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営業運転前のスペーシアXで日光までいってきた。1号車カフェラウンジなら車内限定クラフトビールやコーヒーで優雅に過ごせる！
2023年6月8日 14:00
- 2023年7月15日 営業開始
東武鉄道が7月15日から営業運転を開始する、新形特急車「N100系」のメディア向け試乗会が開催された。新形特急の愛称は「スペーシアX」で、現行の100系「スペーシア」（SPACIA）の後継モデルだ。
車両内の詳細については既報のとおりなので、今回は実際に路線を走行した模様をお伝えする。浅草を10時30分に出発し、東武日光に12時21分に到着する111分の行程で、限られた時間ではあるが1号車から6号車まで見ることができた。
スペーシアXは、1号車がカフェラウンジを備えたコクピットラウンジ、2号車がプレミアムシート、3～5号車がスタンダードシート、6号車が個室のコンパートメントとコクピットスイートという仕様だ。
1号車コクピットラウンジ＋カフェ
1号車のコクピットラウンジは、日光金谷ホテルや大使館別荘などをモチーフにした気品ある空間。日光までゆったりと過ごせるデザインになっており、側面の車窓はもちろん、前方の運転席から先の景色までもが一望できる素晴らしい眺めが最大の特徴だ。
都会を抜け、田園地帯を通過し、日光の山々が見えてくるまでの変化も楽しい。4人、2人、1人掛けのソファを用意しており、家族や夫婦、友人同士など用途に合わせて選べるようになっている。後述するカフェカウンターを優先で利用できるので、座席の争奪戦は必至と言える。
今回の試乗会では、コクピットラウンジ内に設けられているカフェカウンターで提供するメニューも詳細が決まったとのことで公開された。
カフェカウンターは「GOEN CAFE SPACIA X」（ゴエンカフェ スペーシアX）と名付けられ、「ちょっと立ち寄ってみるだけで、日光との『ご縁』が深まる」「見る・聞く・味わう・香る・触れる、という五感を通じて、まだ知らない日光とつながることができる」をコンセプトにしている。
こちらでは、スペーシアX限定のクラフトビール「NIKKO LAGAR」とクラフトコーヒー「NIKKO BLEND」「SEASONAL BLEND」を看板商品として用意しているほか、アペタイザーやスイーツ、スナックなども用意されている。
営業前なので降車してからいくつか試食させてもらったが、どれも美味で並々ならぬ開発陣の力の入れようが分かる。それもそのはずで、フードコーディネーターの水代優氏とともに日光周辺の有名店舗が参画しており、魅力あるメニューを車内で味わえるようになっている。カフェカウンターは1号車の乗客が優先的に利用できるが、2～6号車の乗客もオンラインで整理券を取得することで、指定の時間に購入することができる。
2号車プレミアムシート
2号車は2列タイプと1列タイプを配したプレミアムシート。同社では初となる電動リクライニングを備え、くつろぎながら目的地まで電車旅を楽しめる。
ボタン操作で動作するリクライニングは背もたれが沈み込むと同時に座面が前にスライドするので、自然でより深いポジショニングになるのでとっても楽。そして特筆すべき点は、ネックサポート式可動枕を採用していることだ。これは枕の位置を上下に自由に調整できるほか、後頭部から首の辺りを支える部分の角度を調整できるので、車体が左右に揺れても頭がガクガクと動かずに済む。飛行機旅で活躍するネックピローと同じような感じで頭を固定できるので、とても快適に感じた。
3～5号車スタンダードシート
3～5号車はスタンダードシートを配した車両になる。2列タイプだが、身長170cmで標準体型の筆者が座る分には隣に人がいてもシートの狭さは感じなかった。背もたれは適度にクッションが効いており、快適性は高い。テーブルは前方座席の背面に設置した大きめのテーブルのほか、サイドテーブルも用意されているので、用途別に使い分けることが可能だ。窓はシート1列に対して個窓が設置されているので、景色が楽しめないということもない。
5号車にはスタンダードシートのほか、半個室とも言えるボックスシートが2つ用意されている。向かい合う形の2シートにはそれぞれ通路側にパーティションが設けられており、他人の視線が届かないようになっている。シートの横幅は約80cmあるので、親が小さな子供と一緒に腰かけてもよいとのことだ。パーティションは背の高さほどだが、座ると周囲がほぼ気にならなくるのでテレワークにも使えそうだ。
6号車コクピットスイート＋個室
6号車は1号車と同じく、スペーシアXのなかではプレミアムな車両になっている。すべてが個室仕様で、4つのコンパートメントとコクピットスイートの5部屋で構成されている。コンパートメントはコの字形にソファを配置し、中央に折りたたみ式のテーブルを備えている。扉を閉めればプライベートな空間になるので、ほかの乗客に気兼ねなく過ごしたい家族旅行などに向きそうだ。
最後尾（もしくは先頭）のコクピットスイートはコクピットラウンジ同様に、素晴らしい眺望が自慢の個室だ。11m2の広さで最大定員は7名までになっており、ゆったりと車内を使うことができる。
ソファは固定されていないので、自由に配置換えすることも可能だが、急停止で動かないようにそれなりの重量があるので、揺れでガタガタと動くことはない。ホテルのスイートルーム、プライベートジェットをコンセプトに設計されたスペシャルな空間はラグジュアリー感がそこかしこにあふれている。到着した東武日光でたまたまスペーシアXを見かけた老夫婦も、「高級ホテルみたいねぇ」と窓越しにその感想をつぶやいていた。
運行開始は7月15日で、最初は2編成が導入される予定だ。6月18日にはデビューを記念して東京スカイツリーが特別ライティングを点灯し、カウントダウンイベントも開催される。いよいよ登場する新型車両に期待も高まる。
