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阪神高速、2022年度までの中期経営計画発表。淀川左岸線、湾岸道西伸部の整備推進。PA 3か所、出入口遠隔閉鎖装置の整備も

2020年4月24日 発表

阪神高速は2020~2022年度の中期経営計画を発表した

 阪神高速(阪神高速道路)は4月24日、2020~2022年度のグループ中期経営計画を発表した。

 2016年4月に策定した「阪神高速グループビジョン2030」に基づき、2019年度までに実施していた取り組みに対し、構造物の老朽化や災害の激甚か、2025年の大阪・関西万博も見据えた関西の成長に合わせたミッシングリングの整備、高速道路における交通安全上の課題顕在化などの社会情勢を踏まえて策定された。

 重点施策は「リニューアルプロジェクトや災害対応力の強化」「ネットワーク整備の推進」「お客さま満足の向上」の3点を掲げる。

 2015年度から実施しているリニューアルプロジェクトについては、今後、14号松原線などで橋梁を付け替えるなどの大規模更新工事を本格化。災害発生時の利用者の安全確保に確保向け、遠隔操作により料金所の入路を迅速に閉鎖/解除できる装置を2022年度までに約100か所に導入する。

阪神高速 中期経営計画(2020~2022)概要
「リニューアルプロジェクト、災害対応力の強化に向けた取り組み」概要

 ネットワーク整備は、湾岸線と第二京阪道を大阪市街地の北部で接続する「淀川左岸線延伸部」「淀川左岸線2期」の事業を推進。大深度に適用できるシールドトンネルの掘削に向け、経済性に優れる工法やセグメント材料などの設計、検討を進める。

 また、大阪湾岸道路西伸部 六甲アイランド北~駒栄間の事業では、連続斜張橋、1主塔斜張橋の実現に向けて建設に必要な技術開発を推進。主な耐震、耐風検討をおおむね完了する(関連記事「六甲アイランド/ポートアイランドに架かる大阪湾岸道 西伸部の橋梁は、主塔/径間数の異なる2形式の斜張橋に」)。

 渋滞対策としては、車線拡幅などの抜本対策だけでなく、車線運用の改善や速度回復誘導灯などの設置といった対策も推進。

 速度回復誘導灯はこれまで3号神戸線(上り)深江付近、13号東大阪線(下り)森之宮付近、4号湾岸線(上り)大浜~三宝間に設置されており、2020年度には11号池田線(下り)福島付近、同(上り)塚本付近への設置を計画している。

「ネットワーク整備の推進」概要
2020年度の速度回復誘導灯の展開について

 お客さま満足の向上については、交通事故削減に向けてカラー舗装や逆走/誤進入を防止するためのさまざまな取り組みを実施。2019年度の交通事故件数4850件(見込み値)を、2022年度には650件減の4200件とすることを目指す。

 また、PA(パーキングエリア)サービスの拡充や混雑状況を事前に知らせる表示板の設置を推進。本線料金所跡地へ、新高石PA(北行)新泉大津PA(関空方面)、新中島PA(関空方面)の3か所を2022年度までに新設(PA名称はいずれも仮称)。新高石PAは2022年度内のオープンを予定している。

 このほか、ETCカードの挿し忘れや差し込み不良を事前に知らせるETCお知らせアンテナを15か所以上に新設。ETC2.0を活用したニーズに沿った情報提供を推進。情報提供については道路情報板内容や、経路・料金検索サイトなどの充実も図る。

「お客さま満足の向上」概要
2020年度のPA展開