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空き時間に仕事をサクッと駅ナカで。JR東日本が「STATION BOOTH」を公開。11月28日から実証実験スタート

ブース型のシェアオフィスを東京駅/品川駅/新宿駅に設置

2018年11月26日 公開

2018年11月28日 開始

JR東日本が「STATION BOOTH」を品川駅改札内に設置

 JR東日本(東日本旅客鉄道)は、11月28日より実証実験をスタートする駅ナカのブース型オフィス「STATION BOOTH」の発表会を行なった。これは同社のグループ経営ビジョン「変革2027」の一環で社会的な課題である働き方改革・生産性の向上のサポートなどを目的としている。2019年上期にはブース型のシェアオフィス事業「STATION WORK」として本格始動を目指しており、それに向けた実験となっている。

 社会のニーズに応え、駅の利便性アップと駅ナカで働くという新しいライフスタイルの提案でもある「STATION WORK」は従量課金のブース型「STATION BOOTH」、コアワーキング型「STATION DESK」、そして固定賃料の個室型「STATION OFFICE」の3タイプのサービスを予定。今回の実証実験でのユーザーの意見を反映し、より快適に仕事のしやすい環境にしていくとのことだ。

「STATION BOOTH」の実証実験期間は11月28日から2019年2月20日まで。場所は東京駅、品川駅、新宿駅の駅構内で行なう。利用には会員登録と予約が必要。実証実験中は無料で1日最大30分の利用ができる。

11月28日より実証実験がスタートするJR東日本の「STATION BOOTH」

駅ナカのブース型オフィスで「時間の価値を高める」と表氏

 11月26日の品川駅での発表会では、JR東日本 執行役員 事業創造本部 副本部長 表輝幸氏があいさつ。「駅ナカにおける新しい事業やサービスを迅速に行なっていくことを『変革2027』で掲げており、日本の多様で柔軟な働き方に対応し我々もインフラサービスを提供するべきと考えSTATION WORKと名付け展開することとなりました。

 ブース内は、十分な作業スペースを確保しており遮音性にも優れています。USBポートや電源、無料Wi-Fiも完備し、プラスしてアロマの香りが漂いとても快適に仕事ができるかと思います」と太鼓判を押した。

東日本旅客鉄道株式会社 執行役員 事業創造本部 副本部長 表輝幸氏があいさつ

 なお、11月19日の会員登録スタートから1000人以上の登録、ならびに個人向けの場合は初日も7割ほどの予約で埋まっているという。1日12時間の利用時間で3割程度の稼働を実証実験中は見込んでいるとの話だが、大きく上回りそうな勢いだ。

「今後の展開は実証実験の結果も踏まえ来年度上期の本格始動とともに、2020年までの2年間で『STATION BOOTH』『STATION DESK』『STATION OFFICE』の3タイプで約30か所設置予定。また駅ナカとともに駅ビル、周辺オフィスとも連携を図りつつ広げていきたい」と今後の予定に関しても紹介。なお、本格運用後の価格に関しては現時点では未定としている。

 また同事業は社会貢献的な立ち位置であり、駅が便利に使いやすくなることで結果的に全体の収益につなげていきたいとのこと。

 記者会見後の質疑応答では他社との差別化について言及。ブース内温度やアロマ、駅ナカでの設置など利便性と快適さで差別化を図っていくことや、購入以外での“ことの提案”や“体験の楽しさ”など時間の価値を高める使い方を駅ナカで提案していくことを語った。

 想定している利用方法としては、メールや書類作成に電話など機密性の高い情報を扱う場面でのビジネスユース、また個人としては英会話学習や待ち合わせ前の休憩に身だしなみチェック時などを考えているそうだ。

発表会後に記者からの質問に答える執行役員 事業創造本部 副本部長 表輝幸氏と事業創造本部 事業戦略グループ課長 市原康史氏

 発表会後には「STATION BOOTH」を見学。品川駅には法人向けの「business」2室と個人向けの「personal」の2室、合計4室が用意されている。利用する際は事前に予約を行ない、時間になったらブースの画面をタッチ。するとQRコードが表示されるので、専用サイトの「QRコード読取」でスキャン。キーが解除されると、ブース利用が可能となる。

まずは「STATION BOOTH」を事前予約。時間になったら該当ブースへ
ブースのサイドにある画面をタッチ
表示されたQRコードをスマートフォンで読み取る
キー解除後に扉を開けて中へ

 ブースに入ると室内アナウンスで利用終了時間を告知。また退出時間が近づくと5分前&退出時間にもアナウンスが入るようになっている。室内サイズは品川駅、新宿駅が底辺約1.2×1.2m、高さ約2.2m。東京駅が底辺約1.1×1.1m、高さ約2.2m。

 扉を開けると長めのソファとデスクが固定されている。デスク正面には24インチモニターがある。モニター下には電源とUSBポートを用意。デスク下にはヒーターも完備されていた。扉を閉めると構内の音がかすかに聞こえる程度で、駅ナカという印象がほぼなくなる。穏やかなライトと爽やかなアロマで集中できる環境だと、しばらく利用して感じた。

 室内には安全のため防犯カメラと非常ボタンを設置。緊急の場合は駅のスタッフが開けることができるようにもなっている。なお、今回利用したのは「business」向けのブースだが、併設されている「personal」も設備は同じ内容だ。

室内サイズは品川駅のブースが底辺約1.2m×1.2m、高さ約2.2m
作業をしている様子。足元にも余裕がありオフィスと変わりない印象
「business」向けのブース内部。デスクにノートPCを配置してみた
ノートPCを開いて作業をしてみた。キーボードを打つ際も窮屈さは感じない
正面には24インチのモニターを完備
モニター下には各種電源とUSBポート
デスクの下には冬の寒さ対策でヒーターが付いている
デスクから見た景色。扉横に非常ボタンを設置している
「personal」側も全く同じレイアウト
食事はできないが、作業をしながらドリンクを飲むことは可能だ
利用時間が終了したら速やかに退出
扉を閉めて利用完了となる

 予約に関しては、「STATION WORK」実証実験のWebサイトにて個人または法人で会員登録を行なう。登録後にログインすると「STATION BOOTH」の場所が表示されるため利用希望の駅を選択。次に改札内のマップが表示され、設置場所をアナウンス。「予約」をタップすると最大1か月後、2回まで予約できる。9時から21時まで利用可能だが、1回の利用時間は15分または30分。

 予約が完了すると料金と日時の確認画面へ。「利用・予約」部分をタップするとマップ、キャンセル処理などができる。15分利用の場合は延長処理も可能だ。予約方法は個人、法人ともに同じ。

会員登録し、専用Webサイトで予約。最寄りの「STATION BOOTH」設置の駅をタップ
駅構内のマップが表示されるので、場所を確認し「予約」
1か月先までの利用可能な時間が表示されるので選択
予約が完了。登録したメールアドレスにも予約情報が届く