ニュース

JALがファン目線のチャーターフライト実施! 国際線機内食&お土産にブランドポーチ入りアメニティ

2021年5月30日 実施

5月30日に成田国際空港で「trico特別チャーターフライト」を実施した

 JAL(日本航空)は、成田国際空港で「trico特別チャーターフライト」を5月30日に実施した。

 同社と利用者でともに創る旅のコミュニティサイト「trico」の2周年を記念して、会員限定で搭乗者を募集。アンバサダーと呼ばれるサイト利用者のなかでも特に旅への思いが強い会員から出たアイデアやオリジナル企画でフライトを楽しもうという内容だ。価格は1名あたりビジネスクラス(5万2000円)、エコノミークラス(2万9000円)。

 当初は2月に実施予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、5月に延期していた。今回はイベントと機内の様子をレポートする。

JGS社員のお見送りダンスやロビーエリアでの撮影会と搭乗前からワクワクが止まらない!

 新型コロナウイルス感染症の流行により国内外の旅行が難しくなっている現在、JALは国内で楽しめる企画として「チャーターDE海外旅行気分を満喫!」をはじめとするイベントを多数開催している。そのなかでも今回はJAL愛あふれるユーザーとタッグを組み、ファン目線でのチャーターフライトを作り上げた。

 当日はJAL&旅好きの会員ら146名が11時過ぎに国内線チェックインカウンターに集合。約3~4倍と高倍率のなか当選した会員らを迎えるカウンター上のモニターには、当日限りの特別画像を表示。受付スタート時には、カウンター前にスタッフら一同が整列し開始を告げるなど特別感を演出した。アナウンスでは感謝の言葉が並べられ、拍手が起こる場面もあった。

 もちろん受付前に検温と健康チェックシートの記入が必須で、手先の消毒も逐次行なうなど対策を徹底。チェックインカウンターには透明カバー、地上係員は全員マスクをしっかり着用し、場所によっては手袋とフェイスシールドも使用していた。

チェックインカウンターのモニターはスペシャルな画像に
受付開始時にはスタッフらが整列し、特別なアナウンスも放送
出発用のモニターにはJL1065便(トリコ)がしっかり表示されていた
搭乗者に配布された旅のしおり。イベント時のお願いや注意点、機内食など各種紹介を記載
JAL整備士手作りの足踏み式消毒液噴霧器でしっかりと消毒してからカウンターへ
丁寧に検温
健康チェックシートも受付前に記入が必須だった
チェックインカウンターには透明カバーを設置
利用者を近い距離で案内する地上係員もマスクとフェイスシールドを着用
成田国際空港の消毒液設置場所はJALアプリのマップから検索可能

 保安検査場を抜けた先のロビーでは、クイズラリーや特別展示を実施。「機番は何か所塗装されている?」「編集長が20年ぶりに再開したことは?」など難問珍問が続出。周囲からは「難しい!」と悲鳴が上がっていた。同時に「SKY AGAIN~再び空へ~」として利用者に向けての感謝の言葉が綴られたメッセージカードや、JALエンジニアリングのエンジン整備センターの整備士が製作したユーズドパーツを再利用したアートも展示。アートは、ボーイング 747型機のジェットエンジン部分を使用しており、細かな技が光っていた。

保安検査場の先のロビーでは待ち時間で難易度の高いクイズラリーを実施
クイズラリーの問題用紙。編集長の趣味についても出題
「SKY AGAIN~再び空へ~」として社員の言葉が綴られたカードを展示
コロナ禍での応援メッセージや利用者への感謝の言葉があふれる
ボーイング 747型機のユーズドパーツで製作したアート。作品名は「オーケストラ」
使用パーツ箇所などを解説

 フォトブースではロゴ入りバックシートで記念写真も。プロップスを手にし撮影をしたり、スタッフと会話を楽しむ様子など思い思いの時間が過ごせた。さらに、歴代制服を着用したCA(客室乗務員)とも撮影が楽しめるということで、列ができるなど大盛況に。今回は4代目と5代目、6代目の制服を各1名ずつ着用、以前「trico」のイベントに出演経験のあるCAということで話も弾む様子だった。

プロップスを片手に記念撮影がCAと一緒に楽しめた
プロップス使用後はしっかりとアルコール消毒を行なっていた
4代目はスカイブルーと着物のような前合わせがポイント。胸元には真珠で飾られた鶴丸ブローチ
大きなハットとミニスカートのバランスが目を引く。スカーフが初導入された5代目
6代目は細身のベルトとつばあり帽子がアクセント。長袖ボディシャツは3種類ある

 モニターにJL1065(トリコ)便と表示された搭乗ゲート付近では、12時20分にJGS(JALグランドサービス)によるダンスがサプライズでスタート。フラッシュモブのように突然始まったパフォーマンスに、出発ロビーで待つ利用者は釘付け。2021年1月から練習し続けて完成した約2分間のダンスでは、マーシャリング(ハンドリング業務)などで使用される動きを取り入れた、キレのある動きがポイント。イベント後のバゲージ・クレームでも同様のダンスを披露し、喝采を浴びていた。

搭乗ゲートには便名JL1065(トリコ)と表示
JGS(JALグランドサービス)によるダンス。JALを人文字で表現
到着時のバゲージ・クレームでも披露。こちらでは動きの解説付きだった
ダンスを初披露したJGS(JALグランドサービス)の社員たち

 12時25分よりバスに乗り込み駐機エリアへと移動。搭乗時には地上スタッフによる横断幕でのお見送りや記念撮影も実施され、ワクワク感もマックスに。ボーイング 767-300型機へといよいよ乗り込み、飛び立つ準備へと入った。

バスを降りるとスタッフが横断幕でお出迎え
希望すると一緒に記念撮影ももちろん可能だった
駐機中のボーイング 767-300型機

コンテナがぐるりと回転し……。感染症防止対策も万全のなか出発

 機内への入り口ではCAが笑顔で搭乗をサポート。ミニモデルプレーンもちょこんと飾られ愛らしい。こちらでは感染症予防対策として希望者に除菌シートを配布。また、荷物入れなど多くの利用者が触れる場所は手袋着用での作業を行なっていた。

小さな飛行機がお出迎えしてくれた
希望者に除菌シートを配布
荷物入れなど多くの利用者が触れる場所は手袋着用で作業する

 出発前のお見送りでは荷物用のコンテナがぐるりと回転するサプライズ演出。まさかの動きに機内からはシャッターの音が常に鳴り響く状態だった。13時ちょうどブロックアウト、13時18分に離陸し、いよいよ約3時間の空の旅へ出発!

「良い旅を」のメッセージ入りのコンテナが……
ぐるりと回転し……
「いってらっしゃい」に早変わり!

機内イベントがスタート! 久しぶりの国際線の機内食に舌鼓

 機体が安定したタイミングで機内イベントがスタート。まずは「trico」山名編集長があいさつ。空の上でサイト2周年のお祝いができることに感謝を述べつつ、交流の場を楽しんでほしいと話した。機長からのアナウンス後、14時すぎには富士山付近を飛行。雲が発生しており眼下に広がる絶景が一部見づらい状態とはいえ、天気は良好でほぼ揺れることなく快適な旅路が続く。

「trico」編集部の山名編集長が参加者にあいさつ
14時過ぎに富士山が雲のなかから翼の左側に少しだけ顔を出してくれた
北アルプスの槍ヶ岳周辺は美しい姿を見ることができた

 しばし景色を楽しんだところでドリンクと機内食のサービスが開始。CAはマスク、セフティーグラス、使い捨て手袋の着用を徹底。笑顔を大切にしながらコニュニケーションしつつ感染症予防対策に気を配る姿が印象的だった。

 今回の機内食は実際に国際線で提供中のメニューで、まさに食で旅気分が味わるのがポイント。ビジネスクラスは「スカイオーベルジュBEDD」より生江史伸シェフが監修した洋食を用意。オードブルが「菜の花と鶏むね肉のヴィネグレッド和え」「新ジャガイモとモリーユ茸のシェーブルチーズ和え」「小柱とそら豆のトマトクリーム和え」「ワカサギのマリネ バジルソース」。メインは「和牛サーロン 新たまねぎ、新ごぼう、トリュフバター添え」。メゾンカイザー特製ブレッド「プチナチュール」「抹茶のエクメック」。デザートは「ベリーサバラン」に紅茶またはコーヒー。なお、現在は感染症予防対策のために、袋入りまたはフタをかぶせたままの提供となっている。

 和食は三科惇シェフが監修のメニュー。前菜は「銀鱈西京焼き」「煮鮑」など色とりどりの食材がお重に入った「山笑ふ 春の前菜盛り合わせ~春の山々に草木が芽吹き花も咲きほころぶ麗らかな季節」。台の物「蓮オリジナル〆カレー」「牛、春菊、独活、牛蒡」「サーモンフライ、アスパラ」。お味噌汁とごはんに香の物。甘味は「苺、小豆、抹茶プリン」、緑茶となっていた。

ビジネスクラスの洋食メニュー。感染症予防のために提供時はカバーをかけたままだ
ビジネスクラスの和食メニュー。こちらもカバーをかけたままの提供

 エコノミークラスは「RED U-35 ~若き料理人たちによる機内食~」より本岡将シェフが監修した「タイ風ビーフカレー」を提供。サイドディッシュは酢が効きさっぱり味の「白身魚とトマトの焼き浸し南蛮酢漬け」、おだしが効いたナスが絶品の「鶏肉と茄子のみそ炒め」、クルミの食感が楽しい「カボチャとミカンのサラダ」。メインは一口食べた瞬間にふわっとココナッツの香りが広がり、優しい柑橘の風味も合わさり甘めで柔らかな印象の「タイ風ビーフカレー」。そしてサラダも付属。

 なお、食事中は「trico」の2年間の歴史をJAL現役パイロットで構成する「空飛ぶ合唱団」が歌に乗せて動画で紹介してくれた。

エコノミークラスは「RED U-35 ~若き料理人たちによる機内食~」より本岡将シェフが監修
国際線そのままのメニューがうれしい
「白身魚とトマトの焼き浸し南蛮酢漬け」
「鶏肉と茄子のみそ炒め」
「カボチャとミカンのサラダ」
メインの「タイ風ビーフカレー」
彩りも美しいサラダ
食事のタイミングで「trico」の紹介動画を放映

食事のあとは吉田機長によるトークセッション。抽選会も静かに盛り上がる

 食事のあとは吉田機長による約30分間のトークセッションがスタート。機長はマクドネル・ダグラス MD-81型機、MD-90型機を経てボーイング 767型機の業務を現在行なっているという。お気に入りの国内線飛行ルートや、コクピットから眺めることのできるハワイの日の出のグラデーションの素晴らしさなどを紹介。

 また、ボーイング 767型機の針の計器がアナログ感があり大好きとのこと。着陸と車輪の関係を例に、操縦は難しいが腕の見せどころとも話してくれた。さらに出発前の点検ではエンジンに「今日もありがとうございます。よろしくお願いします」と話しかけるなど、767愛あふれるエピソードも飛び出して大盛り上がり。トークセッション後は機内を一巡し希望者にレアなシールの進呈も。

ボーイング 767型機の運航業務を行なっている吉田機長が30分間トーク
トークセッション後は希望者にステッカーを配布
浮世絵風のJALオリジナルステッカーをいただいた

 続いてはJALクイズタイムとグッズ抽選会。ロビーエリアで解いたクイズの答え合わせを兼ねて正解者にJALオリジナルグッズやモデルプレーン、人気テーマパークのチケットなどをプレゼント。歴代制服を着用したCAらがグッズ引き換え券を手渡しし、記念撮影も行なった。

フライト後半も怒濤のイベント。当選者にCAがグッズ引き換え券を渡していた
当選者には引換券を配布。降機後に商品を受け取る
モデルプレーンやクッション、チケットなどが用意されていた

 搭乗特典として好評だったのが現行アメニティの提供。ビジネスクラスは国際線ファーストクラスにて提供しているイタリア老舗ブランド「エトロ」、ならびにビジネククラスで提供するファッション好きに人気の「MAISON KITSUNÉ」とのアメニティキットをプレゼント。

イタリア老舗ブランド「エトロ」のアメニティキット
ファッションブランド「MAISON KITSUNÉ」のポーチ

 エコノミークラス利用者には国際線ビジネスクラスにて提供のセレクトショップ「BEAMS」とのコラボアメニティキットを用意。日本の四季を表現しているとのことで今回は夏バージョンのポーチだった。歯磨きセット、耳栓、アイマスク、ポケットティッシュ、リップクリーム、保湿マスク入り。なお、搭乗証明書兼フライトログも機内にて配布された。

座席にはポーチ入りのバッグが配置されていた
座席の上のバッグにはポーチや搭乗証明書とともに各種グッズも入っていた
コロンとした丸みを帯びたフォルムがポイントの「BEAMS」とのコラボポーチ
裏側は夏らしい水色のボーダー柄
アメニティ一式。ポーチは大きく開くためとても使いやすい
搭乗証明書兼ログブック

 着陸準備のアナウンスが流れ、約3時間の空の旅も終わりの時間に。天気にも恵まれゆったりと空の旅を楽しむことができた。16時20分に成田国際空港へ到着。感染症予防対策により4回に分けて降機することがアナウンスされた。利用者も指示に従い、密にならず安全に移動できた。ほかにも感染症予防対策として機内では、ラバトリー清掃時にガウンとゴーグル、マスク、手袋を着用、ラバトリー内には手指の除菌スプレーの設置。不特定多数が利用する部分のこまめな清掃を実施している。

感染症予防対策の一環として降機時には4段階に分けて案内。乗客も順番が来るまで待機
ラバトリー内の手指の除菌スプレー

 搭乗記念として、降機後にお土産も配布した。バゲージクレームのベルト上を静かに流れてくる手提げ袋を見て思わず笑顔になる利用者も。袋には「航空会社図鑑」「マンガ版 大研究! 日本航空の仕事」「pontaシール」「どこかにマイル手ぬぐい」「ぬいぐるみチャーム」「JALオリジナルバゲージタグ」「trico 特別チャーター オリジナルストラップ」などがぎっしりと詰まっていた。

 特にオリジナルストラップは「エンジン整備センター」の整備士による手作りと注目度も抜群。金属のドリル作業や削り出し技術を活用し、±0.001インチの誤差で加工されている品だ。また、JGSによるダンスによるお見送りや、ファーストクラスで味わえるジャン=ポール・エヴァンの「マカロンセット」もプレゼントと至れりつくせりだった。

フライトの航路。ハート形に飛んでいた
搭乗後のバゲージ・クレーム。ギバーがベルト上を流れてきた
ギバーの「航空会社図鑑」「マンガ版 大研究! 日本航空の仕事」「pontaシール」「どこかにマイル手ぬぐい」「ぬいぐるみチャーム」「JALオリジナルバゲージタグ」「trico 特別チャーター オリジナルストラップ」
「trico 特別チャーター オリジナルストラップ」は整備士による手作りで刻印入り
ジャン=ポール・エヴァンのマカロンもプレゼント
ボックスにはチョコレートをベースにしたマカロンが2個入っていた

 ひとときの旅行気分をファン目線で盛り上げた今回のチャーターフライト。実際に搭乗体験し感じたことは想像以上に感染症対策もしっかりとされ、安心してフライトを楽しめたということ。また、機内食を味わうことでグッと旅感が増し、成田国際空港着陸のころには海外旅行を楽しみ帰国したときのような感覚になることもできた。

「trico」山名編集長は、イベント後のインタビューで「編集部としても初のチャーター企画のため苦労もありましたが、参加された皆さんの笑顔を見て実現して本当によかったと思いました。コロナ禍での開催でしたが、JALの安心・安全のガイドラインを守り定期便同様にしっかりとした対策をしたことでお客さまにも安心して搭乗いただけたのではないでしょうか。今後も周年の節目で同様の企画は行なえたらいいですね」と話してくれた。

 また、企画を担当者した「trico」編集部のTommy氏も「編集部だけでなくJALエンジニアリング、JALグランドサービスをはじめ各現場の社員の力を合わせたからこそ実現できた部分が多くあります。今後もやりたいことにプライオリティを置き、継続的に企画を提供してきたいです」と語ってくれた。

写真左から「trico」編集部の山名編集長、クロちゃん、Tommy