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エミレーツ航空、A380型機「プレミアム・エコノミークラス」初公開。ゆったり高級感ある56席のレザーシートを試してきた

成田~ドバイ線に導入

2024年1月17日 公開

エミレーツ航空が成田~ドバイ線の「プレミアム・エコノミークラス」導入を記念して、機内お披露目イベント実施

 エミレーツ航空は1月17日、成田空港でプレスイベントを開き、昨年12月から成田~ドバイ線(週7往復)に導入した新しいエアバス A380型機の「プレミアム・エコノミークラス」内部を日本で初公開した。

 改修されたA380型機には、最新のキャビンクラス「プレミアム・エコノミー」が搭載。“一般的なビジネスクラスに匹敵する”という、ゆったりとした座席とワンランク上の食事、充実の設備にエンタメなどのサービスを提供する。

 また、ファーストクラスとビジネスクラスの客室には従来より明るい色調を取り入れるなど、内装も全面的に刷新されている。

 全4クラス(ファーストクラス/ビジネスクラス/プレミアム・エコノミークラス/エコノミークラス)、全484席となったエミレーツ航空の超長距離向けA380型機(25機)は、日本の成田が加わり現在、世界15都市で運航。また東アジア地域では成田が初の就航地となった。

 現行の運航スケジュール(成田~ドバイ線)は以下のとおり。

エミレーツ航空の成田~ドバイ線(2023年12月20日~)

EK319便: 成田(22時30分)発~ドバイ(翌05時30分)着、毎日運航
EK318便: ドバイ(02時55分)発~成田(17時20分)着、毎日運航

 この日、成田空港 第2ターミナルの搭乗エリア「エミレーツ・ラウンジ」を会場に行なわれた式典では、駐日アラブ首長国連邦大使館 経済部長 リーム・アルファラーヒ氏、エミレーツ航空 日本支社長 サティシュ・セティ氏、成田国際空港 上席執行役員 営業部門長 神﨑俊明氏の3名が挨拶。

 登壇者らは冒頭、1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」、そして1月2日に起きたJAL機と海保機の衝突事故について触れ、被災地の復興を願うとともに犠牲になった人々へ哀悼の意を示した。

 また、エミレーツ航空 日本支社長 サティシュ・セティ氏は、プレミアム・エコノミークラスを搭載した新型A380型機について「昨年12月20日、成田~ドバイ線へ導入して以来、お客さまからの反響は非常に大きく、私たちにとって励みとなっています。日本のお客さまに幅広い選択肢を提供し、卓越したサービスと快適かつシームレスな旅行体験を楽しんでいただきたい」とスピーチした。

エミレーツ航空 日本支社長 サティシュ・セティ氏
駐日アラブ首長国連邦大使館 経済部長 リーム・アルファラーヒ氏
成田国際空港株式会社 上席執行役員 営業部門長 神﨑俊明氏
成田空港 第2ターミナル 搭乗エリアにある「エミレーツ・ラウンジ」。プレエコ搭乗客も世界各国のエミレーツ・ラウンジを有料で利用できる
イベントにはメディア陣のほかに、日本の旅行会社や航空関係者などおよそ50人が出席。エミレーツ・ラウンジでシャンパンやアペタイザーが振舞われたあと、プレミアム・エコノミークラスを搭載した新型エアバス A380型機の内部がお披露目された
成田空港のランプ66に駐機するプレエコ搭載のエアバス A380型機。エミレーツ航空では世界15都市の超長距離路線に導入しており、日本路線は成田~ドバイ線のみ
搭乗口で迎えてくれるエミレーツ航空のCA。女性CAの制服は、砂漠をイメージしたベージュ色と赤い帽子にかかる白いベールのようなスカーフが特徴

エミレーツ航空「プレミアム・エコノミークラス」を日本初公開。機内前方にゆったりとした56席が並ぶ

2-4-2の配列で56席がレイアウトされた「プレミアム・エコノミークラス」のキャビン

 新しいA380型機では、メインデッキ(1階席)前方にプレミアム・エコノミーが位置し、2-4-2の配列で56席がレイアウトされている。キャビン内はアラブ首長国連邦の国樹「ケジリの木」をモチーフにクリーム色と木目調があしらわれ、明るい空間が広がる。

高級感あるクリーム色のレザーシート
ブロンズカラーの木目調がアクセントに

 各座席は、最大40インチのシートピッチと座席幅19.5インチのゆったりとした造り。ステッチデザインとクリーム色の高級感あるレザーシートには、6段階に調節可能なクッション付きレッグレストとヘッドレストが備わる。

 リクライニングは最大8インチの傾斜が可能。超長時間フライトも快適に過ごせるよう「深々としたゆりかごのような座り心地」を目指したという。

最大40インチのシートピッチ(1インチ=2.54cm)
フルリクライニングの状態
高さ調節できるヘッドレスト
6段階に調節できるクッション付きレッグレストとフットレスト
超長時間フライトも快適に過ごせる造り

 肘掛けには、折り畳み式で2段階に開閉できる木目調のテーブルが収納され、手元でリクライニングなどを操作できるスイッチが並ぶ。PCやタブレットの電源コンセント、USBポート×2、ヘッドフォンジャックも全席に完備される。

 またプレミアム・エコノミーは、13.3インチの高精細モニターで楽しめる最新の機内エンタメも特徴。1500本以上の映画をはじめ、テレビ番組、音楽、オーディオブックなど、40か国のコンテンツが揃い、モニターに搭載のBluetooth経由で自分のワイヤレスイヤホンに接続して視聴することもできる。

 なお機内では高速Wi-Fiが利用可能で、お得なプラン($2.99~)や「エミレーツ・スカイワーズ」会員向けの無料Wi-Fiサービスを提供している。

2段階に開閉できるテーブル
テーブルは折り畳み式で肘掛けに収納
手元のボタンでリクライニングやレッグレストを操作
機内持ち込み荷物の収納スペース
ハンガーフック
13.3インチの高精細モニター
モニター下部にUSBポートとヘッドフォンジャック
正面から見るとこんな感じ
角度調節も可能
肘掛けまわりにもヘッドフォンジャック。その下にAC電源
窓側席は、シート肘掛けと窓枠までがやや離れているので圧迫感がない
窓は、電動式ブラインドを2段階の明るさで開閉できる

 機内食は、その土地ならではの軽食やコース料理を和洋の好きな方から選べる。メニューはエミレーツのマスターシェフが考案した月替わりで、たとえば取材時の成田発ドバイ行き(プレミアム・エコノミー)ではウェルカムドリンクから始まり、ディナーにローストパンプキンサラダ、メインのビーフショートリブ蒸し煮または照り焼きチキン、デザートのレモンタルト。

 朝食には季節のフルーツとギリシャヨーグルト、スクランブルエッグのチャイブ添えまたは赤魚のロースト、全粒粉パンとクロワッサン、インスタントカップヌードルがラインアップしていた。

 無料のドリンクメニューにはソフトドリンクのほか、オーストラリアのスパークリングワイン「シャンドン」を含む高級ワイン、ビール、スピリッツも揃う。

成田発~ドバイ行きの機内食一例

 なお子供の機内食は、カラフルなトレイで特別食を用意し、優先的に配膳(内容はクラスごとに異なる)。乳幼児にはオーガニックのベビーフードや粉ミルクを、その他の特別食(要事前予約)は要望に応じて、ベジタリアン、ビーガン、グルテンフリー、糖尿病ミール、ブランドミール、塩分控えめ、低脂肪、低乳糖などを用意する。

子供用の機内食一例(内容はクラスごとに異なる)。赤ちゃんには離乳食や粉ミルクのほか、哺乳瓶や前掛け、ウエットシートなどのアメニティも用意

 プレミアム・エコノミーの各座席に用意されたアメニティキットの中身は、サステナブル素材のポーチに靴下、アイマスク、歯ブラシ、歯磨き粉、しおり。

 そのほか大人用と子供用のヘッドフォン、ミネラルウォーター、プレミアム・エコノミーの乗客向けに特別デザインされた柔らかいブランケットと大型枕が用意されている。

アメニティキットは、再生クラフト紙を活用したポーチのなかに靴下、アイマスク、歯ブラシ、歯磨き粉、しおりが入っている
最大6500の機内コンテンツを楽しめるモニター用のヘッドフォンと前のポケットにミネラルウォーターが各席に用意。足元が広々していて、身長165cmの記者が座ってフットレストに足をかけたり伸ばしたりしても窮屈感はなかった

 また12歳未満の子供には、世界のさまざまな文化をデザインしたバッグとおもちゃが年齢に応じてプレゼントされる。

 パズルやお絵描きセット、ぬいぐるみ、飛行機をモチーフにしたブランケットなどのアイテムから好きなものを2種類選べる。

子供の搭乗客にはカラフルなバッグ(ベルトバッグ/バックパック/ダッフルバッグなど)とおもちゃ(パズル/お絵描きセット/ぬいぐるみなど)をプレゼント

 そのほか地上サービスでは、ドバイ国際空港でプレミアム・エコノミークラス専用チェックインカウンター利用、優先搭乗・優先降機、ベビーカー無料貸出、手荷物許容量35kg、世界各地のエミレーツ航空ラウンジ有料利用(シルバー/ゴールド/プラチナのスカイワーズ会員は無料)などがある。

多言語を話せる3名のCAがプレミアム・エコノミークラスを専属担当
清潔感のあるギャレーやトイレ。アラブ首長国連邦の国樹「ケジリの木」のモチーフもプレエコの至るところにあしらわれている

 なお、成田発ドバイ行きのWeb運賃(1月19日時点)は、ファーストクラス134万6350円~、ビジネスクラス53万6450円~、プレミアム・エコノミークラス26万7850円~、エコノミークラス13万7150円~。