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JAL、新たな地域活性化活動「ふるさとプロジェクト」始まる。「物流と人流で地域と世界をつなげる」と本田氏
2021年4月1日 08:00
- 2021年3月30日 発表
- 2021年4月 開始
JAL(日本航空)は、新たな地域活性化活動「JALふるさとプロジェクト」を4月からスタートする。
前身である2011年5月スタートの「JAPAN PROJECT」、2015年9月にリニューアルした「新・JAPAN PROJECT」(2019年4月に「新JAPAN PROJECT」へ改称)を経て、自治体・企業らとのコラボレーションにより培ってきた経験をもとに、さらに地域を深堀りして紹介、魅力を力強く発信していく。
同プロブラムの初回は、震災10年目の節目を迎えた東北広域を特集。4月~5月の2か月間、機内誌や機内食をはじめJALグループの各媒体を通じて東北広域エリアの見どころをフィーチャー。同時に「東北デスティネーションキャンペーン」では東北6県とJRグループ各社と連携して、空と陸両方から観光需要の創出を図る。
JALならではのオリジナリティで東北を盛り上げていく
3月30日のJALによる会見では、JAL 執行役員 地域事業本部長の本田俊介氏が同プロジェクトについて解説。「新しく進化させながら進めていくプロジェクトとして全社一丸で取り組み、JALにしかできないオリジナリティ、同プロジェクトを起点として継続性を持って進める。
ふるさとと付けたのは地域のことを考え、寄り添いながらとの思いから。約1000名のJALふるさと応援隊、地域に入り活動するJALふるさとアンバサダーとともに盛り上げていく」と意気込んだ。
さらに「私どもは日本の地域と海外で往来がしやすい仕組みを作ってきたが、その場所へ行く理由もしっかり作らなければと思っている」とし、交流人口と関係人口にも触れながら「年末の帰省のように、年に数回その場所に帰るという動きも作っていきたい。そして人流とともに地域産品を扱うなど物流でも世界と日本の地域をつなげ作っていくのが目標」という。
なお、「海外からの声も聞こえているため“日本へ行くならまず東北”と考えていただけるように今回のプロジェクトを通して日本の東北ではなくで“TOHOKU”といえば世界で通じるエリアを目指し情報を発信していきたい」とした。
続いて、リモートでの出席となった東北観光推進機構 専務理事推進本部長の紺野純一氏は、今回の特集について「3月11日の大震災からちょうど10年目、再スタートでもあります。4月1日より東北6県でスタートする国内最大級のデスティネーションキャンペーンともあわせて、東北からの感謝とこんなにも元気だよという今を伝えたい」と話した。
機内食、Web、マイル交換と全方向から東北を応援
「JALふるさとプロジェクト」は前述したように日本の素晴らしさを発信し観光需要につなげることをテーマをした前身の「JAPAN PROJECT」、観光振興と農水産物の販路拡大をテーマとし地域の元気を生み出す「新・JAPAN PROJECT」を経て、地域プロモーションにさらに磨きをかけるべく今回進化したプロジェクトだ。
キーワードは全社一丸、オリジナリティ、継続性。全社員参加型の地域コミュニティを立ち上げ、肩書きや所属を超えて各自が自覚と独自性を持って取り組むという。
地域プロモーション、地域産業支援、交流人口拡大を中心に、機内誌やWeb記事、動画配信から始まり、観光宿泊コンテンツの創出や継続的な旅行商品を造成しながらニューノーマルに適した旅の形の提案。さらに地域文化とともに武士道の精神・文化を体感するサムライツーリズムの推進、インバウンドの受け入れ環境のサポートなどを行なっていく。
また、地域産品を使った商品開発や販路の強化、海外需要に向けた貨物事業を活用した海外展開サポートなども予定しているという。
4月から始まる施策としては月間閲読者数約354万人の機内誌「SKYWARD」内の特集を紹介。4月は宮城、岩手、福島を取り上げ3県の元気な今の姿をお届け。5月は山形と秋田を中心にその地に行きたくなる・見たくなる・食べたくなるをキーワードに記事化する。
国内線ファーストクラス機内食は名店監修の東北尽くしがポイント。4月は岩手県の「ロレオール田野畑」伊藤勝康オーナーシェフが洋食を監修。「故郷を思い出すようなほっとするメニュー」を意識した、岩手県の岩手がもや福島県の川俣シャモ、宮城県仙台黒毛和牛などや野菜をふんだんに使った品々が味わえる。ご飯も宮城県登米産ひとめぼれを俵ご飯で提供する。5月は「山形座 瀧波」の大前卓也料理長監修の和食を提供。こちらは予告での紹介となっていたが、東北ならではの味わいが存分に堪能できる。
茶菓やドリンク類も東北一色に。国内線ファーストクラスでは4月は新食感の和クッキー「とろけるクッキー 抹茶」、希少なカカオの原種クリオロ種を使った「amazon cacao mochi」を用意。また、羽田着便ではJALグループの自社農園で収穫された旬のいちごを使った「DOLCE PORT CHEESE CAKE」も味わえる。5月は山形県産米粉採用でサクほろ食感がたまらない「山形わっしょい」に、つるんとした喉越しとジューシーさが特長の「山形 ラ・フランスきらら」、チーズの美味しさがぎゅっと詰まった「カズノリイケダ アンディヴィデュエル チーズケーキ」となっている。
アルコール類とドリンクも東北ならではの品々を用意。主に前述同様国内線ファーストクラスでの提供となる。4月は日本酒の「墨廼江 純米大吟醸 谷風」。ドリンクは「もへじ シャリっと林檎ジュース」「奥会津金山 天然炭酸の水」を用意。5月は「Viridian ヴィリジアン -天鷲絨-2020-」、ドリンクは「山形代表 ぶどう(赤)」「デリシャストマト丸しぼり」。
共同開発商品やお得なパッケージ、JRとの連携プランも続々登場
会見の後半では、地域産業支援の一例として地域産品を活用した商品開発も紹介。現在青森県産カシスとにんにくを使用した商品を開発中でカルディコーヒーファームやJALショッピングにて7月から発売予定との告知も。また、Webマガジン「On Trip JAL」での東北グルメ旅や「JALふるさとからの贈りもの」にて約140品目の東北にゆかりのある商品を用意し、マイルを使っての交換が可能とのこと。さらに「JALダイナミックパッケージ」では、「ホテルJALシティ仙台」などがプロジェクトと連動し、夕食&お土産付き、ボーナスマイルが250マイル積算されるお得な応援宿泊プランを用意している。
4月1日から9月30日までの半年間、東北6県の自治体と観光関係者、JR6社などで実施する「東北デスティネーションキャンペーン」との連携に関しても紹介。
キャンペーンの目玉であるJALとJR東日本とのタイアップ企画「東北DC Air&RAIL」では、空と陸の両方から東北を周遊するプランを設定。本店国内旅客販売促進部長の倉田勝功氏は「JALチャーター便とJR東日本の特別列車を組み合わせ、東北周遊観光の新しい形を提案しています。JALは東北6県の空港間をこれまでにないルートをチャーター便で運航します。もちろんJR東日本の運行する特別列車ではトロッコ風列車や足湯付きの列車など貴重な乗車体験も楽しめます」と太鼓判を押した。
なお、ポストコロナにおけるインバウンド需要回復を見据えての施策については、JR東日本とのタイアップ企画として「JR EAST PASS」を組み込んだ東北周遊ツアーを設定。「JAL Vacations」にて「TOHOKU Shinkansen Package」として5月上旬より販売予定。アメリカやカナダ、オーストラリアほかが対象国。また、今後も海外での東北PR活動を積極的に展開するとした。
【お詫びと訂正】初出時、株式会社もへじの商品名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。