旅レポ

食事・文化・寄港地を満喫、“動くリゾートホテル”ダイヤモンド・プリンセスの旅(その2)

長崎に寄港。過ごし方を自由に選べ、寄港地観光は想像以上に楽しめる

 外国船籍のプレミアム客船、ダイヤモンド・プリンセスで行く「日本の美 瀬戸内海・名城の地巡りと韓国 9日間」。船旅レポート第2回では、長崎への寄港の1日をお伝えする。眠っている間に船が釜山から長崎まで航行、起きたら寄港地・長崎での観光がすぐに始められる。「寄港地」の概念でどの程度観光が楽しめるのか紹介する。

寄港地での観光は「ショアエクスカーション」か「自由観光」

 クルーズ客船での旅の魅力は、なんといってもいくつもの名所を一度にまわれることにある。今回のツアーは横浜を出港したあと、名古屋、釜山、長崎、熊本に寄港して横浜に戻るコース。名古屋で名古屋城や天筒花火を見て、瀬戸内海をクルージング。釜山の国際市場や釜山タワーを巡り、長崎の街中やハウステンボスに寄り、軍艦島を沖から観光。熊本では熊本城や温泉地へ行く、という盛りだくさんの選択も可能なのだ。

 ちなみに、このコース「日本の美 瀬戸内海・名城の地巡りと韓国 9日間」は日本の南側と釜山をぐるりとまわっているが、ダイヤモンド・プリンセスはちょうどこの前の日程で横浜、釧路、ロシアのコルサコフ、小樽、函館、青森という日本の北をぐるりとまわるコースが設定されていたため、2つのツアーを連続乗船して「日本一周」した海外からの乗客が多数いたそうだ。

 プリンセス・クルーズのツアーでは、寄港地での過ごし方に各自で自由に過ごす「自由観光」と、寄港地ごとに設定されたオプションの寄港地観光ツアー「ショアエクスカーション」を利用する方法がある。このショアエクスカーションはクルーズの出発前に申し込めるほか、船内で申し込みもできる。申し込む旅行会社によっては、全行程添乗員付きで観光するタイプや、旅行会社がそれぞれ独自に設定したオリジナルツアーもあるようだ。

寄港地ごとに設定されたショアエクスカーションは、事前に届くパンフレットか、船内の「プラザ・デッキ5」の「ツアーデスク」で申し込める

 クルーズ客船の朝は早い。朝日を期待して早めに起きたものの、この日はあいにくの雨。屋外プールのあるリド・デッキ14では大型スクリーンを使って毎朝ラジオ体操も行なわれていた。朝食は昨日夕食を取ったメインダイニングでもいただけるが、今朝はこのデッキにあるビュッフェレストランの「ホライゾンコート」を利用した。

 和食、洋食、フルーツと朝から十分な種類が用意されている。また、ホライゾンコートはビュッフェといっても各テーブルにスタッフがつくので、カトラリーはすでに用意されており、ドリンクのオーダーも聞きにきてくれる。クルーズ中にいろいろな乗客の方に話を聞いたが、自由な時間に気兼ねせず好きなものが食べられるのでメインダイニングよりもホライゾンコートを利用する回数の方が多いという乗客も多くいた。

屋外のスクリーンで毎朝ラジオ体操が上映されていた
ホライゾンコートで朝食。各テーブルにはカトラリー類がセット済み。この日はあいにくの雨だった
好きなものを好きなだけ組み合わせできるので朝食や軽食にビュッフェは大活躍した

長崎港松が枝国際ターミナルに接岸、入国審査へ

 この日は長崎への寄港日。8時には「長崎港松が枝国際ターミナル」に接岸した。釜山から長崎へ国境をまたぐため、日本への入国審査の手続きが必要だ。下船時の集合場所と時間は前日に各自の部屋に連絡される。指示に従い館内を移動して下船。ちなみに寄港地で下船せずに館内で過ごすこともできるが、釜山や長崎のように国をまたいだ港では出国・入国手続きが必要だ。

 下船時は1人ずつクルーズ・カードをスキャンされる。パスポートと税関申告書を用意し、「長崎港松が枝国際ターミナル第2ビル」でスムーズに入国審査を受けて外に出た。

入国審査後、「長崎港松が枝国際ターミナル第2ビル」から長崎の街へ出る
振り返って船の存在感の大きさに気付き、思わず「おおっ」と言ってしまった

 入国審査を終えて第2ビルから外に出ると、横浜の大さん橋を思い出すような、見事な作りの「長崎港松が枝国際ターミナル」がある。曲線が多用された優雅なデザインと屋上の芝生の緑がキレイで、接岸したダイヤモンド・プリンセスがいっそう美しく見えた。さすがにクルーズ客船が入港するときに使われる専用の港ということもあって施設も充実。乗船の際は、今度はこちらのターミナルでセキュリティチェックを受けて乗下船口に向かう作りだ。

屋上が芝生で緑化された「長崎港松が枝国際ターミナル」
とにかく大型客船にとても映える美しいターミナル
真横から見るとダイヤモンド・プリンセスのバルコニー付きタイプの部屋の多さがよく分かる
目線が高いのでファンネルに描かれる「シーウィッチ」もよく見える

 ターミナルの中は、ショアエクスカーションの出発を待つ人々が。すでに長崎や日本風のお土産物を販売するブースも準備されている。ATMや両替機もあり、観光案内所も多国語案内。今年1年間で193回クルーズ客船が入港する予定の港というだけあって、ハード面でもソフト面でも大型客船慣れしていて、対応がとてもスマートだ。

 観光案内所の方に、夕方までの時間、どこを観光してまわるのがお勧めか聞いてみたところ、まずは港から歩いて行ける「グラバー園」を案内された。停泊する船や造船所がグラバー園の高台からよく見えるという。そしてこの日は長崎新地中華街に行くと中秋節(お月見)の1000個の満月灯籠が見られると教えてくれた。

 さらに、やや諦めていた軍艦島クルーズも、4つの会社が合計8便を運航しており、最終乗船の16時30分から逆算してまだ1便乗船可能なものがあるという。教えてもらった運航会社に電話で確認したところまだ空きがあったため、急きょ軍艦島クルーズにもチャレンジしてみることにした。

「長崎港松が枝国際ターミナル」の入り口
内部は天井の高い広々とした空間
観光案内所もクルーズに合わせて多国語で案内
朝からすでにお土産物店もオープンし準備万端

初めて巡る長崎の観光地としての完成度の高さに感動

 ターミナルの目の前がすぐにグラバー園の入り口。長崎で一番大きい石造りの洋館「長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館」の脇を抜けて、大浦天主堂とグラバー園の観光に向かう。ステンドグラスで有名な、ゴシック様式の風格ある大浦天主堂を観光し、グラバー園入り口へ。旧グラバー住宅をメインに、さまざまな建築物が残されており、想像よりかなり広かった。丁寧に見てまわると2時間はかかりそうだ。山肌に建てられているため高低差が激しいが、動く歩道のおかげで移動はそれほど苦にならなかった。

ターミナルの外はすぐ街中。目の前は長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館
修学旅行生も多く、沿道にはお土産物店がずらりと並ぶ
坂を上るとすぐに大浦天主堂が。ゴシック調の国内現存最古の教会だ
「大浦天主堂」見学受付時間8時~18時(最終受付17時45分)、拝観料は大人600円
堂々とした天主堂。内部はゴシック様式で、ステンドグラスが美しい
「グラバー園」開園時間8時~18時(最終入館17時40分、特別期間は変更あり)、入園料金は大人610円
園内は動く歩道が最上部まで続き、移動はラク

 最上部にある「旧三菱第2ドックハウス」の2階デッキからは、長崎港全体がよく見渡せる。停泊するダイヤモンド・プリンセスも木々の間から見え、造船所もとてもよく見えた。グラバー園にある旧グラバー住宅とともに明治日本の産業革命遺産として世界文化遺産登録されたことで有名になった、三菱重工業長崎造船所の「ジャイアント・カンチレバークレーン」の見学にもベストだった。

最上部にある旧三菱第2ドックハウス
旧三菱第2ドックハウス2階ベランダからの長崎港の眺め
木々の間からダイヤモンド・プリンセスのシーウィッチが見える
その奥にはジャイアント・カンチレバークレーンもよく見える
1909年に日本に初めて設置された電動クレーン。いまだ現役で稼働する
軍艦島クルーズが出発する長崎港ターミナルも右側に見える
グラバー園からは三菱重工長崎造船所の全景がとても把握しやすい

 見学後、グラバー園の第2ゲート先にある「グラバースカイロード」を利用して、徒歩で「長崎孔子廟」に向かう。1893年に建立された中国様式の歴史ある霊廟(れいびょう)で、中国式の庭、立派な門、開けた広場に並ぶ石像、大成殿など、コンパクトながら隅々までとても丁寧な作りで見応えがある。

「長崎孔子廟」開館時間8時30分~午後5時30分(最終入館17時)、入場料は大人600円
正門である儀門(ぎもん)。1967年に再建されたもの
儀門から大成殿への眺め
両脇には72賢人像がずらりと並ぶ

 その後、路面電車やタクシーなどを使って、満月灯籠が並ぶ長崎新地中華街や、日本最古のアーチ型石橋として有名な「眼鏡橋」、出島などを巡って、軍艦島クルーズが出発する長崎港ターミナルへ向かった。この時点で12時半ごろ。長崎の街は見どころが多いがコンパクトなので、下船直後から効率的に巡れば半日でも見られるものは多いと感じた。

長崎新地中華街の入り口に設置された立派な門
中秋節の満月灯籠が延々と続いている。夜はさらに見応えがありそうだ
現存する日本最古のアーチ型石橋、眼鏡橋
水辺に降りて散策できる。多くの観光客でにぎわっていた
出島のあった場所。現在は石倉や洋館など復元された建物が並ぶ
「出島」8時~18時(最終入館17時40分)、入場料は大人510円

充実の軍艦島クルーズに参加、寄港地は想像以上に楽しめる

 通称「軍艦島」こと端島(はしま)は、長崎港から南西約19km、南北約480m、東西160m、周囲約1200mしかない小さい島だ。島影が戦艦「土佐」に似ていることから、大正時代に軍艦島と呼ばれるようになった。

 1810年に石炭が発見され、採炭がスタート。1916年には日本初となる鉄筋コンクリート造りの高層集合住宅が建設され、最盛期は約5300人が居住。1974年の閉山後は廃虚となっていたが、現在は長崎市が管理。廃虚ブームもあって注目され、2009年から見学ルートに限り観光客が上陸できるようになった。

 軍艦島クルーズに乗船するため、まずは長崎港ターミナルビルの「やまさ海運」窓口へ向かう。予約した便の料金を支払って、誓約書にサイン。乗船料金は4200円。別途、長崎市施設使用料・軍艦島上陸料300円が必要だ。チケットを受け取って「マルベージャ号」の乗り場へ移動した。

 今回乗船したのは「軍艦島上陸周遊クルーズ」の2便(13時出港、15時30分長崎港到着)。出港してからは、三菱重工長崎造船所や、ジャイアント・カンチレバークレーン、三菱重工の100万トンドッグ、伊王島、高島などが解説付きで見られて、これだけでも十分見応えがあった。

やまさ海運の「マルベージャ号」に乗船。乗船料金4200円、長崎市施設使用料・軍艦島上陸料300円
出港してすぐにダイヤモンド・プリンセスがよく見えた
海上からのためジャイアント・カンチレバークレーンもよく見える
ダイヤモンド・プリンセスのふるさとでもある三菱重工長崎造船所
ドイツの客船が建造中だった
2011年に開通したばかりの伊王島大橋
現在でも島民が住む高島を越え、中ノ島の向こうに軍艦島が見えてくる

 長崎港を出港してから20分ほどで軍艦島が見えてくる。軍艦島には「絶海の孤島」のようなイメージもあるが、隣の高島からも2.5kmしか離れていない。意外にも長崎港からすぐ来られる距離だ。

 この日は出港から30分ほどで軍艦島の「ドルフィン桟橋」に着岸。午後から天気もよく上陸はスムーズだったが、天候基準をクリアする日数は年間100日程度。天候により欠航したり、上陸せずに周遊だけに切り替えられたりする場合もある。

廃虚となった高層アパートが立ち並ぶ軍艦島
ドルフィン桟橋に無事に接岸
上陸してすぐに石炭を運ぶ「貯炭ベルトコンベア」の跡が見える

 現在、軍艦島は内部を自由に見てまわれるのではなく、島の防壁沿いに作られた見学通路からの見学に限られている。桟橋近くの第1見学広場、第2見学広場、第3見学広場それぞれで、地元のボランティアガイドの方が解説してくれるため当時のイメージがしやすい。見学通路は約220m程度と長くはないので実質30分ほどの上陸時間だが、間近で見られ迫力がある。どの建物も廃虚とはいえ立派な作りで、100年前に建てられた建物まであるとは思えない。

第1見学広場にある軍艦島の全景。見学路では主に東側を見て歩く
各見学広場ボランティアガイドの方の解説が聞ける
地下の海底炭鉱に降りるための第二竪坑坑口桟橋跡
第2見学広場前の総合事務所跡。大型の共同浴場があったそう
ボランティアガイドの方の解説は、元住民の方の話なども交えられ分かりやすい
第3見学広場から見える仕上げ工場や下層住宅の跡

 明るい昼間に見たためか、廃虚なのにそれほど怖さはなく、人がいて活気があった頃の明るい雰囲気すら感じるような不思議な廃虚だ。壊れ方に悲壮感がないというか、潔さを感じてなぜかとてもかっこいい。ちなみに見学ルート外の入れない建物内部はGoogleストリートビューで公開されているので、事前に見ておくとより楽しめる。

1916年に建てられた日本最古の7階建て鉄筋コンクリート造りの高層アパート
現在の各部屋の様子も窓から垣間見える
島は6回に渡り拡張されたため、端々でその跡が見える
緑がない島に屋上庭園が造られた。現在もその痕跡があるようだ

 見学ルートを往復後、船に戻り、島を周遊してたっぷり見たあと港に戻る。船の1階内部では当時の島の様子などが映像で上映され、見応えがあった。時間通り15時30分に長崎港ターミナルに到着後、タクシーで長崎港松が枝国際ターミナルに無事に引き返した。

 もともと今回のクルーズでは軍艦島の沖合を航行するため、遠くからは見られると思っていたが、上陸観光できてよかった。クルーズの場合、寄港地で過ごすのは長くても8時間程度だが、事前にしっかり計画したり、オプションのツアーに参加したりするとかなり充実した観光ができると実感した。

上陸を終え、見学ルートからは見えない角度を船で周遊
閉山後に設置された灯台
島の最上部に建てられた幹部用の職員住宅
木造だったため崩壊して残っていないが、泉福寺というお寺もあった
ビルの上に立てられた端島神社の祠(ほこら)
高層住宅同士は、下まで降りずに移動できるよう空中歩道でつながれていた
この西からの姿が、長崎で作られた日本海軍の戦艦「土佐」に似ているとして軍艦島と呼ばれるようになったという

地元女子校のお見送りセレモニーに大きな拍手。ディナーはフレッシュなイタリアン

 ダイヤモンド・プリンセスに乗船後は、荷物を置いてすぐにプロムナード・デッキ7へ。地元の長崎女子商業高校の吹奏楽部とバトン部による出港セレモニーが実施された。総勢100人近いだろうか。吹奏楽部の演奏をバックに、バトン部がバトン、フラッグ、チアの演技を披露するなか、船は松が枝埠頭を徐々に離れていく。

 最後に「SEE YOU AGAIN IN NAGASAKI」の段幕が掲げられ、デッキで見守った乗客たちから大きな拍手が。船が埠頭からかなり離れても、笑顔で手を振り続けたりウェーブを見せてくれたりする姿に、乗客からは「うれしいね」「感動した」と感想が口々に語られていた。

港でのお見送りセレモニー。吹奏楽部の演奏をバックにバトン部が演技
大人数で実施された、見応えのある演技だった
演技後、「SEE YOU AGAIN IN NAGASAKI」の段幕が掲げられた
船がだいぶ港から離れても、ウェーブと笑顔でまだ見送ってくれていた

 埠頭を離れてしばらくは、三菱重工長崎造船所や、前述のジャイアント・カンチレバークレーンなどの見どころが続き、デッキや船首には人が多く出ていた。バルコニー付きの部屋では多くの人がバルコニーでゆったり景色を眺めていた。ダイヤモンド・プリンセスは海側客室が7割、さらに海側のバルコニー客室の割合がとても高い船だが、こうして出入港の際に自分の部屋からこの景色を眺められる利点は値段以上のメリットを感じた。バルコニー付きの部屋から満室になっていくというのもよく分かる。

船から再度眺めるジャイアント・カンチレバークレーン

 1時間半ほど航行すると、軍艦島の姿が見えてきた。すでに夕闇が迫り、昼間見た姿とは違ってさすがに廃虚の暗い迫力がある。船内に流れる英語・日本語での軍艦島についての解説を聞きながら、目の前を流れる軍艦島の全景をゆっくり眺められる。「007/スカイフォール」でジェームズ・ボンドの敵が暮らす「デッド・シティ」のモデルになったこともあり欧米人の乗客にも知名度が高く、デッキで眺める乗客が口々に感想を語っていた。

三菱重工長崎造船所の全景もよく見える
少し遠くから見ると長崎が山沿いに建てられた港町であることがよく分かる
軍艦島が近づき、デッキには大勢の人が
バルコニー付きの部屋の人は自室で鑑賞
夕闇に見えた軍艦島。昼間とはまた違った雰囲気

 軍艦島を通過し、船は長崎港を離れて一路熊本の八代へ。メイン・ダイニングでのディナーに向かった。この日はイタリアン。「シェフのお勧め」のセットをまるごと注文。さらに定番として毎日メニューにある「スパゲッティ ポモドーロ」を少量もらう。一食分までは食べられないが半分、といった注文などウェイターに聞いてみると柔軟に対応してくれる。うまみがたっぷりの美味しいプロシュートと、ピーチのさわやかなスープ、トマト風味の白身魚など全体にフレッシュであっさり食べられる組み合わせ。パスタも美味しくいただけた。デザートはティラミスで、こちらもビターでとても美味しかった。

 昨日はあまりよく確認しなかったアルコールのメニューもよく見てみると、ワインやビール、カクテルなどとても充実。ビール一つとっても日本のメーカーのビールが「アサヒ」「キリン」「サッポロ」「サントリー」と取り揃えられているし、ワインに関しては、開栓したボトルが飲みきれなかったら保管してもらい、翌日その自分のボトルを飲むこともできるという。これなら少人数でもグラスワイン以外のボトルを注文しやすくてありがたい。船旅ならではのサービスだ。ちなみにワインまたはシャンパンは一人1本までは最初の乗船時に無料で持ち込みできる(2本目からは持ちこみ料が1本15ドル、約1560円必要)。レストランで飲む場合は開栓料として15ドル(約1560円)必要だ。

 食事が終わって21時過ぎ。船内を見てまわった。22時を過ぎても社交ダンスや生演奏などさまざまな船内イベントが行なわれているが、昼間の長崎での観光が充実した人が多いのか出歩く人も少なく静かだ。2回目の夜にして、長い廊下を端から端まで歩かなくてよいように効率よく移動するルートがなんとか把握できてきたように思う。部屋に戻って、ドア横に届けられた翌日の予定が記載された船内新聞「プリンセス・パター」を熟読してから就寝した。

メインダイニングではビールやワインなどアルコールも充実
「シェフのお勧め」がメニューの左上に例としてまとめられている
この日のメニューはイタリアン。
アルコール類は別料金だがリストは充実
プロシュート クルード コン・メローネ(ドライハムとメロン)
ピーチとベリーニカクテルの冷たいスープ
人気のスパゲッティ ポモドーロを勧められ、少量で注文
マヒマヒのフィレのグリル
ティラミス
長い廊下をなるべく端から端まで歩かないようにルートを探すようになる
隣と部屋のドアは隣接しているが、隣の部屋の音はほとんど聞こえない
部屋のドア前には毎晩、翌日の船内新聞が届く

赤池淳子

1973年東京都生まれ。IT系出版社を経て編集者兼フリーライターに。雑誌やWeb媒体での執筆・編集を行なっている。Watchシリーズでは以前、西村敦子のペンネームで執筆。デジタルカメラ、旅行関連、家電、コミュニティや地域作り、子どものプログラミング教育などを追いかけている。