旅レポ

ロックワラビーの瞳とお手手にきゅるるん! 気球フライトでマリーバ探訪! キュランダでは熱帯雨林で鳥になってみた!

ケアンズ近郊のマリーバは、豊かな自然の恵みを空から陸から満喫できる知る人ぞ知るスポットなんです

 オーストラリアといえば、シドニーやメルボルンにタスマニアにウルルとさまざまな注目エリアが盛りだくさん。そんななか時差も1時間で日本から一番近いオーストラリアで年中常夏なエリアといえば、ケアンズですよね。

 熱帯雨林にグレートバリアリーフの2大世界遺産を有しており、ダイビングや散策をはじめ豊かな自然が満喫できるアクティビティが多く楽しめる場所。今回はそんな魅力あふれるケアンズの近郊をフィーチャー。マリーバ、さらにキュランダへ! ちょっとでも気になったら、ぜひ次の旅のスケジュールに入れてみて!

気球に乗るために朝3時起床。ケアンズ&マリーバの朝は超・超・超〜早いんです

 熱気球内部と外気の温度差により浮力を生むため、気球体験に早起きはつきもの。利用した「hot air BALLOON CAIRNS」の「往復送迎付きケアンズクラシック熱気球」(440AUD)は、4時にお迎えのワゴンがホテルに来るため朝3時起きです。

ワゴン車が迎えにきてくれます。こちらは帰るときの写真
「MAREEBA HERITAGE MUSEUM」で一旦休憩。まだほぼ夜

 ピックアップ後に注意事項のビデオ(日本語)を鑑賞し、あっという間にマリーバに到着。朝焼けとともに準備中の気球が3機見えてきました。ちなみに、マリーバは晴天率が高く1年のうち330日ほどが晴れ。周囲の山が風と雲を抑え、大気が安定しているので“マリーバ=気球の町”とも呼ばれているんです。

朝と夜のはざまに熱気球が3機佇んでいました

 準備ができた熱気球からグループごとに乗り込み出発。気球はゆっくりと上空へ。

音もなく浮かび上がるのはとっても不思議な気分!

 朝日を眺めたあとは、果樹園の方へと向かいカンガルーなどの野生動物探しがスタート。さらにスタッフによるマリーバ周辺の農産物に関する説明も。

四角い木々はマンゴー畑です
カンガルーが走り去ります。90%以上の高遭遇率とのこと
パノラマビューが遠くまで広がります。贅沢な1日の始まりっ

 着陸エリアは天候や風向きなどにより毎回異なるんだそう。ハラハラしながら無事に地上へ。と、ここで終わらないのがイイトコロ。なんと、お片付けも1つのアクティビティとして楽しめちゃうんです。

お片付けの前に気球内部へ!
みんなで力を合わせて空気を抜いていきます、意外とパワー系

 ひと仕事終えたら、朝食タイムがスタート。乗るだけじゃない、片付けたり食べたりとそのあとのお楽しみが満載で思わずほかの参加者とのおしゃべりが自然と弾む、そんなフレンドリーな空気が漂います。

働いて小腹が空いたタイミングで朝食兼祝賀会がスタート
朝シャンだってOK。労働(?)後のお酒は美味い!

 シャンパンやジュース、マリーバ産のフルーツをかじってニッコリ。日本では味わえない、充実の朝っぷり。この時点でまだ8時台と1日は始まったばかり。ホテルに直帰コースもいいですが、そのままマリーバでの滞在やオプション付きのツアー参加がお勧めです。

フライト証明書ももらえました
今回の熱気球体験を担当したクルー。笑顔がまぶしい!

コーヒーの名産地・マリーバさんぽ。「Coffee Works」は休憩にぴったりの癒しの空間です

 のどかな高原エリア・マリーバは先ほど空から眺めたように農業がとっても盛ん。マンゴーやライチをはじめとするフルーツ農園に広がるサトウキビ畑、そしてコーヒーファクトリーとさまざまな美味しいが集まっています。

 そんなエリアの休憩どころとして人気なのが「Coffee Works」。ブティックロースターにチョコレートショップが合わさったショップで、1988年に「Rusty's Markets」の一角で始まったんだそう。

パープルの看板が目印です
さまざまなエリアのコーヒー豆がずらり!
道具系もいろいろあるので宝探し気分で楽しめますよ
幸運の蝶・ユリシスを思わせるデザインチョコも

 コーヒーは注文するとして、ここで筆者が注目したのが紅茶。コーヒーだけでなくローカルの紅茶もかなり美味しいんです。メニューの“locally grown highland teas”セクションから「Hills of Clouds-Full Rounded Body」(6AUD)をチョイスしました。

紅茶とともに「Fruits&Nuts Rocky Road」(3AUD)もパクっ
マリーバはナッツも豊富に採れるので「Fruits&Hazelnuts Loaf」(5AUD)もお勧め
「Scone」(6AUD)はジャムとクリーム付きでお得!

ロングまつげにうるるん瞳、ちんまりな手に心奪われるっ! マリーバロックワラビーがかわいい過ぎっ

 コーヒー&紅茶ブレイクを挟んでもまだ10時前。ということで、野生のマリーバ・ロックワラビーと触れ合える「Granite Gorge Nature Park」に向かうことに。めずらしいマリーバならではのいきものに出会える人気の場所で、キャンプサイトも併設しています。

この看板が見えたら、もうすぐ
エリア内は基本オフロード

 ロックワラビーの本物の爆発的なキュートさに全員がメロメロに。午前中の早い時間は、比較的涼しく彼らも活発に動き回っていました。性格の合う子と仲良くすると、なでさせてくれたりと野生とは思えない慣れ具合がたまりません(でも突然走ってどこかにいったりも)。

レセプションで入場料を支払い、ロックワラビーのエサ(2AUD)を購入
ロックワラビーたちの住処。岩の向こうにはアウトバックが広がります
ゆっくり味わって食べる子でした。手がちっちゃい!
食べ終わってもしばらく余韻を味わっていました
なでなでタイム中もおねむな表情。ふわんふわんです
ほかの子のポケットのなかには赤ちゃんもいましたよ

 ちなみに、この時点でまだ午前中。ということで、午後はキュランダへ向かうことにしました。マリーバからはクルマで約30分ほど。1日で2エリア巡っても問題なしの近さがありがたいっ!

水陸両用車で熱帯雨林体験、静かに時を刻む植物たちと会話を楽しんで

 続いて訪れたのは、世界遺産内に位置する「レインフォレステーション ネイチャーパーク」(Big Nature Package:大人59AUD、子供37ADU)。

 1976年オープンで「アーミーダック」「パマギリ文化体験」「ワイルドライフ・パーク」の3つのアクティビティが一度に体験できるテーマパークです。

「レインフォレステーション ネイチャーパーク」に到着! 個人的には5年ぶり

「ワイルドライフ・パーク」では、落ち着いた環境のなか動物たちがスヤァ〜。オーストラリアを代表するコアラにカンガルー、ワラビーにタスマニアンたちが暮らしています。

 さらに幻の鳥・ヒクイドリのケータにも会えます。ちなみにキック力と足の爪の威力がすさまじく、蹴られると腹が裂けるんだそう。熱帯雨林で突然出会っても絶対に近づかず、そっと見守る程度で。

夜行性のタスマニアン・デビルはすやすや夢のなか
カンガルーも無防備に寝ていました。かわいい
コアラもぐっすり、と思いきやこっちを見ていました
熱帯雨林の種の運び屋・ヒクイドリのケータがごあいさつに来てくれましたよ

 続いては「アーミーダック熱帯雨林ツアー」に参加。1942~1943年製の米国製軍用車両に乗り込み熱帯雨林探検に出発! ダックキャプテンが、熱帯雨林についてそうとうの知識量で説明してくれます。

アーミーダックに乗り込み熱帯雨林へ!
恐竜時代そのままのワイルドな植物たちが出迎えてくれます
“ちょっとまっての木”に、ちょっと待ってされるキャプテン
5年ぶりのスタグホーンファーンはきちんと成長してました

 もちろん水のなかへもザバーン! と、ここで幸運の蝶・ユリシス発見! ちなみに1日に1回見れると幸せに、2回は普通、3回はお金持ちになれるそうです。

水陸両用車の本領発揮
野生のユリシスにも出会えました。真ん中あたりに、ほら!

 文化体験として「パマギリ・アボリジナル文化体験」もしっかりと受講。文化の尊重と継承・共有のため行なわれているアクティビティで、地元のパマギリガイドが案内してくれます。ディジュリドゥの演奏方法解説と槍・ブーメランを使った狩り体験、さらにダンスショーの2部構成です。

蜜蝋をつけると口が痛くないそう。鳥や動物の鳴き声も表現してくれました
伝統的なブーメラン投げで、戻ってくるかに挑戦!
歓迎から蛇、ヒクイドリのダンスなどを披露
アートについても少し勉強。ケアンズ周辺の特徴はスケルトン。その土地で何が採れるのかが一目瞭然なんです

 パークでは、新たな試みとして、蒸留所「MOUNTAN GROVES TROPICAL SPIRITS」を併設し、地元産フルーツを使ったリキュールの製造もスタート。マンゴー&チリやパイナップル&シナモンに、パッションフルーツ&ペッパーベリーなど特徴的なフレーバーを揃えています。これは一度飲んでみたいですよね。

新たな事業として蒸留所が誕生しました
小ロットの手作りのリキュール、見かけたらぜひ手に入れたいところ

 たっぷりパークで遊んだら、お腹もぐ〜っと空いてくる頃。「OUTBACK RESTAURANT」に向かうとできたてメニューが待っていました。お肉料理が中心でサラダバーも併設。特徴は「Native Lime Dukkah」「Davidson Plum Chutney」など、ブッシュタッカー(アボリジナルピープルの伝統料理に使われる食材)も味わえること。

お肉中心のパワーメニューを頬張って!
パンプキンスープも、まろやかでお勧め

 なお、コアラ抱っこも同園では可能ですが、ケアンズ市内の「シャングリラホテル」内「ピア・ショッピングセンター」の「Cairns Koalas & Creatures」にて11月13日から撮影が可能に。今回はふわふわお耳がチャームポイントのルルちゃんとセッション。そのどっしり感に癒されました。

ルルちゃんは、ユーカリのよい香りがふわっとしました

キュランダエリアをサクッとお散歩。手作りアイテムが並び独特の雰囲気漂う、クセになる場所

 ケアンズに戻る前にちょっと寄り道。「キュランダ・ヘリテージ・マーケット」や「キュランダ・オリジナル・レインフォレスト・マーケット」を30分ほど散策。

 ヒッピーな香りがする小さなショップが連なり、ゆる〜くて心地よい雰囲気が流れています。アボリジナルアートに地元産はちみつ。雑貨屋やファッションアイテムまでいろいろ。

キュランダのマーケットはちょっと変わったアイテムとの出会いが期待できる場所
手作りのオブジェが軒先に並びます
「HONEY HOUSE KURANDA」ならハニカムもリーズナブルに手に入りますよ
レインボーやダイダイデザインのアイテムも

スカイレールで空中散歩。ぐぐーんと伸びる熱帯植物の特性と広大な森を空からじっくり観察できます

 キュランダ訪問の大きな目的はケーブルウェイ「SKYRAIL RAINFOREST CABLEWAY」での空中散歩。クイーンズランド州の湿潤熱帯地域を空側から観察するのにベストなんです。世界遺産を“空から”って、鳥気分でなんだかワクワクしますよね!

「SKYRAIL RAINFOREST CABLEWAY」のKURANDA駅に到着、マーケットから徒歩すぐ
売店にて。ヒクイドリをダイナミックに配置した各種アイテムがいっぱい! 結構好み
いよいよ乗り込みます、完全にアトラクション!
「Skyrail App&Audio Guide」で解説も聞けます

 1億3000年前の姿そのまま、手付かずの熱帯雨林はワイルドそのもの! グリーンの濃い植物たちが上へ上へと太陽を取り込むために30m以上に成長した姿は、生きるパワーを感じずにはいられません。これは絶対に肉眼でじ〜っくり見るしかないっ。

バロン川の上流を超えて、まずはバロン滝を目指します
「Barron Fall」駅で途中下車徒歩でビューポイントへ。ひんやり涼しい〜
バロン滝に到着! 遠くにキュランダ鉄道も!(2018年の記事をご参照ください)
12月から4月にかけては、すごい水量に。展望台にいても水飛沫がかかるそう

 再びスカイレールに乗り込み、RED PEAK駅→Skyrail Smith Field Terminalを目指します。と、ここから世界遺産らしさの本領発揮! 一気に風景が変わり、キャビンですら木々に囲まれるほどの近距離で熱帯雨林が迫ってきます。

思わず「木々が大きすぎ!」と盛り上がる近さ
途中には有名な・アバターの木もありますよ!
90万ヘクタールと、とにかく広大。でもオーストラリアの総陸地の0.12%に過ぎないそう。スケールが凄過ぎます

 後半のハイライトは、グレートバリアリーフと熱帯雨林が交差する瞬間が楽しめること。そしていよいよ下車駅に近づいてくると一気に景色が変わります。濃く青々としていた木々が、急に薄い色合いとなり熱帯植物からユーカリにパッと切り替わります。自然ってホントにすごい!

グレートバリアリーフと熱帯雨林が一度に鑑賞できる特等席!

 なお、利用料金は片道乗車からキュランダ鉄道との組み合わせまでいろいろ。個人的にはケーブルウェイ、キュランダ観光、「Kuranda Scenic Railway」(Gold Classへのアップデート)セットが超お勧め。バス送迎もあるので、時間と予算でベストなチョイスを。もちろん「片道が物足りない、もっと空中散歩を楽しみたい!」なら行き帰り両方ケーブルウェイも大アリです!

各種お値段はこちら。価格以上の体験価値はあると断言できます
相川真由美

ライフスタイル系雑誌の編集アシスタントを経て、IT系週刊誌・月刊誌で10年以上編集者として刊行にたずさわる。現在は、フリーの編集記者として国内外のテーマパークやエンタメ、ならびに観光、ファッション関連を中心に執筆中。