旅レポ

世界遺産の熱帯雨林へ空からアクセス! ケアンズ近郊のキュランダで“最古の森”と絶景バロン滝に出会う

ケアンズで体験したアクティビティを紹介します

 3月中旬に訪れたオーストラリアのケアンズ&ゴールドコースト。本稿では、大自然に囲まれた観光都市ケアンズで楽しんだアクティビティを中心にご紹介します。

静かで大人なビーチリゾート、パームコーブで朝食を

緑のなかの気持ちよい時間

 ケアンズから北へクルマで30分ほどのところにある小さなリゾート地「パームコーブ」。ここはケアンズに到着した日の朝、ホテルに荷物を置いてからすぐ向かった場所で、朝食を食べるためにレストラン「ChillPORT@FINO」を訪れました。ローカルにも人気のお店のようで、店内は朝からたくさんのオージーたちで賑わっていました。

“ヤシの木の入江”という名前のとおりビーチ沿いにはヤシの木がたくさん

 パームコーブのビーチ沿いにはリゾートホテルが立ち並んでいてちょっとしたショッピングモールなども。ゆったり落ち着く大人のリゾートといった雰囲気でした。今回は朝食だけでしたが、数日間ここでのんびり滞在するのもいいなぁと思いながらオーストラリアでの最初の食事を楽しみました。

粋なネーミングの「SEXY BANANA BREAD」をオーダー。20オーストラリアドル(約1800円、1A$=90円換算)
フラットホワイト。オーストラリアで定番のミルク入りコーヒー。ラテよりもよりコーヒーの風味が楽しめます
恐竜っぽく見えるヤシの木
桟橋は釣り人に人気とか
ひょっこりひょうたん島!?
木がとても印象的だったパームコーブ。建物のなかをど~んと貫いていたりするのですが、切らずに共存しているのです

ケアンズ観光局の公式マスコット「ケアッピ」をご紹介!

新しいお友達

 ここで、ケアンズ観光局の公式マスコット、「ケアッピ」をご紹介しましょう。モチーフはケアンズ&グレートバリアリーフのシンボル、ウミガメです。というのもグレートバリアリーフには、地球上に生息する7種類のウミガメのうち6種類がいるのだそう。ケアッピは、デザインを勉強している300人以上の学生さんが考案した作品のなかから選ばれました。

頭についているユリシス・バタフライは“幸せの青い蝶”

 ケアッピが頭につけているのは、時速40kmで飛ぶといわれている世界最速クラスの蝶「ユリシス・バタフライ」で、1日に3回見ると幸せになれるのだとか。ケアンズ近郊の熱帯雨林で見られるということで、次に向かったのはその熱帯雨林です。

太古から変わることのない熱帯雨林の上を空中散歩

世界遺産の森をロープウェイ「スカイレール」で

 ケアンズの見どころといえば、2つの世界遺産「グレートバリアリーフ」と「熱帯雨林」。グレートバリアリーフは世界最大の珊瑚礁群として認知度が高いと思いますが、「世界遺産の熱帯雨林って何?」という人が多いのでは。実は私も今回行くまでは知らなかったのですが、訪れてみるとすごい場所でした。

スカイレールのゴンドラは6人乗り

 その熱帯雨林に囲まれたキュランダという小さな街へ行くのが、ケアンズの人気アクティビティの1つ。今回はスカイレールというロープウェイで向かいました。途中2つの駅があって、乗り換えのためにゴンドラを降りるのですが、最初のレッドピーク駅ではレンジャーによるガイドツアーに参加。この日は日本語が少し話せるマイクさんの案内で、鳥のさえずりを聞きながら15分ほどボードウォークをしました。

対照物がないので分かりづらいですが、この赤い植物かなり大きいのです

 ケアンズ北西部に広がるこの熱帯雨林は、1億3000万年前の植物がほとんどそのままの姿で生きているというミラクルな場所で、“世界最古の森”と言われているのだそう。見上げるとさまざまな樹木が覆いかぶさるようにして生きており、私たちがいる場所には太陽の光がほとんど届かないほど鬱蒼としています。

レッドピーク駅で降りてボードウォーク
ジャングルウォークみたいで楽しい
ガイドをしてくれたレンジャーのマイクさん

 マイクさんによると、ここは動植物たちがユニークで気の遠くなるような生存競争を経て生きのび、何百万年にもわたって進化してきた森だといいます。例えば「締め殺しのイチジク」。もともとあった木の枝付近に鳥の糞によって運ばれたイチジクの種が発芽し、根を垂らしながら成長。やがて主木を絞め殺してしまうのだそう。絞め殺すって……。

シメコロシノイチジク

 レンジャーのマイクさんが片言の日本語で「シメコロシノイチジク」と何度も説明するのがなんともおかしかったのですが、(すごい生命力! ここはそうやって生き残ってきた“種”だけが今も進化し続けている世界最古の森なんだなぁ~)と感心せざるをえなかったのでした。

樹齢400年の“キング オブ ジャングル”と呼ばれているカウリの木

 すごいのは植物だけではありません。ここには熱帯雨林の恐竜鳥といわれる「ヒクイドリ」が生息しています。大きな足で指の先には長くて鋭い爪を持ち、まるで恐竜のよう。私たちは出会えなかったのですが、運がよければ姿を見ることができるそうですよ。

展示してあったヒクイドリと雛の剥製。姿かたちはエミューやダチョウっぽい
植物も恐竜の時代っぽい

 再びゴンドラに乗りこみます。この区間から見下ろす熱帯雨林の景色は大迫力! 見たこともない植生の深緑の森がどこまでも続いていて、本当に恐竜が生息していそうな気配でした。途中で見える巨大なブロッコリーのような木は、映画「アバター」ででてくるあの“木”のモデルになったと言われているとかいないとか(定かではありません)。

再び乗り込んだゴンドラ。ここから見える原始世界のような森がすごい
アバターの木?でも本当に映画に出てくるパンドラのような場所でした

 スカイレールに乗車する際は、解説アプリをスマホにダウンロードしておけば、ゴンドラ内で解説オーディオガイドが日本語で流れるので理解度アップ! オススメです。

「Skyrail」のアプリ画面
AR機能を使うと画面上でヒクイドリを見ることができます

 2つ目の駅、バロンフォールズ駅から5分ほど歩くと、ド迫力の滝が見える展望デッキが現われます。雨季ということに加えて、2~3日前に大雨が降ったとかでバロン滝はものすごいことに! まわりのほとんどの人がスマホで動画撮影していました。

見晴らし展望エリア。床の一部がスケルトン
あちこちで「Spectacular!(素晴らしい!)」という声があがっていたバロン滝。数日前に豪雨があったそうで滝の水量がとんでもないことに
増水したバロン川の上をゴンドラで通過。いかにもワニがいそうです(実際いるらしい)

 バロンフォールズ駅から10分ほどで目的地キュランダ駅に到着しました。着く寸前に駅舎に設置されたカメラのフラッシュが光って撮影があります。観光地あるあるですが、記念写真(有料)を思い出に持ち帰ってみては? あとでデジタル版をダウンロードすることも可能です。

スカイレールのキュランダ駅にはお土産ショップ

 キュランダ駅からキュランダの街までは歩いてすぐ。小さな街ですが工芸品やアクセサリーなどの個性的なショップが立ち並んでいます。なお、キュランダへのアクセスは今回ご紹介したスカイレールのほかに、キュランダ観光鉄道も。見える景色はまったく違うと思うので、行き帰りで組み合わせてみるのもいいですね。ケアンズからキュランダへはツアーに参加するのが一般的のようです。

キュランダの街はどこかヒッピーカルチャーの香りがするなと思ったら1960年代にアーティストやヒッピー達が集まって住み着いた歴史があるのだとか
そういえばケアッピの頭に付いているユリシス・バタフライには出会えませんでした

ケアンズシティを散策、夜はナイトマーケットに繰り出して

キュランダからケアンズ中心部に戻ってきました

 ケアンズはコンパクトなうえ、碁盤の目状になっているので散策しやすい街。朝から晩まで賑わっているのは海岸通り沿いのエスプラネードという目利き通りで、ホテルやカフェ、レストランが続きます。滞在中、お気に入りのカフェを見つけて通うのもいいですね。

フィッシュアンドチップスにビールが美味しい
ケアンズ・アート・ギャラリーは地元アーティストの作品やアボリジナルアートも

 夕方以降は毎日オープンしているナイトマーケットに行くのもお勧め。オーストラリアの名産品や雑貨、アクセサリーなどお土産探しにもいいですよ。なかには日本語で声がかかる激安マッサージ店も。昼間のアクティビティで疲れた身体をほぐしてもらえます。

ケアンズ ナイトマーケットは毎日17時~深夜までオープン
なかはこんな感じ。フードコートもあります
雑貨やリゾートウェア、アボリジナルアートのグッズ、オーストラリアの特産品など

 滞在中は大手スーパーマーケット「Woolworths(ウールワース)」も行ってみました。ちょうど日本の修学旅行生が買い物をしていて、まるで日本のスーパーのようでした。街の中心の便利な場所にあるので行きやすく、平日は朝6時からオープンしているのも便利です。

TrailMix(トレイル ミックス)というフルーツやナッツの詰め合わせ。オージーっぽい!
ジャガイモの種類いろいろあってちょっと興奮
オーストラリア名物のベジマイト
ホテルの朝食では必ずトーストに付けて食べていました。バターと一緒に塗るのがベスト

クリスタルブルック ベイリーの「CC'S BAR&GRILL」でディナー

2019年11月オープンの「クリスタルブルック ベイリー」。市内中心部に位置するコンテンポラリーな新ホテルです

 この日の夕食は、宿泊した「クリスタルブルック ライリー」の同系列ホテル「クリスタルブルック ベイリー」の地上階にある「CC'S BAR&GRILL」へ。早朝到着で朝からめいっぱい行動していた長い1日の締めくくりに美味しいステーキをいただきました。

ホテルエントランスには鯨が描かれた巨大壁画アート
ロビーも洗練されていて素敵。そしてとってもいい香り
ベイリーのお部屋の一例。宿泊したライリーとはまたちょっと違う佇まい

 ケアンズの西にあるアサートン高原から仕入れた最高級の牛肉など、豊富な地元食材を楽しめる「CC'S BAR&GRILL」は、数々のレストランオブ・ザ・イヤーを受賞したこともある実力派。お店のコンセプトは「オーストラリアのアウトバックで育った少年がニューヨークの寄宿舎付きの学校に入ってだんだん洗練されていくイメージ」からインスピレーションを得ているのだとか。分かるような分からないような感じですが(笑)、ケアンズでは間違いなくおシャレで上質なレストラン。カジュアル過ぎず、堅苦し過ぎず、雰囲気バツグンのお店でした。

活気あるオープンキッチン
ケアンズ滞在中に一度はオシャレして行きたいお店
豊富なワインリストも自慢だそう
どれがメインか分からないような豪華さですが、美味しいステーキがメイン

 次稿はヘリコプターフライトで美しいサンゴ礁を上空から眺めながら降り立ったグリーン島でのアクティビティをご紹介します。

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。