旅レポ

お得にフライト、現地は豪華!な一生モノの体験。香港エクスプレスで行くアンコール・ワットの旅(その1)

羽田から深夜発着の香港エクスプレスで日程をフル活用して世界遺産へ!

 世界中から大勢の観光客が訪れる、世界遺産「アンコール・ワット」。カンボジアの北西部に位置する約60の遺跡群だ。このアンコール遺跡群のある町、シェムリアップの空港には日本からの直行便はない。そのためやや遠いイメージがあるが、実は羽田や成田からLCCを使って手頃な価格で行くことができる。

 今回は、飛行機をこのお得なLCCで、そのぶん現地を豪華なホテルに泊まる充実の旅をしたいという人にぴったりのプレスツアーに参加した。その様子を4回に分けてレポート。1回目の今回は主に香港エクスプレスでの往復についてレポートしたい。

羽田から毎日2便! 日本各地から香港へ飛べる「香港エクスプレス」

 今回参加したツアーは、日本に就航するLCC「香港エクスプレス」が主催し、シェムリアップ現地では4つ星ホテル「ヘリテージスイーツホテル」の宿泊やアンコール遺跡の観光を中心とするもの。個人的には、2005年に旅行でシェムリアップを訪れて以来、11年ぶりの再訪になった。久しぶりで変わったもの、変わっていないもの、そして独身カップルで行ったときの当時の印象と、今回同行してはいないものの小さい子供連れの家族となった今とで、どう見方が変わるかという点でもチェックしてみたい。

 さて、今回利用する香港エクスプレスは、香港国際空港を拠点に運航されている香港航空系列のLCCだ。日本各地のほか、中国、韓国、台湾、グアム、サイパン、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、タイなど東南アジアへ運航されている。2016年10月に日本就航3周年を迎え、香港と日本を結ぶ便を片道380円~という衝撃価格で販売していたことでも話題になった。

 この香港エクスプレス、実は就航している日本各地の空港の数も多い。香港へは羽田空港から毎日2便、成田空港からは毎日3便を運航。大阪(関空)から毎日4~5便、福岡から毎日2~3便、愛知から毎日1便のほか、広島週3便、石垣島週3便、鹿児島週4便、高松週4便といった具合だ。

 この、豊富な日本~香港間の路線に、香港から各国へ飛ぶ国際線を組み合わせれば、お得に東南アジアへ旅に出られるというわけだ。今回の目的地、シェムリアップへは香港から週3便が運航されているため、最寄りの空港からの便をこれに合わせて選ぶ。香港で1泊してグルメと夜景を楽しんでからシェムリアップへ向かうもよし(これも魅力的!)、宿泊せずに数時間待ちで現地に乗り継ぐこともできる。

 ちなみに香港エクスプレスのマイレージは、同社独自の入会金・年会費無料のプログラム「reward-Uポイント」として貯まる。利用額1香港ドル(約15円)あたり10ポイントが貯まり、4万ポイントから航空券の支払いに利用できる。マイルの後付けもできるが、先に同社のWebサイトでreward-Uに加入してから航空券を予約した方がスムーズだ。また、「reward-Uクルー」と呼ばれる仕組みでは、reward-Uの登録メンバーでグループを作ることができ、このグループ内でマイルをまとめて1名が使うことも可能だ。

 3周年記念のときのような衝撃価格はなかなかないが、通常価格でも香港までの片道で約5000円台から。「MEGA SALE」だと座席数限定ながら片道680円~となったり、帰国便が10円になったりするセールや、2名以上で同時予約すると1名分の航空券が無料になるセールなど、さまざまなキャンペーンが行なわれている。過去には「お子さま同伴割引」で大人と同行する子供が80円! というセールもあったようだ。最新情報は香港エクスプレスのTwitterアカウント(@hkexpressjp)が入手しやすい。

 この香港エクスプレスのキャンペーンはたいてい夜中1時頃に始まるのだが、「Uflyパス」という有料会員になると、一般のセール開始よりも6時間早くキャンペーン価格で購入できる。このUflyパスは2016年に提供され、会員価格は888香港ドル(約1万3500円)/現在はキャンペーンで388香港ドル(約5820円)での申し込みが可能で、1回の香港渡航で元が取れそうな料金だが、有効期限が2016年12月31日までと、すでに終了目前なので要注意。2017年も同様のシステムが始まるかどうか注視しておこう。

香港エクスプレスのWebサイト。シンプルで搭乗券購入からオンラインチェックインまで作業しやすい
セール情報は香港エクスプレスのメールマガジンやTwitterで入手できる
航空券購入前に「reward-U」に入会しておき、reward-U IDを取得しておくとマイル獲得がスムーズ

平日出発にありたがい羽田の深夜発。香港乗り換えでシェムリアップへ

 今回は水曜日の深夜23時55分に羽田空港を出発し、朝方に香港で乗り換えてシェムリアップに翌日9時20分に到着する便を利用した。深夜発のため、都内からなら昼間は仕事をして、家で夕食やシャワーを終えてからでも余裕で間に合う。

 羽田空港に21時30分頃に到着してUO623便にチェックイン。ちなみに出発が日本、香港、タイの便は出発時間の48時間前からオンラインチェックインで座席を指定できるほか、空港でも3時間前にはチェックインが可能になる。有料の座席指定をしていない場合は、早めにオンラインチェックインを行なった方がよいだろう。

 香港での乗り換えの際、入国せずに乗り継ぎカウンターで手続きできる有料サービス「U-Connect」(1500円)を利用すると、シェムリアップまで受託手荷物は預けたままにすることもできる。

 羽田空港でのチェックインから搭乗口到着までは非常にスムーズで20分ほどしかかからなかったので、搭乗までの時間は搭乗口付近のデスク(電源、Wi-Fi完備)で1時間以上快適に仕事ができてしまった。

 23時頃香港エクスプレスの航空機が到着し、23時30分頃に搭乗開始。搭乗時は長い列になるが、10分ほどでスムーズに搭乗が終了。23時50分には飛行機が滑走路に向けて動き始め、24時5分には離陸した。定刻では23時55分発で、所要時間は5時間15分。1時間の時差があるため香港空港到着は現地時間の4時10分となる。

羽田空港国際線ターミナル3階の出発ロビー。香港エクスプレスは入り口から向かって右奥の「A」カウンター。深夜23時55分発のUO623にチェックインしたのは21時30分頃でカウンターもまだ空いていた

黒のレザー調座席のエアバスA320で香港まで。手荷物はなるべく棚へ

 香港エクスプレスの羽田~香港便で使われている機材はエアバス A320型機。座席は左右に3席ずつで、1~30列までの合計180席。1列目、2~5列目は追加料金で利用できる座席となる。

 1列目は「スイート・シート」と呼ばれる足元の広い席で、優先搭乗がある。航空券購入時に30kgまでの受託手荷物料金がセットになった「フレックス」のカテゴリで購入するとこの座席になる。当日空きがあれば追加料金での利用も可能だ。

 2~5列目は「前方座席」で、席に違いはないが到着時に先に降りられるため、終電などで時間が限られているときに有利な席だ。購入時に25kgまでの受託手荷物料金がセットになった「ファン+」で購入するとこの座席になる。

 羽田~香港便で使われている便の座席は、シートカバーが黒のレザー調で、クッションはやわらかめ。163cmの自分にとっては必要十分だ。足元は、狭いわけではないがそれほど余裕はないので、必要な荷物以外はやはり頭上の棚に収納した方がよいだろう。

 各座席にシートモニターはないが、深夜便で飛んだ瞬間ほとんどの人が就寝しており、起きている人もスマホなどで音楽や動画を見ているようなので、あまり不便ではない。前の列にいた小さな子供を2人連れた母親は、3列シートのアームレストを上げて広くし、iPad持参で子供に見せていた。

 受託手荷物が20kgで3150円かかるので、機内持ち込み手荷物(7kgまで)で済ます人も多いようで、搭乗と同時に頭上の棚はいっぱいになる。CA(客室乗務員)さんが工夫してなんとか収めていたが、手荷物が大きい人は早めに搭乗した方がよさそうだ。

座席は1列に3席×2で中央に通路がある配置
黒のレザー調の座席はやわらかめ
足元の余裕はあるが荷物は頭上の棚がお勧め
頭上の荷物入れは十分あるが、利用者が多いので出遅れると入れにくい
スイートシートの案内。空きがあれば当日アナウンスされる
スイートシートはこの機では1列目。足元が広い

 機内誌「Uexplore」には就航先の旅行記事のほか、後半でサービス内容についても詳しく解説されているので一読することをお勧めする。また、「EXPRESS TICKETS」には香港空港から市内行きの特急チケットなどが割引販売されているので、香港が目的地の人はもちろん、香港での乗り継ぎで時間をとって香港の街中を散策しようと思っているなら、機内で買っておくとお得だ。

座席にセットされた機内食のメニューや免税品カタログ、機内誌
香港市内行きの特急券の割引販売がされている
機内誌「Uexplore」には後半にサービス案内を掲載
ルートマップを見ると香港を中心に日本各地とインドシナ半島をカバーしているのが分かる

日本食もあるオプション注文の機内食「EXPRESS CAFE」

 搭乗の際、機内には飲食物の持ちこみはできない。水やお茶の無料サービスもないが、オプション料金で機内食や飲料、アルコール類、カップ麺やお菓子などの軽食を購入できる。事前にWebサイトから機内食の予約すると15%割引となりお得だ。もちろん事前予約なしでも、ワゴンでまわってきたときに注文できる。

「EXPRESS CAFE」と名付けられた香港エクスプレスの機内食は、点心や中国茶、香港の軽食屋さんでよく見るベークドポークライスや濃厚なミルクティーなど香港の航空会社らしいラインアップ。タイ料理のパッタイや日本食など、東南アジア各国の就航地を意識したメニューもラインアップにある。65香港ドル(約980円)の料理と25香港ドル(約380円)のドリンクをセットにすると5香港ドル(約80円)引きだ。

 今回は深夜便で、さらにしばらく日本食が食べられないこともあって「蕎麦弁当(冷)」(105香港ドル、約1580円)を選んでみた。ざるそばと、冷ややっこ、オクラのサラダ、みそ汁、和風チーズケーキがセットになっている。そばはやわらかめだが、つゆが美味しい。あつあつのみそ汁はだしが利いていて安心の味だ。冷ややっこは堅めの卵豆腐のようなおもしろい食感で、ごまだれがクリーミー。オクラはシャキシャキの食感。チーズケーキはしっとりとした軽い食感で満足だ。飲料にはカゴメのトマトジュース(25香港ドル、約380円)を注文。アルコール類は350ml缶が45香港ドル(約680円)。ピーナッツなどのちょっとしたスナックが付いてくる。

 機内食や、内容充実の機内販売などが早々に終わり、1時頃には消灯。機内は就寝している人がほとんどで、とても静かだ。子供も複数いたが就寝時間だったこともあってかほとんど声もせず静か。仮眠に入り、3時間後にライトが点灯。その30分後には着陸態勢に入った。

機内食「EXPRESS CAFE」のメニュー表。日本語も併記
「蕎麦弁当(冷)」(105香港ドル、約1580円)。あつあつのみそ汁にほっとする

乗り継ぎ手続き後、徒歩でプラザプレミアムラウンジへ移動

香港空港のノースサテライトに到着

 定時に香港に着陸。現地はまだ朝4時とあってまだ暗い。ノースサテライトに到着し、バスでターミナルビルへ移動した。まずは乗り換え手続きのためターミナル1の乗り継ぎカウンター「E1」に向かう。この乗り継ぎサービスは前述のとおり「U-Connect 乗継サービス」という有料サービスだ。このサービスを使用しないと預け入れ荷物をピックアップして、(混雑しがちな)入出国審査を受けなければならない。香港に入国するなら必要ないサービスだが、香港での目的が乗り換えだけなら制限区域内で乗り継ぎ手続きする方が圧倒的にラク。E1の乗り継ぎカウンターでシェムリアップまでの搭乗券を受け取ったあと、「E2」のセキュリティチェックを通過して搭乗口のゲート203へ向かった。

 E1からゲート203まではシャトルトレインで2駅だが、このタイミングは運わるく休止時間(朝6時から夜中1時まで運行)中で、歩いてターミナル1内を移動した。動く歩道はあるものの、やや距離があるので小さな子供連れなら空港でベビーカーを借りた方がよさそうだ。

バスでターミナルビルへ移動
E1の乗り換えカウンターで搭乗券を発行
歩いて空港内を移動

 ゲートに向かう途中、香港空港でのプラザプレミアムラウンジも利用した。このときは乗り換え手続きやセキュリティチェックの通過などで時間がかかったため、1時間しかラウンジで過ごさなかったが、スムーズに乗り換えられたときは便利な位置にある。香港空港の乗り継ぎの待ち時間が長いならなおさら便利だ。水曜日の夜、会社帰りに空港へ直行した場合はここで着替えたりシャワーを浴びたりする時間にもなるだろう。

 ちなみに香港空港にはターミナル2(立ち入り制限区域外)とこのゲート40近く(立ち入り制限区域内)の合計2カ所にプレミアムラウンジがあるが、このゲート40近くの方が小さいながらも食事が充実し、アルコールも無料。シャワーブースや無料で使えるPCもあり、目の前に航空機がずらりと並んで見応えもある。おかゆや麺類、点心などの中華料理はもちろん、洋食も種類が豊富で、朝6時から温かい朝食が用意される。

 メールチェックし、軽食を食べて一息つくとすぐ6時半になり、運航が再開していたシャトルトレインに1駅乗って、ミッドフィールド・コンコースのゲート203へ向かった。

プラザプレミアムラウンジを利用
さまざまなタイプのエリアがあり落ち着いた雰囲気
ドリンクも豊富でアルコールも無料
ヌードルバーなど温かい食事も充実
窓際の特等席にPCも設置
シャワーブースもある

香港からシェムリアップへ。点心セットはかなり美味!

香港エクスプレスの拠点とあって空港内に常に複数の航空機が見えた

 香港エクスプレスが離着陸するミッドフィールド・コンコースは、2016年2月に供用が開始された新しいコンコース。朝日が差し始めた空港には、複数の香港エクスプレスの航空機が見えた。羽田から搭乗してきた、全体に香港エクスプレスの塗装がされたエアバス A320型機ではなく、香港航空のカラーリングに「hkexpress.com」のネームだけが入った機体も使われているようだ。

シェムリアップ行きはミッドフィールド・コンコースの搭乗口から出発

 香港からシェムリアップへ向かうUO706便もこの香港航空のカラーリングにロゴが入ったエアバス A320型機だ。時間どおりに搭乗が始まり、機内に入って驚いた。

 座席は左右に3席ずつで羽田からの便と同じなのだが、シートのデザインが違うためか足元が広く感じる。ちょうど非常口のある列だっため、さらに広かった。

羽田からの便と同じ座席配列だがシートの違いか足元が広い
非常口のある列だったため、さらに足元広々
頭上の棚はこの便でも早めに埋まる
搭乗率は9割以上だろうか、ほとんど空席はなかった

 離陸後は8時30分頃に機内食の提供がはじまった。今度は「点心セット」(65香港ドル、約980円)にジャスミン茶(25香港ドル、約380円)を注文。この点心セットは直前のプラザプレミアムラウンジで食べた点心よりも美味しく、エビがプリプリ、皮はモチモチでうまみたっぷり。点心4つとチマキのワンプレートだが満足感があり、たっぷりの茶葉で出すジャスミン茶も点心にぴったり。値段の価値がある美味しい機内食だった。

今回食べた4種類の機内食のなかで群を抜いて美味しかった「点心セット」(65香港ドル、約980円)

 定刻では7時40分香港発で、所要時間は2時間35分。時差が1時間あるため現地には9時15分に到着だ。ほとんどの人が起きているのでやや声はするが、うるさいほどではなかった。子連れも多く、子供の声もするが皆気にしていない様子。子供にやさしい雰囲気で、子持ちとしては安心感がある。

 定刻で到着し、タラップから地上へ。クメール様式のシェムリアップ国際空港のターミナルに入った。入国手続きはとてもスムーズだ。ただしカンボジアへの渡航はビザが必要で、到着時に空港で申請するアライバルビザの申請は行列していることが多い。できるだけe-Visaか大使館で事前にビザを取得しておいた方が安心だ。価格はe-Visaのシングルエントリー(1回入国)で37ドル(約4100円、1ドル=約115円換算)だ。

香港航空のカラーリングに香港エクスプレスのロゴが入ったタイプの機体
タラップで地上に降りてターミナルへ移動
シェムリアップ国際空港はクメール様式の作り

「ヘリテージスイーツホテル」名物のクラシックカーで豪華な空港お出迎え

 空港から出ると、今回のツアーを担当してくれる「ヘリテージスイーツホテル(HERITAGE SUITES HOTEL)」のオマさんたちが笑顔で出迎えてくれた。とてもよい香りのジャスミンの花輪、おしぼり、フレッシュジュースをその場で手渡され、心遣いに空路の疲れも和らぐ。送迎は1962年、1968年製のBMWのビンテージカー。この空港送迎はどの宿泊客も受けられるサービスだとのこと。

「ヘリテージスイーツホテル」では宿泊者に豪華な空港送迎サービスが付いている
ジャスミンの花輪、おしぼりでリフレッシュ
1962年、1968年製のBMWのビンテージカーでお出迎え

 空港からホテルまでは約7km。舗装された広い道路を進み、20~25分ほどでホテルに到着する。ヘリテージスイーツホテルは中心街から少し離れた場所にある、隠れ家のような4つ星のブティックホテルで、客室は26室。コロニアル様式の雰囲気のよい建物で、質の高いサービスが提供されている。ホテルの詳細や現地での観光については別レポートで紹介したい。

ホテルまでは約7km。隠れ家のようなブティックホテル
コロニアル様式のクラシカルな建物で雰囲気抜群
ウェルカムドリンクで出迎えてくれる

帰国便は朝10時20分発。朝食後に空港へ

 シェムリアップの旅は盛りだくさんの内容だったため、この回では香港エクスプレスでのカンボジア往復に絞り、続けて帰りの便についても紹介しておきたい。

 帰りは往路のルートの逆、シェムリアップから香港、香港から羽田へと搭乗する。今回シェムリアップから香港への飛行機は日曜日の朝、10時20分発のUO707を利用。週3便、火曜日、木曜日、日曜日に運航している。

 出発の日は朝7時頃朝食を食べ、8時にはホテルを出発。この時間のシェムリアップ国際空港での出国はかなり混雑していて、チェックインからセキュリティチェックを通過してゲートに到着するまで約1時間かかった。

 搭乗口近くには免税品店やお土産物屋も充実している。ただし、ここで100mL以上の香水や酒などの液体を購入すると、香港での乗り換えの際に手荷物検査で没収されるので要注意。タバコ、香水、酒など、どの国でも売っていそうな免税品であれば、香港空港での購入が安心だ。

シェムリアップ空港のチェックインカウンター。天井が高く開放感がある
お土産や免税品店は充実しているが、特に液体品は香港で購入を
吉野家やバーガーキングなど軽食店も多数ある

 UO707便はやや到着が遅れたものの10時30分には搭乗でき、10時40分頃離陸した。往路と同様、座席が広めな香港航空カラーのエアバス A320型機だ。離陸後の機内食には、エスニック料理をまだ食べていたかったので、タイ料理の「パッタイ」(65香港ドル、約980円)とタイガービール(45香港ドル、約680円)を選択。パッタイは辛めの味付けで具がたっぷり。軽いタイガービールによく合った。

香港航空のカラーリングのエアバスA320
「パッタイ」(65香港ドル、約980円)とタイガービール(45香港ドル、約680円)
辛口でビールによく合う

香港空港は買い物天国。意外に時間がかかる乗り継ぎ。時間に余裕を

 香港空港にはそれほど遅れず到着し、シャトルトレインで2駅移動して、往路と同じくE1の乗り継ぎカウンターで、羽田空港行き18時15分発のUO622便の搭乗券を発券。香港空港到着からこの搭乗券入手までに1時間ほどかかった。

 羽田空港行きが出発するのはゲート201。香港からシェムリアップへ飛ぶ際に使ったミッドフィールド・コンコースだ。搭乗口に出発1時間前に到着することを考えると残り2時間30分ほどと、香港市内に出るほどの時間の余裕はない。ツアーで一緒だったメンバーと休憩してから、E2のセキュリティゲートを通過して、空港内のショップで免税品などを物色していたらあっという間に時間が経ってしまった。個人的にどうしても買いたかった、“香港ペニンシュラホテルのXO醤”(390香港ドル、約5850円)をターミナル1、7階のThe Peninsula Boutiqueで購入でき、免税品もそこそこチェックできたので満足できた。

 香港での乗り換えは、行きは朝方だったためほとんどのショップが閉まっていたが、帰りは昼間なのでとてもにぎやか。帰りの乗り継ぎ時間はショッピングの時間と割り切っても十分に時間を使えそうだ。

 ゲート201に到着すると、ちょうど夕日が美しい時間帯だった。喫煙所を兼ねた送迎デッキから外に出ることもできる。ミッドフィールド・コンコースの先はまだまだ造成が進んでいて、香港空港はまだ拡張工事が続けられている様子が見える。2023年には第3滑走路も完成予定で、利用機会もまだまだ増えそうだ。ゲート近くには無料のPC、AC電源やUSBの充電ポートなども用意され、空港内はWi-Fiもつながるので時間はラクに過ごせる。

到着後、再度シャトルトレインでE1の乗り継ぎカウンターへ
羽田行きもミッドフィールド・コンコースから出発
夕日が美しい時間帯。香港空港はまだまだ造成が進む
外に出られるObservation Deck
無料のPCやWi-Fi、充電スペースも充実

羽田空港へ日曜日深夜着。終電もギリギリ間に合う

 UO622便は時間どおり18時前には搭乗が開始され、定刻で出発。最後の機内食は香港の軽食屋でよく見かける「ベークドポークライス」(65香港ドル、約980円)を頼んだ。甘辛いソースで味付けされたポークの厚切りが2枚ライスに乗っていて、食べ応えがある。ライスは細かく水分少なめだが甘辛のタレと合っていた。

 最後に、しばらくしてから「濃厚な薫り高いミルクティー」(25香港ドル、約380円)という名前で書かれていたミルクティーを注文。香港の軽食屋さんで飲める、濃く煮出したミルクティーの風味を想像して頼んだ。チャイのような味わいで砂糖はあらかじめ入っているが甘すぎず飲みやすい。これも頼んでよかった一品だった。

 結局香港の街中には出られなかったが、行きの点心セットやミルクティーで香港の雰囲気を思い出してなかなか楽しい。また香港の街中に遊びに行きたくなる味だ。

 子連れで乗る場合のことを考えると1番困るのは、この帰りの香港から羽田までの時間の過ごし方かもしれない。行きは深夜なので子供も寝るが、帰りはまだ夕方から夜の時間なので起きている時間。まわりの子連れ家族もこのフライトが1番大変そうだった。iPadをフル充電して、動画をたっぷり転送しておく必要がありそうだ。

 実際4回の搭乗で子供の泣き声が聞こえたのはこの便だけ。それでもまわりは特に気にする様子はなく子連れにはありがたいだろう。香港空港にはキッズエリアも複数あるので、そこで体を動かして疲れておいた方がよいかもしれない。

ボーディング・ブリッジでラクに搭乗
飛び立つと巨大な香港空港の夜景がキレイに見えた
最後の機内食は香港名物の「ベークドポークライス」(65香港ドル、約980円)
満足度の高かった「濃厚な薫り高いミルクティー」(25香港ドル、約380円)

 羽田空港の到着は定刻の場合23時10分。入国審査や荷物のピックアップは非常にスムーズなので、到着が遅延さえしなければ羽田空港国際線ビル駅からのモノレールの終電(24時10分発の浜松町駅行き空港快速)や、京浜急行電鉄の終電(0時発の品川行き、0時14分発の神奈川新町行き)に、急げばギリギリ間に合うタイミングだ。帰りだけでも「フレックス」や「ファン+」で前方座席を確保すると有利だろう。それに間に合わなければ、0時台、1時台、2時台に主要駅までは深夜バスも運行されている。

 LCCには何度か乗っているが、香港エクスプレスのCAさんは笑顔が多く対応も丁寧。全体の印象としては、航空機は必要十分で、ソフト面では期待以上。今回のシェムリアップ行きもそうだが、香港エクスプレスの場合、香港から先の飛び先に面白い場所が多いので、渡航先が東南アジアなら選択肢の一つとして十分お勧めできる。

 続くレポートでは、見応えあるアンコール遺跡群や感動的だった体験ツアー、高級ホテルや現地グルメの数々など、盛りだくさんだった現地のツアー内容をご紹介していきたい。

笑顔がステキな優しいCAさんが多くて空路は快適だった

赤池淳子

1973年東京都生まれ。IT系出版社を経て編集者兼フリーライターに。雑誌やWeb媒体での執筆・編集を行なっている。Watchシリーズでは以前、西村敦子のペンネームで執筆。デジタルカメラ、旅行関連、家電、コミュニティや地域作り、子どものプログラミング教育などを追いかけている。