旅レポ

12月のハワイのビッグイベント「JALホノルルマラソン2016」(その3)

その日、約3万人のランナーがホノルルを駆け抜けた

「JALホノルルマラソン2016」がスタート。花火が盛大に打ち上がる

「JALホノルルマラソン2016」が12月11日(現地時間)に、オアフ島のホノルルで開催された。当日の天気は曇りで、10時頃から小雨の予報。気温は23~27℃で、半袖でもまったく寒くない。2016年のフルマラソンの最終エントリー数は2万8675人(車椅子競技部門含む)。その内日本人が1万1087人を占めた。

 スタート地点となるアラモアナ公園には、5時のスタ-トに向けて続々とランナーが集まってくる。4時半ごろには人で溢れかえっていたが、車椅子選手が通行するというアナウンスが流れると、人だかりが一斉に左右に分かれて通り道を作る。通過する車椅子選手をみんなが拍手で出迎える様子に感動する。

スピードが速すぎて写っていないが、大通りの中央を車椅子ランナーが駆け抜ける。拍手で出迎えるランナーたち
スタート地点。ランナーはもちろん、報道陣やスポンサー関係者で混雑する

 ハワイ州知事が大会の開催に向けて挨拶した後、アメリカ国歌が流れる。ランナーの気持ちが高まる瞬間だ。4時55分に車椅子選手がスタートし、あっという間に走り去って見えなくなる。そして5時になると道いっぱいに広がったランナーが次々とスタート地点を駆け抜けていき、それと同時に盛大に花火が上がった。赤や緑、青など、色とりどりの花火が約10分に渡って打ち上げられたが、その後もランナーが尽きず、全員がスタートできたのは5時30分近くになっていた。

車椅子ランナーはフルマラソンより5分早い4時55分にスタート
ウォーミングアップを終え、スタート位置で準備する選手たち。スタートの合図とともに一斉に駆け出す
背後のガラス張りのビルに花火が映ってキレイ

 ランナーはクリスマスイルミネーションに彩られたダウンタウンからアラモアナショッピングセンターの前を通り過ぎ、海岸沿いにカラカウア通りを通ってダイヤモンドヘッドに向かう。当日のホノルルの日の出時刻は7時。ラッキーなランナーは10km付近で美しい日の出を拝むことができただろう。

ホノルルマラソンのコース図

 エイドステーションは全部で17カ所。その後、カハラからハワイ・カイを往復したあとは、ゴール地点のカピオラニ公園を目指す。市街地からダウンタウン、山から海と魅力満載のホノルルマラソンのコース。予報の小雨は降ることなく、逆に昼に近づくにつれ太陽がさんさんと照り始め、真夏を思わせる気候となった。

 ゴールに一番最初に戻ってきたのはケニアのローレンス・チェロノさん(28歳)。タイムは2時間9分39秒で、なんとコースレコードを記録。これまでのレコードを93秒縮めての優勝だ。女子は若手のホープと言われるケニアのブリジット・コスゲイさん(22歳)で、2時間31分11秒。2人ともホノルルマラソンに初参加で見事、優勝を飾った。

大会レコードで総合優勝したローレンス・チェロノさん(Getty Images for HONOLULU MARATHON)
フルマラソン総合/フルマラソン男子
順位総合氏名年齢国籍記録
1位1位ローレンス・チェロノ28歳ケニア2:09:39
2位2位ウィルソン・チェベト31歳ケニア2:10:50
3位3位デリベ・ロビ26歳エチオピア2:13:43
フルマラソン女子
順位総合氏名年齢国籍記録
1位11位ブリジット・コスゲイ22歳ケニア2:31:11
2位14位リンゼイ・シャープ26歳イギリス2:34:05
3位17位ブズネシュ・デバ29歳エチオピア2:35:34

 日本人のトップは男子が板垣辰矢さん(28歳)で2時間19分24秒、女子が鈴木絵里さん(32歳)で2時間48分39秒という記録だった。

ひとり、またひとりとランナーがゴールしてくる
日本人女子トップ4連覇の鈴木絵里さん

 5時間を過ぎた10時頃からランナーが続々とゴールし、スタッフから完走記念のレイとメダルを首から掛けてもらっている。カピオラニ公園には各ツアー会社が用意した複数のテントのほか、ドリンクや軽食エリア、完走Tシャツの受け渡し会場、大会記念グッズを販売するショップ、衣類預かり所など、さまざまな施設がある。大型モニターで30分前の映像を流し、自分のゴールの瞬間が見られるサービスなども行なっていた。

ゴール地点を上から。フルマラソン完走の喜びが伝わる
5~6時間がボリュームゾーン。続々とランナーがゴールする
沿道の応援にも熱がこもる
完走したランナーは貝殻のレイに続いて、記念のメダルをかけてもらえる。裏面に「HONOLULU MARATHON DECEMBER 11,2016」と刻まれている
揚げパンのマラサダやバナナ、ドリンクなどを配布
完走Tシャツの配布エリア。Tシャツの「FINISHER」という文字が完走の証し
大型モニターでは30分前の映像を流す。みんな、自分のゴールシーンをスマホで撮影していた
ショップでは「FINISHER」の文字が入った、さまざまな大会記念グッズを販売
ハワイコンペンションセンターのパケット・ピックアップ会場で受け付けていた、衣類の引き渡し所もゴール地点近くにある
公園の芝生で寛ぐ、完走したランナーや応援に来た人たち

 13時からはトップランナーの表彰式。まずホノルルマラソンのスポンサーが紹介され、車椅子競技部門の表彰が行なわれた。

 車椅子競技部門の男子優勝者は副島正純さん(46歳)が1時間35分35秒の記録で大会4連覇。女子は土田和歌子さん(42歳)が1時間50分42秒でゴールした。2人ともホノルルマラソン通算10回目の優勝と、記念すべき大会となった。

「JALホノルルマラソン2016」のスポンサー企業の紹介。中央の男性左から、スポーツビューティーのコーセー 取締役 コンシューマー事業部長の外尾秀人さん、三菱UFJニコス 代表取締役社長の井上治夫さん、日本航空 取締役会長の大西賢さん、佐藤製薬 代表取締役社長の佐藤誠一さん。日本航空の大西会長はこの日、6回目のホノルルマラソンを完走したそう
車椅子競技部門の記念撮影。優勝者は、男子が副島正純さん、女子が土田和歌子さん(Getty Images for HONOLULU MARATHON)
1位のローレンス・チェロノさんはホノルルマラソン初参加。コースレコードを出したので、ホノルルマラソンで一番速いランナーになる。2位のウィルソン・チェベトさんは2014年には優勝したものの、昨年に続いて2位。3位はデリベ・ロビさん
女性部門1位のブリジット・コスゲイさんは2016年ミラノマラソンの優勝者。リスボンマラソンでは2位と健闘した。2位のリンゼイ・シャープさんは今年、4回もパーソナルベストを出すなど好調。12月4日に行なわれたシンガポールハーフマラソンではコースレコードを記録して優勝した。3位のブズネシュ・デバさんはニューヨークを拠点に活動。2014年ボストンマラソンの優勝者だ

 一夜明けた翌日にも、カピオラニ公園に行ってみた。テントが張られているなど、まだ大会の様子が残っていたが、昨日の賑わいはどこへやら。辺りは静けさに包まれていた。来年、またこの公園が賑わいを見せるときを楽しみに待ちたいと思った。

ホノルルマラソン開催翌日。前日とは打って変わって落ち着いた雰囲気のカピオラニ公園

綿谷禎子

情報誌の編集部、編集プロダクションを経て独立。現在はビジネス誌での執筆を中心に、企業向けWebサイトやアプリ紹介サイトなどの運営にも携わる。