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JR東海、リニア中央新幹線 品川駅至近で進める「第一首都圏トンネル」進捗を公開。シールドマシン組立は9月完了、2021年度発進へ
2020年7月28日 07:30
- 2020年7月27日 情報公開
JR東海(東海旅客鉄道)は、リニア中央新幹線 東京~名古屋間工事のために品川駅近くで進めているシールドマシン組み立てなどの進捗状況を公開した。
リニア中央新幹線は現在沿線各地で工事を進めており、品川駅側、名古屋駅側それぞれの市街地では、地下40mよりも深い「大深度地下」をシールドマシンを使って掘削し、トンネルを施工していく。
シールドマシンはJIMテクノロジー製造部(三菱重工神戸造船所内)で1月に完成し(関連記事「JR東海、リニア中央新幹線が通るトンネル用シールドマシン公開。2027年・品川~名古屋開業を目指す」)、4月からは品川駅近くの「北品川非常口」(東京都品川区北品川4丁目)へ搬入・組み立て作業が行なわれている。
リニア中央新幹線の東京~神奈川間「中央新幹線第一首都圏トンネル」(約36.9km)のうち、もっとも品川寄りの工区が「北品川工区」(東京都港区港南~神奈川県川崎市中原区等々力、約9.2km)で、北品川非常口でのシールドマシンの搬入・組み立てが2020年度前半で終了見込。2020年度後半は設備の搬入などの発進準備を行ない、2021年度からシールドマシンが発進する。
シールドマシンは、まず北品川非常口から東雪谷非常口を経て等々力非常口までの約8.2kmを、そのあと再び品川非常口から品川駅まで約1kmのトンネルを施工する。
市街地で行なうシールド工法は、地上にビルが建ち並ぶ場所や河川の下など地下水位が高い場所でも安全な掘削が可能。都市部のトンネルは円形で、外径は約14m。トンネルを施工するために立坑を約5kmおきに設置して、営業開始後には立坑は非常口として活用する。北品川非常口の立坑は、2019年12月に中央新幹線の都市部非常口として初めて完成した。
シールドマシンはこの北品川非常口から発進し、地表面からトンネルの上端までが最も深いところで約90mにもなる固い地盤を掘削していく。
シールドマシンの組み立ては、北品川非常口の立坑の地下約83mで行なわれた。カッターヘッドの回転を支えるベアリング、分割されたカッターヘッドを立坑内へ降下して組み立て。9月末に組み立て作業が完了し、10月からシールドマシンを発進口に据え付け、地中に向かって発進させるための準備を行ない、2021年1月ごろに立坑内での準備が完了するという。
写真/画像/動画提供:JR東海