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ANA、2016年度ANAグループ合同入社式を開催
ANAグループ33社、2498名の新入社員をANAホールディングス片野坂社長が激励
(2016/4/1 19:04)
- 2016年4月1日 実施
ANAホールディングスは4月1日、ANA(全日本空輸)などANAグループの2016年度合同入社式を開催した。2016年度のANAグループ新入社員は、グループ会社33社合わせ2498名と過去最多で、入社式は2015年と同様にボーイング 777-300ER型機(登録記号:JA789A)が駐機されたANA羽田空港機体メンテナンスセンターの東京第2格納庫内で行なわれた。
ANAグループ安全理念―安全は経営の基盤である
まず最初にグループを代表して、ANAホールディングス代表取締役社長の片野坂真哉氏が登壇し、挨拶と講話を行なった。「新入社員の皆さんには、本日、私達ANAグループにおいては『安全がすべて』であるということを、深く胸に刻み込んでほしいと思います。『安全は経営の基盤であり社会への責務である』。ANAグループのすべての役職員は、日々この『安全理念』を念頭に置いて仕事に臨んでいます。まだ皆さんには、安全が損なわれることの重大さを実感としてとらえることは難しいかもしれません。今年度は、過去に全日空が起こした雫石事故から45年目、松山沖事故から50年目、羽田沖墜落事故から51年目になります。今でも航空機事故は毎年世界のどこかで発生し、尊い乗客乗員の命が失われています。ANAグループでは、『二度と悲惨な事故を起こしてはならない』との固い決意のもと、安全の堅持のため、航空機運航に携わるすべての役職員がたゆまぬ努力を続けてきました。これからも、お客さまに安心してご利用いただくため、航空機運航はもとより、すべてのグループ会社がすべての事業において、お客さまの安全安心を守り続けなければなりません」と、ANAグループの安全理念について語った。
囲み取材で片野坂社長は「新入社員たちの目が輝いている。新入社員を迎えますと私たちも気が引き締まります。テロなどの厳しいことに遭うこともあるけれども、自分たちの仲間が支えてくれている。だから安心して職場に入ってきなさいと言うメッセージを込めて話をさせていただきました」と、講話についてコメントした
また「それでもなお、突然のトラブルが発生することがあります。この3月22日、ANAの国内線において、搭乗手続きや予約ができなくなるトラブルを発生させてしまいました。ANAを信頼して航空券をご予約・ご購入いただき、当日空港にお見えになったお客さまの大切な出張や旅行を突然台なしにしてしまい、お客さまの期待を大きく裏切る事態を引き起こしてしまいました。すべての関係する役職員が全力で対応と復旧にあたりましたが、多くのお客さまにご迷惑をおかけし、厳しいお叱りをたくさん頂戴しました。原因を究明し、再発防止策をとりましたが、お客さまの揺らいだ信頼を回復するため、引き続き全力を挙げていきます」と先日のシステムトラブルに関して触れ、「同日、ベルギーのブリュッセルの空港と地下鉄で爆弾テロが発生し、多数の犠牲者が出てしまいました。2015年11月にパリで発生した同時多発テロ以降、ブリュッセル線のご利用者数は大きく落ち込んでいましたが、ようやく渡航需要が回復してきた矢先での出来事です」と沈静化が進まないテロについても話し、「グローバル化が進んだ結果、テロだけではなく、紛争や疫病、自然災害や景気変動など、世界に散在するリスクがさまざまな試練となって突如として私達を襲います」と、グループの安全理念の重要さを説いた。
ANAグループの歴史―ANAのDNAであるチャレンジ精神で困難を乗り越えてきた
続き、「私達ANAグループは創業から64年間、さまざまな試練に見舞われてきましたが、そのたびに全社員が結束して立ち向い、これらを克服してきました。さらに、お客さまのご期待に応えるべく、ネットワークを広げ、ビジネスの枠を広げ、運航品質やサービス品質を高めて参りました。こうしたたゆまぬ努力が実を結んだ結果の一つとして、今年3月には国際線定期便就航30周年を迎えることができました。1986年3月にグアムに就航して以来、世界中にネットワークを広げ、現在は海外39都市に旅客便を運航しています。この間、失敗を恐れず、常に新しいことに挑戦してきました。世界に先駆けてボーイング 787 ドリームライナーを導入し、世界で最初に商業運航を始めました。沖縄には貨物ハブ基地を作り、日本初のLCCであるピーチ・アビエーションを立ち上げ、続いてバニラ・エアも設立しました。航空関連ビジネスだけではありません。訪日外国人の旺盛な消費需要に応えるため、全日空商事は百貨店と提携して空港外免税店を立ち上げます。ANAケータリングでは、イスラム教徒向けのハラール認証機内食も提供しています。海外からのお客さまによる国内線利用が増加していますが、国内線運航を主体とするANAウイングスや、各空港会社でも外国のお客さまのご利用が増えており、ANAグループのビジネスの追い風になっています。ANAグループはこれまで、幾度となくさまざまな困難に直面し、そのたびに知恵を結集し全員が力を合わせて乗り越えてきました。この不撓不屈の精神、チャレンジ精神こそがANAのDNAです。これからこのDNAを受け継いでいくのは、ここにいる皆さんです」と新入社員にANAグループの歴史を話し、チャレンジ精神を常に忘れないようにと語った。
新入社員へのメッセージ―合言葉は、一人ひとりが自己ベストを尽くそう
最後に片野坂社長は「ANAグループでは今年、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を見据え、新たな中期経営戦略を策定しました。世界中のすべてのお客さまを断トツの品質でおもてなしし、グローバルプレゼンスを向上させます。また、環境問題への対応や、観光立国・地方創生などの政府の重点政策に貢献することで自らも成長し、企業価値を高めていきます。総力を挙げ、『お客さま満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループを目指す』という経営ビジョンを達成します。ANAグループでは、国籍・年齢・性別・障がいの有無・言語・文化などを問わず、社員一人ひとりが輝きながら働き、世界中のお客さまを『あんしん・あったか・あかるく元気』におもてなしします。合言葉は『一人ひとりが自己ベストを尽くそう』です。ANAに所属する羽生結弦選手も福原愛選手も、我々が応援する高梨沙羅選手や国枝慎吾選手、各種スポーツ団体に所属するアスリートの皆さんも、ANAグループの仲間で2016年8月のリオデジャネイロ オリンピック・パラリンピックへの出場を決めている女子ラグビー日本代表の横尾千里選手、パラリンピック水泳代表の津川拓也選手も、これから出場を目指す選手も、懸命に技を磨いて自己ベストを出してきました。皆さんの先輩達は、厳しい訓練や教育・研修、業務経験を通じ、ANAグループに根付く安全文化や断トツの品質を守り、そしてさらに高めていくというDNAを吸収し、オリンピック・パラリンピック選手に引けを取らない、一人前のプロフェッショナルに成長しています。まさに、一人ひとりが己のベストを尽くしているANAグループの社員であり、そのような頼もしい先輩達が今日から皆さんを待っています」と、経営ビジョンを達成するための合言葉について説いたのち、「今日、この入社式に臨んだ初心を忘れずに、ANAグループの一員であることの誇りと責任を大切に、まず小さな一歩から確実に歩き始めて下さい。皆さんの自己ベストの発揮と今後の成長、大いに期待しています」と新入社員たちを激励した。
新入社員の決意表明は、ANAグローバルスタッフ職に就いた「セブラ・エミリー」さん
2016年度のグループ新入社員の誓いの言葉は、ANAグローバルスタッフ職(事務)に就いた米国国籍のセブラ・エミリーさんが、英語と日本語で披露。「片野坂社長より、熱い激励の言葉をいただき、グループ新入社員一同、身の引き締まる思いです。ありがとうございました。私たちは今日、これまで支えていただいた多くの方々への感謝の気持ちを胸に、社会人としての第一歩を踏み出します。そして私たちは今日からANAグループの一員として、安全、お客さま視点、社会への責任、チームスピリット、努力と挑戦を心に刻み、ANAグループにお寄せいただく信頼と期待に応えてまいります」と述べ、「先日いただいたANAブックを拝読したときに、その中に心に響く言葉を見つけました。『新しい歴史を作ろう』と言う言葉です。新しい歴史を作るという大きな仕事に携われることを、あらためて感じ、ここにいる大勢の仲間とともに歴史を作り上げていきたいという思いが込み上げてきたからです。ANAグループが架け橋となり、日本と世界の人々をつないでいくことで、新しい歴史を作り上げていくことになると思います。世界の夢にあふれる未来に貢献することを誓い、グループ新入社員の誓いの言葉とさせていただきます」と話し、その後に、役員も含めた出席者全員による記念撮影や、直径2mの地球儀型風船への代表者による寄せ書きなどが行なわれ、入社式は終了した。