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JR東海、名古屋城近くで進めるリニア中央新幹線「名城非常口」工事現場を公開。シールドマシン発進のため深さ89mの立坑を構築中

2020年11月12日 現場公開

名城非常口の工事現場

 JR東海(東海旅客鉄道)は、リニア中央新幹線 東京~名古屋間工事のために名古屋市内で進めている名城非常口の工事現場を公開した。

 リニア中央新幹線は沿線各地で工事を進めており、品川駅側、名古屋駅側それぞれの市街地では、地下40mよりも深い「大深度地下」をシールドマシンを使って掘削し、トンネルを施工していくことになり、そのシールドマシンが出発するための立坑(縦穴)として、地表からの深さ約89.1mの名城非常口が構築されているところだ。シールマシンについては、品川駅至近で進める「第一首都圏トンネル」の記事をご参照いただきたい。

品川駅側、名古屋駅側それぞれの市街地では大深度地下をシールドマシンを使って掘削し、トンネルを施工していく
愛知県内のリニア中央新幹線の延長は約24.8km。名古屋市内(約8km)は名古屋駅のほかに、中区三の丸に非常口、中区丸の内に変電施設を設置。春日井市内(約17km)は、西尾町に非常口と保守基地、坂下町・神領町・勝川町にそれぞれ非常口を設置する

 名城非常口の工事現場は、愛知県警察本部と名古屋市役所合同庁舎一号館の間、旧名城東小公園跡地にある。このようなトンネル施工のための立坑は約5km間隔で設置する計画で、リニア中央新幹線開業後は、トンネル内の換気や異常時の乗客避難、保守作業などに使用される予定だ。

立坑は約5km間隔で設置。リニア中央新幹線開業後は、トンネル内の換気や異常時の乗客避難、保守作業などに使用される
名城非常口の工事現場は、愛知県警察本部と名古屋市役所合同庁舎一号館の間、旧名城東小公園跡地にある
名古屋城も肉眼で見える距離

 名城非常口は、立坑予定の外周に「土留め壁」を構築し、土留め壁内の地盤を掘削して立坑を構築していく。おおまかにいうと立坑の枠を先に作って、枠の中の土を掘り出していくイメージだ。2018年からこの「土留め壁」の構築がスタートし、2020年9月に立坑底面のコンクリート打設が完了。現場公開時点では、立坑内部の壁を構築しているところだ。

JR東海「地中連続壁工法による都市部非常口の構築」
地表からの深さ約89.1mの名城非常口
名城非常口の底面
この底面から「品川方面」と
「名古屋方面」にシールドマシンがトンネルを掘削していく
JR東海「リニア中央新幹線 名城非常口 現場公開」

写真/画像/動画提供:JR東海