旅レポ
ハワイ島北部の渓谷を探検。夜はマウナケア山から星空観察
2018年7月23日 06:00
ハワイ島の「今しか味わえないポイント」として、前回は遊覧飛行でキラウエア火山の新しい噴火口を眺められることをお伝えした。新たな噴火の直接の影響はハワイ島全体から見れば1%に過ぎず、それ以外の地域では現地の人の生活も観光も普段どおり。
ただ、実はキラウエア火山の活動は遠く離れた北部のマウナケア山からも観察できるのだ。ここでは、マウナケア山を含むハワイ島北部の絶景を紹介したい。
マウナケア山から見る夜のキラウエア火山
ハワイ島の北部に位置するマウナケア山。夜間、その標高2000mから南方向を望むと、炎のような赤い光を目にすることができる。いや、実際には肉眼で見えることはないが、カメラで長時間露光して撮影すると、美しい満天の星空を写真に収められるとともに、麓の方にひときわ赤く照らされている部分が映り込む。
これが、ハワイ島南部で今現在活動している火山から放出されている光らしい。星空と火山の光が同時に映り込む写真は、新たな噴火口が活動している今しか捉えることのできない貴重なものと言えるだろう。ちなみに、標高2000mともなるとハワイといえども冷え込みは厳しい。星空観測で長時間居座るのなら真冬並みの装備を用意しておきたい。
一方、マウナケア山の北、突き出たようになっているハワイ島の北端エリアは、長い間噴火活動にさらされていないためか、豊かな植生をもつ渓谷が密集する地帯となっている。なかでも、「曲がりくねった水(川)」を意味するワイピオ渓谷は、自然に触れるアドベンチャーが好きな人にぴったりの観光スポットだ。
ワイピオ渓谷では、4WDのクルマに乗って最大斜度25%の激坂を下り、何本もの川を突っ切りながら谷底を探検するシャトルバスツアーが大人気。展望台や飛行機から眺めるだけでは想像もつかなかった緑深いジャングルのような谷底にたどり着くと、放し飼いになっている馬が観光客を出迎え、農園があって人が暮らしていることにも気付く。歩いて谷底まで下る人もちらほら見受けられるが、途中の道はとにかく急坂で、同じ坂を戻らなければいけないことも考えると、素直にバスツアーを選んだ方が楽しめるはず。
ちなみに、ワイピオ渓谷はハワイ王国を建国したカメハメハ大王が幼少期を過ごしたとされている土地で、そういう意味でも一度は訪れたい場所だ。
そのほか、北部にはワイピオ渓谷と並ぶようにポロル渓谷がある。ここも高台から絶景を眺めたり、谷底へと至るトレッキングコースを歩いたりできる。いずれもカイルア・コナを拠点にクルマで移動するなら日中に見て回れる距離にあるので、昼間は渓谷でアドベンチャー、夜はマウナケア山で星空観測、というような旅程を組むのもよさそうだ。