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ケアンズ観光局、直行便増加やインフラ整備が進み日本人旅客も70%に回復。世界遺産と“大自然のなかの小さな街”をPR
2023年9月14日 20:35
- 2023年9月14日 発表
ケアンズ観光局は9月14日、東京都港区のオーストラリア大使館でプレス発表会を開き、「オーバーツーリズムに悩まされない“未来を育む観光のカタチ”」をテーマにプレゼンを行なった。
クイーンズランド州の北部にあるケアンズは人口15万5000人ほどの小さな田舎の都市ながら、2つの世界自然遺産「グレートバリアリーフ」と「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」を擁するオーストラリア屈指の人気エリア。
ケアンズ観光局によると、コロナ前の2019年に日本からオーストラリアへ訪れたのは45万7852名。そのうち31万2628名が観光・レジャーを目的とし、なかでもケアンズ・グレートバリアリーフへの観光客は全体の34%(10万5237名)を占めた。
2023年6月には観光客数が2019年比の70%まで回復し、夏休みシーズン7~8月の数値も順調に推移したという。
その大きな要因の1つとして、日本~ケアンズ間の直行便の増加が挙げられる。2019年8月時点では成田と関空から週14便で運航していたものが、2023年6月にヴァージン・オーストラリア航空が羽田に新規就航したことで現在週19~21便に。
日本の3つの空港から直行便が就航するのはオーストラリアではケアンズが唯一で、過去3か月間、全世界におけるケアンズのルートリサーチ(ケアンズ行きの航空路線を予約もしくは検索した人の国別データ)では、1位が関空、3位が成田、6位が羽田という結果が出ている。さらに、直行便が飛んでいない福岡が16位、セントレア(名古屋)が18位といずれもトップ20にランクイン。
この数字から、日本人のケアンズ旅行(ワーホリやビジネスなどを含む)に対する興味関心の高さがうかがえ、ケアンズ観光局 局長のマーク・オルセン氏も「オーストラリア運航政府の特別予算を活用し、日本の旅行会社やメディア、パートナーの皆さまと取り組んだプロモーションによる結果。日本は私たちにとって非常に重要なマーケット」であると語った。
またこの3年間では、ケアンズ空港、海岸通りのエスプラネード(マリーナから約3kmにわたる遊歩道)、コンベンションセンターといった主要スポットで観光再開と旅行者の受入れに向けたインフラ整備も進められた。
これについて「ケアンズは気軽に行ける“大自然のなかの小さな街”。アクティビティやグルメなど魅力も詰まっている。日本からのお客さまがケアンズで笑顔になれるよう、次期に向けて努力していきたい」とマーク・オルセン局長。
ここで懸念されるのが、渡航者が増えすぎたことによる環境保全の問題。しかし、世界遺産の玄関口であるケアンズでは「観光客誘致は重要な活動である一方、観光客が増えることで何かを失うことは絶対に避けなければならない」という意識のもと、エコツーリズムの取り組みが根付いているという。
たとえば、世界最大のサンゴ礁群「グレートバリアリーフ」の観光では、1日に入島できる人数を100人に制限すること、自然アクティビティで使用する道具はすべてスタッフが運びゴミ一つ残さないこと、サンゴにやさしい泳ぎ方を教えることなど。
またケアンズ観光局 セールス&マーケティングマネージャー・アジアの坂本サム氏によると、グレートバリアリーフ訪問にかかる費用のなかには「環境管理税(リーフ・タックス)」が含まれており、「その資金は環境調査・研究・保全に充てられる。たくさんの方に来ていただくことで、より環境保護できる仕組みを作っている」と説明。
そのほかケアンズ市街地では、“道にゴミを捨てると川に流れてしまう”と注意喚起するメッセージ、国籍問わず理解できるようピクトグラムを使ったマナー案内、マイボトルにいつでも水を汲めるよう至るところに設置されたウォーターサーバーなど、サステナブルな街づくりが進んでいるという。
今回のプレス発表会では、ケアンズ観光大使“リーマントラベラー”の東松寛文氏とケアンズマラソン アンバサダーの福島和可菜氏・福島舞氏がゲストとして参加し、楽しい写真とともにこれまでケアンズを旅したエピソードを紹介。
グレートバリアリーフでのシュノーケリング、幻想的な早朝の気球ツアー、マリーナの人気レストランで食べる豪快シーフード、海沿いの街散策やカフェでのひととき、熱帯雨林を走るキュランダ観光鉄道など、とにかく見どころの多いケアンズ。東松氏は、さまざまな体験をとおして「地球が生きていると感じる」と語った。
ちなみにケアンズ旅行を満喫するなら5泊6日以上が理想という。ケアンズ観光局の公式サイトでは、「カップル/ハネムーン向けプラン」「ミドル世代向けプラン」「ファミリー向けプラン」と、定番スポットから穴場まで楽しめる世代別モデルコースも紹介している。