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「ヒルトン広島」に行ってみた。美食と地酒が揃うレストラン&バーに、ロクシタンの極上スパを体験!

2022年9月1日 開業

2022年10月22日 グランドオープン

10月22日にグランドオープンを迎えた「ヒルトン広島」

 ヒルトンは、中国・四国地方初となるフラッグシップブランドホテル「ヒルトン広島」(広島県広島市中区富士見町11-12)を10月22日にグランドオープンした。地下1階、地上22階の建物に全420の客室を有し、オールデイダイニングを含む4つのレストラン&バーにコンベンション施設、会議室、チャペルを含む婚礼施設などを備えている。

 前回の記事「『ヒルトン広島』10月22日グランドオープン。地元の自然美と伝統工芸を取り入れた上質な客室&充実施設を見てきた」に続き、本稿では内覧会で体験してきたレストランのメニューやスパについて紹介する。

6階にある「モザイク」(右)と「泉水」(左)は共通の受付

 レストランとバーは主に6階に集中しており、オールデイダイニングの「モザイク」、日本料理の「泉水(せんすい)」、バー&ラウンジの「ZATTA」がある。エレベータを降りると左右に分かれるが、一方に「モザイク」と「泉水」の共通の入口で受付カウンターがあり、反対側が「ZATTA」という造りになっている。

 総料理長を務めるのは米山康晴氏。同じくヒルトンが展開するコンラッド東京にあり、2年連続ミシュラン1つ星を獲得した「コラージュ」などで腕を振るってきた名シェフだ。

 また1階ロビー内にある「フローラウンジ」では、ペストリーシェフ・鷲見真奈美氏がスイーツを手掛けるアフタヌーンティーが味わえる。夕方からはバーとして利用でき、もちろん昼夜問わず楽しめる食事メニューも揃っている。

エントランスホールから入ったところの1階ロビー

豊富な料理をビュッフェ形式で提供する「モザイク」

「モザイク」はラウンジとテラス席を含め172席あるビュッフェ形式のオールデイダイニング。東側にテラス席と大きく開放的な窓があり、午前中は日当たりがよくとても明るい。朝食からランチ、ディナーまで利用できるほか、土日祝限定で提供されるスイーツビュッフェも楽しめる。

ビュッフェ形式のオールデイダイニング「モザイク」の窓際席
窓際は、朝方に日が差し込み明るい
日差しが眩しく感じるときは中間の席へ
さらに囲われ感のあるスペースもある
このスペースは飾られた棚で囲われている
バルコニーのテラス席も用意されている
まるで港に入った船のようなビュッフェテーブルとカウンター
少し離れた位置にもう1つビュッフェテーブルがある
壁面にも棚が用意されている

 大きな船のようなデザインのビュッフェテーブルは大きく2か所に分かれている。サラダやコーヒーなどは壁面に配置された余裕のある造りで、人が集中しにくい工夫がされている。メニューには和食、フレンチ、イタリアン、アメリカン、中南米など世界中の料理が揃っている。

 そのほかカウンターのライブキッチンでは日替わりで提供される世界の麺料理や、朝食では注文に応じて作ってくれるオムレツなどできたての卵料理を楽しむことができた。朝食時には意外にも和食が多めだった。モザイクの営業時間は以下のとおり(カッコ内はビュッフェ料金)。

朝食: 6時30分~10時/土日祝6時30分〜10時30分(3000円)
ランチ: 11時30分~14時(平日3500円/土日祝4500円)
ディナー: 17時30分~22時(平日4000円/土日祝5500円)
スイーツ: 土日祝15時~17時(3750円)

日替わり麺のコーナー。この日はそばとうどん
朝食時はオープンキッチンでオムレツをオーダー
ビュッフェテーブルに並ぶハムやチーズなど
ベーコンやソーセージなどの温かいメニュー
各種ソテーやフレンチトースト、パンケーキ
こちらはランチ時のパエリアなど
フルーツやヨーグルト

3つのエリアで日本料理とお酒を堪能できる「泉水」

 日本料理店「泉水」は、懐石料理の「洵(しゅん)」(24席、うち定員6~8名の個室2部屋)、鉄板焼の「渾(こん)」(31席、うち定員8名の個室1部屋)、寿司の「泔(かん)」(10席)という3エリアに分けられている。

 ミシュラン2つ星の名店「京料理たか木」の高木一雄氏を監修に迎え、料理長はヒルトン大阪の「懐石 川梅」でも料理長をしていた坂本修二氏が務める。

懐石料理「洵」のスペース
鉄板焼「渾」のスペース
寿司「泔」のスペース

 試食会にはヒルトン広島 総支配人のサミュエル・ピーター氏が乾杯に合流。「広島の地元の美味しい食材とマッチするお酒もたくさん用意してお待ちしていますので、ペアリングを楽しんでみてください。ぜひヒルトン広島にお越しください」と挨拶した。

乾杯用の食前酒として提供された「カステッロ・ボノミ」のシャルドネのシャンパン(キュヴェ)
ヒルトン広島 総支配人のサミュエル・ピーター氏が乾杯

 今回は「厳島」という懐石ディナーコースを試食。コース料理の提供に合わせて厳選された5種類ものお酒(ほかシャンパン)が振る舞われた。

 日本酒のメニューがとても豊富なので、お酒好きであれば料理に合うお勧めをスタッフに聞いてぜひいろいろと試してみてほしい。なお以下の料理名は通常明記されずに提供される予定だ。今回はメディア向けに特別に公開されている。

まずは杯で賀茂鶴 純米吟醸「一滴入魂」をいただきながら、先付を味わう
先付は車海老、つるな、ホタテなどが入った五色膾(なます)。広島レモンのジュレがかかっている
椀物には鱧(はも)、絹巻そうめん包み、松茸、三つ葉、スダチ
お造りのマグロ、広島で獲れたタイ、太刀魚
料理に合わせたお酒が注がれていく。こちらはお造りとマッチする広島の今田酒造本店「富久長 海風土(シーフード)」
八寸。枝豆、蛸柔らか煮、辛子レンコン、カマス寿司とミョウガ、里芋あられ揚げ、しめじみじん粉揚げ、小鉢(菱カニとキャビア)
合肴。穴子白煮、茄子翡翠(ひすい)煮、利休味噌、穂紫蘇
揚げ物。鱧磯辺揚げ、ぎんなん、玉ねぎ、べっこうあん
焼き物。牛肉の照り焼き、きのこすき焼き煮、万願寺唐辛子、糸南京、木の芽
さらに料理に合うお酒が注がれていく
おちょこを選ばせてくれた
坂本修二料理長がお釜から鯛御飯を取り分けてくれた
鯛御飯と香の物。ついおかわりしてしまった
デザート。甘酒アイスと季節のフルーツ
今回いただいた5種のお酒。「一滴入魂」「海風土」「双鶴」「龍勢」「神雷」

船のようなカウンターが目を引くバー&ラウンジ「ZATTA」

「ZATTA」のバータイムは17時~24時。店内に入ると、船をイメージした弓なりのバーカウンターが目に入る。頭上には船の航跡波の波紋のようなライトが折り重なり印象的だ。カウンター12席とラウンジ93席の広くゆったりした空間で、一部には囲われ感のある席も用意されている。

「ZATTA」のエントランス受付
ロゴの「TT」は厳島神社の鳥居がモチーフ
船をイメージしたバーカウンター
航跡波の波紋のようなライトが印象的

 メニュー表にはシグニチャーカクテルの詳しい解説が入っているので、バー初心者でも安心。ノンアルコールのカクテルも扱っている。

 またロジェリオ・イガラシ氏監修によるオリジナルカクテルが楽しめるのも魅力のひとつ。イガラシ氏がオーナーを務める恵比寿の「bar TRENCH」は、世界のバーランキングに毎年名を連ねる名店。カクテル大会の審査員も務めているという。

 さらに金・土曜限定で、19時から1時間おきに4回のライブエンターテインメントタイムも開催される。ちなみにヒルトン東京にも入っているこの「ZATTA」のネーミングは「雑多」に由来するそうだ。

広島のクラフトジン「桜尾」を使ったカクテル「3 Citrus」を注文。スパイスの香りがほんのりするフレッシュな一杯
ラウンジは広くスペースに余裕のある造り
壁側には囲われたボックス席もある
訪れたときは演奏していなかったが、夜は生演奏が楽しめる

「ZATTA」でアフタヌーンティーを堪能

 昼下がりの「ZATTA」では、アフタヌーンティーも楽しむことができる(11時~17時)。ペストリーシェフの鷲見真奈美氏が手掛けるスイーツをはじめ、2004年生まれと比較的新しいイギリスの高級紅茶ブランド「ジンティー(JING TEA)」やハーブティー、ウーロン茶、緑茶などのドリンクが揃う。もちろんコーヒー派にもちゃんとメニューが用意されているので心配無用だ。

 ドリンク利用は2時間まで、テーブルは2時間30分までという制限こそあるが、午後の一服には十分な滞在時間だろう。

昼下がりのバー&ラウンジ「ZATTA」でいただくアフタヌーンティー

 鳥かごのようなケーキスタンドで提供される本格的なアフタヌーンティーは4200円。3段あるうちの一番下には、食べ応えあるロブスターミニバーガーなどのセイボリー(軽食)が盛り付けられている。スイーツは甘すぎず、素材の味やトッピングの風味がよく出ている。濃厚なチョコレートや香ばしいヘーゼルナッツなど、細部にこだわりが感じられる。ほかにもプレーンとチョコチップのスコーンとクロテッドクリームなどが供される。

 3段あってもサイズは小さめなので、女性でも1人で食べきることはわけない量。遅めのランチとしてゆっくり過ごすといった楽しみ方もアリだと感じた。

まずは定番のダージリンティで
「オレンジとオーキッド(蘭の花)のムースケーキ」「ミルクチョコレートとアールグレイのムース」「薔薇とラズベリーのマカロン」
「スパイスとヘーゼルナッツのチョコレートケーキ」「ローストピスタチオのエクレア」「無花果と赤スグリのタルト」「カルダモンパンナコッタ」
奥側「トマトカプレーゼ バジルとオリーブオイルキャビア」「シナモン香る南瓜のブルーテ」「トリュフ卵サンドイッチ」手前側「ロブスターミニバーガー柚子胡椒マヨネーズ」「鴨と紫キャベツのビーツタルト」
プレーンとチョコチップのスコーン。苺ジャム、オレンジジャム、 クロテッドクリーム
ドリンクはルイボスやカモミールフラワーなどもある。時間内でゆったり楽しもう

男性も利用OK! 本格スパでフットケアを体験

 本格スパ「Spa by L'OCCITANE(スパ・バイ・ロクシタン)」は5階にある。ロクシタンは、南フランス・プロヴァンス発の化粧品メーカーで、2001年にスパ事業を開始し、現在105店舗を展開している。

 なかでも「Spa by L'OCCITANE」は5つ星ホテル内に併設されているタイプ。ヒルトン広島ではアーモンドのトリートメントルームが国内で初めて設定されている。ホテルの宿泊客でなくても利用可能となっている。

5階にある「Spa by L'OCCITANE」
受付カウンターまわり
まずはカウンセリングを受ける。アレルギーの有無などをシートに記入
ラベンダーのトリートメントルーム

 今回体験したのは「アロマコロジー フットリリーフ」(6780円)という25分のフットケアコース。フットケアやアイケアはお手軽なので、試しにスパを体験してみるのにもちょうどいいメニューだ。

 施術はラベンダーのトリートメントルームで受けた。ロクシタンのスパでは、素材をトリートメントルームのコンセプトに取り入れている。ほかにアーモンド、ローズ、イモーテルがある。トリートメントルームには、シャワーとパウダールームが完備されている。

施術は暗い状態で行なう
パウダールームでガウンに着替える
ラベンダーの香りが充満している
まずは椅子に腰掛けてリラックス
カウンセリング時にお茶を飲み損ねたのでこちらでいただく

 マッサージの力加減は好みで調整してもらえる。足裏を中心にけっこう力強く丹念に行なってくれので、男性の筆者でも物足りないと感じることはなかった。

 今回は短時間のフットケアだったが、その効果はちょっと驚くほど。翌日も温泉に入ったかのように体が火照っていて、全身の血行がよくなったことを実感。施術の開始時と終了時にはアロマコロジータイムもあり、耳のあたりを塞ぎながらアロマを嗅いでリラックスすることができた。

まずは座って洗いながらマッサージ
枕元にラベンダーのアロマをひと振り
足を開いてマッサージ
足首あたりも念入りに
指ごとに重点的にマッサージしてくれる
力をかけてひねるような動作も
最後は拭き取ってくれる

 フットケアが気に入ったら、本格的なボディケアを。お勧めは、ヒルトン広島限定の「シトラス グロウ」(90分2万7346円)や、同じくヒルトン広島限定のフェイシャル&ボディケアの「プロヴァンサル ゴールデン ブリーズ」(120分3万9776円)とのこと。どちらも「シトラスヴァーベナ」を使用したシグネチャートリートメントだ。

 最近では男性客も多く、メニューに男女の区別はないというので、ぜひ未体験の男性にも試してみてほしい。またカップル用に、2名で同時施術できるトリートメントルームも用意されている。

トリートメントで使用したラベンダーのアロマなど
スキンケア商品も販売している
ロクシタンの名を広めた「シア」シリーズ
全方位スキンケアを謳う「イモーテル ディヴァイン」
シルク肌を目指す「イモーテル プレシューズ」
美白ケア向けの「レーヌブランシュ」
柑橘系フレグランス「シトラスヴァーベナ」
アンチエイジング スキンケア「イモーテル ディヴァインハーモニー」
ルームフレグランスとアロマキャンドルもある

原爆ドームにほど近く、宮島も観光しやすい立地

 ヒルトン広島は緑豊かな平和大通りの近くにあり、この平和大通りを元安川や本川方面に進んでいけば、平和記念公園にたどり着く。平和記念公園を散策すれば原爆ドームがすぐに見えてくる。このあたりは片道2km程度で、徒歩で移動可能な圏内だ。

緑豊かな平和大通りはホテルのすぐ近くり
歩道は広く、木陰になっていて散歩しやすい

 さらに、平和記念公園と原爆ドームをつなぐ元安川のたもとには元安川桟橋があり、船で宮島へ直行する「ひろしま世界遺産航路」(大人往復4000円/片道2200円)で、宮島観光ができる。ほぼ30分に1便出航している。

 同じ桟橋からは、リバーシークルーズの「広島リバークルーズ」(25分大人1500円)という、元安川を広島城あたりで往復する観光船も出ている。3人以上で2日前までに予約すれば「元安川・本川ぐるり一周コース」(60分大人2500円)などの周遊観光もできる。

遠くからでもヒルトン広島がよく見える
平和大通りを元安川まで進むと平和記念公園に着く
平和記念公園からは原爆ドームが見える
献花台には人が絶えない
世界が平和でありますように
世界文化遺産の原爆ドーム

 広島に訪れたらやはり「お好み焼きを食べておかないと」、という人もご安心を。Web検索すれば、ヒルトン広島の近場でたくさんの店がヒットするはずだ。店名は伏せておくが地元民の情報によれば、そのなかで最も近いお好み焼き店がお勧めとのこと。

 またこれから冬にかけては、平和大通りはもとより少し山側に離れた「国営 備北丘陵公園」のイルミネーションが圧巻という。ぜひヒルトン広島を拠点に、ちょっと優雅な広島〜瀬戸内の旅を満喫してみてはいかがだろうか。

原爆ドームの横には元安川桟橋がある
宮島に直行する「ひろしま世界遺産航路」の船
こちらは元安川から観光する「広島リバークルーズ」の船
空室・料金チェック