25分になる。多少眠いものの、昼夜が逆転するわけではないので、身体の負担も少なかった。
タヒチアン・ドリームライナーのプレミアムエコノミークラスで日本へ
タヒチからの復路はプレミアムエコノミークラスに搭乗。ゾディアック製のシートは、座席幅が約52cm、シートピッチは約96.5cmで、リクライニングは約20cm。
座席には複数カラーのピローとアメニティが配置され、とても華やかな印象を受ける。隣席とは異なる組み合わせになっているので、どのカラーになるかはお楽しみだ。筆者はピンクのピローにレッドのアメニティだった。オリジナルのポーチにはソックス、アイマスク、耳栓、歯ブラシ、歯磨き、紙おしぼり、イヤフォンが入っている。テレビモニターのサイズは13インチ。
座席の足元にはフットレストがあるので、フライト中、足を乗せておくことができてラクだった。レッグレストは一番上まで上げると前の座席との隙間が埋められる。筆者はフットレストを少し上げ、それに沿うようにレッグレストを調整して眠りについたが、レッグレストを一番上まで上げ、足を少し折り曲げたり、立て膝にしてもよいだろう。前後のスペースに限りはあるが、座席幅が広いので、その分ゆとりがある。
前の座席にスマホや本などを収納しておけるメッシュポケットがあり、座席の間に配置されたUSB充電ポートの裏側が、ペットボトルなどを入れるボトルホルダーになっている。ただし、いずれの収納部分も離着陸の間には物を入れないようにとの注意書きが書かれていた。
機内食は離陸後がマカロニグラタン、着陸前がチキン粥を味わった。いずれもサラダやデザート付き。ビジネスクラスでは金属食器を使用していたが、プレミアムエコノミークラスでは紙を圧縮して作られた食器を採用していて、環境に配慮しているのが好印象だった。
そしてエコノミーの座席にも座ってみた。長距離フライトに適した次世代型のエコノミークラス座席で、幅は約44cm、シートピッチは約79cmでリクライニングは約15cm。身長166cmの筆者が座ると、前の座席まで少しスペースがあった。
エコノミーでもプレミアムエコノミーと同じピローを使用。アメニティが入ったポーチは、タヒチの風景が描かれたオリジナルのものが用意されている。テレビモニターのサイズは12インチ。このサイズは現行のエアバスの機材のビジネスクラスと同等だという。
モニターは最初に言語を日本語に設定しておけば、メニューなどが日本語表記になるので扱いやすい。筆者は主に映画を見ていたが、見る作品を選びやすかった。
ちなみに、帰りの便では映画のラインアップが変わっていたのも気が利いていた。このモニター画面から衛星通信とは機内Wi-Fiサービスを通じて、インターネット接続が可能。料金は4段階あり、10MBまで9ドル(約996円、1ドル=約110.7円換算)、20MBまで15ドル(約1661円)、50MBまで29ドル(約3210円)、100MBまで40ドル(約4428円)。ビジネスクラスの場合はクーポンコードが提供され、その番号を入力することで10MBまで無料で利用できるようになる。
実際に成田~タヒチ(パペーテ)間を搭乗したことで分かったのだが、タヒチアン・ドリームライナーでは機内の乾燥が低減されていた。
長距離フライトの場合、顔が乾燥でパリパリになるので、ミストのスプレーや湿った不織布を取り付けたマスクが手放せないのだが、今回の往復ではそれらを必要としなかった。その理由は、従来のシステムでは空気がエンジンを通って客室内に引き込まれるので乾燥するのに対して、別の場所から空気を取り入れることで、空気の湿気が保たれるから。
また、病院の手術室で使用されるものと同じ最新の空気清浄システムが導入されているので、客室の空気の質も向上している。最新の気圧調整技術の採用で、耳や目に圧がかかることも少なく、乱気流による揺れも最小限に抑えられているので、安心感のある快適なフライトだった。
そしてもう1つ印象的だったのが、いつ利用してもトイレがキレイだったこと。なんと可能な限り、15分ごとにトイレチェックが行なわれているそう。トイレには生花が飾られ、タヒチアンミュージックが流れる。機内の快適さの評価として、トイレの清潔さは多分に影響する。今回、エア タヒチ ヌイに搭乗したことで、タヒチアンホスピタリティと呼ばれるタヒチの島々の温かなおもてなしを実感することができた。