ニュース

京急、スタートアップ企業と“事業共創”する「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM」第3期の10社発表。ロボット・ドローン・AR・キャンピングカーなど活用

2020年6月2日 発表

京急とサムライインキュベートはオンライン会見を開き、「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM(京急アクセラレータープログラム)」第3期の参加企業10社を発表し、各社がプレゼンテーションを行なった

 京急(京浜急行電鉄)とサムライインキュベートは6月2日にオンライン会見を開き、スタートアップ企業とのオープンイノベーションにより新規事業の創出を目指す「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM(京急アクセラレータープログラム)」第3期の参加企業10社を発表した。

 京急グループでは時代の変化に合わせたビジネスモデルの変革を目指し、「モビリティを軸とした豊かなライフスタイルの創出」をビジョンに掲げ、「リアルとテクノロジーの融合による新しい顧客体験」を生み出すため、スタートアップとのオープンイノベーション(事業共創)を推進している。第3期では、「1. 沿線地域にこれまでにない新しい体験を付加するもの」「2. 既存事業領域をデジタル・テクノロジーでアップデートするもの」の2つの方向性で2019年12月から事業案を募集し、97社の応募があった。

 京急の橋本氏はプログラムの概要を説明するなかで、新型コロナウイルス感染症の影響でモビリティやライフスタイルの変化がさらに加速し、「移動の総量」が減るなかで、「移動の価値」をあげるために「鉄道会社として移動先での付加価値、移動したくなる体験を用意する。移動をパーソナルに進化させることが重要」と述べた。

京急、サムライインキュベート、第3期の10社がオンライン会見に参加した
京浜急行電鉄株式会社 新規事業企画室 主査 橋本雄太氏
株式会社サムライインキュベート Partner Enterprise Group 成瀬功一氏が事業共創の環境背景、京急での取り組みなどを解説した
「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM(京急アクセラレータープログラム)」第3期

参加企業:
株式会社AIトラベル
株式会社Elaly
株式会社COUNTERWORKS
Carstay株式会社
SEQSENSE株式会社
株式会社シナスタジア
株式会社JX通信社
scheme verge株式会社
Mira Robotics株式会社
株式会社Liberaware
Webサイト: KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM(京急アクセラレータープログラム)

1. 株式会社AIトラベル

プレゼンテーションを行なう株式会社AIトラベル 代表取締役 村田佑介氏

 AIトラベルは「ビジネスホテル事業における顧客価値の向上」「出張旅客の移動、宿泊各体験の向上」という課題に対し、同社の「AI Travel」とシステム連携することで最適なプランを利用者に提示。「モビリティと移動先の体験を統合したストレスフリーな“ビジネス版MaaS”」を提供するという。

株式会社AIトラベルのプレゼンテーション

2. 株式会社Elaly

プレゼンテーションを行なう株式会社Elaly 代表取締役CEO 大薮雅徳氏

 Elalyは「住宅分譲、賃貸事業における付加価値向上」という課題に対し、家具のサブスクリプションサービス付住宅により、「京急沿線における暮らしの選択肢の多様化により、新しいライフスタイル」を提供するという。

株式会社Elalyのプレゼンテーション

3. 株式会社COUNTERWORKS

プレゼンテーションを行なう株式会社COUNTERWORKS Business Development 小笠原大輔氏

 COUNTERWORKSは「消費者の趣味嗜好の多様化への対応」という課題に対し、京急の駅周辺での可動式ポップアップ店舗の展開、京急百貨店でのポップアップ区画の導入などにより、「リテールテックの活用により駅ナカ・駅近における新しい購買体験」を提供するという。

COUNTERWORKSのプレゼンテーション

4. Carstay株式会社

プレゼンテーションを行なうCarstay株式会社 取締役CSO 岩本舜夫氏

 Carstayは、「首都圏に近すぎる三浦半島における宿泊数、観光消費額の伸び悩み」「魅力的なコンテンツの創出とその効果的な発信」という課題に対し、「三浦半島におけるキャンピングカーを活用した新しい観光体験」によって「可動産の活用により暮らし・働き・遊びが融合した新しいライフスタイル」を提供するという。

Carstayのプレゼンテーション

5. SEQSENSE株式会社

プレゼンテーションを行なうSEQSENSE株式会社 代表取締役 中村壮一郎氏

 SEQSENSEは、「京急グループ所有のオフィスビルや商業施設における警備・点検要員の慢性的な不足」という課題に対し、「警備ロボットの実装」によって「京急沿線の各施設におけるロボティクスの実装、施設内空間のDX化・高付加価値化」を提供するという。

SEQSENSEのプレゼンテーション

6. 株式会社シナスタジア

プレゼンテーションを行なう株式会社シナスタジア CEO 有年亮博氏

 シナスタジアは、「沿線の観光資源のポテンシャル引き出しと体験価値の最大化」という課題に対し、「オープントップバス×VR/ARによる新たな観光スタイルの開発」によって、「XRによる沿線・エリア全体のアミューズメントパーク化」するという。

シナスタジアのプレゼンテーション

7. 株式会社JX通信社

株式会社JX通信社 代表取締役 米重克洋氏

 JX通信社は、「事故や風評などのリアルタイム情報に対する迅速なキャッチアップ」という課題に対し、「SNSリアルタイムの情報の有効活用」によって、「リアルタイム情報の分析・活用でハイパーローカルな情報発信を行ないライフスタイルを最適化」するという。

JX通信社のプレゼンテーション

8. scheme verge株式会社

プレゼンテーションを行なうscheme verge株式会社 CEO 嶂南達貴氏

 scheme vergeは、「三浦半島のエリアの魅力・スポットの再発掘」「地域内の回遊性向上」という課題に対し、「三浦半島の魅力を再発見するローカル徹底特化型観光プラットフォーム構築」によって、「MaaSソリューションを活用したデータ・ドリヴンな都市・観光開発により都市近郊の新たなライフスタイルを実現」するという。

scheme vergeのプレゼンテーション

9. Mira Robotics株式会社

プレゼンテーションを行なうMira Robotics株式会社 代表取締役CEO 松井健氏

 Mira Roboticsは、「京急グループ所有のオフィスビルや商業施設における清掃要員・警備・点検要員に対する慢性的な不足」という課題に対し、「警備を中心としたマルチタスクロボットの実装」によって、「多彩なシチュエーションにおけるマルチタスクロボットの活用、各種業務の高付加価値化」を提供するという。

Mira Roboticsのプレゼンテーション

10. 株式会社Liberaware

プレゼンテーションを行なう株式会社Liberaware 取締役COO 富田竜太郎氏

 Liberawareは、「京急グループ所有の建築物における構造内部の点検の非効率」という課題に対し、「小型ドローンと空間解析技術を用いたメンテナンス業務のリモート化、構造物のデータ収集」によって、「京急沿線の様々な構造空間のDX化
による高付加価値の創出」を提供するという。

Liberawareのプレゼンテーション

 KEIKYU ACCELERATOR PROGRAMの第2期でも早々に事業化や実証実験に至ったものもあり、第3期でも「withコロナ/afterコロナの環境下での安心・安全対策」を重要視しながらアイデアの実現に向けて議論を重ねていくとのことだ。