旅レポ

auのスマホがつながるようになった尾瀬に行ってきましたの

無料Wi-Fiでau以外でもOK

au 4G LTEがつながるようになった尾瀬に♪

「夏が来れば思い出す~♪」という、日本人なら誰でも知っているあの歌でおなじみの「尾瀬」。登山やトレッキング好きという人なら一度は行かれたことがあるのではないでしょうか。これだけ有名な日本を代表する景勝地でありながら、実は私ゆきぴゅーは今回が初めて! しかもちょっと珍しいお仕事で行かせていただきました。

 実は2017年から尾瀬国立公園のエリア化を進めていたKDDI。このたび全山小屋20か所で、au 4G LTEによる通信が可能になったということで、その現状を取材するためですの。

鳩待峠にある「鳩待峠休憩所」。トレッキングシューズのレンタルなどもあります
ここは標高1591m。「尾瀬」の文字にまたしてもあの歌が頭の中でリフレイン♪

 年間を通して約30万人が訪れるという尾瀬は、一般的に群馬県か福島県のどちらかからのアプローチとなります。今回は東京駅から上越新幹線に乗車して、1時間ちょっとで到着する上毛高原駅で下車。そこからほかの参加者さんたちと一緒にジャンボタクシーに乗り込んで鳩待峠に向かいました。尾瀬を訪れる人の約半分がこの群馬県側の鳩待峠から尾瀬ヶ原へと入っていくのだそうです。

入り口には入山者数をカウントするセンサーみたいなものがありました
最初はこんな感じの山道。下りです。
苔がステキですの

 目的地の山ノ鼻までは3.3km、片道約1時間のトレッキングです。足元はしっかりと木道が整備されていて、空気の澄んだ木立のなかを歩く気持ちのよいコース。途中に沢が流れていたり、橋を渡ったりと変化があって楽しいです。ただ登山と違って行きはひたすら下り道なので、上らなくてはいけない帰りのことを思うとちょっと憂鬱ですわ~。

そのうちにこのような木道になります
雨が降ってきたので滑りやすい
いつしか雨が大降りに! 山の天気は変わりやすい
標高1400m地点の至仏山荘に到着
気温は20℃を下まわっていました

 標高差200mを下って山ノ鼻に到着です。雨宿りを兼ねて入った至仏山荘でお昼に味噌ラーメンを食べました。そこでリュックにしまっていたスマートフォンを取り出してみると、あらら圏外ですわ~(泣)。ちなみに私はauユーザーではありません。

「ここ、auユーザーさんならつながるんですのね?」。

と同行のKDDIの担当者さんに聞くと、

「そうなんです。でもキャリアフリーで利用可能な無料Wi-Fiも整備しましたので、Wi-Fiをオンにしてみてください」。

「キャリアフリーの無料Wi-Fiですの!?」。

 さっそくやってみると「OZE GREEN Wi-Fi」の表示が。そしてWebブラウザを立ち上げると、尾瀬の写真がトップにある「OZE GREEN Wi-Fi」のサービス利用規約ページに飛び、そこからFacebookかTwitter、GoogleなどのSNSアカウントまたはメールでログインすると、無料Wi-Fiを利用することができました!

「auを使っている人はもちろん、ほかのキャリア利用者や訪日外国人の方も便利になったということですのね~!」。

 ようやくここで、私がこの取材に行ってこいといわれた理由が分かったのでありました。

山荘にはこのような張り紙やポスターが
Wi-Fiをオンにすると「OZE GREEN Wi-Fi」が出てきます
SNSやメールでログイン。Wi-Fi接続ページでは尾瀬のルールやマナーを啓発するページも表示。英語や中国語などを選択できるようになっています
至仏山荘で食べた味噌ラーメン

 この日は地元・片品村のむらづくり観光課の課長さん、山小屋を運営する東京パワーテクノロジーの所長さん、そしてKDDIの技術統括本部のグループリーダーさんの3名にお話を聞くことができました。

(左から)KDDI株式会社 技術統括本部 エリア品質強化室 グループリーダーの渡辺康史氏、群馬県片品村 むらづくり観光課 課長の桑原信一氏、東京パワーテクノロジー株式会社 環境事業部 尾瀬林業事業部 事業所長の小暮義隆氏
「山小屋で携帯電話の利用が可能になったことは、登山者の利便性の向上や、緊急時の通信確保の観点で非常に有効」と片品村 むらづくり観光課 課長の桑原信一氏(右)
KDDI 技術統括本部 エリア品質強化室 グループリーダーの渡辺康史氏

 今回のKDDIのエリア整備が「建物の中のみ」ということについては、“静かな尾瀬”を維持しつつ利便性を向上させたいという意図があるといいます。“どこでもつながってほしい”というのが私たち利用者側の思いでもあるのですが、通信可能になると歩きスマホが増えて怪我や事故につながりかねないこと。そもそも国立公園内では鉄塔一本立てることも自然環境の保護や景観などの観点から難しいという背景もあるのだそう。

 そして、「KDDIとしても尾瀬の美しい景観を損ねてまでエリア化を進めようとは思っていない」とKDDI 技術統括本部 エリア品質強化室 グループリーダーの渡辺康史氏は言います。

国民宿舎尾瀬ロッジ。KDDIは尾瀬で営業しているこのような山小屋20か所すべてでau 4G LTEの提供を完了。そのうちの17か所で無料Wi-Fi「OZE GREEN Wi-Fi」を提供開始しました

 印象的だったのは、山小屋を運営する立場である東京パワーテクノロジー 事業所長の小暮さんのお話です。現在は尾瀬をはじめ、上高地や屋久島、知床など各地の国立公園で、ゆったりくつろぐ“滞在利用型”を推進しているのだそう。

「尾瀬には鳩待峠から入るパターンもありますし、福島県の檜枝岐村からのパターンなどいくつかあります。クルマでのアクセスだとどうしても同じ場所から入って同じ場所から出ていくことになってしまうのですが、尾瀬でゆったりくつろいでいただくには、群馬から入って福島側に出るというように入り口と出口を違う場所にして、点在する山小屋の滞在を楽しんでもらうのが理想。そういう意味でも、山小屋では常に連絡手段があるという状況はお客さまにとってかなりのプラス面になるのではないかと思っています」。

周辺を散歩したらエゾリンドウやキンコウカが見られました

 年間30万人が入山するという尾瀬も、山小屋に泊まる人の数は3万人ほどと小暮さん。もっと多くの人、特に若い世代に尾瀬に来てもらって、山小屋に宿泊しながら尾瀬の魅力をUP-TO-DATEで発信してほしいとのことでした。

これぞ尾瀬!という景色に感動。奥は2228mの至仏山

 今回は私も尾瀬のほんの一部を体験しただけの日帰りトレッキングだったので、次回はぜひとも山小屋泊をして、ゆったりと尾瀬を満喫したいなと思っています。いよいよ紅葉シーズンも到来。ぜひこの秋は尾瀬にお出かけしてみては?

帰りには晴れ間も。ぜーぜー言いながら鳩待峠の駐車場まで戻りました

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。