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東京キャンピングカーショー2025で見た、ひとり旅したくなるクルマを紹介。中古車ベースにも注目集まる
2025年7月29日 13:38
- 2025年7月26日~27日 開催
JRVA(日本RV協会)は、7月26日~27日の2日間にわたり、東京ビッグサイトで「東京キャンピングカーショー2025」を開催した。
協会が公開しているデータによると、2024年のキャンピングカーの国内保有台数は16万5000台を超えており、この数字は調査を始めた2005年と比べると約3倍にもなる。
好調な伸びを見せるキャンピングカー界隈ではあるが、昨今は主要車種の納期が生産体制の都合で未定になるなど、「購入希望者はいても販売できるクルマがない」といった状況であり、大きな課題になっている。そのため、キャンピングカービルダーは取り扱い車種を増やすなどして需要に応えようとしている。
「納期が長くなる」という状況のなか、注目を集めているのが中古車だ。特にキャンピングカーベース車として人気のトヨタハイエースや日産キャラバン、それに日産NV200などは、中古車市場に多くあるクルマなので、それらをベースにキャンピングカーへ架装するということであれば、納期はグッと短くなる。
現在多くのビルダーが中古車ベースのキャンピングカー架装という販売方法を採っていて、ショーに展示するデモカーは新車販売用でありつつ、中古車ベースでキャンピングカーを作りたい人のための見本といった意味合いもあったりする。
こうした中古車ベースの販売は、架装する中古車込みで取り扱うケースもあれば、ユーザーが自ら中古車を探してきて、それをビルダーに持ち込むというパターンもある。ただ、あまりお勧めできないのはもともとキャンピングカーだった中古車を新しく作り替えるというもの。
一見すると効率がよさそうに思えるが、キャンピングカーはビルダーごとに作り方が違うので、もともと付いていた装備を再使用できないことが多い。また、ボディが加工されていると、新しく装備するものがつけられなかったりするので、中古車ベースでキャンピングカーを作るのであれば、ノーマルの車両を前提にした方がいいだろう。
こうして中古車ニーズが高まるなか、新たなサービスを開始したのが大手のキャンピングカー販売会社「ホワイトハウスキャンパー」だ。同社は中古住宅に新たな機能や価値を与えるリノベーションをヒントにした取り組みとして、「中古車×新内装」のサービス「リノモビ」(リノベーション+モビリティ)を開始。東京キャンピングカーショー2025でそのモデルとなるハイエースキャンパーを初公開した。
リノモビはベースこそ中古車だが、架装するポップアップルーフ、ギャレー、給排水タンク、冷蔵庫、テーブル、シート&ベッド、収納、照明、ヒーター、インバーター、走行充電装置、サブバッテリーなどはホワイトハウスキャンパーが扱う最新の装備になる。車内環境は新車ベースのキャンピングカーとなんら変わらないので、他人が使った内装そのままでは抵抗があるという人でも安心して購入できるのでは。
ひとり旅を意識したシンプルなキャンピングカーを探してみた
筆者は、「RVパーク」という車中泊施設を訪ねて、実際に泊まりながら施設の内容をレポートする連載をトラベル Watchで担当している。
取材に行くときは撮影がしやすいなどの理由から平日を選んでいるが、そんなときに遭遇するほかの利用者は「ソロでの利用」であることが多い。
クルマ自体もベッドキットを積んでいるくらいのライトな車中仕様車であることが多く、食事や夜のリラックスタイムは車外に展開したチェアに座って過ごしているという感じだ。クルマは主に寝るときだけ入るようなものであるから、車中泊というよりオートキャンプといった方がイメージは近いだろう。かく言う筆者もまさにそのスタイル。
そのため、クルマに求めるのは大人1人が寝られるだけの空間があること、就寝用のベッドやマットがあること、夜間に車内を照らす十分な明るさがあること、という具合。これだけでもRVパークやオートキャンプ場などのクルマ旅のための施設であれば、何も問題なく、気持ちよく車中泊を楽しむことができるのだ。
そこで今回の東京キャンピングカーショー2025では、ソロでの利用に適したクルマをピックアップしてみた。
ソロ向きのクルマというと軽自動車ベースの軽キャンパーがまっ先に思い浮かぶ。
軽キャンパーは車両価格が手頃なことや、取り回しのしやすさから以前から人気のジャンルであったが、ビルダーが想定しているユーザー層はカップルや夫婦が多く、装備も本格派のキャンピングカーユーザーと同じ目線で作られたクルマが多かった。
しかし、今年の東京キャンピングカーショーを見てみると、これまでどおりの充実仕様があるなかで、キャビネットやシンクといったキャンピングカーらしい装備を省き、ベッドキットを中心にしたシンプルな仕様に抑えているモデルも増えてるように感じた。
そして、そんなクルマの究極系?とも言えるのがホワイトハウスキャンパーが出展していたN-BOXキャンパーネオ。モデルとしてはポップアップルーフが大きなポイントであるが、注目したいのが室内の仕様。写真で分かるように一面にマットが敷いてあり、室内すべてがベッドになっているのだ。
これは同社のエアベッドを敷いたもので、その下のシートアレンジは純正の機構であるフルフラットモードにしただけ。このエアベッドは空気を入れたあとの構造を支える柱が数千本入っているので、段差のあるフルフラットモードの上でもベッドの型崩れがなく、人が寝転んでも不自然に沈んだりしにくいという。
これから車中泊をやってみたいという人は、このエアベッドの導入から始めてもよいだろう。なお、現在の軽ワゴンは室内の寸法がどの車種もほぼ同じなので、シートがフルフラットにアレンジできる車種であれば、このN-BOXと同じような空間が作れるだろう。
軽キャンパーの多くは2人でも就寝できる仕様になっているので、会場では機能を見せるために2名就寝モードで展示していることがほとんどだ。しかし、今回はソロでの利用でどうなのか?という部分を見たかったので、「これは」と思った車両の出展者にお願いをして、展示車のベッドモードをソロ用に変更してもらった。
そこで見えたのが「ソロ仕様にすることでコンパクトな室内ながら居場所が選べるようになる」ということ。軽自動車の場合、2列目シートを畳んでその上にベッドマットを敷いているが、ソロ用であれば片側のシートをたたむ必要がない。すると室内にはしっかり座れる「シート」の部分と足を伸ばして眠れる「ベッド」の部分を作れることになる。
シートとベッドが隣り合っているので、シートでくつろいだあと、眠くなったらすぐ横になれるというのもいい。朝に目覚めたときも少し体をずらせばシートに座ることができるのも楽だ。
充実装備のキャンピングカーも紹介
最後はここまで紹介してきたクルマとは違った魅力のある、キャンピングカーとして作り込まれたモデルを紹介しよう。見るポイントとして「ソロでの利用によさそう」という部分は変わっていないが、ここから紹介するのは車内で長い時間を過ごすことを前提にした居住性の高いクルマたちだ。
そしてもう1つ。幅広い車種で快適な車中泊を実現する装備としてポップアップルーフやルーフテントが挙げられる。「クルマの屋根で寝る」という体験は一般的な車中泊とは感覚が異なり、もちろんテント泊とも違ったワクワクを感じられるので、人と違った車中泊を体験したいなら、こうした装備を選んでみるのもよいだろう。

































































